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2020年09月03日

図演準備B戦闘準備と立ちはだかる国内法の壁!

『撃たれてから武力行使するしかないのか・・・』
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海上自衛隊幹部中級課程での、図上演習において大方の作戦内容が決まりました。

TG21.1は、海上作戦の詳細を検討し始めますが大きな国内法の壁が立ちはだかります。

防衛出動命令と武力行使の間にある、知られざる隙間により敵に有利になってしまう!

TG21.1の行動は、最初の犠牲にならざるを得ないのか?!
(前回記事):『【図演準備A】揚陸場所を巡って演習作戦会議が大紛糾!
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(1)TG21.1に立ちふさがる国内法の壁!

図上演習において、TG21.1は離島北東沖合に展開して敵X国の攻撃に備えることになりました。

図1 展開する護衛隊群
図1 展開護衛隊群.jpg
引用URL:https://www.mod.go.jp/msdf/efhq/images/sp/index/slide03.jpg

作戦準備を行いますが、さらに状況付与が行われ国内法及び国際法の順守という難しい課題が与えられます。

1.1 TG21.1周辺に敵X国漁船が張り付く!
展開するTG21.1は、防衛出動準備命令(自衛隊法第77条)に基づき作戦予定海域に進出します。

そんなTG21.1に対して、統裁部から無常の状況付与が行われます。
『敵X国情報収集船と思われる漁船がTG21.1に並走している』

図2 情報収集船
図2 情報取集船.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ck_0AUeUkAELgyx?format=jpg&name=900x900
明らかに情報収集船と考えられるのですが、現状では手出しができません!

情報と艦艇識別から情報収集船ですが、確証がないためです。

1.2 図上演習では法令順守も採点対象!
図上演習は、ただ単に戦闘に勝てばよいというものではありません。

@国内法と国際法を順守して作戦行動を行っているか?
A作戦開始前に武力使用をしていないか?
B国際法に基づいた海上での処置をしているか?


これらの行動について、非常に厳しく採点されます。

敵X国の船だからどんどん沈めてしまえ!なんてことは許されません。

防衛出動命令発令前に、国内法で認められている行動の範囲内に収めているかなどがチェックされます。

敵X国の艦船でも、攻撃対象にできる船か攻撃不可の船なのかをはっきりさせる必要があります。

図3 病院船
図3 病院船.jpg
引用URL:https://lh3.googleusercontent.com/proxy
病院船への攻撃は、1949年ジュネーブ第2条約ではっきりと攻撃不可となっています。

そんな国際法や国内法を守りながら、図上演習を進めていきます。

1.3 対策はどうする?!
漁船を改造した情報収集船は、ソ連が得意とした戦術です。

よく米軍の演習において、操業中を装って接近して情報収集を行います。

図4 米軍とソ連情報収集船
図4 米軍とソ連情報収集船.jpg
引用URL:https://pbs.twimg.com/media/Ck_0CLeVAAEoNML?format=jpg&name=4096x4096

防衛出動待機命令や、防衛出動命令発令後についても情報収集船の取り扱いは難しいものになります。

作戦会議において法規を順守する形で、
@防衛出動待機命令中は、可能な限り対象船を隔離して作戦情報を与えない。
A防衛出動命令は発令後、情報収集船と確認できれば拿捕を行う。
B情報収集船から直線攻撃を受けた場合、正当防衛及び武器等防護のため自衛反撃を行う。


消極的すぎると思われますが、国内法及び国際法でのギリギリの対応になります。
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(2)防衛出動=武力の使用ではない!

以前の記事で、防衛出動待機命令や防衛出動命令に関連することに触れたことがあります。
(参考記事):『【幕僚編A】実動演習事前準備!任務「離島奪還」作戦!
防衛関連法は、世間一般で考えられているより法令の厳しさがあります。

2.1 武力攻撃事態や存立危機事態

防衛出動命令は、自衛隊法第76条に規定されています。

(防衛出動)
第77条
『内閣総理大臣は、外部からの武力攻撃(外部からの武力攻撃のおそれのある場合を含む。)に際して、わが国を防衛するため必要があると認める場合には、国会の承認(衆議院が解散されているときは、日本国憲法第五十四条 に規定する緊急集会による参議院の承認。以下本項及び次項において同じ。)を得て、自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。ただし、特に緊急の必要がある場合には、国会の承認を得ないで出動を命ずることができる。』


防衛出動命令については、武力攻撃事態等と存立危機事態において発令される形になります。

図5 武力攻撃事態等
図5 武力攻撃事態等.png
引用URL:https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2019/pdf/R01020502.pdf

ここで、普通ならば防衛出動では武器使用許可が出たと思うでしょう。

しかし実は法令上のレトリックで、「防衛出動=武力の使用」にはなりません。

防衛出動が出ても、武器使用がまだ許可されていない状態が存在します。

2.2 自衛権発動新3要件が必要!

防衛出動の武力の行使については、自衛隊法第88条に規定されています。

この武力の行使については、自動的権限付与とはなりません。

防衛出動命令発令後、自衛権発動の新3要件を満たしてから初めて武力行使権限付与となります。

「自衛権発動の新3要件」(平成26年7月閣議決定)
@わが国に対する武力攻撃が発生したこと、又はわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること
Aこれを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
B必要最小限度の実力行使にとどまること


となっています。

集団的自衛権に絡んだ話として、国会で議論になりましたが本当の問題点が置き去りになりました。

『攻撃を受け、被害が出ないと自衛権が発動できない』

自衛権発動の乱用を防ぐためとはいえ、現場としてはかなりキツイ縛りです。

護衛艦が被弾してからようやく、反撃できるという法理論になるのです。

図6 駆逐艦スターク被弾
図6 スターク被弾.jpg
引用wiki
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(3)現場の苦悩・・・

現場では、対艦ミサイルが向かってきた時点で正当防衛として迎撃対処を行うでしょう。

その後紛争や戦争が終結した場合、命令違反で処罰の対象になるかもしれません。

防衛出動と、自衛隊法第88条による武力の行使の間にある「グレーゾーン」が残っています。

3.1 本当に必要な議論を!

集団的自衛権の論争ばかりが先行して、ほんとうに必要な時に自衛権行使ができない事態になる可能性があります。

安全保障の論議では、現場で発生しているギリギリの状況を再度議論してほしいものです。

図上演習においては、情報収集船対処と自衛権発動にて最後まで悩まされることになりました・・・
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