2020年01月13日

榎下城のなごり(横浜市)舊城寺

つわものどもが夢の跡
横浜市の城跡を訪ねました

<榎下城跡>えのしたじょう
shirononagori 407 (4).JPG

■榎下城の縄張り■
いわゆる舌状台地の先端を利用して築かれた山城です。最も高い位置に本丸を設け、その南と北に曲輪を配置し、周囲を空堀が廻らす構造になっています。城跡は現在寺院となっています。

<現地到着>
shirononagori 407 (1).JPG
あまり予習しないで訪問したので、立派な山門にやや躊躇しました。高野山真言宗の寺院です。

<舊城寺>きゅうじょうじ
shirononagori 407 (2).JPG
恥ずかしながら舊が読めず。ようするに『旧』の旧字体ですね。つまり旧城寺。とりあえず、古くは城だった寺と受け止め、山門をくぐりました。奥の本堂も立派ですが、城跡として訪問しているので、右手に見えている土塁のせいで足早になりました。

<説明板>
shirononagori 407 (14).JPG
入ってすぐの土塁の前に説明板があります。冒頭でご紹介した城の立地とともに、この土塁がいわゆる食い違い虎口のなごりであることが記載されています。歴史についても触れられいますが、それは後述するとして、縄張り図が分りやすく、しばし凝視しました。

<縄張り>
shirononagori 407 (9).JPG
いま私がいるのは右手の入り口付近。本丸より一段低い曲輪にいるわけですね。つまり舊城寺の山門と本堂は、かつての二の丸ということになります。そして外側の谷になっているところには空堀が設けられていた。なるほどです。これはシンプルで分かり易い。

大筋分かれば、あとそれを感じながら歩き回るだけ

<外側>
shirononagori 407 (7).JPG
まず城の外側ですが、あの道もかつての堀跡ですね

<高低差>
shirononagori 407 (11).JPG
一旦境内を出て、外を探索することにしました

<堀跡>
shirononagori 407 (10).JPG
堀のなごり。住宅地の舗装された道ではありますが、そこは想像で補う

再び境内へ

<土塁跡>
shirononagori 407 (3).JPG
土塁のなごり

<高低差>
shirononagori 407 (6).JPG
曲輪と曲輪の高低差

<弓道道>
sn407ad (2).JPG
こちらは本丸へ進むとすぐに現れる現役の弓道場。本丸の西側部分です。

<竹林>
shirononagori 407 (5).JPG
本丸の奥の方(北側)まで進むと竹林になっています。この付近が城で最も高い位置。更に進むとまた谷状になっており、下った先は縄張り図にもあった北側の曲輪(的場)です。ただし、既に宅地となっているようなので、探索はここまでです。

<本丸跡>
shirononagori 407 (6)b.JPG

sn407ad (1).JPG


■榎下城と宅間上杉氏■
榎下城は宅間上杉氏憲清によって築かれたと考えられています。宅間上杉氏は山内上杉氏や扇谷上杉氏などと同様に上杉氏の諸家のひとつで、相模国を基盤に勢力を拡大しました。

鎌倉公方の足利持氏と関東管領の上杉憲実の対立に始まる永享の乱(1438年~1439年)に際しては、上杉憲清の子・憲直鎌倉公方に味方して榎下城を守りますが、関東管領側に攻められ、城から退いたあとも追い討ちをかけられ自害に追い込まれています。上杉憲直以降の城主については、あまりよく分かっていないようです。

その後の宅間上杉氏は勢いを失い、やがては小田原北条氏の傘下に組み込まれることになります。榎下城は小田原北条氏配下の小机城の支城として利用されることになりました。つまり、少なくとも戦国末期までは城として機能していたわけですね。

■つわものどもが夢の跡■
shirononagori 407 (8).JPG
1590年の秀吉による小田原征伐ののち、小机城は廃城となっています。ここ榎下城もその頃に城としての役割を終えたと考えられます。戦乱の世が終息へ向った江戸時代初期、城跡は舊城寺となりました。

------■榎下城■------
別 名:久保城
築城主:上杉憲清(宅間上杉氏)
築城年:詳細不明(室町時代)
城 主:宅間上杉氏
廃城年:詳細不明(1600年前後)
現 況:舊城寺
[神奈川県横浜市緑区三保町]


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posted by Isuke at 11:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[関東]
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