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2016年12月07日

せん妄の対処

入院患者、特に高齢の患者で頻繁に発生するせん妄。夜間、看護師の少ない時間帯に起こりやすく、かなり手を煩わせてしまいます。どこの病院でも必ず入院時に指示簿に対処法を記載しているはずです。
今回は簡単な背景知識の整理と処方例をいくつかの本からとってきました。


せん妄とは、脳の機能不全に基づく軽度から中等度の意識混濁と意識変容、認知の変化を呈する症候群。


1、軽度から中等度の意識障害・・・注意の集中、維持、転導の障害(会話に集中できない、すぐにうとうとしてしまうなど)
2、認知の変化・・・記憶欠損(記憶がところどころ曖昧)、失見当識(入院して何日経った思い出せない)、言語の障害(発語がうまくできない)
3、知覚の変化・・・錯覚(布団のヒダが生き物のように見える)、幻覚(いないはずの人が見える)、妄想(幻覚から妄想を抱く)
これらが短期間のうちに出現し、変動する。

〇準備因子:中枢神経系の脆弱性要因・・・認知症、高齢者、脳器質性疾患の既往歴、複数の合併症、慢性腎疾患、肝疾患、男性
〇直接因子:単独で意識障害をきたしうる要因・・・中枢神経系疾患、代謝異常、循環障害、呼吸障害、感染症、内分泌疾患、膠原病、栄養障害、手術侵襲、依存・乱用物質、医薬品
〇促進因子:意識変容をきたしうる主に環境的要因・・・環境変化、感覚障害、動けない状態、身体的ストレス、心理的ストレス、睡眠妨害要因


治療
まずは誘発要因を見極め、解消していくことが重要である。要因の除去が困難な場合には対症療法ではあるが、薬物による鎮静が必要となる。


処方例(いくつかのテキストを参考にしています)

〇緊急対応
・セレネース5mg+生食50mlを1時間で静脈内点滴:静脈内投与では錐体外路症状が出にくい。QTc延長があるバイは心電図検査、モニター装着を行う。
・リスパダール内用液:鎮静作用は弱いが飲料に混ぜて投与可能。錐体外路症状の出現を抑えるため2mg以下に留める。
・コントミン筋注25mgまたは生食50mlに溶かして1時間で静脈内点滴:セレネースと同等の効果、副作用。鎮静効果が強いが血圧低下、イレウスの可能性。筋注よりは静脈内投与が一般に用いられる。

〇経口摂取可能時
・セロクエル錠25mg 1回25-50mg:強めの鎮静効果。過活動型せん妄の第一選択の内服薬。糖尿病は禁忌。錐体外路症状は非常にまれ。パーキンソン病患者で第一選択。
・テトラミド(10) 1回 10-30mg:糖尿病、錐体外路症状を気にせず使用可能。口渇、前立腺肥大で尿閉に注意。



抗精神病薬の知識整理

研修も2年目の12月。指導医にかなりのことを任され、完全に外来(主に救急)対応から家族へのIC、入院手続き、書類の作成、治療法の決定から退院まで一人で任されることが増えてきました。

いろんな患者さんをみるたびに、今まで何となくやっていたことをもう少し深く掘り下げて考えるようになり大変勉強になります。

今回はせん妄患者に用いることのある抗精神病薬についてまとめてみました。内科医の目線で、自分の持ち患者にどう対応するかという視点で作ってありますので内容の薄っぺらいところもありますし、普段見かけない薬剤については省いてあります。

抗精神病薬
・睡眠には至らないものの、幻覚妄想、興奮を鎮静する薬剤
・ドパミンD2受容体遮断作用

初期の第一世代と新規の第二世代がある
・第二世代の方が穏やかにドパミンD2受容体を遮断するため、指摘投与量の幅が広く、錐体外路症状の副作用が生じにくい。ただし一部体重増加をきたしやすいものもある。

〇第一世代:
・ハロペリドール:セレネースレジスタードマーク・・・古くから使用される基本の抗精神病薬。唯一、静脈内投与できる。抗幻覚妄想作用は強いが錐体外路症状も出やすい。術後せん妄にも用いることがある。

・クロルプロマジン:ウインタミンレジスタードマークコントミンレジスタードマーク・・・適応症が幅広い。抗ヒスタミン作用があり、催眠効果を期待して使用することも。

その他、レボメプロマジン、ゾテピンなど


〇第二世代
・リスペリドン:リスパダールレジスタードマーク・・・第二世代の基本。液剤、持効性注射など剤型が豊富。第二世代の中では錐体外路症状、高プロラクチン血症の副作用を生じやすい。頓服薬として選択することも多く、せん妄患者にも用いることが多い。

・オランザピン:ジプレキサレジスタードマーク・・・糖尿病患者に禁忌。ステロイド使用中の場合にも注意。食欲増進、体重増加の副作用もあり、定期的に血液検査を。第二世代の中では鎮静作用に優れる。作用時間長く1日1回でも可能。ザイディスレジスタードマークなら飲み込まなくてもよい。

・クエチアピン:セロクエルレジスタードマーク・・・糖尿病患者に禁忌。ステロイド使用中の場合にも注意。食欲増進、体重増加の副作用もあり、定期的に血液検査を。鎮静作用に優れる。1日2.3回の内服の必要があるが用量の幅があり、少量で不眠症やせん妄に対する治療の用いることも多い。錐体外路症状、高プロラクチン血症の出現が少ない。

・アリピプラゾール:エビリファイレジスタードマーク・・・日本で開発された。用量調節が難しく、開始する際は専門医へのコンサルトが望ましい。

その他ベロスピロン、ブロナンセリン、クロザピンなど。



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