アフィリエイト広告を利用しています

2020年11月14日

石川数正の鞍替えと徳川家康の城替え(浜松城を去る家康)

<家康像>
shirononagori495.JPG
浜松城で撮影した家康像です。下に『若き日の徳川家康公』と記されています。そういえば、他の銅像と比べると、ちょっとほっそりしていますかね。右手にはちょっと変わった武器?ではなく勝草(カチグサ)とも呼ばれたシダの葉です。

<浜松城>
shirononagori493 (1).JPG

家康は17年もの間ここ浜松城を居城としました。強敵に囲まれながらも、この城を足掛かりに戦国大名としての地位を着々と確立していくわけですが、のちに駿府に拠点を移しています。この背景については諸説あります。そのうちのひとつ、重臣の一人だった石川数正の出奔が大きく影響したとする説をご紹介させて頂きます。理由は一つではないと思いますが、この説に重みを感じましたので。

石川数正(かずまさ)は、家康がまだ竹千代と名乗っていた頃から仕え、今川義元のところに人質として預けられていた時にも、そばに寄り添っていた側近中の側近です。家康の主要な合戦に出陣しては武功を挙げ、更に交渉術でも実力を発揮しました。酒井忠次らと共に初期の家康を支え、徳川家躍進に大きく貢献した武将です。

それにも関わらず
家康の元を去ることに

家康からの信頼も厚く、家老まで務めた人物の離反。戦国の世では、主君の鞍替えや裏切りは決して珍しくありませんが、結束が強い徳川家臣団ではそういう例が少なく、石川数正の出奔はかなり稀なケースと言えます。いや、忠義に厚い三河時代からの幹部に絞れば、石川数正は家康に背を向けた唯一の家臣かもしれません。この理由にも諸説(秀吉によるヘッドハンティング・家康の長男信康の切腹に起因する主君への不信感などなど)ありますが、真相は謎のままです。ただひとつだけはっきりしていることは、徳川家の軍事機密を知り尽くす石川数正が、よりによって豊臣秀吉の家臣となってしまったこと。家康はこの前年に小牧・長久手で秀吉と戦い、和睦したばかりです。この時点ではまだ秀吉は敵。大きな衝撃だったことでしょう。

これを境に、家康はそれまでの戦術を改め、武田流の戦術を取り入れたと言われています。そうせざるを得なかったのでしょうね。そして、数正が去った翌年(1586年)には、長年居城としてきた浜松城を離れ、駿府に移っています。

<家康像>
shirononagori495a.jpg
駿府城の家康像です

繰り返しになりますが
家康が駿府に拠点を移す理由はひとつではないと思います。ただ、徳川軍の手の内を知り尽くし、城の縄張りまで熟知したいわば懐刀が、敵に渡ってしまった事実は重いですよね。時系列に状況を整理すると、やはり石川数正の離反は、家康が浜松城を去る大きな理由だったと思います。

<駿府城>
shirononagori495 d.JPG

-------■ 画像撮影 ■-------
浜松城
[静岡県浜松市中区元城町]
駿府城
[静岡県静岡市葵区駿府城公園]


お城巡りランキング
posted by Isuke at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[中部]
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10336777
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 上杉謙信の軍旗 毘沙門天と懸かり乱れ龍
  2. 2. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
  3. 3. 高岡城のなごり
  4. 4. 刑場近くの橋のなごり 泪橋と思川
  5. 5. 火の玉不動 大宮宿の水路と刑場のなごり
  6. 6. 群馬県庁の土塁 前橋城のなごり
  7. 7. 鳩ヶ谷宿のなごり(日光御成道)
  8. 8. 早雲生涯の居城 韮山城のなごり
  9. 9. 勝坂(川崎市)勝利した北条氏康が駆け上がった坂道
  10. 10. 北条早雲騎馬像(小田原駅西口)早雲の「火牛の計」
  11. 11. 近藤勇ゆかりの地(米沢市)高国寺
  12. 12. 大多喜城のなごり
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール
X (Twitter) Twitter-Isuke.JPG Isuke@shirononagori
最新記事

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]

クルマで行く山城さんぽ100 絶対インスタにアップしたい「絶対見たい名城」30選 (CARTOP MOOK ACTIVE LIFE 009)


感想(1件)

[当サイトお勧め本]

小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫(日本)) [ 童門 冬二 ]


感想(39件)