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2016年06月27日

世界一大切な私

今日も父のところに寄ってきた。

私は、右のお尻の下あたりに
直径2cmくらいのしこりがある。
脂肪の固まりかな?と思っていたけど
それが熱を持ったり痛んだりすることがあり
病院に行ったのが9年前。

表面に出てるのは2cmだけど、それは、手のひら大のもので、
でも悪性の何かとかではなく
もしそれを取りたいなら大病院で手術、とかいう話になるから
悪さをするものではないから、いじらずに共存しては?
と言われていた。

どうしても痛んだり、取りたいなら
大きな病院を訪ねるように、と
紹介状ももらった。

それが9年経ち、
今月に入ってから、嫌な痛みを感じるようになった。

なんかね、
しこり自体は痛くないの。
右足一本、まるごと、裏側だけ痛いの。
少し長くデスクワークしてると、
立ち上がれない感じ。
激痛とかじゃなく、なんか嫌な感じ。
神経にさわってるとか、
神経を巻き込んでるとか、
そんな感じを想像しちゃう。
8月になれば時間とれるから、9年前の紹介状持って病院行ってこよう…


そんな話を父にしたら
すごく心配されてしまった。

もっと早く言えば良かったのに!
病院行けば良かったのに!
と、ブーブー言う父の顔が、初めて見るくらい真剣で、
ほんっっきで心配しているのが分かった。


うちの父は、頭が悪くて愉快で明るくて
いつもヘラヘラ笑っている。
なんの話をしていても、いつもどこか
「よく分からんのぅ」みたいな顔でヘラヘラ笑っている。
こんなに、「まったく笑顔がない」父は、初めて見た。

いや、初めてではないな。
この家を出て行くときとか、そりゃ
笑顔はなかっただろうから。


とにかく、愉快な父のその表情に
ああ私はちゃんと大切にされてるなと、
この人を遺して死ねないなと、
また色々考えたのでありました。


血の繋がらない、
多分「他人」のパパ。


戸籍もね、縁はガッツリバッサリ切ったから、
本当に無関係の、おじさん。


だけどきっと今の父には
私は間違いなく世界一大切な娘だろうし
私にとっても世界一大切なパパだ。
世界一、たくさんいるけどさ。


迷惑ばっかりかけられる父だけど
ありがとうパパ。

早めに病院行って、安心させなきゃなー。

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posted by からっぽ at 23:00| Comment(5) |

2016年06月22日

誰もがせつない想いをしてる、全部自分のせいな気がする

父の病院に寄ってきた。

父は案の定、
孫たちが遊びに来てくれた話を
孫(姪っ子)と同じ顔して嬉しそうに喋りまくった。

下のチビは、病室に入ってきてすぐに
ベッドに飛び乗ってきて、
はしゃぎまくったらしい。

しかし、上の子は、
びっくりするくらい、喋らなかったそうだ。

「ますます大人しくなった」

みんなで暮らしていた時は、
上の子はじぃじと大の仲良しで、
同じポーズをとった写真もたくさんある。

逆に下の子は、じぃじと暮らしていた記憶はほとんどないはず。

上の子も、
思い出、はもうないのかもしれないね。
忘れてしまったかも。
だけど、周囲の大人の関係性は分かるから、
じぃじと仲良くするのに遠慮があるのかな。

でも、私とじぃじと
姪っ子ズの四人で食事に行ったりすると
めちゃめちゃはしゃぐから、
やはりママの顔色を見ているのだろうな。


あんたを、とてもとても可愛がっていたじぃじなんだよ。

それを、私はこれから、
彼女の負担にならないような量、
負担にならないような内容で、
少しずつ伝えていけたらいいな。


白状な私は、まだ父の日のプレゼントを用意できてなくて
お菓子とか買って行った。

「また、改めて用意するから楽しみにしててね」
と言いながら、どこかのレジに置いてあった『ご自由にどうぞ』のメッセージカードだけ渡した。

お父さんありがとう
これからも元気でね
みたいなカード。

「ありがとう、看護師さんが
いいねえって言うよきっと」
そう言って、嬉しそうに
ベッドの横の壁に
それを貼っていた。


職場でのイライラも聞いてもらったので、その日は1時間ほど父のそばにいた。
普段は、30分まで駐車場が無料なのでバタバタ帰るけど、今日はゆっくりしていたから、
父が駐車場まで見送りに来てくれた。

いつも来たがるけど、
1分を争って走って帰るから、
間に合わなくなるからここでいいよと病室で別れていたんだ。

今日は、駐車場まで来てもらった。
フラフラと歩きながら
「カラ子ちゃんが来てくれるから助かる。
誰も来てくれなかったら、もう…」
と言った。

洗濯物とかも自分で管理しているし
買い物も困ってないし
それは精神的なものなんだろう。

そのセリフを重いと思わないこと、
「毎日顔を出さなくちゃ」と思わないこと、
喜んでくれてなによりだ、行ける時はまた行こう、って思うこと。
父の言葉にドキリとしたけど、
自分に言い聞かせた。

小雨が降っているのに
車の横まで来て、
私が清算して出庫するまでずっと、
手を振って見送ってくれました。

また、くるからね。
プレゼント持ってくるからね。

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posted by からっぽ at 22:05| Comment(4) |

2016年06月19日

父の日の再会

実は週末に職場で問題ごとが起き、
同僚と揉めて、
この土日はそれが頭から離れずグルグルグルグル何万回とその事件を反芻して、ほとんど眠れないという状態になっていた。

私は、ある三十代の女性とペアで仕事をしているのだけど
ADHD(アスペルガー併発型)の方で
毎日小さな問題を起こされたり
衝動的に怒鳴られたりして
パワハラというか、DVを受けている妻みたいな状態になってて困っていた。

金曜も、衝動的な多動発揮で
また問題を起こされて、私まで上司に呼び出しをくらった。
現状について上司にも相談したものの
「そんな人には見えない、あんたに原因があるんじゃないの」
と逆に怒られ…

文句を言ってるんじゃないんだよ
特性を理解しているからこそ、
どう付き合っていけばいいか、どうフォローしていくか組織的に共有していきたいと申し出たんだが
見えないところでの話だから誰にもわかってもらえなくて
どーーーしたもんかなーーー、と


そればかり考えてしまって、
憂鬱で憂鬱で、土日終了してしまった。


なので、父の日だったけど
父の所には行けず
「ごめんねー」とメールした。

そしたら返事が。


『お疲れ ゆっくり休めた?
今日わ〇〇(妹)たちみんな で 見舞いに 来て くれたヨ。△チャン □チャン 髪 切ってた。可愛いかったヨ。又ネ。 おやすみなさい。』

と。

手ぶらだったようだけど
妹がお見舞いに来てくれたらしい。

姪っ子が遊びに来た時に
「じぃじのところに行こうか?」
と聞くと、下のチビは大喜びするけど上の子は母(おばぁちゃん)の顔を見て
「いかない」と言う。
あれは、本当は行きたいけど母が一人になるからと、気を遣ってしまっているのだろうなと思っていた。
母も「行ってくれば?」とか言わずムッと黙ってる人だし。

だから、今日は、
ママとパパがいる場でじぃじのところに行けて
きっと嬉しかっただろうな。

明日は父の所に寄ってきます。
きっと、可愛かった、嬉しかったと
ずーーーっと同じ話をされるだろう。

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posted by からっぽ at 23:24| Comment(70) |

2016年06月13日

もう忘れていいよ

今日も、仕事帰りに父のお見舞に。

お見舞いもなにも、
容態は変わりようがなく、
ただ、お茶を定期的に運んでいるだけなのだけど…
病院の売店では2リットルのお茶が300円以上するから、
近所の量販店で130円くらいのを買って持って行くのだ。

毎月、1日に生活保護費が貰える。
今月は、ずっと入院しているから、
ほとんど丸ごと残っているだろーなー、と思って聞いてみたら
もう5万くらいしか残ってないよ、と言う。

「入院してて、一体なんでそんなことになるの?」
「なんやかや使うんよ。テレビカードを買ったり」
「テレビカードで何万もかからんでしょ!」
「……」

ほんとにテレビカードや、
ちょっとしたお菓子を買うことでそんな金額になっているなら、
あまり言うのもかわいそうだし、
それ以上は言わなかったけど
どーーーゆーーーことよ。

借金でもあって、返済してるのか?
友達に頼んで馬券でも買ってるのか?
色々想像したけど、ほんとに、考えるのも嫌になったので
もう考えることから逃げることにした。
これは本能なんだろうけど、
自分でも、良い事と思っている。

だって私が考えたって仕方ないことだもん。


父が妹に送った誕生日メール、
返事がきていた。

「ありがとう」
「また入院中でーす、30日に手術」
「入院生活、退屈だろうけどがんばってねー」


よくもまぁ実の父にここまで冷淡になれるね、と思うのは一瞬。

私は、「情け無い父」をそれでも大好きだった妹の姿も覚えているから、
文面以上にきっと、落胆したであろう妹の気持ちも分かる。
『また入院してるのか。腰かな?アルコールかな?
心配だけど、関わらないって決めたんだ、
私は私の家族を守るんだ』
って、きっとせつない思いでいると思う。
私と違って、血がつながっている。
私と違って、同じ顔をしてる。
私よりずっと、悲しいと思う。


関わらなくていいよ。
パパのことは、私がなんとでもするから。
どーせこの人の『困ること』なんて
お茶が高いとか、名探偵コナンがない日は退屈だとか、
そんな程度なんだもん。
入院の保証人は私がなれるし、
退院日の付き添いとか、休みが取れなくてどうしようもない件は
もうケースワーカーさんとかヘルパーさんとかの福祉に甘える。

『淋しい、会いに来てほしい』
って思いには、
私はできるだけ応えるけど
こればかりは、私達より自分を優先した父の
罰だと思うから、
妹が会いに来てくれないのは諦めてもらうほかないよ。

子供の頃、楽しかった。
頭の悪い父と、アホな家族(笑)
もう忘れていいよ。
私が覚えているから。


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posted by からっぽ at 23:02| Comment(0) |

2016年06月12日

これからも家族仲良く暮らしてください

最愛の妹の誕生日だった。

30数年前のこの日があったから
私は私になれたし
今日この日まで幸せだったのだと思う。


仲良しだった頃は、
この日は個人的には
「国を挙げてのお祭り」みたいな盛上がりであった。

なにしろ普段、妹ラブ妹ラブと言っても苦笑いされるだけだけど
この日は大っぴらに
「ラブー!!!(≧∇≦)」
と叫んでプレゼントを買ったりしても許される日なのだ(笑)

ちょっとお高いものや大袈裟なものを用意しても
おかしくない日なので、
姉の張り切ることと言ったら目も当てられない状態だったのだ。


今年のこの日、
朝一で、父から私宛にメールが届いた。

「お誕生日おめでとう
これからも家族仲良く暮らしてください」

なんで私に来るかね〜、と思ってよく見ると、
宛名が、グループになっていた。
大昔に私と妹宛に同時に送ったメールがあって、それを編集したらしかった。

残念ながら妹は最近機種変していて
アドレスが変わっている。
妹にはメールが届いていない。

父は返事を待っているかもしれない。
アドレス変わってるから届いてないんだよー、と教えるために
病院に寄ってみた。

幸い、父の携帯には、
少し前に妹の新しいアドレスから来たメールがあった。
登録し直して、再度父にお祝いメールを打ってもらった。
目の前で、人差し指だけで時間をかけてメールを打っていた。

私に毎晩くれるメールも、
こうやって送ってくれているのね。

『これからも家族仲良く暮らしてください』
その文章はとてもせつなかった。
「たまには会いに来てね」とか「たまにはメールちょうだいね」とか送ればいいのに。
「もし、また会いにいくねーって返事がきたら、『来てもいないよー入院中だからねー』って言わんといけんなぁ」
と父は言ったけど、
ほんとは、それは言いたいんだよね。
入院してるから会いにきてねーって。

それからしばらく病院にいたけど、
妹からの返事はこなかった。

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posted by からっぽ at 00:09| Comment(0) |

2016年06月05日

元妻の作ったぜんざい

今日は、母がなぜかぜんざいを作ってくれたので、
それをタッパーに入れて父に持って行った。

これまた大変なんですよ。

母に気づかれないようにタッパーに移すのも
理由をつけて家を出るのも。

結局「ちょっと、中古パソコン屋行ってくるー」とワケの分からない理由で家を出た。
これ、うかつに「コンビニ行ってくる」とか「スーパー行ってくる」とか「100均行ってくる」とかにすると
「おかんも行く」と言われてしまうのだ。

病院に着くと、
父は呑気に競馬中継を見ていた。
買ってきた名探偵コナンを大喜びした。
ぜんざいを喜んで、あっという間に食べた。
「減塩食になった。ご飯の量も少し減らされた。なんでかのぅ」
と言っていたけど、
減塩食になるってことは、腎臓なり心臓なりに、それなりの数値が出ているのだろう。

母が作ったぜんざいを、
父は何も言わず食べた。

病室から、駐車場の私の車が見えて、
「あれやろ?」と言っていた。
帰るとき車から病室を見上げたら、案の定、
窓から手を出してブンブンと振り回して見送ってくれていた。

image.jpeg


家に帰って、
また見つからないようにサッとタッパーを洗った。

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2016年05月16日

父、再入院

父が今日からまた入院した。

主訴は腰痛と、身体や頭のしびれなんだけど、
今度は病棟が脳外科だったから、本人はとても不安がった。
この前転倒した時に検査をしたら、
大きな血腫が出来ていて、
でもそれは慢性の、古いものだったはず。

私が主治医に話しを聞くと、
腰痛が、脳神経や脊椎や、色々な要因からきているから
脳外科で詳しく検査をしていく…とのことだった。


私は四月から勤務先が異動になり、
ガッツリ9時5時の仕事になった為
入院の付き添いが出来ない。
もう、今度ばかりは本当に、どーにもならないとあらかじめ話しておいたら、
いつもお世話になっている、ホームレス支援団体の方が付き添ってくださったようだ。

ホームレス支援団体って、
すごい衝撃的なところにお世話になっている情けない父です。
一瞬あったホームレス時代の、ありがたい繋がりです。

仕事を終えて病院に寄った。
慣れたもので、寝ていた。

脳外科らしく、
隣のベットの人はすっかりぼけていて
大声でウォーウォーと叫び続けていた。
「大変やね」
と言うと父は
「賑やかやろ」と笑った。
喋るのが大好きな父には、ガッカリな同室の友だった。

家に帰れば母が、のんきにテレビを見ていた。
あんたの元旦那は、また入院したよ。
また手術するかもしれないよ。
どーでもいいんだろうけど。

私にも、愛する彼がいる。
一度は愛した相手のこんな状況のこと、
知りたいものなのかな、母は。
知ってもなんとも思わないのかな。
よく分からない。
もちろん、伝えはしないけれども。

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2016年05月07日

焼肉

ゴールデンウイーク中
三度焼肉を食べに行った。
そのうちの1回目のこと。



生存確認も兼ねて、毎日父には
「寝る前にメールするように」と
言ってある。
きちんと毎日メールは来るものの
当然内容は毎日同じだ。

「今日も部屋でのんびりしてるよ
暇じゃ
カラ子ちゃん、時間できたら
また寄ってね」

「暇がなによりよー、また寄るねー」


こんなやりとりを繰り返して、
まるで何ヶ月も会ってないかのように恋焦がれられて、
脅迫されるかのように
「ゴールデンウイーク中に、一度
ご飯食べに行こうねー」
と約束をした。
ということで父をアパートに迎えに行き、
焼肉屋さんへ。

お世話になっていた看護師さんが
異動で、他の人に代わるそうだ。
とても残念だった。
私のことまで気にしてくれる、優しい人だった。

「新しい人が挨拶にきたよ。
アパートに来たから、もし地震がきたらワシはどーやって逃げたらいいかねーって笑ったよ」

笑い事ではない。
地震のとき実際私もそれが一番怖かった。
今日もほんとにフラフラされて
こりゃほんとにダメだと悲しくて堪らなかった。

父は、「何か月かぶりに焼肉食べた。普段はヘルパーさんが作ってくれる野菜炒めとかに時々お肉入ってるよ」と言って
盛り合わせの他にホルモンや牛タンを嬉しそうに注文した。
本人は寝起きのせいだと言っていたが、フラフラしていたから、
ビールは頼まなかった。

アパートに送って、
アパートの下に車を止めて
父を担いでエレベーターまで行き
部屋のベッドに座らせて
「このへん、すぐ駐禁貼られるから、じゃまたね!」と
ダッシュで車に戻ったら
もう駐禁を貼られていた。その間3分。
どーせなら一時間くらい部屋にいてやればよかった。
この辺はいつも、委託の取り締まり員が潜んでいて
かたっぱしから駐禁をきられる。
ハザードもエンジンもかけっぱなしにしてたのに
3分だからね、どこかで見ていて
私がいなくなるのを待って走ってきたんだろうね。取り締まった分だけお金をもらえるから。
それにしても、駐車禁止も停車禁止も標識は出てないのにダメなんかね。
事情説明みたいなのもできるって聞いたけど、違反は違反なのだろうなら別に払いますが
駐禁免除の申請を急がねば、お金がいくらあっても足りない。
駐車場から歩かせるわけにも、
一瞬父から手を離すわけにもいかないのだから。

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posted by からっぽ at 00:11|

2016年04月24日

あの人も誰かの家族

避難所の様子を報道している中で、
腎臓に持病があるおじいさんが取材されていた。

持っていた薬が切れて、おしっこがずっと出なくて苦しいという。

足が不自由で、車椅子なんだけど、
車椅子に乗り降りするのに大人3人くらいの手を借りてしまうからと気兼ねして、
ずっと車椅子に乗りっぱなしのままで睡眠をとっていて
具合が悪くなって横になったところらしかった。
「車椅子に乗っていれば、なんとか一人でもトイレには行けて、尿瓶を使えるから」
って、ずっと車椅子生活してたんだって。

父がもし被災したら
間違いなくこんなことになる。
父はすごく周りに気を遣うから
避難所の隅で、誰の手も借りれずに
移動も出来ず、立ったり座ったりも出来なくて
食べ物も手に入れられずにしょんぼりしてる。

そんなことを想像して
とても悲しくなった。

みんな誰かの家族なんだきっと。
ああどうか、
そんな思いをしている人が
被災地にいませんように。
みんなが周りに気を配りあって
誰も不自由な、寂しい思いをしていませんように。
ほんとにほんとにそう願うよ。

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posted by からっぽ at 23:02|

2016年04月02日

父はもう長くない。多分。

父とお花見に行ってきた。

お昼に迎えに行くね、とメールして
迎えに行くと、マスクをしていた。
喋り口調はしっかりしていたけど、
軽くお酒の匂いがした。

車に乗せて現地に向かう途中で
車内はものすごいアルコール臭になった。
これはお酒か?!と思うような、
まるで薬品みたいな強い匂いが喉を刺す。
うちの父は、飲むとろれつが回らなくなるのに
今日は匂いのわりにキチンとしているから、
「飲んでんでしょ!」と怒ることも出来ず、
飴でも舐めてる?とか色々考えてた。


うちの近所の花見場所は大混乱で
階段を避けて、綺麗な場所を探した。
芝の所までたどり着き、さぁ腰を下ろそうかという時、
父が転倒した。
そこはわすがに斜面になっていて、
父はコロリンと地面を転がってしまった。
杖を持っているから、酔っ払いが転倒したわけではないと周囲には見えたと思う。
でも真実は分からない。
飲んでいたから転倒したのかもしれない。

芝の上でお弁当を食べた。
「昼ごはん食べてない」と言うから買ったお弁当なのに、一口食べて
「もう入らん」と残した。
顔が赤かった。普段は飲んでも顔に出ないから、またしても不思議で
「熱とかない?」とおでこを触った。
やはり飲んでいたのだと思う。


久々に、犬に会わせてあげたくて、
家に連れてきた。
うちの中では母が姪っ子ズを預かっていて、見つからないように犬を連れ出すことは不可能だった。
どうしようか迷ったが、
母には、「離婚しても、私にとってはお父さんなので、これからも付き合うと思う」と宣言してあるので
今回も
「ちょっと、じぃじを連れてきた。犬に会わせるよ」
と母に言った。
母は黙っていた。姪っ子ズに
「お外にじぃじいるよ」
と声をかけると、下のちびちゃんは
歓声を上げて外に飛び出した。
上の子は、母の顔を見て表情をくもらせ、
「いい」
と言った。
「なんで?おいで、じぃじ待ってるよ」
「行かない」
「そう?」
母に気を遣っているのだろう。
無理強い出来なくてしばらく外で父とちびちゃんと犬と遊び、
少ししてから再び中に入ってみると、
リビングにはいなくて、
二階の母の部屋にいた。
テレビを見る母のそばに、ちょこんといた。

この小さな身体で、
小さな心で、母を守ろうとしていると思うと、
全てが申し訳なくてたまらなかった。

「じぃじを送ってくるよ。◯ちゃんは一緒に来るって。△ちゃんはどうする?」
「行かない」


父を送る車内は、しまいには吐き気がするほどアルコール臭が充満した。
もう、確認はせずに、
「いい加減、酒をたたないと、もう知らんわマジで」
と告げると、なにやらゴニョゴニョ言っていた。


みんなが帰って、母と話している中で
母が疲れたーと言うので
「たまには、預からない週末があってもいいんじゃない?お母さんも疲れるやろ」
と聞くと
「でも、ここに来るの楽しみにしてるみたいだし、ここに子供ら預ける時だけがあの子(妹)も自分の時間やけね。
それにキツくないよ、可愛いよ。△ちゃんは、ばぁば大好きとか言ってた」
とのこと。

ばぁば大好き。
それは、私らがみんなでじぃじの所に行ってしまったあとに出た言葉かな。

ママの前では、カラ子ねぇちゃんと仲良くしちゃいけない。
ばぁばの前では、じぃじと仲良くしちゃいけない。
たくさんの大人の気持ちを汲んで、この子は、悲しい思いをしている。

母がたとえば、
「じぃじ来てるよ」
「あらそーね。△ちゃん、じぃじ来てるってよ〜、遊んでおいで(^^)」
みたいな演技をしてくれれば、
△ちゃんも心配せずに飛び出せるんだろうけど、
母にそんな気が回るわけもなく。

ただ、申し訳ない。
そして悲しい。
いろんなことが悲しいよ。

なんとなく、
父はもう、長くないんじゃないかなーって思った。
そのくらい、弱っていた。
散々な目にあい、
全てをなくし、
口うるさく言われ続け
それでも止められないお酒というものの力の前に、
もーーーーダメだこりゃ、と思った。

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posted by からっぽ at 23:52|
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