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中国が日本国債「大量買い」 政治的な意図はあるのか



 中国が日本国債を大量に買っている。東日本大震災のあった2011年3月が2345億円、4月はじつに1兆3300億円(いずれも、速報値)にも達した。中国が保有する日本国債の残高は4月末時点で5兆7680億円(推計)に上り、英国、米国に次ぐ第3位にある。

 日本国債は、1月に米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が最上位から3番目の「ダブルA」から「ダブルAマイナス」に1段階格下げした。多額の財政赤字を抱えているうえ、震災後の復興でさらに多くの資金の調達を国債に頼らざるを得ないため、国内外の投資家からの信用が揺らいでいるのだ。

■「米国債」一辺倒からの分散投資が狙い?

 そういった状況にありながら、中国は2010年10月以降の半年で5730億円の日本国債を買った。それが11年4月には、一気に1兆3300億円もの買い越しとなった。震災後の「大量買い」の真意は不明だが、専門家は「米国債からの分散投資の一環だろう」と、口を揃える。

 第一生命経済研究所の主席エコノミスト、嶌峰義清氏は「巨額の外貨運用を米ドルに偏れば、ドル安の影響を受けやすい。一方でユーロもギリシャの財政不安などの問題を抱えている。貿易取引額の多い主要通貨という観点から、当然、日本円も投資先に入ってくる」と話す。

 また、国際アナリストの枝川二郎氏は「いまや中国は世界トップの外貨準備国ですが、保有する外貨資産は米国債がほとんど。しかし、その米国の財務状態がよくないので、リスクを分散したいことはあるでしょう」と説明する。

 ポートフォリオを考えて米国債を減らし、その分を他に分散投資したいが、金や穀物などはすでに高値圏にあって下落リスクが高い。結果的に、「消去法」で日本国債が残ったということのようでもある。

■「政治的なカードに使えるほど単純ではない」

 財務省は、国の債務残高が2011年末に1000兆円を超すとみており、国民一人あたりの負担は750万円を超す。それでも「国の借金」である日本国債は、95%を日本人が保有している。

 枝川氏は「いまの状態はタコが自分の足を食べているようなもので、日本にとってよくない」と指摘。日本国債は中国を含む、海外投資家にもっと保有してもらったほうがよいという。

 その一方で、中国の日本国債の保有が増えると、「政治的なカード」に使われることを懸念する向きがあるが、「それを気にするほどの残高ではない」(枝川氏)。

 前出の嶌峰氏も、「日本でも以前、『米国債を売りたくなる』と発言して物議を醸した首相がいたが、そのひと言で米国債が暴落して円が急騰。米国債を保有していた国内の機関投資家が含み損を抱え、また輸出企業が大きな痛手を被って、結局日本にハネ返ってきたことがあった。いまのグローバルマーケットは保有国債を政治的な駆け引きに使えるほど、そんな単純なものではない」と、一蹴する。

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