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2017年03月23日

中世の土の城郭・菅谷館

つわものどもが夢の跡
鎌倉時代に畠山重忠が住居したと伝わる場所を訪ねました。

<菅谷館跡>すがややかたあと
RanzanSu (10).jpg
二の丸と三の丸を隔てる空堀です。

■畠山重忠の館跡■はたけやま しげただ
畠山重忠といえば、鎌倉幕府の有力御家人。源頼朝の幕府設立に大きく貢献しました。私のイメージでは清廉潔白な武士の鑑のような人。代表的な坂東武者ですね。ここはそのゆかりの地ということになります。

<説明板>
RanzanSu (9).jpg
源頼朝の死後、畠山重忠は実権を握った北条時政の謀略により命を落とします。「鎌倉に異変あり」との急報に、僅かな兵を率いて「菅谷館」を出発しましたが、二俣川(現在の横浜市旭区)で大勢の北条勢に囲まれ討ち死にしました。騙し討ちにあったわけですね。その後については、畠山氏とこの城の関係は不明。戦国時代に誰かの手によって改築されて、城とし機能していたことは明らかなようです。

現地の説明にはありませんが、太田資康(この方は太田道灌の嫡男です)が河越城(川越城)に対するおさえとして城主をつとめたとする説が有力とのこと。ただ、不確かな要素もあるようです。まぁとにかく、この城跡の遺構は畠山重忠の時代のものではないにせよ、中世のものということですね。


■中世の土の城■
<三の丸外側の堀と土塁>
RanzanSu (6).jpg
廃城好きの人が一番好きな時代ではないでしょうか。館跡というから、もう少しスケールの小さいものを想像していましたが、中世らしい土の城。立派な城郭です。

「郭」という漢字が出てきたので厳密なことを言うと、中世の場合は「二の丸」というより「二ノ郭」「三ノ郭」と表現します。でも同じことなので、私のブログでは分りやすく「丸」で通しますね。

<土塁>
RanzanSu (4).jpg
遺構を残しながら綺麗に整備してもらっているので、とても見やすい。土塁も良好、曲輪(くるわ)の配置も分かり安いですね。縄張りは本丸を中心とした配置になっています。平城ですが、ここは川や湿地に守られた要害。地形の説得力もあります。

<縄張り>お城の設計
RanzanSu (8).jpg
もう少し詳しく言うと、まずここは都幾川と槻川の合流する付近の丘陵に位置します。本丸の南が都幾川を臨む崖状の地形。東西には侵食谷が深く切り込む自然環境。

北に向っては二の丸、三の丸といった曲輪を配置していますので、守りは完璧。この縄張り図だと、下方向が北になります。この城跡は、これら縄張りの思惑が非常に実感しやすい。「どういうつもりか」が伝わってくる。ヘンな言い方になりますが、良く考えて作られていることが良く分かる城跡です。

<説明板>
RanzanSu (5).jpg
二重土塁と泥田堀・・・説明も親切で分りやすいです。

正直、ここまで素晴らしい城跡だとは思っていませんでした。行ってみてビックリ。私の訪問は、まだ寒さが残る3月。枯れた草の感じがちょうどいいです(私にとってですが)。

ここ菅谷館跡はあまり有名ではありませんが、中世の土の城郭が好きな人にはたまらないと思います。それでいて、入門者にも理解しやすい。ありがとうと言いたくなる訪問でした。

■つわものどもが夢の跡■
RanzanSu (7).jpg
感謝したくなる遺構でした。

[埼玉県比企郡嵐山町菅谷]


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posted by Isuke at 20:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[埼玉]
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