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2021年06月03日

エクストラリガも終了(五月卅日)



 女子のインテルリガに続いて、男子のエクストラリガも、日曜日の午後の決勝の最終戦で、終了し最終順位が決定した。

 優勝と準優勝以外はすでに決まっていて、下から紹介すると、9位から12位の4チームで行われたプレーアウトと呼ばれる追加のリーグ戦は、レギュラーシーズンの勝ち点をそのまま持ち越すこともあって、順位に変動はなかった。つまり、9位ブルノ、10位フラニツェ、11位ノベー・ベセリーで、最下位に終わったのはブルノの一地区であるマロムニェジツェ。例年なら最下位のチームは降格、年によっては2部の優勝チームと入れ替え戦ということになるのだが、男子も2部リーグが4節で中断して、そのまま再開されなかったので、降格と昇格があるのかどうかは不明。

 プレーオフの初戦、準々決勝で負けた4チームの順位決定戦は、女子のプレーオフ同様、それぞれのホームで1試合ずつ行う。レギュラーシーズンを5位で終えたフリーデク・ミーステクと8位のズブジーの対戦は、二試合ともホームのチームが1点差でまけたのだが、アウェーゴールの差でズブジーが5位決定戦に進出、6位のイチーンと7位のコプシブニツェは、ホームでの初戦を引き分けたコプシブニツェが、二試合目に勝って勝ち抜け決定となった。どちらも下位のチームが勝ちぬけた形になるけど、もともと5位から8位までは勝ち点1しか差がなかったのである。
 7位決定戦は、イチーンが二連勝、5位決定戦もズブジーが二連勝で、最終的な順位は5位ズブジー、6位コプシブニツェ、7位イチーン、8位フリーデク・ミーステクとなった。

 ドゥクラとロボシツェの対戦となった三位決定戦は、ドゥクラが圧倒して三連勝した。特にロボシツェでの第二戦では、14点差という大差での勝利だった。ロボシツェもカルビナーとの準決勝では予想以上に善戦していたけれども、選手層の薄さはどうしようもなく最後に力尽きたということころだろうか。長年チェコリーグの得点王争いを続けてきたモトルも大ベテランになって、そこまで頼れないし、スウェーデンから読んできたヨンソンもシーズン終盤でお疲れ気味だった。トルコフスキーの成長が期待といいたいところだけど、そのうちドイツに買われていくんだろうなあ。

 最後は、カルビナーとプルゼニュの決勝である。カルビナーで行われた初戦は、27−26でカルビナーが1点差の勝利。前半はカルビナーが優勢で、このまま押し切るかと思って見ていたのだが、前半終了間際に交代したキーパーにパツルの7mスローを止められたあたりから雲行きが怪しくなった。前半は得点を重ねていたパツルのシュートが、ことごとく止められるようになってしまい、逆転されて何度も2点差をつけられてしまうのである。最後は再度逆転して何とか逃げ切ったけれども、怪我で二度も試合を離れたソラークが10点得点の活躍だった。

 プルゼニュでの二試合目は、チェコテレビで放送がなかったため見ていないのだが、初戦で、特に後半はほぼシャットアウトされていたパツルが、レギュラーシーズン得点王の実力を発揮して14得点を挙げたものの、引き分けに終わった。後半に入ってカルビナーがリードする展開が続いていたようだが、守りきれなかった。プレーオフでは引き分けはなく7mスロー合戦を行うのだが、カルビナーの弱点が7mスローなのである。プルゼニュのキーパーの準備が上だったというべきかも知れないが、7mスロー合戦でプルゼニュの勝ちが決まった。

 三試合目も7mスロー合戦の末にプルゼニュが勝った。この試合前半からどちらもミスの多いロースコアの試合で、20−20で引き分けたのだが、7mスロー対策はプルゼニュのほうが上だった。この試合でカルビナーにとって痛かったのは、ゲームメーカーであるムロテクが怪我で途中から欠場したことだった。代役のルージャはまだ経験が足りておらず、かつての空回りしていたムロテクを見るような気がした。サイドのスカリツキーのシュートが全部止めれらたのも痛かったなあ。

 四戦目はホームのプルゼニュが終始優勢に試合を進めていて、残り5分で3点リードしていたときにはこれで決まりだと思われた。観客も一部入場が許可されていて応援する側のこれで優勝は決まりだという雰囲気が選手たちにも影響を与えたのか、シュートが決まらなくなり、カルビナーが4連続得点で終了間際に逆転に成功した。

 そして、今日の最終戦では、許可された観客の数も増えて、例年通りとは行かないもののかなりの声援の中で試合が行われた。そのせいかどうかはともかく、前半のカルビナーは最悪だった。ミスを連発した上にシュートを外すことも多く前半は16−9とプルゼニュの7点リードで終了。後半開始直後も悪い流れは変わらず、最大で9点差つけられたのだ。そこから盛り返して2点差にまでつめよったものの、肝心のところでミスが出て、最終的には27−24でプルゼニュが勝ち、エクストラリガ優勝を決めた。
 個人的にはカルビナーを応援していただけに残念な結果だったが、プルゼニュのゴールキーパーたちの徹底したカルビナー対策が成功した結果だとも言えそうだ。選手としてはカルビナーのキーパーもプルゼニュに負けてはいないのだろうけど、7mスローをはじめ相手の中心選手のシュートに対する対策ではプルゼニュのほうがずっと上を行っていた。この辺は監督の元代表GKシュトフルの果たした役割が大きいんだろうなあ。カルビナーのシュクバジル対策はうまく行っていなかったし。
 とまれ、上位4チームノ順位は、1位プルゼニュ、2位カルビナー、3位ドゥクラ、4位ロボシツェとなった。

 それよりも何よりも、今シーズンが無事に最後まで終わったことを寿がなければなるまい。去年は中断したまま再開できなかったし、今年も一度は中断したわけだから。世界的なパンデミックで日常性の崩壊した現在、非日常の局地であるオリンピックは開催する必要はないと思うが、日常を構成するスポーツは多少のリスクは承知で開催し続けるべきであろう。
2021年5月31日24時30分。










2021年06月02日

インテルリガ終了(五月廿九日)



 テレビでは全く放送されず、存在を忘れてしまいそうになるハンドボール女子のインテルリガのレギュラーシーズンが終わり、いつの間にかプレーオフが始まっていた。スロバキアのほうは知らないが、チェコ側のプレーオフは終了して最終的な順位が決定した。予想通り今年もまたモストが優勝。これで八回目だというが、来シーズンはコレショバーがドイツから帰ってくるからさらに強くなりそうである。
 ハンドボール女子のインテルリガは、チェコとスロバキアの二カ国共同で開催されているが、最終的にはそれぞれの国のチームだけでプレーオフを行って、優勝チームを決めることになっている。出場チームはチェコが8チーム、スロバキアが4チームの計12チーム。チェコ側では上位4チームが優勝を争うプレーオフに進出し、下位4チームは最終順位を決める追加のリーグ戦を行う。例年は再開のチームが降格するのだが、今シーズンはどうなるかわからない。二部リーグが感染症対策で中断して再開されなかったため順位が決まっていないのである。

 とまれ、レギュラーシーズンの順位は、上から、モスト、ミハロフツェ、ドゥナイスカー・ストレダ、オロモウツ、スラビア、シャリャ、ポルバ、ズリーン、ピーセク、プルゼニュ、プレショウ、ホドニーンの順番。チェコ側のプレーオフは、モスト対ポルバ、オロモウツ対スラビアの準決勝で始まった。
 女子のプレーオフはそれぞのれホームで1試合ずつ行って、一勝一敗の場合は二試合合計の得失点差で勝ち抜けチームを決めることになっている。引き分けの場合も男子とは違って、7mスロー合戦は行わない。以前は先に二勝したチームが勝ち抜けとかやっていたような気もするのだが、この辺のルールはころころ変わるので、今年だけの特別ルールかもしれない。

 モストとオストラバの一地区であるポルバの対戦は、ポルバでの初戦が23−21、モストでの第二戦が26−18でどちらもモストの勝利。予想通り最近のチェコ最強チーム、モストがあっさり決勝進出を決めた。思い返せば、ポルバもそうだけど、モストもこちらに来たばかりのころは、一部リーグには存在しなかったんだよなあ。
 もう一つの、こちらに来たばかりのころも優勝争いをしていたオロモウツとスラビアの対戦は、プラハでは24−22でスラビアが、オロモウツでは27−25でオロモウツが、どちらも二点差で勝って、対戦成績だけでなく得失点差でも並ぶという結果になった。ただし、いわゆるアウェーゴールの差というやつでスラビアが決勝に進出。このルールも正直意味不明で、無理にサッカーなんぞに合わせずに延長するなり、7mスロー合戦をするなりすればいいと思うのだけどなあ。

 スラビアとモストの対戦となった決勝は、25−21、33−21でモストが圧勝。中断したまま終了した昨シーズンを除けば、初優勝だった2012/13年のシーズン以来、これで八連覇である。スラビアは5シーズン連続の5位とここ数年毎年上位は同じ結果になっている印象である。だからこそスラビアを応援していたのだけど、オロモウツに勝ったチームだし。

 3位決定戦は、ポルバでの試合はポルバが22−20で勝ち、オロモウツでの試合は17−17という極端なロースコアで引き分けに終わった。それで、ポルバが3位、オロモウツが4位ということになった。今年はレギュラーシーズンが終了した時点で、チェコ側で2位だったから、メダルも期待できるかと思っていたのだけど、ジャガイモメダルに終わってしまった。以前は毎年のように優勝を争い、3位以内に入っていたのだけど、ポルバとそれに続くモストの台頭でオロモウツの成績は下降気味である。最後の入賞したのはもう十年以上前になるのかなあ。

 チェコ側の5位から8位のチームで行われた追加のリーグ戦、いわゆるプレイアウトの結果、決まった順位は、5位ピーセク、6位ズリーン、7位プルゼニュ、8位ホドニーンである。以前1部で活躍していたベセリーやクノビツェの名前が消えている。スポンサーが撤退でもして強いチームを維持できなくなったのかなあ。時代の流れというのは残酷なものである。
2021年5月30日25時。










2021年05月06日

ハンドボール男子ヨーロッパ選手権予選(五月三日)



 運動不足がたたったのか、一日中椅子に座っているのがよくないのか、腰痛が出た。体を前に倒したり、起したりする際に腰にひどい痛みが走り、PCの前に座っているのにも支障が出るようになった。それで、カイロを腰に当てて温めていたのだけど、すぐには快復せず、三日ほどPCの使用を制限することにした。以前のように何日も余裕を持って書き進めていれば、更新も継続できたのだろうけど、自転車操業中ではそれも叶わず、お休みということになってしまった。

 さて、ハンドボールの男子代表は、先週の水曜日からウクライナ、フェロー諸島、ブルノと移動して、中一日で三試合行ったのだが、最初のウクライナでの試合に、28−26で勝利した。この結果と木曜日の他のグループの結果から、チェコ代表の勝ちぬけが決定したらしい。残り二試合で連敗してグループ3位になったとしても、他のグループの3位チームとの比較で、上位にくることが決まったからだと言うのだけど、よくわからなかった。この時点では、チェコだけでなくウクライナも勝ち点5で並んでいたのに、ウクライナの勝ち抜けは決まっていなかったのである。
 金曜日に行われたフェロー諸島での試合は、相手がここまで全敗だったこともあって、チェコが勝つのは間違いないと油断していたら、26−27で負けてしまった。前半開始直後を除いてずっとリードする展開だったのに、最後の最後で逆転されてしまったようだ。出場した選手を見ると、そこまでメンバーを落としたようには見えないので、ウクライナからの移動の疲れとか、勝ち抜け決定で気が緩んだとか言うことかもしれない。試合は見られなかったのでなんともいえないのだけど。

 昨日の日曜日に行われた最終戦を前に、チェコは予選勝ちぬけが決定し、ウクライナはチェコに勝たないと勝ちぬけが決まらないという状況だった。どういうことかと確認したところ、各グループの3位チームの全獲得勝ち点ではなく、勝ち抜けた上位2チームとの対戦で獲得した勝ち点が問題になるようである。つまり、チェコはウクライナとの試合に負けて3位になっても、1位のロシア、2位のウクライナから獲得した勝ち点が3で、3位チームの中では最上になることが決まっているのに対して、ウクライナは、チェコに負けた場合には1、引き分けた場合には2となり、他のグループの結果如何では予選敗退の可能性もあったようだ。
 試合開始直後は、チェコのディフェンスが機能せず、長身選手の多いウクライナにロングシュートを軽々と決められてリードを許したのだが、その後、ほぼ守備専門で出場したソラークを中心にブロックが決まるようになると、コーチ兼任のキーパーのガリアのセーブも増え、チェコが逆転して、前半は14−11と3点リードで終了した。後半も常に3点以上のリードを保っており、最終的には27−22と5点差で勝つことができた。

 全体的には、安心してみていられる試合で、ドゥクラのクリーマとか、怪我明けでちょっとしか出なかったカルビナーのパツルとか、若手選手の活躍が目立ち、今後のチェコ代表に期待を持たせる結果となった。ちょっと残念というか、もったいないと思ったのは、これも若手でありながらすでに国外でプレーするピロフで、明らかにシュートを打つべきところで、パスをして、パスミスになったり、カットされたりする場面が多かった。
 ピロフは、大砲カシュパーレクが欠場していた今回の予選では、唯一の左利きのセンタープレーヤーということで、出場時間も長かったのだけど、せっかくいいシュートを持っていながら、もったいないことである。相手に、最初からシュートはないと見切られているようにも見えた。パツルやクリーマよりも若いようなので、経験不足なのかな。今後の成長に期待しよう。

 せっかくチェコ代表が出場を決めたのだけど、ヨーロッパ選手権はチェコテレビでは放送できないのが残念である。かといって有料放送に手を出すほど見なければならないと強迫観念に囚われているわけでもないしなあ。とりあえずはグループステージを勝ち抜けることを期待しておこう。その前に、12月に女子代表の世界選手権があるのか。こちらはチェコテレビで見られるはず。

 ところで、負けてしまったウクライナだが、他のグループの3位チームも成績が振るわなかったおかげで、勝ちぬけが決まった。全部で8つのグループの3位チームのうち、上位2チームとの対戦で、勝ち点を取れなかったチームが4つ、勝ち点2を得たチームが3つあり、ウクライナは勝ち点1で4位となり、ぎりぎりで勝ち抜けることができたようだ。
2021年5月4日21時。









2021年04月29日

エクストラリガ・プレイオフ(四月廿六日)



 水曜日から来年のハンドボールの男子ヨーロッパ選手権に向けた予選の三連戦が行われるのだが、状況はあまり芳しくない。一月のフェロー諸島との連戦が延期されたせいで、今回水曜日にウクライナで、金曜日にフェロー諸島で、日曜日にはチェコで試合が開催されるため長距離移動を余儀なくされるのである。対戦相手で勝ち抜けを直接争うウクライナは、ウクライナからチェコに一度移動するだけでチェコとの二連戦が住んでしまうわけだから、日程上の、移動距離の不利は明らかである。

 問題はそれだけではなく、ドイツリーグが感染症対策のために延期になった試合を、この代表の試合が行われるために本来はリーグ戦が行われないことになっていた期間に入れる決定をしたせいで、ババークやムルクバなど、チームの主力の中に多いドイツのチームでプレーしている選手たちが、代表に参加できるかどうかが怪しくなってしまった。一人、二人ならこれまでも欠場する事はあったけど、数が増えるとチェコ代表としては苦しくなる。欠場者が少ないことを祈るしかない。
 前監督のクベシュとフィリップが示したように、チェコリーグの選手たちも使い方によっては十分な戦力になるのは確かだけど、中心選手として勝敗の責を負わせるには早すぎる。おまけにチェコ国内のエクストラリガは、現在レギュラーシーズンを終えてプレイオフがたけなわである。例年以上に接戦が多く、代表に呼ばれるレベルの選手は、それぞれのチームの中心選手として奮闘しているから、負担も大きくなっている。

 ハンドボールのエクストラリガは、全14チームで、上位8チームがプレイオフに進出する。準々決勝では、1位と8位、2位と7位、3位と6位、4位と5位という組み合わせで対戦する。例年は上位チームが3連勝で進出を決めることが多く、予定されていたテレビ中継がなくなって不満を感じることが多かったと思うのだが、今年は、準々決勝で3−0で準決勝進出が決まったのは3位のドゥクラとイチーンの対戦だけだった。2位のプルゼニュと7位のコプシブニツェ、4位のロボシツェと5位のフリーデク・ミーステクの対戦は、それぞれ3−1で上位チームが勝ちぬけた。

 驚きだったのは、1位のカルビナーが8位のズブジーに大苦戦をしたことで、唯一5試合目までもつれ込んだ。カルビナーが最初の試合で、37−30と圧倒したときには、このまま3連勝でおしまいだろうと思ったのだが、二戦目以降大接戦が続いた。一試合目に続いてカルビナーで行われた二試合目では、後半終了時点で26−26の引き分け、7メートルスロー合戦に持ち込まれた。5人ずつ終わった時点でも28−28の引き分け、7人目で29−30となってズブジーが勝利した。
 ズブジーで行われた三試合目と四試合目も大接戦となった。三戦目は一時カルビナーが、13−7と6点差をつけたものの、そこからズブジーが前半終了間際に5連続得点をあげ、後半開始早々に13−13と追いついた。その後は一進一退の攻防が続き、25−25で試合終了。7メートルスロー合戦にも連れ込んだ。カルビナーが4人連続で決めたのに対して、ズブジーは4人目、5人目が決められずに、29−28でカルビナーの勝利となった。四試合目は7メートルスロー合戦にはならなかったが、23−24でズブジーの勝ち。カルビナーでの五試合目が行われることになった。
 最終戦は、流石にカルビナーが地力を発揮して、前半開始直後以外は終始リードを保って試合を進め、最後は29−24と5点差で勝利した。これで準決勝進出を決めたのだが、1位でプレイオフに進出したチームが最後に勝ち抜けを決めたということになる。三試合目の7メートルスロー合戦で負けていたら敗退していた可能性もあるのだから、本当にぎりぎりだったのである。

 この苦戦の疲れが出たのか、ロボシツェとの準決勝の初戦も、29−30と1点差で負けてしまう。二戦目は31−28で勝ったものの、またまた予想外の大苦戦だった。三試合目でようやくカルビナーが強さを発揮して、33−23という大差で勝ったところで、代表のための休止期間に入った。カルビナーからはソラーク、ボイテフ・パツルなんかが代表に呼ばれることが予想されるのだが、接戦の連続で出場時間が長くなっているのが心配である。

 もう一つの準決勝のプルゼニュとドゥクラの対戦は、プルゼニュが二連勝した。一試合目は31−23と大勝、二試合目は32−31と一点差だった。このまま三連勝で決まるかと思っていたら、ドゥクラが頑張って、三試合目は27−29でドゥクラの勝利。こちらも四試合目が行われることになった。そういえばドゥクラというチームは、以前のプレーオフでも、一試合目はボロ負けでも、二試合目以降は対策を立てて接戦に持ち込んだり、勝利したりすることが多かったような記憶もある。
 とにかく、プレーオフで活躍する選手たちが代表でも活躍して、ウクライナとフェロー諸島相手に三連勝することを期待しよう。ドゥクラのクリーマとか、ロボシツェのトルコフスキーとかも期待できるんじゃないかと思う。
2021年4月27日24時。








2021年04月23日

世界選手権予選プレイオフ(四月廿日)



 去年の十二月のヨーロッパ選手権では、スウェーデン、ロシア、スペインというハンドボール大国相手に善戦はしたものの、一勝もできずにチェコに帰ってきたハンドボールの女子代表だが、今年の十二月にスペインで行われる世界選手権の予選のプレイオフで、スイスと対戦した。スイスはこれまでヨーロッパ選手権にも、世界選手権にも出場したことのない国なので、チェコがあきらかな勝ち抜け候補と見られていた。
 このプレイオフ、第一戦はチェコのズブジーで行われたのだが、事前の準備段階からニュースになっていた。一月の世界選手権に出場できなかった男子チームの失敗を教訓に、本来の代表チームとは別に、もう一チーム分選手を集めて予備代表チームを召集したのである。もちろん練習は別の場所で行われ、本代表が試合会場でもあるズブジーで事前合宿をしていたのに対して、予備代表は山をひとつ越えた温泉街のルハチョビツェを拠点に、本代表と同じコンセプトで練習をしていたらしい。

 幸いなことに、チェコチームの選手、関係者からは、定期的な検査で陽性者が出ることなく、土曜日の試合を向かえたのだが、チェコ代表大苦戦だった。試合開始直後から若手の有望選手をそろえたスイス代表にリードを許し、試合終了間際まで追いかける展開が続いた。同点までは行くのだけど、逆転のシュートが決まらず、見ているほうをやきもきさせてくれた。経験不足のスイスチームがチェコ代表のミスに付き合ってくれることも多く、点差が最大でも前半は3点、後半は2点までしか開かなかったのは幸いだった。
 残り2分で、チェコが26−26の同点に追いつき、残り15秒ぐらいで、コルドフスカーのシュートが決まって、チェコ代表がこの試合初めてリードを奪ったときには、これで勝てたと思ったのだが、スイスの速攻にディフェンスが対応しきれず、同点に追いつかれてしまった。もったいない引き分けだったけれども、負けてもおかしくない試合だった。全体的に攻撃がうまく行っていない印象で、コレショバー(旧姓ルズモバー)の不在と、イェジャープコバーのシュートが決まらないのが痛かった。

 そして第二戦がスイスで行われたわけだが、キーパーのクドラーチコバーが日曜日の検査で陽性判定が出たため出場できなくなった。月曜日に行われた確認のための検査では、陰性の判定が出たというからいわゆる偽陽性だったのだろうが、スイスに向かうには遅すぎた。チームはすでに代理代表からキーパーを一人合流させて出発した後だったのである。
 もう一人の主力キーパーであるサトラポバーは、怪我のためにこのプレイオフには召集もされておらず、この大事な試合でゴールを守るのは、まだ代表経験もそれほど多くないハナ・ムチコバーということになった。そのムチコバーが、スイスのシュートを何本求めて、勝利の立役者の一人になるのだから、わからない。もう一人の立役者はズブジーではあまりシュートが決まらなかったイェジャープコバーでチームの得点の半分以上となる15点をたたき出した。

 この試合も、スイスに先制点を許し、0−3とリードされたときには、初戦の再現になるのかとげんなりした気分になったのだが、15分過ぎには逆転に成功して、14−11と3点リードで前半を終えた。後半開始後もチェコがリードを広げ最大で7点差をつけることに成功した。その後スイスが持ち直して4点差まで詰められたけれども、再度突き放して28−22と6点差で勝って、世界選手権の出場を決めた。
 この試合、スイスが予想外の健闘を見せて、チェコ代表は苦戦したけれども、最後は実力の差を見せ付けたとまとめると、ちょっとスイスを見下ろしすぎだろうか。チェコではあまり見かけない大型のセンタープレーヤーが、9メートル、10メートルの距離からロングシュートを決めているのを見ると、当然外すこともあったわけだけど、このスイス代表は今後強くなりそうである。オランダの例もあるしさ。

 さあ、次は25日から始まる男子代表のヨーロッパ選手権の予選三連戦である。ウクライナには何とか勝てると思うのだけど、現在の状況では何が起こっても不思議はない。残念なのはチェコテレビで放送してくれるのが、最後の5月2日のブルノでのウクライナ戦だけだということ。他のウクライナとフェロー諸島での試合は、有料テレビが放映権を持っているようである。
2021年4月21日24時。










2021年03月17日

引き分け(三月十四日)



 もったいない、本当にもったいない試合、勝てる試合、いや勝つべき試合だった、というのがロシアとの試合の感想で、同時に最後負けなくてよかったというのも否定できない。とまれ、チェコ代表は、特に前半の25分ぐらいまでは、格上のロシアを相手に、完全に試合を支配していた。このまますんなりいくとは思わなかったけど、勝ってほしかったなあ。

 前半の立ち上がりは、フェロー諸島との試合と似ていた。チェコはディフェンスとキーパーの連携で、ロシアの攻撃をしばしば止め、最初に失点したのは五分過ぎのことだった。その一方で、ロシアのキーパーはチェコの選手たちのシュートを止めることができず、チェコのリードは次第に大きくなり、最大で4点差をつけたのである。このまま4点差で終わっていればよかったのだろうけど、チェコのミスも多く、最後にキーパーのいないゴールに超ロングシュートを決められて、16−14と2点リードで前半を終えた。
 よかったのは、守備専門のフランツとソラークのカルビナーコンビが、退場を食らうことなく攻撃的な守備でロシアの攻撃を分断できていたこと。特にフランツは今回の予選のロシアでの試合が代表初出場だと言うのに、代表になれたベテランのような存在感を発揮していた。髭を生やしていることといい、大柄な体格といい、プレー振りといい、ホラークと見間違えてしまいそうなぐらいだった。フェロー諸島との試合では早々に二回目の退場を食らって、守備での出番を減らしたソラークも、この試合では、比較的慎重にプレーしていたのか、前半は退場なしで切り抜けた。

 逆によくなかったのは、ウジェクが最初のほうこそポストプレーがうまく行っていたものの、次第にロシアのディフェンスとのポジション争いに負けて、ポストプレーが機能しなくなっていたこと、それと関連してゲームメーカーであるババークのポストへのパスが奪われて速攻を食らう機会が多かったこと、怪我が治りきらないカシュパーレクがあまりシュートを打てなかっただけでなく、パスミスも目立ったことだろうか。ムルクバが止めたボールを確保できないシーンも二回ほどあったし、もったいないプレーがいくつもあったせいで、ロシアの追い上げを許してしまったのである。
 ポストプレーヤーに関しては、前半の途中でフェロー諸島との試合ではベンチにも入っていなかったペトロフスキーが出場したのには驚いた。アナウンサーの話では、ドイツの中でも、規制の厳しい州のチームでプレーしているため、代表に合流してから練習に参加するまでに時間がかかったらしい。同じドイツでプレーする選手でもババークは最初のロシアでの試合から出場していたし、ドイツのやることもわけがわからない。

 後半が始まることにネットの状態が悪くなって、見られるようになったときには、18−18の同点に追いつかれていた。その後逆転されて2点差つけられたのだが、相手がミスしたり、キーパーのムルクバが7メートルスローを止めたりした結果、チェコが再度逆転、2点差で3点差に向けて攻撃となったときには、いけると思ったのだけど、残り45秒で同点に追いつかれて、チェコの攻撃ということになった。このとき、チェコは退場者を出していたのでキーパーを引き上げて6人で攻撃することになった。
 時間をかけて攻撃して、残り2秒ぐらいでシュートを決めて勝利というのが、チェコ側のシナリオだったのだろう。数年前の、たしかこれもロシアとの試合で、同じような展開になって、ベチバーシュが、残り5秒ぐらいでシュートを決めて勝ったことがあるはずだ。その再現を狙ったのだろうけど、審判がパッシブプレーの警告サインを出した後にタイムアウトを取るという失敗もあって、ババークがシュートに行くと見せて、ポストに落としたボールを奪われてしまう。見え見えだったからなあ。
 これで一転、チェコは失点即敗戦の危機を迎えたのだが、ロシアの選手がボールを奪った地点から空のゴールに向けて投じたボールは、てんてんと何度かバウンドしながらゴールに向かったが、僅かにそれて、見ていたこちらはほーっと安堵の一息をもらすしかなかった。結局27−27の引き分けに終わった。ウクライナもロシアとの対戦を1分1敗で終えているから、グループ2位の座は、直接対決で決めることになった。3位でも勝ち点を十分に稼いでいれば勝ちぬける可能性があるというから、今回ロシアとの引き分けは大きい。

 この試合、チェコ代表は総計で20分もの退場時間があった。全後半60分のうち3分の1は一人少ない状態でプレーしていたことになる。これだけ退場者を出してよく引き分けたというべきか、退場を減らせというべきか、難しいところである。退場覚悟の激しいディフェンスのおかげでロシアの攻撃を抑えることができたのもまた事実なのだし。それからロシアのキーパーに止められたシュートはそれほど多くなかったが、ゴールポストに当てて外れたシュートは多かった。これもまた点差を広げきれず、最後に同点に追いつかれた原因のひとつである。
 だが、ここは何よりもかによりも、最後の最後まで結果のわからない白熱した試合が見られたことを喜ぶべきであろう。最後は本当に心臓に悪かったけど。勝てそうにないという予想が外れたこともついでに喜んでおこう。
2021年3月15日18時30分。












2021年03月16日

選手兼任協会長誕生(三月十三日)



 一月の世界選手権出場辞退騒ぎで、空席になったのは代表監督の座だけではなく、チェコハンドボール協会の会長も解任の決定に対する不満から、辞任していたのだった。その協会長を選ぶための選挙が、状況からして仕方がないとはいえ、オンラインで行われた。どのような条件で誰が立候補しているかという情報は、ほとんど入ってこなかったが、結果はニュースで伝えられた。元代表キャプテンのオンドジェイ・ズドラーハラが選出されたというのである。
 ズドラーハラは、代表の選手としては昨年末のスロバキアとの親善試合にも出場しているから、問題がなければ。一月の世界選手権にも招集されていた可能性は高い。今回のヨーロッパ選手権の予選に召集されていないのは、所属チームに禁止されたとか、出入国の条件が合わなかったとかいう理由かと思っていたのだが、会長戦に立候補したことが、理由になっていたのかもしれない。年齢的にも37歳と選手生活の晩年に入っているわけだし。

 オストラバ出身のズドラーハラは、フリーデク・ミーステクを経て加入したカルビナーでの活躍によって代表に呼ばれるようになった。それが2005年のことだったというから、かれこれ16年も代表を続けていることになる。もちろん、代表キャリアの最初のほうは、イーハなどの陰に隠れていて、こちらが名前を覚えるほどの存在感を見せ始めるのは、2010年を過ぎてからのことで、特にここ数年はババークとともにチームを支える柱になっていた。

 そのキャリアの最高の瞬間とも言うべきものが、2018年のヨーロッパ選手権で、チェコ代表も6位という過去最高に並ぶ成績を収めたが、ズドラーハラも全7試合で55ゴールを挙げて大会の得点王に輝いた。同時にヨーロッパハンドボール連盟によって、大会の行なわれた2018年1月の最優秀選手に選出されたが、これはチェコの選手では初めての栄誉だったという。
 ハンドボール協会の代表選手紹介のページのデータによると、チェコ代表での成績は出場125試合、得点448点となっている。ただしこれは他の選手のページを見ると世代別代表の結果も含んだ数字のようである。一番下に1試合だけユース代表の出場試合が上がっているから、出場124試合、得点448点というのがA代表での最終成績でいいのかな。

 チェコリーグのカルビナーを出た後は、ドイツやデンマーク、ノルウェーなどのチームで活躍したが、現在はカタールのアル・ワクラフ(と読むのかな)でプレーしているという。契約は最低でも今シーズン終了までは残っているはずだから、それまではカタールから選手権会長で、来シーズンからチェコの帰ってきて選手も続けるのかと期待したのだけど、ズドラーハルの話では選手兼任を続けるのは四月までで、そこでカタールリーグの前半戦が終わるので、残りの契約を解除して会長選任になる予定だという。
 わずか1ヶ月内外とはいえ、選手権協会長、チェコ語で「hrající předseda svazu」なんて前代未聞の存在が誕生したわけである。これは触れずばなるまいということで二日続けてハンドボールがテーマになった。いや日曜日にロシアに負けなければ三日連続ということにしよう。最近、ねたの搾り出しに苦労しているからちょうどいい。

 ズドラーハラの会長就任が成功するかどうかは、周囲にどんな人を集めるかによって決まるだろう。サッカー協会もシュミツルかポボルスキーが会長になるかもしれないようだし、全体的にそういう方向に向かっているのかな。10年ほど前のハシェクによるサッカー協会改革は、完全にうまく行かないまま終わったけど、今回は陰の実力者が逮捕されて協会から追放されたという追い風も吹いているから、何とかなるかな。
 ハンドボール協会のほうは、どうだろう。個人的には代表が強くなって、テレビでの中継が増えれば言うことはないのだけど。サッカーと違って特に利権なんてものもないだろうし、政府から出る補助金の額も不正する意味があるほど大きくはなさそうだしさ。チェコのスポーツとして、サッカー、アイスホッケーに次ぐ三番目を目指せとは言わないけど、バスケットやバレーと同じぐらいの人気やテレビでの露出があってほしいものだと思う。そのためにはチェコのチームがヨーロッパのチャンピオンズリーグに出場するのが一番いいのだろうけど、優勝チームでも資金難で出場を辞退することがあるからなあ。最初の課題は資金集めということになるだろうか。
2021年3月14日24時30分。









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2021年03月15日

久しぶりのハンドボールチェコ代表(三月十二日)



 一月にチェコでの検査で陰性になった選手だけを集めてフェロー諸島まで出かけたものの、現地での再検査で陽性の選手が出たことで、試合が中止になり、チェコでの試合も含めて延期になっていた、来年のヨーロッパ選手権に向けた予選の試合がブルノで行われた。本来この予選は三つの期間に分けて、毎回一つの対戦相手とそれぞれのホームで一試合ずつ行うという形で行われる予定で、チェコの相手は、一月はフェロー諸島、三月はロシア、四月はウクライナとなっていた。没収試合なんてことになったら困ると思っていたフェロー諸島との試合は、結局ロシア、ウクライナとの試合の合間にはさまれて、中一日で三試合ずつ行われることになった。

 予選最初の試合は十日の水曜日にモスクワで行われた。グループ内でおそらく一番強いと思われるロシアが相手で、監督交代という問題が起こった上に、さまざまな事情で欠場する選手もいるという状況だったから、惨敗も覚悟していたのだが、27−28という1点差での敗戦だった。惜しかったというよりは、あと1点を詰めきれないのが、今のチェコとロシアの力の差を表しているのだろう。敵地で1点差負けだから、ホームでなら勝てるかもと楽観的にはなれない。
 ゴールキーパーのガリアが、トルティーク監督の希望もあって、コーチ兼任になって、出場機会を減らすという話もある。後継者としては一人はムルクバがいるけれども、ハンドボールのキーパーの場合には、しばしば当たらない日があることを考えるともう一人、ヨーロッパレベルで頼りになるキーパーがほしいところである。ガリアも代表どころか選手としての引退も近づく年齢になっているので、そろそろ後任を育ててくれという監督の希望だろうか。

 モスクワでの試合から一日置いて、十二日には、ブルノでフェロー諸島との試合、さらに一日置いて十四日にはまたブルノでロシアとの試合というのが、今回の予選のスケジュールである。フェロー諸島もチェコ同様、三連戦となるが、ロシアは一月のウクライナとの試合をこなしているので、十二日はお休みである。
 フェロー諸島は、ハンドボールの世界では弱小国といってもいいのだが、最近は宗主国デンマーク(こんな言い方が正しいのかどうかは知らないがフェロー諸島はデンマークの自治領である)の影響でチームの強化が進んでいるという。選手の中にもデンマークなどの北欧諸国のチームに所属している選手や帰化選手もいて決して侮ってはいけないというのが、試合前の解説者の話。実際キエフでのウクライナとの試合は、負けたとはいえ4点差しかつけられていない。

 午後八時というチェコで行われるハンドボールの試合としては遅い時間から始まった試合は、チェコ代表が試合開始直後から最後まで支配した。一時的に差を詰められる時間帯は、前半も後半もあったけれども、全体的な傾向としてはすこしずつ差を広げていき、最終的には28−20と8点差で勝利した。特に試合開始直後は、ディフェンスとキーパーの協力が最高に機能していて、フェロー諸島の攻撃をことごとく封じ込めるのに成功していた。解説者はこの開始直後に稼いだリードが、後々役に立つといっていたが、そのとおりで、多少差を詰められることは覚悟でいろいろな選手を試すことができたようだ。

 嬉しい驚きは、ペトロフスキー不在の中、ポストのウジェクがチーム最多の6得点を挙げたことである。このカルビナー所属のベテラン選手が、ロシアとの試合でも同様の活躍ができれば、勝利に近づけると思うのだけどどうかなあ。もうひとつの驚きは、利き手の左手を負傷していてロシアでの試合を欠場したカシュパーレクが、出場したことだった。左手にはテーピングを巻ていて、いつもの豪快なシュートは影を潜めていたが、日曜日のロシアとの試合に向けて確認のための出場だったのだろう。パスミスも多かったし、現状では無理をしないほうがいいと思うのだけどなあ。
 他にも、カルビナーのソラーク、パツル、フランツ、ドゥクラのクリーマなど国内チーム所属の選手たちが、主力扱いされているといってもいいレベルで出場してそれぞれの役割を果たしていたのは素晴らしかった。特に守備専門で出ていたフランツとソラークが出場している時間帯のチェコの守備は堅かった。クリーマも攻守にいい仕事をしていたし、この辺りの選手たちが、以前ガリアが語っていた世界選手権に連れて行く予定だった若手選手ということになるのだろう。

 この勢いでロシア戦もといいたいところだけど、ロシアも修正してくるだろうし、無観客では、チェコ代表が勝利を重ねているというブルノの会場の魔術もかからないだろうし、勝つのは難しいだろうなあ。上位二チームが勝ち抜ける予選だから、ウクライナに勝つことに集中するのも言ってだとは思うのだけど、ロシアに惨敗したのではウクライナにも勝てなくなってしまう。いやそんな細かいことは気にせず。試合を楽しみに見ればいいか。多分PCで見ることになるだろうけど。
2021年3月13日24時。










2021年02月11日

監督交代(二月八日)



 エジプトで行われた世界選手権に出場できなかった責任を問われて二人の監督クベシュとフィリップが解任されたハンドボールの男子代表だが、後任が決まったようである。どこかで見たことがあるような顔だと思ったが、以前も代表監督を務めたことがある人物だった。2000年代の初め、クベシュやフィリップが代表で活躍していたころの監督である。あの頃は黒かった髪や髭が真っ白になっていて時代の流れを感じさせる。

 名前を書いても誰も知らないだろうけど、ラスティスラフ・トルティーク。ドイツリーグで二部のチームを率いて一部に昇格させたりはしているから、ドイツハンドのマニアなら聞いたことがあるという人もいるかもしれない。もともとは、1990年代後半にチェコ最強を誇り、ヨーロッパのチャンピオンズリーグでも頑張っていたカルビナーの監督を務めていた。その後、フリーデク・ミーステクに移って、チームを優勝に導いたのである。
 2004年から2年代表の監督を務めたのだが、同時期にドイツの二部のチームの監督に就任している。2007年にカルビナーに戻ってきてまたチェコリーグで優勝させた後は、スロバキアやポーランドで監督を務め、2020年からはチェコのハンドボール協会のモラビアシレジア地方担当の監督を務めているらしい。これは若い才能を発見するために各地に設置されたハンドボールのアカデミーみたいな施設で若い選手だけではなく、コーチ、監督なども指導する役割と考えてもいいのかな。

 代表の監督としては、2004年のヨーロッパ選手権、2005年の世界選手権と、担当した予選をどちらも勝ち抜いて本戦に進出している。本戦でもグループステージ全敗ではなかったようだから、過去の代表監督の中では成功を収めた監督である。協会が政治に走らず、現時点で最高の人材を選んだことは素直に高く評価しておこう。専業のハンドボールの監督というのは、実はあまり多くないようだから、他に引き受けられそうな人がいなかったという可能性はあるけど。
 トルティークが以前監督を務めていた頃と比べると、平均的な選手層は厚くなっているかもしれないけれども、ヨーロッパのトップリーグで主力として活躍する選手は減っている。クベシュたちが鍛え上げた代表候補をどこまで生かせるかお手並み拝見というところである。幸いなことに、これまでの代表選手のほとんどは、代表活動を継続したいと考えているようだし、ガリアが選手とコーチを兼任することになっているから、戦力の低下はなさそうだ。

 トルティークの契約は、とりあえず来年のヨーロッパ選手権に向けた予選限定だという。一月の試合が中止になったフェロー諸島、ロシア、ウクライナと同組で、上位二位に入ればいいんだったか、三位でも出場の可能性があるんだったか。世界選手権もそうだけど、ヨーロッパ選手権も出場国の数を増やす傾向にあって、本戦出場へのハードルは以前に比べると下がっている。ロシアには勝てそうもないし、ウクライナとは前回の予選で1勝1敗だったと記憶するから(2勝だったとしても接戦だったのは間違いない)、簡単に勝ち抜けとはいきそうもない。
 おまけに、1月に予定されていたフェロー諸島との試合は開催ででておらず、代替の開催日も目処が立っていない。このまま感染状況が改善しなければ、この二試合が没収試合扱いにされて、開催できなかった原因を作ったチェコの不戦敗扱いになる可能性も残っている。ロシアもウクライナも、この手の感染症対策ではあんまり信用したくない国だし、これ以上選手たちから感染者が出ないことを祈るしかない。

 そういえば、来週サッカーのヨーロッパリーグの試合で、イングランドのチームがチェコに来るのだが、入国して試合をしてもいいという許可はでたものの、チェコ国内での滞在時間が24時間に制限されるという話もある。なんともまあ、困ったものである。
2021年2月9日23時30分。










2021年02月03日

ハンドボール三昧続続(正月卅一日)



 いよいよ世界選手権も最終日、三位決定戦と決勝を残すのみである。チェコテレビが放映権を持っていて放送の予定だが、ウィンタースポーツシーズンもたけなわで、スキーやバイアスロン、シクロクロス、スケートなどの中継も予定されていて、ハンドボールの中継中に他のスポーツの中継が挿入される可能性もあった。

 まずは、三位決定戦だが、前回、2019年にデンマークとドイツで行われた大会に続いて三位を狙うフランスと、前回は七位に終わったスペインの対戦である。試合前の解説で、フランスチームには、延期された東京オリンピックに出場するために、引退を延期してこの大会に出場している選手が何人かいると言っていた。ベテランが多いということだろうか。

 試合開始から、スペインが4連続得点を決めたところは、疲れからテレビの前で居眠りをしていて見過ごした。その後、サーブリーコバーが出場するスピードスケートに中継が切り替わり、ハンドボールに戻ってきたときには12−5でスペインがリードしていた。簡単に言えばスペインがこのリードを最後まで守りきったということになる。最終的なスコアは35−29と6点差が付いた。
 フランスの敗因はディフェンスが余り機能しなかったことに尽きる。準決勝のスウェーデンとの試合と同じく、キーパーもほとんどシュートを止めることができていなかった。フランスにはいいキーパーがいるというイメージが強かっただけに意外な結果だった。それに対してスペインのキーパーは、1対1でも何本かシュートを止めてフランスの勢いを完全に殺していた。

 決勝は連覇を目指すデンマークと、2001年以来の決勝進出のスウェーデン、そのときは負けて準優勝に終わっているが、その前の1999年、今回同様エジプトで行われた大会では優勝している。その意味ではスウェーデンもエジプト大会の連覇を狙っているといってもいい。ただデンマークが最初から優勝候補として見られていたのに対して、スウェーデンは中心選手から何人か辞退者がでるなどの問題があって、大会前は苦戦するだろうと予想されていたらしい。
 この試合も、キーパーの出来が結果を決めたといってもいい。スウェーデンのパリチカが、準決勝ほどのセーブを見せられず、後半途中から交代したのに対して、準決勝のスペイン戦では全くいいところがなく、確か一本もシュートを止められず交代していたデンマークのランディンは、準決勝のパリチカ並みに、何本もスウェーデン選手のシュートを止めて見せた。

 そして準々決勝、準決勝では試合運びの面で難があったデンマークだが、決勝では作戦が見事にはまっていた。ハンセンの後継者っぽく見えるホルムを前半はベンチに置いて、後半の勝負どころで投入することで、決定的な差をつけることに成功したのだ。ホルムはハンセンより体格ははるかに華奢だけど、長めの髪型とか、色違いのヘアバンドとか意図的にハンセンに似せたスタイルにしているように見えた。
 試合開始からしばらくはディフェンスとのコンビネーションもよくなかったのか、シュートを全く止められなかったパリチカが、相手の攻撃になれたのか少しずつ調子を上げて止めるケースが増えていたのだが、途中出場のホルムのシュートに全く対応できていなかった。守備も対応できていなかったのだろうが、同じパーターンで3本か4本連続で決められた。最終的には26−24という2点差でデンマークが勝利したが、最後の10分から15分は、接戦ながらデンマークが完全に試合を支配して、スウェーデンには逆転はおろか、同点にする芽もないと印象だった。

 簡単に言えば、選手層のさもあったという事なのだろうけど、スウェーデンもデンマークも、ベテランだけでなく、この大会で代表デビューの選手たちも活躍していたから、来年のヨーロッパ選手権も楽しみである。チェコ代表も、予選の試合を開催できていないけど、出場権を取れると思いたい。チェコテレビが放映権を買い取ってくれんかなあ。
 それはともかく、この日の2試合だけでなく、準決勝の2試合も含めた大会最後の4試合は、どれも凄くレベルの高い見ていて面白い試合で、最初から最後まで見通せて満足、満足である。次にチェコリーグの試合を見たら、またつまらなく感じそうなのがちょっと不安である。
2021年2月1日20時。



パリチカは決勝ではキーパー対決に負けてしまったが、大会のベスト7に選出された。






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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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