2017年02月22日

皆川城のなごりA地の利を創る

つわものどもが夢の跡
皆川城訪問記のつづきです。

■帯曲輪■

<皆川城の帯曲輪>
minagawa (5).jpg

皆川氏の歴史も興味深いですが、実はこの帯曲輪(おびくるわ)を見たくて訪問を決めました。要するに段々畑状の曲輪です。城址公園として整備されていますが、遺構として充分。「城のなごり」を感じられる場所です。

それにしても見事です。ネットでも確認できますが、やはり実物はいいですね。曲輪とは平らにした区画のことです。これを如何に工夫して配置するか。城跡の見どころです。腰曲輪(こしぐるわ=敵をわざと誘い込んで狙うための区画)など、思惑がたくさん込められているのでしょう。ただ形状は同じなので、区別はできません。そういうのは後で調べるとして、勝手に想像して楽しみます。分る範囲で、それぞれがどんなつもりなのかを。
minagawa (8).jpg


<虎口>
minagawa (16).jpg
曲輪への入り口は土塁の切れ目。これは公園として整備された結果かも知れませんが、やや枡形になっているので、「城のなごり」と信じて雰囲気だけ味わう。ちょっと勝手ですが、学者ではなくただの会社員ですので、身の丈に合った楽しみ方で充分です。

■地の利を創る■
<上から見た山城>
minagawa (18).jpg
二ノ丸から下に向かって連続して続く曲輪。敵と対峙した場合、基本的に高い場所が有利。つまり有利の連続を構造的に造った状態ですね。想像ですが、平らにした各々の区画には更に柵が設けられ、戦ともなれば沢山の旗が風になびいていたことでしょう。攻め上がる側は圧倒的に不利。ちょっと根性で克服できるレベルではありません。

何も工夫を施さなければただの山。
そこに思惑を込め、意識して「地の利」を造り出す。築城者の腕の見せ所です。

■中世の土の城■
minagawa (15).jpg
遺構にはそれぞれ意味があります。城の構造は勝敗を決める重要な要因。中世の土の城跡は、その思惑が分りやすいのが魅力ですね。それともう一つ。雨風にさらされ、歳月とともに劣化せざるを得ない宿命。このさまが、情緒的な魅力を醸し出しています。

<頂上からの眺め>
minagawa (22).jpg
眺めがいい=情報のキャッチアップが早いということですね。真冬で空気が澄んでいることもあり、遠くまで見渡せます。
(遠くの山は筑波山です)

<縄張り図>
minagawa (17).jpg
原理原則を形にした城。初心者には分かり安い構造(縄張り)です。この形状から「法螺貝城」とも呼ばれています。


皆川城の名はあまり知られてませんが、訪れる価値があります。中世らしい遺構の数々。まさに「つわものどもが夢の跡」です。天気の良い日に、ゆっくりと探索することをお勧めします。

[栃木県栃木市皆川城内町]


最後に
廃城巡りはいつも独りですが、この日は珍しく旧友二人と訪問。城マニアのくどい説明に良くぞ耐えてくれました。更に車で栃木市内を案内してもらい、感謝しております。

<蔵の街>
蔵のなごり
かつて舟運で栄えたなごりが、美しい景色として残されています。皆川広照が、山城(今回紹介の皆川城)からこの付近の平城に拠点を移したことが、栃木の繁栄の起点となりました。皆川氏が去っても、街の発展は続きました。

<水路>
tochigi (3).jpg
城跡好きですが、水路好きでもあります。最高の散歩になりました。

とりあえず行ってみる。そうすると、こういう当てにしてなかった感動と出会えたりもしますよね。

小さいけど充実した旅となりました。


お城巡りランキング
posted by Isuke at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[関東]
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
http://fanblogs.jp/tb/5963101
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 豊島一族の城跡 練馬城
  2. 2. 高天神城のなごり
  3. 3. 暗渠と城跡23 渋谷川と渋谷城
  4. 4. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
  5. 5. 伊奈一族の拠点 伊奈氏屋敷跡(伊奈町) 
  6. 6. 山上道及と唐沢山城
  7. 7. 深大寺城 調布市「ふるき郭」
  8. 8. 城跡として訪ねる豪徳寺(世田谷城)
  9. 9. 難航不落 金山城のなごり
  10. 10. 火の玉不動 大宮宿の水路と刑場のなごり
  11. 11. 暗渠と城跡26 堀跡を歩く(岩槻)
  12. 12. 道灌橋の跡と井草川の暗渠 (陣幕)
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
最新記事
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]
[当サイトお勧め本]

Kindle for PC (Windows) [ダウンロード]