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2019年12月03日

未来のためのあたたかい思考法/小川和也

「未来のためのあたたかい思考法」



思考法とあるが、HOWTO系ではない。寓話的なストーリーを通じて、これからも革新的に進むだろう技術との付き合い方を提示している。または、読者に付き合い方の気づきを促すことを目的にしていると感じる。めちゃくちゃ面白い内容では無く、強く訴求する構成でもないが、寓話に盛り込まれるヒントは興味深い。


AIやロボット、テクノロジーは革新的に進化を遂げることで、人間から仕事を奪うのではないか?と議論が続いているが、個人的には彼らにできることできないことは当然あり、そこを見極めていく必要があると思う(当たり前か)。なんでもかんでもAIやロボット(RTA含む)を導入するのではなく、何のために導入するのか、何故導入するのかを明確に定義し、導入するならば掛かるコスト(維持込)と効果を検証し、その後にやっと「入れます?」みたいな話をすべき。


しかし、AI達を入れたら何でも出来る、人間の業務は不要になる、といったAI達ありきに考えるのが当たり前みたいな風潮が強い。メディアがメリットばかりを取り上げる影響もあるのだろうが、普通に考えてみれば、メリットばかりあるわけなく、あるメリットもたいしたことなく、これならば人間がやる方が良いケースなどザラにある。


今後、Deep Learning(専門領域ではDeep Learningは二種あるらしい。自己学習と自己学習から進化する奴、だった気がする。ここでは後者)が、凄まじくなり、人間の感性やセンスを問う仕事や人間のことを理解しないといけない業務(例えば、メールにしろ、定型系はRPAで可能だが、この人に向けた場合はちょっと表現を変えた方が印象良いな、と言った相手に合わせたメールは人間にしか出来ないのでは?)まで完璧にこなす可能性はある。しかし、AI達には得意不得意があり、人間にも得意不得意がある。お互いパズルの凸凹みたいな形はしているはずで、ピタリと嵌るところで、AI達の力を借りれば良い。本書の寓話はそんなこともメッセージにしている気がする。
タグ:小川和也
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スクールカースト殺人同窓会/堀内公太郎

「スクールカースト殺人同窓会」



お初になる作家さんの作品。「公開処刑人森のくまさん」を始めとしてタイトルが面白風味付な作品ばかりであり、ちょっと気になる。


あらすじからするとクズが多数登場する。スクールカーストというものは本当に排除すべきもので、こんなクズどもと共に消え去って欲しい。そんなクズども以上にヤバい奴が、ゲスい美人記者Kである。このKは、主人公の刑事永沢南の同級生なのだが、スクールカーストからは外れていた為、一見今回の殺人劇には無関係に見える。しかし、クズどもと同列かそれ以上のタチの悪さ。


因みに、本作は「スクールカースト殺人教室」の続編に当たるらしい。前作に登場した“ことり”がちょくちょく永沢の過去の話で登場する。“ことり”が一体誰で何の役割を担うのかは、今作のポイントの一つだ。


永沢南もポイントの一つ。彼女は刑事でありながらある過去の経験から複雑な感情を抱えている。刑事として、1人の人間として考えるべきこととして悩むが、自分が気づいていない心情を揺さぶられることになる。


クズばかりが登場し、次々と狙われていくタイプは、表現が残酷であったり、クソっぶりがやばかったりするが、本作はそこまででもない。永沢も特に入り込んでくる訳でもなく、主人公よりは第三者的ポジションに見える。


よって、永沢に同調することも無く、テンポよく話が進み、ページはめくりやすい。黒幕からの逆算でストーリーを組み立て、テンポよく最後まで描こうとしたから、こんな感じなんだろうか。ものすごくさくっと読める。
タグ:堀内公太郎
posted by kansas at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) |

2019年09月20日

蒲生邸事件/宮部みゆき

「蒲生邸事件」



予備校受験のために上京した受験生の孝史は、二月二十六日未明ホテル火災に見舞われた。間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、そこはなんと昭和十一年。雪降りしきる帝都・東京では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた。



宮部みゆきの作品はたくさんありすぎて追いつかない。本作は宮部みゆきのSFって読んだことなかった(はず)ので、漸く手にとった。確かにあらすじを見ればSFなのだけど、それだけじゃない。


二・二六事件真っ只中の戦前の東京にある蒲生憲之陸軍予備役大将の館に身を寄せた孝史は、蒲生予備役大将の自決に遭遇する。その自決に事件性を感じた孝史は犯人探しをするが、これはミステリー。


また、まがい物の神だと自虐的に語る時間旅行の能力を持つ平田との衝突と生まれる絆、そして、ふきとの出会い。そこからすると恋もありな成長物語。


色んな側面がある作品だ。その中で一番強いのは、歴史的な側面。テーマはSFでも恋でも成長でもなく、過去は過去と差別しないで、生きている時代に逃げずに向き合っていく。それを二・二六事件に直面する蒲生家とその関係者との短い日々を通じて、孝史は感じていく。


孝史は、負けると分かっている戦争からふきを助ける為、共に孝史の時代にいこうと誘う。しかし、ふきはそれをしてしまうと逃げてしまうと言う。ふきはふきの時代に向き合って、孝史は孝史が生きていた時代に帰り、向き合いなさいと言うことだ。


タイムスリップする前の孝史であれば、平田の人間として生きて死にたいと言う願いと同じくらいふみのこの言葉も理解できなかっただろう。しかし、僅かな日々であったが、蒲生事件や貴之、ふみ、珠子などの人々、なにより二・二六事件と当時の日本を肌で感じることで変わっていく(父曰く大人になった)。


歴史がテーマとは言え、五十年以上の時間を越えたふきとの再会は、寂しくもあるが、爽やかでもある孝史の今後の姿が楽しみになる締め。また、平田に対する回想も良かった。


個人的には、孝史の素直な(タイムスリップに対するリアクションを含め)とこや平田の実直なところ、珠子のキャラと登場人物が良かった点も含め、宮部みゆきって改めて凄いなと感じる一冊。
タグ:宮部みゆき
posted by kansas at 01:04| Comment(0) | TrackBack(0) |

崖の上で踊る/石持浅海

「崖の上で踊る」



☆あらすじ☆
那須高原にある保養所に集まった絵麻をはじめとする十人の男女。彼らの目的は、自分たちを不幸に陥れた企業「フウジンブレード」の幹部三人を、復讐のために殺害することだった。計画通り一人目を殺した絵麻たち。次なる殺人に向けて、しばしの休息をとった彼らが次に目にしたのは。



復讐には敵と味方が必要で、危険性を知りながら製品をリリースした「フウジンブレード」は、絵麻達にとって共通の敵であり、彼女達は味方同士であるはずだったが、絵麻達の中で敵と味方の認識が増えていく。あいつにとっては味方で、別のやつにしたら敵だ。みたいな。そして、誰もいなくなった、になりそうなクローズドミステリーになっている。


たった一つ、しかし、復讐では決して起きてはならない敵と味方に対する認識のずれが起きてしまうと、一気に計画は崩れ、リスクは増大する。復讐は崖の上で踊っているようなものなのだ。


一体誰が犯人なのかと共に復讐は続行するのか、が注目となる。前者に関しては、トリックらしいトリックは無く、復讐に取り憑かれた故に雑な犯行に見える。動機も微妙。復讐をする為に集まったのにあっけなく崩れるのは人間らしいが、個人的には、読みだした辺りから徐々にトーンダウンしてしまった。よく分からん外部の人間2人は不要だったかなとも。


果たして残り二人を抹殺出来るのか?は大きな問題だ。どんなゴタゴタがありながらも復讐はやり遂げる。その意思だけで犯人を突き止め、そして、さぁ復讐を!となるのだけど、この時点で雨森の頭の中には、味方を失った別の復讐をするプランがありそうだ。
タグ:石持浅海
posted by kansas at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) |

2019年09月18日

崩れる 結婚にまつわる八つの風景/貫井徳郎

「崩れる 結婚にまつわる八つの風景」



「る」で終わるタイトル達を見て、ガリレオシリーズみたいだなと思いながら、94年の「小説すばる」に掲載された表題作を筆頭に96年末までに発表された8編が収録されている本書を手に取る。


94年となれば、携帯は全然普及していなく主力は固定電話で、パソコンは個人で所有出来る程リーズナブルではなく、ストーカーやDV、公園デビュー、ママ友と言った用語も社会にがっつり浸透する前になる。IT技術の進歩は予測出来ないものだが、社会・マスコミが広めようとする用語も同じくらい予測がつかないが、本書はそれを見越した様な短編になっており、先見の明があるように見受けられる。


副題には、結婚にまつわる八つの風景、とあるが、人間関係の距離感がテーマとなる。他人ならば当然のこと、家族だとしても夫婦や恋人だとしても距離感は大切で、互いの時間がスムーズに進む上では不可欠なもので、距離感を上手く保つのは難しいと感じる。懐に入るのが非常に長けた人がいるが、あれは相手との距離を詰める、又は引くその匙加減が上手いに違いないと見ている。


一番インパクトがあるのは「崩れる」。主婦の大変さを理解しているからこそ、ホラーに昇華することが出来たのではないかと見る。登場する旦那は世界最強クラスのカスで、息子もなかなかのカスな上、双方とにかく話が出来ないレベルのカスである。これであれば、主婦だろうが、神様であろうが、サクッとスパッとして、すっきりしたくなる。切り口がそれぞれ違う短編が詰まっており、貫井徳郎の成長記録となっている。
タグ:貫井徳郎
posted by kansas at 01:43| Comment(0) | TrackBack(0) |

灰色の虹/貫井徳郎

「灰色の虹」



ある事件に関わった人物が次々と殺されていく。刑事、検事、弁護士、裁判官。その事件は、一人の男の運命を捻じ曲げた冤罪だった。


人生を失った男とそれに関わった関係者のストーリーが交互に進んでいく中で、読み手としては、まず人生を狂わされた雅史に感情移入する。徐々に追い詰めらていく様が丁寧に描かれており、雅史だけでなく恋人や家族の気持ちが、「やってない。大丈夫だ」から「やってないのに。なぜ」になり、「もう認めるしか無い」「誰も助けてくれない」になる。非常に辛い。


雅史は恋人を罵った上司と口論になり、次の日その上司が変死する。それをきっかけに平和な日々が破壊される。彼が取った行動は何も間違っておらず、むしろクソ上司がいる会社などこちらから切り捨てれば良いとすら思う。彼は何も悪くない。だから、警察が嫌いになる。ましな刑事である山名は「誰が悪かったのだ。伊佐山は荒っぽいとこはあったにせよ、根底に正義感が無かったとは誰も言えない。谷沢も冷たいが、それは検事として美徳とも言える。ミスをしただけだ」などと考えるが、何を言っているんだ?と。


発端は、伊佐山と言う犯人を挙げる為には自白を強要するのも厭わない刑事であり、彼の思考には自白ありきの節がある。そこに正義感があるとは到底思えない。正義感は真っ当な倫理と論理とルールの上でこそ意味がある。「そんなことじゃ、犯人は落とせない」みたいなことを伊佐山は平気で言うが、ならば刑事を辞めてくれと。


犯人を逮捕することと自白を強要することとは別問題でありながら、彼はもとより警察も結局はそこを問題視していない。犯人である確率が高い人間を落とす為には仕方がないと考えている。だから雅史は冤罪の棺に押し込まれたのだ。あいつはやってるに違いないと。検事、弁護士、裁判官に比べて一番罪が重いのは、この刑事だと思う。


最後の雅史の母が山名に突きつける言葉が全てであり、結局はそこから警察は目を背け続けている。だから伊佐山みたいな刑事はいなくならないし、捜査も変わらない。自白を強要することも減らない。そして、冤罪は無くならない。全ての点と点は線で繋がっている。結末が判明した後の雅史と由梨恵のシーンが切ない。灰色の虹と言うタイトルの重さがずしりとくる。
タグ:貫井徳郎
posted by kansas at 01:37| Comment(0) | TrackBack(0) |

2019年08月15日

十五年目の復讐/浦賀和宏

「十五年目の復讐」



*あらすじ*
ミステリ作家の西野冴子は、一切心当たりがないまま殺人事件の犯人として逮捕されてしまう。始まりは一通のファンレター。些細な出来事から悪意を育てた者が十五年の時を経て、冴子を逃げ場のない隘路に追い込む。



どうやらこれは「Mの女」という作品の事実上の続編らしい。男女のドロドロを描くことに定評のある中堅作家・西野冴子は「Mの女」の主人公であり、そちらで起きた事件の関係者達のストーリーを描いているのが「十五年目の復讐」である。また、別作品との関連性もあり、そちらを読んだ人の方が楽しめそう。


関係者達が何故冴子を嵌めたのか。そこには彼らを冴子を追い込むための駒として操っていく首謀者がいるわけだが、彼らは彼らで決して善人では無い。凶悪なクレーマーであったり、浮気をする妻帯者であったりする。彼らにある罪悪感やバレたく無いと言う弱みを利用することは、首謀者にとってみれば他愛のないことで、簡単に掌で転がす。


しかし、バレたく無いと言う理由だけで黙って従うにしては大きすぎる罪もある。それはいくらなんでも無理があったり、露呈するに違いないと言うのがあるがどうだろう。誘拐事件は間違いなくバレるだろうと。個人的には腹落ちしなかった。


一番腹落ちしないのは、結局なぜ冴子は嵌められたのかが全く分からないことだ。最後の思いつきのような一言で桑原銀次郎(彼も別作品のキャラらしい)が狙われるのだけど、ここまで思うようにやりこめた首謀者は一体何故そこまで冴子を目の敵にするのか。内容からするにてっきり真相がはっきりすると思ったのだけど。


「Mの女」では、今回やられて終わり役のタケルが出て来るみたいだが、読めば真相がわかるのだろうか。しかし、真相が描かれなかったからこっちが出た訳だし。とにかく確かめるしか無い。
タグ:浦賀和宏
posted by kansas at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) |
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