2017年04月13日

清須会議

拝啓



「清須会議」
信長亡きあと、清須城を舞台に、歴史を動かす心理戦が始まった。


清須会議とは、本能寺の変により織田信長を失った織田家の後継者を決める会議(財産分与等も決めないといけなかったが、後継者に勝るものはないだろう)。一般的には、秀吉が三法師を擁立し勝家が信孝を後継者に推して対立したというイメージがあるが、それは江戸期に入ってから成立した川角太閤記が初出とのことらしく、一次史料である「金井文書」「多聞院日記」などによると、織田家の後継者問題では信長の二男・織田信雄と信長の三男・織田信孝が互いに後継者の地位を主張し引かなかったため勝家・秀吉ら宿老たちが事前に信長の嫡孫である三法師を仮の御名代とする事で双方了解済みであったことが記されています。


登場人物は、柴田勝家、羽柴秀吉。丹羽長秀、池田恒興ら重鎮たちに加え、お市、寧、松姫ら女性陣も登場します。各々の視点で描かれている小説で、基本的に彼らは自分たちこそが清須会議をコントロールしている(する)というやる気満々です。柴田は猪突猛進、羽柴は執拗、丹波は冷静などそれぞれキャラクターが立っているため、イメージしやすいですね。立っているキャラクターそのままに会議をかき乱すため、読者はだれを推すのか決めやすいのではないでしょうか。


個人的には、お市が印象的でした。正直、信長協奏曲を1か月前以上に読んでいた為、どうしても漫画でのお市が頭に浮かび、しかもそれほどキャラクターが離れている訳ではない部分もあるにはあったので混合する部分はあったのですが、信長譲りの親玉振りはさすがでしたね。特に、羽柴と柴田を毛嫌いする、それに全く気付かない2人が面白く描かれているだけにそのどS振りが天下人風な感じで。とはいえ、柴田は猪突猛進らしく周りが見えない感じですし、織田家を守れるに値するか不安になるのは仕方なしですがw


柴田は完全にイノシシ状態。相手が何を考えているのか全く見えていない。お市に興奮しっぱなし。それに代わり、羽柴はやはり狡猾さが抜けていて、でもどこかちょっと下品で。で、そんな羽柴をうまくサポートしている官兵衛が一番効果的な役割を果たしていたり・・・。


などなど歴史的な会議の場面をユーモアを忘れずに上手く書いているなーと感じました。後、三谷幸喜は、やはり喜劇作品が得意なのだなと、そして、映画よりも文章の方が、ユーモアのべたべた感とあの独特な三谷ユーモアも薄目で丁度いいなと。



敬具







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2017年04月02日

実録山田

拝啓



「実録山田」
“簡単に説明できない内容"“読んだ人同士の感想トークが盛り上がるか否かはわからない"。


深夜の居酒屋親子から始まる「実録山田」。これを読んだ人で
頭の中が??????ってなるか。くっそどうでもいいわーーーーーー

ってなって読むのを止めてしまう人が出てきても致し方がない。


芸能人の場合、本人が1から100まで文章を書きあげることは稀と聞いたことがある。そうであったとしても、山田孝之の代筆者がどこまで彼の考えを忠実に落とし込んでいるのかわからない。山田孝之による実録がどこまでなのかさっぱり分からない。芸人のネタ帳の延長線のようなそんな感じ。だから、俳優としての本だと思って捉えてしまう場合、この本はかなりそれから離れたものなので「これは違う」という感じを得てしまう。これは、山田孝之の妄想癖のようなものが詰まっている本だと捉えてからこの本を読んだ方が良いと思います。


締めは「人類の弱点」。山田孝之の対話者は、武井壮。マスターズお祝いから始まり、ぬるぬるの話になり、遂には上島竜平が出てくる。これが約70ページ続く。俳優山田孝之のファンからすれば、ただただ無意味な読書時間であり、「ちっ。なんで武井壮なんだよ」と思うファンが出てきても仕方がない。


ただ、このカオス的な内容を山田孝之が書きたかったのであれば、仕方ない。外見は俳優然だけど、中身はそこいらの男と変わんない。それが多分山田孝之なのだろう。最後に念押しですが、俳優山田孝之のみを好きな方は、読まないほうが良い、もしくは誰かから借りる軽い感じで読んでもらったがよいかなと。



敬具



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天空の蜂

拝啓



「天空の蜂」
奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。


原子力発電をメインとした小説。1990年代に執筆されており、現在読むと考えるところは多くあるように思います。原子力発電を廃止すべきだという意見と国の電力を維持するためには必要であるという意見の対立は近年も続いていますが、ぶつけるべき意見が精緻にぶつかっているかと考えると微妙です(私的意見)。


原子力発電廃止派の多くは危険性を訴えるが、ではその危険性をもとに廃止する場合、原子力の代わりにどの動力を使ってエネルギーを創出すべきか。仮に創出できる代替案が存在する場合、その案であれば、何年間かければ今までの原子力分を補えるのか。その代替案を実施するための工数とコストはどこが提示するのか 等、しっかり動機付けして意見を主張しているのか。一方で、原子力継続派は、危険性を訴えている廃止派に対して技術的な意見、事実を事実で伝えることを本当にしているのか。事実は、真っ当な理由になりえますが、事実をしっかり補完する(正規文書の通達 等)ことをしないと数字が独り歩きしてしまい、それが一番厄介かなと思います。真っ当な理解をもって反対している人には、それがないと納得して貰えないです。


本書では、どちらの派閥が正しいかというところではなく、その先にあることを捉えているかということにメッセージの主眼を置いているのかなと感じました。先にある風景や現状を見据えた上で、それを実現する為に逆算した場合、どちらが正しいのか。そもそも廃止派も継続派も安全な生活を実現することが最終目的であるのは同じであるのですから、どちらが正しいではなくミックス案であっても良い訳です。自分たち、その将来世代を考えるとき、どうすべきか。そこが大事ではないですかということだと感じました。


ちなみに話がそれますが、序盤で出てくる夫の悲哀。やっぱ結婚は大変なんですねーw



敬具







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2017年03月26日

コンテクスト・オブ・ザ・デッド

拝啓



「コンテクスト・オブ・ザ・デッド」
あなた、まだ、自分が生きていると思っているんですか?


路線バスZ、始まりましたね。キャラは相変わらず立ってましたが、声も相変わらず聞き取りずらかったですが、頑張っておられました。番組レギュラー開始に合わせたような成功者Kの発売、さすがです。そんな羽田圭介によるゾンビ柄小説です。


ゾンビと言えばパニック。xxxオブ・ザ・デッドに連なるタイトルに加え、青白い顔色にがっつりしたクマのある女子高生?の表紙、おまけに血をイメージしたかのようなレッドとなると余計そうかなと。でも、違いました。先入観は怖いですね。


ゾンビは急に発生し、ふらふら歩き噛み付こうとする。意思はない模様。噛まれたらゾンビになる等ここら辺は、ゾンビ映画の通り。でも、パニック度はそこまで高くない。中盤以降から人間対ゾンビの戦いが高まりますが、それまでは「ああ。最近ゾンビいますよね」程度に落ち着いてます。噛み付こうとするけどふらふらしてるから避けれるなら大して気にしない人々、なんでや?となる設定です。なので、パニック系を期待して読むと萎える可能性があります。


また、どんなにゾンビが出ようとも、物語の中心は、物書きのあれこれなので、パニック度は更に薄まってる印象です。


編集者の須賀が、作家Kに心の中で言い放つ「あんた、まだ生きているつもりなのか?」は、随分売れてないのに自分の立ち位置を理解できず、まだ文壇の世界で生きている(しかも受賞当時を忘れられず)と思っていることへの痛烈な皮肉は、強烈です。この須賀、作家Kを始め、久しぶりに小説を発表した美人作家の桃咲カヲル、家族で北へ逃げる小説家志望の南雲晶と物書きが登場人物に多く、各々の視点から文壇が語られます。なので、ゾンビ小説よりは、文学チック。


面白いのは、過去の文豪がゾンビとして復活することやワナビーゾンビという物書きだったひとが噛まれてないのにゾンビになるという設定。ゾンビに噛まれてしまった女子高生の希は、何故か噛めばゾンビを治せる、ただ確実性はなく失敗したらゾンビは爆死というのも普通のゾンビ設定ではないですよね。ここらへんが羽田圭介のオリジナリティなのでしょうか。ゾンビによって復活するKや最後は、受賞書評で締める辺りもパニック系ではない形で書きたかったのが伝わりました。ただ、ボリュームは400Pと若干間延び感があり、もう少しコンパクトにした方がテンポも出て良かったのではと感じました。


という訳でパニックを期待したら肩透かしくらう可能性大と思います。だから、この世界で生き残れるのは誰なのか!とかの紹介はやめたほうが良い気がしますw。あくまで中身は、物書きの世界に対するあれこれ(皮肉もあり)ですから。



敬具



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2017年03月25日

三月は深き紅の淵を

拝啓



「三月は深き紅の淵を」
一つの本をめぐる物語。


私は、恩田陸の小説をたくさん読んでいるわけではない。しかし、この小説を読む限り、小説(物語)とは?に関して強い拘りがあるタイプなのかなと感じました。なぜなら、一つの本をめぐる物語だけならば、そこまで拘りを感じないけど、第1章は、久方読んでないからこそのインパクトかも知れないですが、「よく本について喋る連中だ」と読者(少なくとも私に)に思わせるパワーがあるから。


なんで第1章はそこまで思わせるかとなると、そのよく喋る連中は、きっと恩田陸の本に対する考えや想いを代弁しているからであり、恩田陸の小説家としてのプロットが詰まっているように感じるのです。


フィクションとはいえ、作家の想いを小説の登場人物に代弁させるというのはよくあることだろうから不思議はないけど、こと小説はこうだ、いや、ああだ、という代弁の仕方になると珍しいように思うし、その珍しい代弁の語りには「物語とはこうあるべきだ」といった考え方や「本はやっぱりこうだ。本を読んでいる人はゲームよりも疎まれる」など世俗的な話まで出てきてここまで熱く語られては、恩田陸は当時こんな風な想いがあったんだなと感じざるを得ないですね。


"生まれて初めて開いた絵本から順番に自分が今まで読んできた本を全部見られたらなって思うことありませんか?一つの本棚に順番に収まっている図書館がそれぞれにあって他人の読書ヒストリーを除くっていうのも面白いだろうな"という台詞には、なんか物語への愛情がダダ漏れで過ぎなフレーズですね。


あらすじが後付けですが、こんな感じです。


「三月は深き紅の淵を」は、誰が書いたか分からない幻の本。1人の人物が書いたか合作か。男が作者か女か。目的は何か全くわからない。そんな本は、限られたルートで配布され、作者は明かさないことなど厳重な約束が配布者と読者で交わされる。中でも読めるのは、一晩だけというルールは、きつめ。なぜならこの"三月"は「黒と茶の幻想」、「冬の湖」、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、「鳩笛」の4部作であり、かなりのボリュームなのだ。


上記をベースに本書は「待っている人々」「出雲夜想曲」「虹と雲と鳥と」「回転木馬」の4部作で進んでいきます。物語への愛情諸々が語らい続けられるラフなミステリーは、第1部です。ただ第1部と同様に恩田陸の信念が垣間見えるのが、第2部ですね。こちらも代弁者からよく想いが伝わります。一方、恩田陸の想いではなく純粋な読みものに近いのは、第3、4部だと思います。


初期作品とのことですが、きっと恩田陸の信念は、このころから出来上がっていたんだろうなとちょっと感じさせる一作ですね。「夜のピクニック」から入った人はとっつきにくいと思いますが、恩田陸のプロットを知る上では読むのは一理あり。



敬具



posted by kansasyoshi at 18:26| Comment(0) | TrackBack(1) |

ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史

拝啓



「ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか――宇宙開闢から138億年の「人間」史」
138億年か、、、。


天文学、物理学が主体の「宇宙史」、太陽系、地球の誕生と大陸移動など天文学、地学が主体の「地球史」、生物が主体の「生命史」などなど138億年の時を語るに相応しい学問が並んどります。予想以上に横にどでかい本書には、これでもかと人類、星、宇宙の生命が語られ、読むのも一苦労。いや、文句じゃなく、頭が疲れる感じですね。あぁ、これも文句みたいになっちゃうか。まあ、言いたいのはビッグヒストリーに相応しい内容ですってことですね。


宇宙史といえば、やはりそもそも宇宙はどうやって出来たのかが1番の論点ですよね。ビッグバンは、神様が引き起こしたものだ、だなんて宗教団体は言わない理由はなんだろう。皆を守ってますなんかよりもよっぽど神様が居る動機付けにはぴったりだと思うけど。


と脱線してしまいましたが、そもそもなぜ宇宙をつくるほどのビッグバンが起きたのか。不思議だ。


宇宙含めた世界には不思議なことがたくさんある。当たり前なこのことを改めて伝えてくれる。分厚いけど中身はしっかりしている良本。



敬具



posted by kansasyoshi at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年03月18日

社会人大学 人見知り学部 卒業見込

拝啓



「社会人大学 人見知り学部 卒業見込」
ダヴィンチで始まったのが、2010年8月。


今やレギュラー何本あるか分からない売れっ子のオードリー。どうもほっとけないあと間違いなくいいヤツな春日と少しひねくれてるだろうが、根はいいヤツな若林。一度漫才を見たことがありますが、かなり面白かったです。そんなオードリーの初期の色々が詰まったコラム。


コラムのテイストは、自分で言ってるようにちょっと捻くれたとこがあります。ダヴィンチってオシャレなイメージがあるからコラムも読んだ本やらオシャレな生活やら芸人らしいウィットに富んだ笑いやらを詰め込んだコラムかと思いきやそうではないのです。


2010年と言えば一気に売れっ子に駆け上がり、世界がガラッと変わった頃。そんな世界を厨二感で観ている若林正恭先輩。等身大ですね。


一押しは春日に関するコラムで間違いないですが、ちょこちょこ捻くれて見えるけど悪くない(と偉そうに!と若林正恭は突っ込むだろうが)視点が挿入されていることは見逃してはならない。厨二感病がいい具合に調合されています。


また、ドーンや限りなく透明に近いブルー等、若林ぽくない小説が引用されていることがツボでした。読書芸人で出てるけどなんかイメージ湧かないんですよね。鴨川ホルモーとか好きそうなんだけどなw



敬具



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2017年03月11日

かにみそ

拝啓



「かにみそ」
なるほど、かにみそってここからね。


第20回日本ホラー小説大賞の優秀賞を受賞した「かにみそ」。読者賞「ウラミズ」と競り合っての受賞とのことで、更に選考委員に貴志祐介、宮部みゆき、高橋克彦、荒俣宏、って荒俣宏!?荒俣宏ってホラー小説書いてるの?とかて、でもってユニークな題名でどうやってホラーと結びつけたのか気になり手に取りました。


職を転々として今は無職の私は、朝浜辺で見つけた蟹。顔を近づけても撫でてもつついても逃げない蟹を家に持ち帰り、飼い始める。次第に興味が湧いてきた私は、新たな餌、綺麗な砂と蟹に買い与えるが、蟹はどんどん大きくなり、遂には言葉を発し始め、人を喰らうことに固執する。


蟹が話すだけでもホラーだが、あのデカイハサミと何より不気味な真っ黒な目をチラつかせながら音も立てずに綺麗に人を喰い、肉団子を放り出す。不気味この上ない。


しかし、この蟹よりもホラーなのは、20過ぎの私であるのを見逃してはならないと思います。蟹を買うために水槽にいた熱帯魚を庭土に捨て、熱帯魚が跳ねる姿を思い暗く笑う、蟹が吐き出した肉団子を家族の夜ご飯の肉団子の野菜あんかけに紛れ込ませる、蟹を連れ帰りながらも飽きたらばらばらにすればよい 等、明らかに常軌を逸しています。蟹を人喰い蟹にさせるのも私であり、蟹の最後を作るのも私。


人を殺すことを蟹で体現しているような様には、ぞくぞくさせる怖さがあり「生きることは食べること」と言い放つ蟹を見事に食べ上げ、生き生きとした衝動と感じる私には、底が見えない恐怖を抱えている様に思えます。蟹に隠れた私にあるこの怖さこそホラー。




敬具



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2017年03月07日

銀翼のイカロス

拝啓



「銀翼のイカロス」
鬱陶しい大臣が相手。


まず、下町ロケットの次に読み出した故、遅ればせながら気づいたことが。帝国重工と帝国航空、帝国グループは、違う小説同士で繋がってるんですね。白水グループも多分そうなのか。と小気づきでしたw


無敵のバンカー半沢直樹の戦い第4弾。今度の顧客は、帝国航空。業績悪化で瀕死状態の会社。出だしでは、事業計画を単なるペーパーとしかみてないなんてアホじゃないですかっ!!とか思わせるアホさ加減丸出しで半沢を呆れさせる。そんなダメダメ企業に対して半沢は「はっきり申し上げて今がラストチャンスです」と突きつける。数字をいじり社会的意義で自分達のジリ貧を誤魔化す社長に言い放つこの言葉にはいつもの半沢節が詰まっている。うん、変わりなし。


また、今回の敵は、無能大臣率いるタスクフォースチーム(と曽根崎)です。過去半沢に返り討ちにあってきた懐かしき敵に倣い、プロとしてはあり得ない横暴な態度、無様な風貌に加え、半沢に対してあらゆる嫌がらせを突きつけてきますが、どうも物足りない。


大臣お目付のチームにしては実力を感じなさ過ぎるんですよね。悪態よりも腹立つ程実力がある悪役が出て来ないともはや半沢の敵にはならないです。白井という大臣もアホさ意味不明さ丸出しでちょっと無しですね。


そんな物足りない敵ながらも、過去の融資で東京中央銀行の信頼を揺るがす大事件が発生します。バンカーとしての信念を問われる中、中野渡頭取が下す判断は間違いなかったのだが、代役半沢ではなく頭取自身での叩き潰しでも良かったんじゃなかろうかと正直に思います。主人公は半沢だけど、あの場面で出てこなくとも読者はブーブー言わないと思うのだけど。


頭取と共に岐路にたつのは、富岡という表向きは出向待ちの銀行員。しかし、彼には真の姿があった。鮮やかな立ち振る舞いには探偵臭が半端ない。


さて、もはや天下無双の半沢直樹は、頭取が去った銀行をどう立て直すのか。



敬具



posted by kansasyoshi at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) |

2017年02月19日

中途半端な密室

拝啓



「中途半端な密室」
テニスコートでナイフで刺された男の死体が発見された。コートには内側から鍵がかかり、周囲には4mの金網が。犯人が内側から鍵をかけ、わざわざ金網をよじのぼって逃げたのか?そんなメンドクサイことを犯人がするのか?表題「中途半端な密室」を含む短編5編収録。


・中途半端な密室


・南の島の殺人


・竹と死体と


・十年の密室・十分の消失


・有馬記念の冒険


私としては「十年の密室・十分の消失」が一番印象的でした。犯人の動機、過去の背景、そして鮮やかな犯行と其々が納得出来るものでした、強引な論理展開もいつもより少なめな気がしますし。また「南の島の殺人」は読者から推測出来るように論理が進められているので、楽しめました。


「中途半端な密室」は十川と片桐の推理の掛け合いがとてもテンポ良くスイスイ読むことが出来ました。また事件現場に彼らが出向くともなく、新聞の2つの記事をもとに推測していく点は東川氏作品では新鮮かもしれませんね。


個人的にはこの作品は東川氏の作品の中で結構お気に入りです。頑張れミキオ。



敬具



posted by kansasyoshi at 17:05| Comment(0) | TrackBack(0) |
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