2019年06月09日

刑場近くの橋のなごり 泪橋と思川

今回は泪橋の話です。

■泪橋と思川■
<泪橋跡>なみだばし
1812sn344 (5).JPG
泪橋の交差点です。場所は南千住駅の南側。川が暗渠化され橋は姿も無く、その名が交差点やバス停残るのみです。

<思川跡>おもいがわ
1812sn344 (6).JPG
姿を消した思川台東区と荒川区の境を流れていました。この道がそのままかつての流路ということになります。

<説明板>
1812sn344 (1).JPG
橋の名の由来として『囚人たちが現世を去るに際し涙を流しながら渡った』または『囚人の知人が今生の別れを惜しんで袖を濡らした』といったことが記されています。[出典元:荒川区教育委員会]


■江戸時代の刑場■
当時の刑場ですから、今では想像もできない「火あぶり」や「はりつけ」といった刑が執行されていました。時代劇のお裁きで「獄門!」という言葉をよく耳にしますが、これは斬首のあとに死体を試し斬りにし、斬り落とした首は台に載せて見せしめとして晒しものにする刑のことです。ですから相当重い裁きということですね。ここまでやるなら獄門が最高刑かと思いきや、これに市中引き回しが付け加えられた例もあったそうです。そう言われてみると「市中引き回しのうえ獄門!」などという台詞をどこかで聞いたような気もします。

泪橋の先にあった小塚原刑場は、山谷地区の北側、現在の東京都荒川区南千住2丁目に位置します。刑場跡(首切地蔵)付近まで足を運んだものの、どうも気が引けて、場所の確認だけで終わってしまいました。あの付近なのだろう。この時はそれで充分でした。

小塚原刑場が設置されたのは1651年。明治になるまでの間に、約20万人が処刑されたそうです。有名なところでは、安政の大獄で処刑された吉田松陰といったところでしょうか。名は他にもあげられますが、事情を良く知るわけでもないのでやめておきます。

そういった人たち
これから刑を執行される者が、小塚原の刑場へ向かう途中に渡った橋が泪橋です。


■もうひとつの泪橋■
品川の鈴ヶ森刑場近くの川に架かっていた橋も「なみだ橋」の名で呼ばれていたそうです。漢字だと涙橋。正式名は浜川橋です。

<涙橋>
sn343 (4).JPG
刑場近くの橋という点は荒川区の泪橋と同じです。

<立会川>
sn343 (1).JPG
思川は姿を消しましたが、こちらはいまでも現役の川。上流は暗渠となっていますが、河口に近いこの付近は開渠、つまり水面が見える状態です。

ちなみに
小塚原刑場と鈴ヶ森刑場、これに八王子の大和田刑場を加えて江戸三大刑場と呼ぶそうです。小塚原刑場は日光街道沿い、鈴ヶ森刑場は東海道沿い、大和田刑場は甲州街道沿いにあり、みな江戸の入り口とも言える場所に設けられていました。悪巧みで江戸にやってくる者を威嚇する意味があったようです。


■玉姫稲荷にて■
ところで
泪橋というと「あしたのジョー」を思い出す方も多いのではないでしょうか?丹下拳闘クラブは、泪橋の下にありましたね。あのお話の設定だと、ドヤ街に流れてきた人間たちが、涙で渡る橋が泪橋。つまり橋を渡った先を、刑場からドヤ街に置き換えた設定でした。段平はその泪橋を逆に渡って、いつか栄光を掴もうとジョーに語りかけていましたね。

まぁ細かい設定の話は良いとして、かつて実際にあった泪橋跡からの帰り道、立ち寄った神社でジョーと出会うことができました。

<玉姫稲荷神社拝殿>
1812sn344 (3).JPG
出会うといってもパネルです。拝殿の左手です。

<矢吹丈と白木葉子>
1812sn344 (4).JPG
丹下段平ともお会いしたかったのですが、お嬢様の方が絵になるから仕方がないですね。この付近が、あしたのジョーの舞台であることを意識した演出ですね。


ということで
いまはもう無い『泪橋』と『思川』のなごりのご紹介でした。

私の訪問は6ヶ月前です。刑場の話と切り離すわけにはいかないので、ちょっとブログに掲載しにくく、撮影した画像を放置していました。しかしつい先日、文中にある鈴ヶ森刑場跡を訪問するに至り、やっとご紹介しようという気になれました。

受け止め方は人それぞれ
それで良いと思っています。

1812sn344 (2).JPG

■訪問:泪橋交差点
[荒川区南千住]3丁目付近
[台東区日本堤]2丁目付近


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タグ:暗渠
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