2017年04月17日

NHKスペシャル「熊本城 再建  “サムライの英知”を未来へ」を見てみた



熊本城再建.jpg




NHKスペシャル「熊本城 再建  “サムライの英知”を未来へ」を見てみた。

「武者返し」の石垣が地震に耐えた理由が見どころ。

熊本城は日本三大名城の一つ。去年の熊本地震で櫓(やぐら)など13棟が損壊、50箇所が損傷し、崩れた石垣の石は2万にのぼる。戦後最大の文化財被害だという。

危なくて人が近づけないところがあるので、ドローンを使って損害状況を調査し3000時間以上かけて解析した。さらに、デジタル映像で熊本城の現状を再現した。


飯田丸五階櫓(いいだまるごかいやぐら)は、石垣が崩落し、建物が55cm たわんでおり、応急処置を施した。

東十八間櫓(ひがしじゅうはっけんやぐら)は、建物が石垣ごと崩落した。

ところが、宇土櫓は築城当初に建てられたもので最も古いにも関わらず地震に耐えた。

また、二様の石垣はほとんど変形が見られなかった。


明治以降に建てられたものと築城当初に建てられたものの損傷率を比較すると、

明治以降は31%損傷したのに対して、築城当初の建物は10%しか損傷していなかった。


熊本城を最初に建てたのは加藤清正。豊富秀吉に仕え、多くの城の築城に携わった築城の名手だという。


歴史学者や地盤工学の専門家などが、加藤清正が建てた石垣を分析したところ…

石垣の積み方に工夫が見られる。例えば、1576年に建てられた安土城の石垣は地面に対して平行に石垣が積んであるので、横揺れによって石垣が外に飛び出しやすい。

一方、1599年に建てられた熊本城の石垣は、斜面に対して垂直になるように組んでいる。こうすることで、地震で揺れてもかかる力が分散するので石垣が外に飛び出しにくい。


熊本城の石垣は高いところほど急勾配になるように曲線状に反り返っている。

石垣が反り返る様子は、城攻めにかかろうとする武者を跳ね返しそうに見えるので「武者返し」と呼ばれている。

この「武者返し」はいままで防衛のための工夫だと思われていたが、地震対策のためだという説が浮上してきた。

熊本城の建て方について書いてある『石垣櫓秘傳の書』によると、『ノリ』という言葉が頻出する。この『ノリ』とは斜面のこと。設計にあたり高さが等しい直角三角形が用いられる。直角三角形の底辺を長くすると、『ノリ』の部分に当たる斜辺がなす角度が小さくなるが、底辺を短くすると斜辺がなす角度が大きくなる。石垣を組むとき、上にいくにつれて三角形の底辺を短くしていけば、反り返るようになる。

斜面を反り返らせることで、地震で揺れた時、面にそって力がかかるので石が外に飛び出しにくくなっている。


加藤清正がどうして「武者返し」を作ったのか。

1593年に、朝鮮出兵で朝鮮に渡った清正は西生浦倭城(ソセンポわじょう)を建てているが、この石垣は斜面が直線状になっている。

清正はその6年後の1599年に熊本城を立てるのだが、その6年間の間に「武者返し」を編み出したことになる。

実は、1596年9月5日に慶長伏見地震があり伏見城が大きな被害を受けた。これを目の当たりにした清正が地震対策の必要性を強く感じ、石垣の積み方を工夫させた結果、「武者返し」ができたようだ。伏見城の建築に携わっていた石積み職人を雇ったとも伝わっている。


反り返った石垣は熊本地震に耐えたが、石垣がだんだん膨らみ崩落することがあった。石垣の内側には栗石という小さな石が詰められており、地震の揺れを小さくするはたらきがある。度重なる余震の影響で栗石が下の方に沈みこんでおり、石垣を外へ押し出しているのだ。

石垣のふくらみは9箇所確認されており、そのうち2箇所に崩落の危険性がある。一箇所でも崩落すると、崩落が連鎖しかねない。

元和(1615年から1624)と寛政(1624年から1645年)に地震に見舞われた時に、同じように石垣がふくらんだことがあり、当時の当主・細川忠利は、修復工事をさせた

その際、角に大きな石を使うことで、石同士が接する面積が大きくし安定させた先人の知恵を生かしながら、当時最新の技術を用いたのだ。


今後の熊本城の修復工事でもそれにならって、石垣の斜面の反りを再現するとともに、職種なシートを内部に敷いて栗石の沈み込みを防ぐことが提案されている。

熊本城の再建の道のりは始まったばかりだ。


NHKスペシャル「熊本城 再建  “サムライの英知”を未来へ」

再放送予定: 2017年4月19日(水)午前0時10分〜0時59分(18日深夜)


感想

「武者返し」を専門家が絶賛していた。当時、斜面を曲線にするのは合理的だとか、経験則によるものだろうとか、「武者返し」を作った人の話を聞いてみたいとか言っていた。

必要に応じて工夫したのだというところまでは分かっても、どうして実現できたのか未だに謎。奇跡的とも思える。

積み木かなんかでミニチュアを作って実験したんだろうか。

この番組で熊本城が天下の名城なんだという認識を新たにした。再建が捗るといいな。


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