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2019年05月02日

チェインクロニクルから学ぶスマートフォンRPGのつくり方

チェインクロニクルから学ぶスマートフォンRPGのつくり方

チェインクロニクルはエンディングのあるスマホRPG。
600万文字のシナリオを複数人のシナリオライターと連携して作品に落とし込んでいる。
そのディレクターさんのノウハウ本。
シナリオライターさんと連携するということは骨子となる考えがあるわけで、
それらから、シナリオを効率よく生み出す法を見出したくて、購入した本です。

紹介記事
https://www.4gamer.net/games/223/G022384/20180918078/

試し読みページ
https://ji-sedai.jp/book/publication/chain.html

要点は本記事で書き出したつもりですが、少しでもひっかかったら、試し読みページをご覧ください。
書籍は金額と場所が気にならない方はおススメしたいです。
シナリオ特化というとそうでもない、スマホRPG独特の文脈もあるので、
純粋にシナリオ技術の習得を目的とした方には強く推すものではありません。




■どういう本
改めて。
ゲームディレクターの松永氏がチェインクロニクルの制作論を語った本。
チェインクロニクルはスマホRPGながらストーリーを盛り込んだ作品。
コンシュマー大作RPGとの対比で表現できない部分(グラフィックス、ストーリーボリューム)をシナリオで補ったことで評価が高い。

■コンセプトを明瞭に
・一言でいいきれるコンセプトを設け、毎日考えた
・課題、判断に迷うときはコンセプトに沿っているか否かで考えた
※このときコンセプトが複雑だと判断がブレる
 制作チーム内で共感できるコンセプトは作品を発信する際にも、効果を発揮すると思う

試し読みで読めるので原書を読むことをお勧めです。

■タイミング
プレイヤーの感情と一致するタイミングで物語を提供した

・ゲームの勝利直後に(プレイヤーとして勝利を喜ぶタイミングで)勝利にまつわるシーンを描く
・仲間になってレベルアップした後に、(仲間に興味が沸いたタイミングで)サブストーリーを解放する

すごくあたりまえのようだけれど、プレイヤーの共感に乗るということ。
プレイ感情に沿って、場面が展開されると共感が得られやすい。
コンテンツとして効率が良い。

この「タイミングにあわせて感情/共感に乗る」というのは、脚本術でカール・イグレシアス氏も語っていた。
メディアを越えた共通点には、本質的なものがあるのだと思います。




■プレイ時間に比例したストーリー構成
・1ストーリー(クエスト開始〜バトル開始〜クエスト終了)あたりの文字数を1000〜1500文字にした
・3〜4ストーリーで1つの話ができるように設計されている

これはスマホRPGのユーザー層=ライトユーザーを意識した設計。
コアゲーマー対象の作品ではまた違う指針になると思います。
ただ、分割することでの触れやすさ、作品ユーザーの分母を増やすといった観点では、これも有用。

■世界観設定
・世界観設定は「物語の面白さ」、「ゲームシステム」が主、「世界観」が従(主を納得させることに発揮する)
・世界観、裏設定を遵守してストーリーの妙味やバトルの爽快感が損なわれないようにする
・世界観はなんのためにあるか→プレイヤーさんが楽しむ「ゲーム」のため。ゲーム上で感じる世界の美しさ、対立軸の不気味さを表現することに力を注ぐ。

・世界観は作り続けるほど後から生まれる大小のアイディアに、整合性を求められる。
なので器の大きい骨子を軸に考えた方が、設定を吸収できる。

追加アイディアと整合性をとるのは難しいことなのだ、と考えておいた方がゲーム作家としては楽です。

■キャラを生み出しやすくする世界観
・国(地域)、種族、所属、文化など、拡張できるよう設定しておく
・現代モノなら学校、所属部があてはまる
 これらを1つ2つ設定しておくことで、それ以外の他勢力、他キャラクターの追加拡張が容易になる
・年表も然り
 空白期間(記憶がない、描かない)を残しておくことで、ストーリーの伏線を差し込むことができる


■キャラとシナリオの話
・キャラクターの外見から想像できる物語を提供する
 -チェンクロではキャラを正しく深堀し、「違う一面」も描くようにした
 -薄幸そうな少女の過去を明らかにし、主人公とともに乗り越えるような、期待に応える展開は必要
  それだけではビジュアルをなぞるだけのストーリーになってしまう
 -見た目から想像できない要素を描くことで「キャラが生きている」と感じられる

・キャラごとに喜怒哀楽のストーリーを設ける
 -別キャラでも、悲しい物語がメインストーリーで繋がるとプレイ感情は疲弊する、単調に感じる
 -あるキャラは悲しい物語、ある別キャラは笑える物語といったように順番を工夫し、プレイ感情を盛り上げる

ここは運営型スマホゲーム(=繋ぎとめることがミッション)の面が強く表れている箇所と感じました。
たとえばAAAタイトル系のRPG、FF13、DQ11、ペルソナ5あたりは予定調和の小さなストーリーを繰り返すことでわかりやすくしている(メインストーリーの展開では大きなうねりを持たせる)。
ペルソナは課題→乗り越える/仲間になるキャラの内面掘り下げ(=悲しいor試練の物語)→勝利→仲間になるのローテーション。(P5、オクトパス、ともに未クリアだけれど、たぶん同じ構成と思う)。

■シナリオのクオリティデザインの話
・プレイヤーの価値の総量はプレイ時間に比する
・プレイヤーが序盤で脱落しないよう、軽くする必要があった
 -序盤:世界観の説明を極力排除、文章も短くした
 -クライマックスに向かうにつれて、文章は長く、熱量のあるものにする

・序盤からクライマックスに向かうにつれ、プレイヤーの数は減る
 →脱落を防ぐことでプレイヤーの総数を増やす

・クライマックスほど、プレイヤーの作品に対する熱量は高まる
 →プレイヤーの1人あがりの熱量が高いので、負荷(時間的コスト、スキル難度)を上げてもついてこれる

■統括
当初目的とした効率良くシナリオを生む法とは違いますが、以下は個人ゲーム作家にも使える考えだと思います。

・自分が毎日思い返せる、短く明確なコンセプト(判断基準)
・プレイ感情とシナリオをリンクさせ、シナリオが刺さる確率を高める
・後付け設定を許容する=器の大きい作品になるよう、設定に隙間/余裕をもっておくと良い
 アイディアが生まれるたび、詰将棋のように整合性を埋める作業は生じる
・「シナリオのクオリティデザインの話」全般

やや駆け足ですが、以上。
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posted by tabirpglab at 17:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 制作記
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