2020年05月30日

岩槻大構のなごり 愛宕神社の土塁

今回は神が祀られているが故に残された城のなごりの話です。
<岩槻愛宕神社>いわつきあたごじんじゃ
shirononagori433 a.jpg
岩槻愛宕神社です。太田道灌(または父・道真) が城の外濠と土塁を造った際に小さな祠を見つけ、土塁上に祀ったことに始まります。かつて城下町の外周を囲んでいた土塁はほとんど姿を消しましたが、ここは神社が祀られていることで壊されずにすみました。貴重な城のなごりです。

shirononagori433 (6).jpg
やや横から撮影。手前の赤い鳥居は境内社の稲荷社です。

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ま横から撮影。柵の右手は線路です

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神社の外側から撮影。堀は埋められ面影もありませんが、コンクリで補強されていても土塁は土塁。なごりを留めていますね。

だいたいこんな感じです。
土塁を見に来ましたが、せっかくですので愛宕神社の境内の画像も貼っておきます。

<狛犬>
shirononagori433 (4).jpg
shirononagori433 (10).jpg
ちょっと失礼します

<愛宕神社拝殿>
shirononagori433 (3).jpg
防火に霊験のある神が土塁の上に鎮座しています。道灌がみつけた小さな祠には迦具土命(かぐつちのみこと)と記されていました。火の神として知られる神ですね。町を守る土塁に祀った道灌の思いが伝わってくるようです。この拝殿は関東大震災後に再建されたもの。左右には天水桶(てんすいおけ)が。まぁシンプルに防火用水と受け止めることにします。

<松尾神社>
shirononagori433 (5).jpg
土塁下の境内社

愛宕神社の境内はこんな感じです

■大構とは■おおがまえ
<境内の説明板>
shirononagori433 (2).jpg
大構えとは一般的に言う『総構(そうがまえ)』と同じ意味です。簡単に言ってしまえば、城そのものだけではなく、城下の町の外周も堀や土塁で囲む構造のことです。小田原が有名ですが、ここ岩槻も『総構え』の構造でした。巡らされた囲いは8qにも及んだそうです。現地の説明板などによると、ここでは『大構え』という言葉を使っています。この説明文だと、全体の構造ではなく、具体的な『堀と土塁』を指してそう呼ぶようにも受け取れますが、私ちょっと国語力不足なのでここまでにします。

さて
ではいまも街のあちらこちらに堀や土塁が点在しているのか?

これが残念ながらほぼ残っていないのです。岩槻はこのエリアの中核都市です。関東でかつて名城と呼ばれた他の城と同様、開発で遺構のほとんどが失われました。これは仕方がないことです。岩槻城の中心部分(現在の城址公園付近)ですら遺構は僅かですので、城の外側ともなると遺構は無いに等しいです。だからこそ、ここ愛宕神社の土塁は貴重と言えます。

■つわものでもが夢の跡■
<土塁のなごり>
shirononagori433 (8).jpg
線路側から撮影

岩槻城の大構が本格化するのは北条氏房の時代と思われます。太田道灌の時代に、どこにどの程度の土塁が設けられていたのかわかりませんが、道灌と関わる言い伝えがこの土塁にはある。それだけで充分です。

■訪問:岩槻愛宕神社
[埼玉県さいたま市岩槻区本町]


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-------追 記-------
ご紹介した愛宕神社は、いわゆる岩槻城跡(城址公園)からはちょっと離れていますが、岩槻駅からならすぐ近くです。駅前から北東(春日部方面)に歩いて5分程度でしょうか。当ブログがきっかけで、足をはこんでくれる人がいたら嬉しいです。入口が目立たないのですが、ちょうど東武野田線の踏切付近と思っていれば大丈夫です。
shirononagori433 c.jpg
途中こんな案内もありますので迷うこともありません

また、ひな祭りでは冒頭の画像の石段一杯にひな人形が飾られることでも知られています(日は限定されているようです)。私は城下町として訪問していますが『人形のまち岩槻』ですからね。以上です
posted by Isuke at 05:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[埼玉]
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