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2017年09月30日

S内分泌系【問題】

それでは、「内分泌系」から二問出題します。

Q1.ホルモンに関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)オキシトシンは、下垂体の前葉から分泌される。
(2)副甲状腺ホルモン(PTH)は、血中のカルシウム濃度を低下させる。
(3)アルドステロンは、尿へのカリウム排泄を増加する。
(4)アドレナリンは、副腎皮質ホルモンの1つである。
(5)エストロゲンは、骨吸収を促進する。



Q2.原発性甲状腺機能低下症に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)血清遊離トリヨードチロニン(FT3)値が上昇する。
(2)血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が上昇する。
(3)血清総コレステロール値が低下する。
(4)エネルギー必要量が増加する。
(5)脈拍数が減少する。



次回、解説します。

2017年09月29日

S内分泌系【ポイント】

本日は、「内分泌系」についてお話します。

【ホルモンの作用】
ホルモンとは、内分泌腺で産生され、血液・体液中に直接放出される化学物質です。
ホルモンにはさまざまな種類があり、ストレスや体液量・血圧・血糖値などの変化を刺激因子として、
必要なホルモンの分泌が行われます。
ホルモン分泌の調整方法にはさまざまなものがありますが、
中でも最も主要なものは、フィードバックによる調整です(フィードバック機構)。

【主な内分泌系とホルモン】
ホルモン.jpg

【下垂体疾患】
〇先端巨大症
一般に成長期以降に、下垂体前葉の成長ホルモン産生下垂体腫瘍により、
成長ホルモンが過剰に分泌されて起こります。
〇クッシング病(ACTH産生腫瘍)
下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモンの産生下垂体腫瘍により、
ACTHが過剰に分泌されて起こります。
〇尿崩症
下垂体後葉からのバソプレシンの分泌低下により起こります。
〇抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
異所性ADH産生腫瘍や脳腫瘍、東部外傷などにより、下垂体後葉からのバソプレシンが
過剰に分泌されて起こります。

【甲状腺疾患】
〇バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
甲状腺の自己面積疾患で、甲状腺ホルモンの過剰分泌により起こります。
〇慢性甲状腺炎(橋本病)
甲状腺の自己免疫疾患で、びまん性の甲状腺肥大がみられます。
〇粘液水腫(後天性甲状腺機能低下症)
後天的な甲状腺機能低下により起こります。
〇甲状腺機能亢進症と低下症の症状
甲状腺.png

【副甲状腺疾患】
〇原発性副甲状腺機能亢進症
副甲状腺の過形成、腺腫、がんにより副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されておこります。
血中カルシウム濃度が上昇し、高カルシウム血症をきたします。
〇特発性副甲状腺機能低下症
副甲状腺ホルモンの分泌不全もしくは作用不全により起こります。
血中カルシウム濃度が低下し、低カルシウム血症、高リン血症をきたします。

【副腎疾患】
〇原発性アルドステロン症
副腎皮質腺腫や過形成などにより、副腎皮質からミネラルコルチコイドが過剰に分泌されておこります。
高血圧、高ナトリウム血症、低カリウム血症、低レニン血症、代謝性アルカローシスが起こります。
〇クッシング症候群
副腎皮質ホルモンのうち、グルココルチコイドが慢性的に過剰に分泌されて起こります。
〇アジソン病
自己免疫副腎炎、がん、結核などにより慢性的に両側の副腎皮質の機能が低下したもので、
副腎皮質からのミネラルコルチコイド及びグルココルチコイドの分泌が低下します。
〇褐色細胞腫
副腎髄質または傍大動脈交感神経節の腫瘍から、カテコールアミンの産生が増加して起こります。


次回、問題を出題します。

2017年09月28日

R腎・尿路系【解説】

それでは、「腎・尿路系」から四問出題します。

Q1.腎臓の機能に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腎臓の近位尿細管より、レニンが分泌される。
(2)甲状腺ホルモンにより、活性型ビタミンDの産生が促進される。
(3)推算糸球体濾過量(eGFR)の計算には、血清尿素窒素値を用いる。
(4)慢性腎不全では、エリスロポエチンの産生が亢進する。
(5)バソプレシン分泌が低下すると、低張尿となる。


【解説】…正答(5)
(1)誤り。レニンは腎臓の傍糸球体装置から分泌される。
(2)誤り。活性型ビタミンDの産生を促進するのは、副甲状腺ホルモンである。
   副甲状腺ホルモンはパラソルモンと呼ばれ、血中カルシウム濃度を上昇させる働きがある。
(3)誤り。eGFRの計算には、活性クレアチニン値と年齢を用いる。
(4)誤り。慢性腎不全では、エリスロポエチンの産生が減少する。
   エリスロポエチンは赤血球産生を促進する働きがある。
   したがって、慢性腎不全では貧血が起こる。
(5)正しい。バソプレシン分泌が低下すると、集合管での水の再吸収が低下し、低張尿となる。


Q2.腎・尿路疾患に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)小児の急性糸球体腎炎は、半数以上が黄色ブドウ球菌感染に続発する。
(2)高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準の1つである。
(3)血液透析の合併症に、アミロイドーシスがある。
(4)尿路結石は、尿酸結石が最も多い。
(5)大量出血により、腎後性急性腎不全をきたす。


【解説】…正答(3)
(1)誤り。小児の急性糸球体腎炎は、多くがA群β溶血性連鎖球菌感染に続発する。
(2)誤り。高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準には含まれていない。
   ネフローゼ症候群の診断基準は、@たんぱく尿、A低アルブミン血症、B浮腫、C脂質異常症であり、
   @とAの両所見を認めることが診断の必須条件である。
(3)正しい。透析アミロイドーシスは、アミロイド構成たんぱくが全身諸臓器に沈着して起こる。
(4)誤り。尿路結石は、シュウ酸カルシウム結石が最も多い。
(5)誤り。大量出血では、腎前性急性腎不全ときたす。
   腎後性急性腎不全は、尿路の閉塞や外部からの圧迫により起こる。


Q3.慢性腎不全に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)低カリウム血症がみられる。
(2)低リン血症がみられる。
(3)血中尿素窒素・クレアチニン比は20以上を治療目標とする。
(4)たんぱく質摂取量は1.2g/s標準体重/日とする。
(5)エネルギー必要量を充足させる。


【解説】…正答(5)
(1)・(2)誤り。カリウムとリン酸は本来尿中に排泄されるが、腎不全で欠尿になると、
       血中に増加する。
       このため、高カリウム血症、高リン血症がみられる。
(3)誤り。通常BUN/Cr比は10である。
   BUNは食事でのたんぱく質摂取量の増加に伴い上昇する。
   これらの比が10〜15に保たれるようにすることが、たんぱく質摂取の目安となる。
(4)誤り。低たんぱく質食とする。
   CKDのステージ分類に応じた摂取量とする。
(5)正しい。エネルギー不足になると体たんぱく質が崩壊し、BUNが増加するため、
   十分なエネルギー摂取量が必要である。

   
Q4.透析を受けている患者の食事療法に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腹膜透析では、摂取するエネルギー量は透析液から吸収されるエネルギー量を差し引いて求める。
(2)腹膜透析では、たんぱく質を0.5g/s標準体重/日とする。
(3)血液透析では、カリウムを制限しない。
(4)血液透析では、食塩を0.3g/sドライウエイト/日とする。
(5)血液透析では、リンを1,200r/日以上とする。


【解説】…正答(1)
(1)正しい。
(2)誤り。腹膜透析、血液透析ともに、たんぱく質を0.9〜1.2g/s標準体重/日とする。
(3)誤り。血液透析では、カリウムを2,000r/日以下に制限する。
(4)誤り。血液透析では、食塩を6g/日未満とする。
(5)誤り。血液透析、腹膜透析ともに、リンを「たんぱく質(g)×15」r/日以下とする。

2017年09月27日

R腎・尿路系【問題】

それでは、「腎・尿路系」から四問出題します。

Q1.腎臓の機能に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腎臓の近位尿細管より、レニンが分泌される。
(2)甲状腺ホルモンにより、活性型ビタミンDの産生が促進される。
(3)推算糸球体濾過量(eGFR)の計算には、血清尿素窒素値を用いる。
(4)慢性腎不全では、エリスロポエチンの産生が亢進する。
(5)バソプレシン分泌が低下すると、低張尿となる。



Q2.腎・尿路疾患に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)小児の急性糸球体腎炎は、半数以上が黄色ブドウ球菌感染に続発する。
(2)高血圧は、ネフローゼ症候群の診断基準の1つである。
(3)血液透析の合併症に、アミロイドーシスがある。
(4)尿路結石は、尿酸結石が最も多い。
(5)大量出血により、腎後性急性腎不全をきたす。



Q3.慢性腎不全に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)低カリウム血症がみられる。
(2)低リン血症がみられる。
(3)血中尿素窒素・クレアチニン比は20以上を治療目標とする。
(4)たんぱく質摂取量は1.2g/s標準体重/日とする。
(5)エネルギー必要量を充足させる。



Q4.透析を受けている患者の食事療法に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)腹膜透析では、摂取するエネルギー量は透析液から吸収されるエネルギー量を差し引いて求める。
(2)腹膜透析では、たんぱく質を0.5g/s標準体重/日とする。
(3)血液透析では、カリウムを制限しない。
(4)血液透析では、食塩を0.3g/sドライウエイト/日とする。
(5)血液透析では、リンを1,200r/日以上とする。



次回、解説します。

2017年09月26日

R腎・尿路系【ポイント】

今日は、「腎・尿路系」についてお話します。

【腎臓の構造と機能】
腎臓は身体の背側、横隔膜の直下にありソラマメ形の臓器で左右1対からなります。
腎臓の機能単位をネフロン(腎単位)といい、腎小体と尿細管からなります。
腎小体は糸球体とボーマン嚢から構成されます。
尿細管は近位尿細管、ヘンレループ、遠位尿細管からなります。
各ネフロンで生成された尿は集合管で合流し、腎盂から尿管へと移行します。
〇腎臓の機能
・尿の生成(老廃物の排泄)
・循環血液量と体液浸透圧の調整
・血圧の調整
・血漿電解質濃度の調整
・血漿pHの調整
・レニンやエリスロポエチンなどの生理活性物質の産生・放出
・ビタミンDの活性化
尿の生成は、糸球体濾過と尿細管再吸収・排泄(分泌)という2段階を経て行われます。
糸球体濾液(原尿)の量は160〜180L/ 日であるが、尿として体外へ排泄されるのは1〜2L/日に過ぎず、
99%以上が尿細管で再吸収されます。
・バソプレシン:下垂体後葉から分泌されます。
        集合管における水の再吸収を促進します。
        激しい発汗や脱水などにより体内の水分が不足し、
        血漿浸透圧が上昇された時に分泌されます。
        ナトリウムの再吸収に伴って、循環血液量が増加するために血圧が上昇します。
・アルドステロン:副腎皮質から分泌されるアルドステロンは、遠位尿細管〜集合管に作用し、
         ナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進します。
         循環血液量の減少などにより血圧が低下すると、
         レニンーアンギオテンシン系と介して分泌が促進されます。
         ナトリウムの再吸収に伴って、循環血液量が増加するため、血圧が上昇します。
レニン.gif

【電解質異常】
電解質.png

【急性糸球体腎炎】
扁桃炎、咽頭炎などの上気管感染後、10〜14日を経て発症する糸球体の組織障害です。
体内に侵入して来た抗原に対し抗体が産生され、免疫複合体をなって血中を流れ、
腎臓の糸球体に沈着することにより起きます。
3〜10歳の男児に多くみられます。
症状は血尿、浮腫、高血圧、蛋白尿、血尿です。
食事療法は塩分制限(3g/日)と水分制限とタンパク質制限です。

【IgA腎症】
何らかの原因で糸球体沈着性のIgAが血液中に増加し、糸球体メサンギウム領域に沈着し、
腎障害を生じる疾患で、慢性腎炎症候群を呈することが多くみられます。
進行期は安静、保温、食事療法、薬物療法が基本です。

【ネフローゼ症候群】
何らかの原因にとり糸球体基底膜が肥厚し、
たんぱく浸透性が亢進するため大量のたんぱくが尿中に排出される疾患です。
症状は高度のたんぱく尿、低アルブミン血症、浮腫、脂質異常、血液凝固能亢進、易感染性。
食事療法は、塩分制限(浮腫が著しい時は0〜4g/日、通常は3〜5g/日)。

【急性腎不全】
種々の原因で急激な腎機能の低下をきたす症候群で、
単一ネフロンあたりの糸球体濾過値が低下します。
腎前性腎不全と腎性腎不全と腎後性腎不全があります。
治療は薬物療法と透析療法と食事療法があります。

【慢性腎不全】
腎機能低下が数か月以上にわたって持続し、体液の恒常性維持が不可能となった状態です。
〇腎不全による異常
・水・電解質の異常
・窒素成分を含む老廃物、毒素などの排泄異常
・酸・塩基平衡の障害
・エリスロポエチンの産生障害
・ビタミンDの活性化障害
・尿濃縮能の低下
・免疫能の低下

【慢性腎臓病(CKD)】
慢性腎臓病(CKD)は、単一の疾患概念ではなく。原疾患を問わない慢性に経過する腎臓病を包括する疾患群。
〇定義
@尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか、
 特に0.15g/gCr異常のたんぱく尿の存在が重要。
AGFR<60mL/分/1.73u
@、Aのいずれか、または両方が3ヵ月以上持続する。
〇食事療法
CKD食事療法.png

【血液透析・腹膜透析】
腎不全となった腎臓の機能を代行させる方法として、透析療法があります。
新規透析導入の原因は、第1位は糖尿病腎症、第2位は慢性糸球体腎炎、第3位は高血圧による腎硬化症です。
〇血液透析
血液を体外に循環させ、人工透析膜を介して血液中の洋室と水分を除去する方法です。
慢性腎不全に対する維持血液透析は、通常1回4〜5時間、週2~3回施行されます。
<合併症>
・不均衡症候群
・感染症
・肝炎
・循環器系障害
・腎性骨異栄養症
・透析アミロイドーシス
・貧血
・出血傾向
・中枢神経症状
・シャントトラブル
<食事療法>
適切なエネルギー、バランスのよいたんぱく質、塩分制限、水分制限、低カリウム、低リン食
〇腹膜透析
半透明の性質を有する腹膜と透析膜として利用するもので、腹腔内にカテーテルを留置し、
浸透圧差を用いて血液中の溶質と水分を除去する方法です。
<食事療法>
適切なエネルギー、バランスのよいたんぱく質、塩分制限、水分制限、低リン食とします。
なお、エネルギーについては、透析液から吸収されるエネルギー分を差し引く必要があります。

【尿管結石症】
尿路結石症の1つで、腎乳頭部で産生された結石が尿管内に加工し、嵌入した疾患です。
結石予防のために水分を多量に摂取し、シュウ酸カルシウム結石の場合には、シュウ酸を控えます。


次回、問題を出題します。


2017年09月25日

Q循環器系【解説】

それでは、「循環器系」の問題の解説をします。

Q1.心臓に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)左心房と左心室の間の房室弁を三尖弁と呼ぶ。
(2)左右2本の冠動脈はともに大動脈弓より分岐する。
(3)心電図のP波は左右の心房節の脱分極で生じる。
(4)刺激伝達系のヒス束は洞房結節と房室結節(田原の結節)の間に存在する。
(5)心房性ナトリウム利尿ペプチドは血圧を上昇させる。


【解説】…正答(3)
(1)誤り。左の房室弁は僧帽弁(二尖弁)という。三尖弁は右の房室弁のことである。
(2)誤り。冠動脈は大動脈基部から左右に出る。
   大動脈弓から分岐するのは右から順に、腕頭動脈・左総頚動脈・左鎖骨下動脈である。
(3)正しい。
(4)誤り。刺激伝達系は次のように興奮が広がっていく。
   洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維
(5)誤り。心房性ナトリウム利尿ペプチドは。利尿作用によって血液の循環量を減少させ、
   血圧を低下させる。
   他にも、アルドステロンの分泌抑制により血中のナトリウム濃度を低下させ、
   さらに血管の平滑筋を弛緩させて、血圧を下げる作用がある。

 
Q2.血圧調整に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)血圧の上昇により圧受容体が刺激されると、心拍数は低下する。
(2)動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の和であらわされる。
(3)血圧粘性が高いと、血圧は低下する。
(4)副交感神経刺激で、心拍出量は増加する。
(5)心臓への流入血液量が増えると、心収縮力が低下する。


【解説】…正答(1)
(1)正しい。血圧が上昇すると、頸動脈洞と大動脈弓にある圧受容体が刺激され、
   その情報は延髄に伝えられ、交感神経と副交感神経の興奮を起こす。
   これにより、心拍数の低下と心収縮力の減弱が起こり、血圧は低下する。
(2)誤り。動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の積であらわされる。
   血圧=心拍出量×末梢血管抵抗
(3)誤り。血液粘性が高いと血液の流れが悪くなり、血圧が上昇する。
(4)誤り。副交感神経刺激により心拍出量は減少する。
(5)誤り。心臓への流入血液量が増えると心収縮能力は増大し、結果的に1回拍出量が草加する。


Q3.高血圧症に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)高血圧症は、腎機能障害を合併しない。
(2)高圧利尿薬は、全身の循環血漿量を減らす作用を持つ。
(3)カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースで服用すると効果が低下する。
(4)アンギオテンシンU受容体拮抗薬の副作用として、血清カリウム値の低下がある。
(5)降圧剤の多剤併用療法は禁忌である。


【解説】…正答(2)
(1)誤り。血圧上昇により腎臓の小動脈が硬化し、腎硬化症の合併症がみられる。
(2)正しい。利尿剤により尿排泄が頻繁になると、循環血漿量が減少し、血圧が低下する。
(3)誤り。グレープフルーツジュースの成分が肝臓の薬物代謝酵素の活性を阻害するため、
   カルシウム拮抗薬の血中の濃度が上昇して薬効が増強される。
(4)誤り。アンギオテンシンU受容体拮抗薬はアルドステロンの分泌を抑制するため、
   カリウムの排泄が抑制される。
   この作用が高度になると、副作用として血清カリウム値が上昇する。
(5)誤り。降圧剤の多剤併用療法は有効である。


Q4.心不全に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)右心不全では、発作性夜間呼吸困難が特徴的所見である。
(2)左心不全では、レニンーアンギオテンシン系が活性化する。
(3)左心不全では、気管支喘が生じる。
(4)左心不全では、肝腫大、腹水が生じる。
(5)心不全が進行しても、脳血流量は低下しない。


【解説】…正答(2)
(1)誤り。左心不全の所見である。
   左心不全では、夜間の心拍数減少などにより肺にうっ血や水腫が起こし、呼吸困難となる。
(2)正しい。左心不全では腎血流量が低下し、
   それを腎臓の傍糸球体装置が感知してレニンの分泌を亢進させ、
   レニンーアンギオテンシン系が活性化する。
(3)誤り。左心不全では心臓喘息が生じる。
   心臓喘息は急激な肺うっ血により起こる喘鳴である。
   気管支喘息は、アレルギー、感染、ストレスなどが原因で起こる。
(4)誤り。右心不全の症状である。
   右心不全では体静脈系の血液が停滞するため、肝腫大、腹水、脾腫、下腿浮腫などが生じる。
(5)誤り。心不全が進行すると心拍出量が減少することにより、脳血流量は低下する。

2017年09月24日

Q循環器系【問題】

それでは、「循環器系」から四問出題します。

Q1.心臓に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)左心房と左心室の間の房室弁を三尖弁と呼ぶ。
(2)左右2本の冠動脈はともに大動脈弓より分岐する。
(3)心電図のP波は左右の心房節の脱分極で生じる。
(4)刺激伝達系のヒス束は洞房結節と房室結節(田原の結節)の間に存在する。
(5)心房性ナトリウム利尿ペプチドは血圧を上昇させる。



Q2.血圧調整に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)血圧の上昇により圧受容体が刺激されると、心拍数は低下する。
(2)動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の和であらわされる。
(3)血圧粘性が高いと、血圧は低下する。
(4)副交感神経刺激で、心拍出量は増加する。
(5)心臓への流入血液量が増えると、心収縮力が低下する。



Q3.高血圧症に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)高血圧症は、腎機能障害を合併しない。
(2)高圧利尿薬は、全身の循環血漿量を減らす作用を持つ。
(3)カルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュースで服用すると効果が低下する。
(4)アンギオテンシンU受容体拮抗薬の副作用として、血清カリウム値の低下がある。
(5)降圧剤の多剤併用療法は禁忌である。



Q4.心不全に関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)右心不全では、発作性夜間呼吸困難が特徴的所見である。
(2)左心不全では、レニンーアンギオテンシン系が活性化する。
(3)左心不全では、気管支喘が生じる。
(4)左心不全では、肝腫大、腹水が生じる。
(5)心不全が進行しても、脳血流量は低下しない。



次回、解説します。

2017年09月23日

Q循環器系【ポイント】

今日は、「循環器系」についてお話します。

【循環器系の構造と機能】
心臓は重さ200〜300gある臓器です。
大きく右心系と左心系に分けられ、右心系は静脈血が、左心系は静脈血が流れています。
*大静脈→右心房→(三尖弁)→右心室→(肺動脈弁)→肺動脈→肺静脈→左心房→(僧帽弁)→左心室
→(大動脈弁)→大動脈
・肺循環:右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房
・体循環:左心室→大動脈→全身→上・下大動脈→右心房

【循環障害】
・充血
局所の動脈拡張によって流入する静脈血が増加した状態
・うっ血
局所からの静脈血の還流が妨げられ、臓器や組織の静脈血が増加した状態
・虚血
臓器または組織に流入する動脈血の量が減少した可逆的状態
・血栓
通常では怒らない心臓や血管内で生じる血液凝固のこと
・塞栓
心臓・血管内でできた血栓や、血管の外から入って来た遊離物が血流にのって運ばれ、
末梢の血管を閉塞した状態
・梗塞
血栓や塞栓によって血管が閉塞され、支配領域の動脈血の供給が途絶えることによって生じます。

【動脈硬化】
動脈壁への代謝産物の病的沈着などにより、動脈壁が部分的に肥厚・硬化して、
動脈血管の内向が狭くなって弾力を失った状態。
粥状硬化、中膜硬化、細動脈硬化に分類されます。

【高血圧】
収縮期血圧が140oHg以上、拡張期血圧が90oHg以上のどちらか、または双方を満たす場合。
本能性高血圧、二次性高血圧に分けられます。

【虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)】
冠状動脈の狭窄・閉塞により血流量が減少し、
心筋が必要としている酸素受容が保たれなくなった状態。
心疾患.jpg
食事療法は、急性期には6〜8g/日の食塩制限を行います。
ワーファリンを服用している場合には、ビタミンKを多く含む食品(納豆、クロレラ、青汁など)を
摂取しないようにします。

【不整脈】
心臓の刺激の形成以上や伝導異常によっておこる病態で、脈が乱れている状態。

【肺血栓塞栓症】
主に下肢や骨盤内の静脈で形成された血栓が遊離して血流にのり、
肺動脈を閉塞して肺循環障害をきたす疾患。

【心不全】
心筋の収縮力が低下することにより心拍出量が低下し、
全身組織の需要を満たすだけの血液を全身に送り出すことができない状態。
心不全.jpg
食事療法は、塩分制限と水分制限が基本です。
塩分制限では、軽症・中等では6g/日以下、重症では3g/日以下、
水分制限では、中等症では1500ml/日以下、重症では800〜1000ml/日です。


次回、問題を出題します。

2017年09月22日

P消化器系【解説】

それでは、「消化器系」から六問出題します。

Q1.嚥下障害に関する記述である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。

(1)脳神経障害は、嚥下障害の原因になる。
(2)嚥下障害は、肺炎の原因になる。
(3)嚥下訓練には、食物を用いた間接訓練がある。
(4)トロミ食やゼリー食が用いられる。
(5)嚥下造影検査で評価する。


【解説】…正答(3)
(1)正しい。嚥下には、舌咽神経や迷走神経などの脳神経が関わっている。
(2)正しい。食物や唾液などの誤嚥が原因で起こる誤嚥性肺炎が発症しやすくなる。
(3)誤り。食物を用いない間接訓練と、食物を用いた直接訓練がある。
(4)正しい。飲み込み易く誤嚥しにくいトロミ食やゼリー食が適している。
(5)正しい。嚥下造影検査(VF)は、造影剤入りのゼリーなどを食べてもらい、
   その通過状態をレントゲンビデオカメラで撮影するものである。


Q2.消化器疾患に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)潰瘍性大腸炎では、非連続性の病変がみられる。
(2)過敏性腸症候群では、腸粘膜のびらんと下血がみられる。
(3)急性膵炎の原因に、高カイロミクロン血症がある。
(4)肝硬変では、門脈圧が低下する。
(5)急性胆嚢炎の病因は、アルコールの過飲が最も多い。


【解説】…正答(3)
(1)誤り。潰瘍性大腸炎では、直腸から連続的に炎症が上昇していく。
   非連続性の病変がみられるのはクローン病である。
(2)誤り。過敏性腸症候群は、器質的疾患ではなく機能的疾患なので、
   腸粘膜のびらんや下血はみられない。
(3)正しい。急性膵炎の原因としては、アルコール過飲、胆石症がほとんど占めるが、
   高カイロミクロン血症も原因となる。
(4)誤り。肝機能の低下により門脈は循環障害を起こし、門脈は上昇する。
(5)誤り。急性胆嚢炎の病因の多くは、胆石による胆嚢管の閉塞である。
   アルコールの過飲では急性膵炎などを起こしやすい。


Q3.クローン病についての記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)直腸が好発部位である。
(2)寛解期では、脂肪摂取量を1日あたり40g以下とする。
(3)活動期では、食物繊維の摂取を多くする。
(4)活動期では、エネルギー補給はs標準体重当たり20kcalとする。
(5)成分栄養剤による治療は行わない。


【解説】…正答(2)
(1)誤り。クローン病の好発部位は回盲部(小腸末端部)である。
(2)正しい。
(3)誤り。活動期は炎症があるため、
   腸の安静を保つために不溶性食物繊維の摂取を制限した低残渣食とする。
(4)誤り。クローン病の栄養補給の基本は、高たんぱく・高エネルギー・低脂肪・低刺激食である。
(5)誤り。クローン病の場合、栄養状態を良好に保ち腸管の負荷を軽減するために成分栄養剤を使用する。


Q4.肝疾患に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)急性肝炎の黄疸期には、たんぱく質制限食とする。
(2)C型慢性肝炎では、鉄制限食とする。
(3)肝硬変の腹水の原因は、血漿膠質浸透圧の上昇である。
(4)肝性脳症では、芳香族アミノ酸を補う。
(5)非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、肝硬変に移行しない。


【解説】…正答(2)
(1)誤り。黄疸時には脂肪分解機能が低下するので、脂肪制限食とする。
(2)正しい。1日6r以下の鉄制限食とする。
(3)誤り。肝硬変の腹水の原因は、
   低アルブミン血症による血漿膠質浸透圧の低下及び門脈圧の亢進である。
(4)誤り。肝性脳症ではフィッシャー比が低下するため、これを是正するために分岐アミノ酸を補う。
   フィッシャー比=分岐アミノ酸/芳香族アミノ酸
(5)誤り。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を治療しない場合、
   5〜10年で5〜20%の症例が肝硬変に移行する。


Q5.胃切除術後に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)巨赤芽球性貧血は、術直後にみられる合併症である。
(2)骨塩量減少の原因は、カルシウムの吸収不良である。
(3)早期ダンピング症候群の予防には、高糖質食を勧める。
(4)鉄吸収が促進される。
(5)胃酸分泌が過剰になる。


【解説】…正答(2)
(1)誤り。肝臓に蓄えられているビタミン12が枯渇する。術後5〜6年後にみられる。
(2)正しい。
(3)誤り。低糖質・高たんぱく質食を勧める。
(4)・(5)誤り。胃切除により胃酸分泌が減少するため、鉄吸収は低下する。


Q6.がんに関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)大腸がんは、S状結腸や直腸に好発する。
(2)家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)は、大腸癌の頻度が低い。
(3)膵頭部がんは、閉塞性黄疸をきたしやすい。
(4)食道癌は、腺がんが最も多い。
(5)PSAは、肝細胞がんの腫瘍マーカーである。


【解説】…正答(1)・(3)
(1)正しい。
(2)誤り。家族性大腸腺腫症は、大腸がんの頻度が高い。
   家族性大腸腺腫症は、がん抑制遺伝子の1つであるAPC遺伝子の異常で起こる。
(3)正しい。膵頭部腫瘍は総胆管を圧迫して単純の流れを阻害するため、閉塞性黄疸をきたしやすい。
(4)誤り。食道の粘膜上皮は重層扁平上皮であるため、扁平上皮がんが最も多い。
(5)誤り。PSA(前立腺特異高原)は、前立腺がんの腫瘍マーカーである。
   肝細胞がんの腫瘍マーカーには、α‐フェトプロテイン(AFP)や
   ビタミンK欠乏たんぱくU(PIVKA‐U)がある。


次回、解説します。

2017年09月21日

P消化器系【問題】

それでは、「消化器系」から六問出題します。

Q1.嚥下障害に関する記述である。
誤っているのはどれか。1つ選べ。

(1)脳神経障害は、嚥下障害の原因になる。
(2)嚥下障害は、肺炎の原因になる。
(3)嚥下訓練には、食物を用いた間接訓練がある。
(4)トロミ食やゼリー食が用いられる。
(5)嚥下造影検査で評価する。



Q2.消化器疾患に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)潰瘍性大腸炎では、非連続性の病変がみられる。
(2)過敏性腸症候群では、腸粘膜のびらんと下血がみられる。
(3)急性膵炎の原因に、高カイロミクロン血症がある。
(4)肝硬変では、門脈圧が低下する。
(5)急性胆嚢炎の病因は、アルコールの過飲が最も多い。



Q3.クローン病についての記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)直腸が好発部位である。
(2)寛解期では、脂肪摂取量を1日あたり40g以下とする。
(3)活動期では、食物繊維の摂取を多くする。
(4)活動期では、エネルギー補給はs標準体重当たり20kcalとする。
(5)成分栄養剤による治療は行わない。



Q4.肝疾患に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)急性肝炎の黄疸期には、たんぱく質制限食とする。
(2)C型慢性肝炎では、鉄制限食とする。
(3)肝硬変の腹水の原因は、血漿膠質浸透圧の上昇である。
(4)肝性脳症では、芳香族アミノ酸を補う。
(5)非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、肝硬変に移行しない。



Q5.胃切除術後に関する記述である。
正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)巨赤芽球性貧血は、術直後にみられる合併症である。
(2)骨塩量減少の原因は、カルシウムの吸収不良である。
(3)早期ダンピング症候群の予防には、高糖質食を勧める。
(4)鉄吸収が促進される。
(5)胃酸分泌が過剰になる。



Q6.がんに関する記述である。
正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)大腸がんは、S状結腸や直腸に好発する。
(2)家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)は、大腸癌の頻度が低い。
(3)膵頭部がんは、閉塞性黄疸をきたしやすい。
(4)食道癌は、腺がんが最も多い。
(5)PSAは、肝細胞がんの腫瘍マーカーである。



次回、解説します。
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食品会社で勤務しながら、半年間の独学を経て管理栄養士の国家試験に合格。その後、管理栄養士として勤務するために病院へ転職。6年間で3つの病院を経験。現在は、管理栄養士国家試験の参考書の校正や答案添削を行っています。 <取得資格>管理栄養士、栄養教諭、糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、NST専門療養士
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