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2020年03月02日

【海自】特殊部隊を作った男の「功と罪」を考える。

『特別警備隊先任幹部はなぜ異動させられたのか』
(2019年投稿記事です。)

海上自衛隊特別警備隊の創設に関わった幹部自衛官は、なぜ途中で異動命令が出たのか?

特別警備隊に関わった者として、いくつかの事例を耳にすることがありました。

創設に関わった強烈なリーダーの「功と罪」が、組織にとって不利益となったのでは?

あえて「SBU」創設の「功と罪」を考えてみる!



(1)寝耳に水だったSBU創設者の退官!


海上自衛隊で勤務していた時、SBU創設者で先任幹部が退官するという話を耳にしました。

私自身も、艦艇開発隊でSBU関係の試験に従事した身として、驚きが一杯でした。

図1 特別警備隊
SBU.png
引用URL:http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2009/2009/image/l310212q.png

その後、振り返ってみるといくつかの事例があり、組織の中での問題がありました。

特別警備隊を創設したことについて、彼ほどの強烈なリーダーシップがなければ早期の編成は不可能だったでしょう。

ただ、後方におり組織の中にいた私から見て、「功と罪」が存在したといえます。

1.1 罪は個人ではなく既存組織としての罪!

ここで、彼自身に全て罪をなすり付ける気持ちは一切ありません。

罪については、「特殊部隊」という「新規の存在」をうまく適合できなかった「硬直した既存組織」の罪が大きいでのです。

ただ、SBUの組織拡大にともなう「歪み」を放置した罪もあると考えております。

1.2 「功」は特別警備隊を定着させたこと!

創設者の最大の「功」は、特別警備隊を発足・定着させたことに尽きます!

短期間にて必要な人員をそろえて発足させたことは、他の人物には難しかったでしょう。

ソマリア海賊対処派遣にて、「立入検査隊」支援のSBU派遣などにつながりました

その点を考慮すると、異動させることは悪手だったと言えます。

それでは何が「罪」と言えるのか、経験したことから推察していきます。
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(2)特別警備隊作戦資材班からの「SOS」


ある時、艦補処武器部に「特別警備隊作戦資材班」からの「SOS」が入りました。

通常、呉造補所又は第1術科学校経由で話が来るので、直接「特別警備隊」が連絡してくるのは珍しいことです。

珍しいこともありますが、何か緊急の要件なのかと聞いて見ます。

『SBUの物品管理で手に負えない事態が発生したので支援してほしい』

詳しく内容を聞くと、あぜんとするような事態でした。

『班長はどうした?先任は何か言っていないのか?』
『作戦資材班で処理してくれで、無関心なんです!』


詳細については伏せますが、海幕および内局の決裁を必要とする事態でした。

そんな大事を「特別警備隊」だけで処理できるはずがありません。

図2 問題の物品(イメージ)
640px-JGSDF_9mm_Pistol_20120422.jpg
引用URL:wiki

艦補処・補本・海幕を巻き込んでの「後始末」となりました。

2.1 「必要なことなので実施した。処理はそちらで行って欲しい」

後処理終了後、「特別警備隊」側に抗議を入れると、そっけない返事しか帰ってきません。

艦発隊にいたころに、直接やり取りしていたSBUとは何か違う感じになっていました。

『何かSBUが変な状態になっていないか?』

人員も増加して、SBUの部隊の空気がどこか「変質」したのを感じ取りました。

2.2 幹部中級課程で起きた「SBU副長吊るし上げ事件」

その後、私が幹部中級課程の「共通教育(江田島)」で、SBUへの不満が爆発した事例がありました。

中級課程学生に「SBU」の説明をしていたSBU副長を、中級課程学生が「吊るし上げ」したのです。

『SBUのやり方は乱暴すぎる!』
『人員選抜で差し出したのに、人事取扱を悪くして返すのか!』
『運用・訓練支援での準備・実施内容が遅すぎる!』
『中級課程学生にまで内容を「秘匿」するのか!』


1時間以上、100名近い中級課程学生が「SBU副長(2佐)」を「吊るし上げ」する異常事態でした。

各部隊で、科長などを経験してきた1尉・3佐が、不満を爆発させる事態となりました。

最終的に、中級課程学生を統括する「統率科長(1佐)」の仲裁で、事態は終了しました。

各種部隊の人間から、これだけの不満を爆発させるほどSBUが変質した原因は、罪といえます。
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(3)何が必要だったのか?


当時のことを振り返り、「必要とされていたこと」を用意できなかった「罪」を考えてみます。

3.1 組織をかみ合わせる「仲介者」が育たなかった。

「罪」の部分として、最大のことは「組織」を融合させる「仲介者」が育たなかったことだと考えます。

特別警備隊という、全く新しく「既存の組織・規則」にかみ合わない「組織」は、不和の温床になります。

図3 かみ合わないパズル
パズルがかみ合わない.png

この時、円滑な組織運営に必要なのが「仲介者」の存在です。

既存の組織と新しい組織を「仲介する者」が、特別警備隊に必要でした。

この役目は、「隊長」「副長」など上級幹部が担うべき役目です。

図4 円滑な紹介
syoukai_business_man.png


「仲介者」が育たなかったことが、他部隊との軋轢を生んだ「罪」と言えるでしょう。

3.2 「高度な秘密保全」ゆえの「忖度」が「歪み」を生んだ

特別警備隊には、訓練や運用のために多くの予算が割当られています。

海幕から、直接「ひも付き予算」として割当があります。

調達部門では「特別警備隊」への忖度がどうしてもありました。
(予算を持つ部隊には、往々にしてあります。)

図5 予算を持つ
TSURU17623A018_TP_V.jpg
引用URL:https://www.pakutaso.com/20170605177500.html

しかし、「秘密保全」が徹底されているため「あいつらは何をやっているのか?」となってしまいます。

必要な情報開示などを、「仲介者」を通して行うべきでした。

(4)そして創設者は異動させられた。


知らず知らずのうちに、特別警備隊は組織の中で小さな歪みを生んでいました。

創設者の「功」は計り知れないものがあります。

しかし、「既存の組織」に融合させる努力が、やや弱かったと言えます。

その結果小さな歪みが積り、異動という結果になったと考えております。

当時の海自は、「特別警備隊」をどう取り扱うのか「過渡期」でもありました。

図6 戦闘要員(イメージ)
soldier-2533669_640.jpg
引用URL:https://pixabay.com/


優秀な隊員が集まったのに、組織として問題が起きていたのです。

創設期を過ぎて、継続期となった「特別警備隊」は改善出来ているのでしょうか?

関わりを持ったものとして、心配しています。




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posted by sstd7628 at 11:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 自衛隊
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