2019年03月03日

城用語 曲輪・郭(くるわ)

お城関係の話でよく耳にする「くるわ」という言葉。漢字だと曲輪、またはと書きます。堀や土塁と並んで最も基本的な城用語の一つですが、今回あえて説明させて頂きます。

■曲輪■ くるわ
まず簡単に言ってしまうと「平らに造成された区画」と思って下さい。
<曲輪>
shirononagori Zen (19).JPG
[膳城跡]ぜんじょう
こちらは膳城の曲輪。なにこれ?と感じられると思いますので、こくの平らな区画の隅の方を見てみましょう。

<曲輪の隅>
shirononagori Zen (15).JPG
右手が曲輪の上。曲輪の外側は堀になっています。平らに造成した場所は、建物を設置したり兵が詰めたりする区画。いわば自分の家の中。ここへの侵入を防ぐために堀が設けられているわけですね。

<堀>
shirononagori Zen (17).JPG
曲輪への侵入を拒む堀

<曲輪の入口>
shirononagori Zen (14).JPG
曲輪を外側から撮影。周辺より高くなっていますね。もともとの地形を巧みに利用し、ここぞという場所を平らに造成し、曲輪とします。ちなみに、曲輪への入り口のことを、城用語では虎口(こぐち)といいます。

<堀の底の案内板>
shirononagori Zen (18).JPG
先程の曲輪は、実はここ膳城にとっては一番大切な曲輪。よく知られる言葉で表現すると本丸ということになります。主郭(しゅかく)ともいいますね。この一番大事な曲輪の周りには、これを補う曲輪がたくさん設けられるのが普通です。勿論、防衛上の理由を意識して。それらの曲輪はその重要度から、二の丸・三の丸というふうに呼ばれます。つまり「丸」は曲輪のことです。上の堀は、二の丸と本丸を隔てるための堀ということになります。


ちょっと別な城も見てみますかね

<山城>
shirononagori311ad.JPG
[茅ヶ崎城跡]ちがさきじょう
山に築かれた城。自然の山の中に、真っ平な場所なんてありえませんよね

<曲輪>
shirononagori313 (9).JPG
でも平らな場所があります。人が城として造成した区画です。

<土塁で補強>
shirononagori313 (16).JPG
膳城を例に曲輪の内側と外側を堀で隔てる例をご紹介しましたが、こちらは曲輪の周囲を土塁で囲んでいる画像です。堀を設ける時に出た土を、曲輪に盛るケースが多いですね。堀の深さと土塁の高さが、すなわち高低差ということになります。攻める側はこれを克服しながら戦わなくてはなりません。

■曲輪の配置■
もともとの地形や外部環境を意識して、この曲輪をどのように配置するのか。そして堀や土塁でどう補うのか。これは築城者の腕の見せ所です。軍事的な意志をもって、なるべく守る側が有利になるようにそれらの配置を決め「城の形」を決める。この設計のことを「縄張り」と呼びます。
※曲輪が軍事的な意味とは無関係の配置となるケースもありますが、今回は省略します。


ということで「くるわ」のご紹介でした。ただ平らな区画にも築城者の思惑がある。それを共有できれば幸いです。

最後に、蒲原城跡で撮影した絵図を貼っておきます。独立峰に築かれた典型的な山城です。山頂の本丸を中心に、外側へ向かって、高低差を意識した城の仕掛けが散りばめられています。平らな区画は全て、今回のテーマ『曲輪』です。

<蒲原城址鳥観図>
shirononagori317B.jpg

拙い説明にお付き合い頂き、ありがとうございました。


お城巡りランキング


■お勧め本(入門者向き)■
当ブログ内でも『枡形』とか『野面積み』『狭間』といった城用語をときどき説明させて頂いてますが、この本ではもっとわかりやすく、そしてなにより「実感」がわくような説明がなされています。科学というとひいてしまう方?いますでしょうか。いえいえ、本当に分りやすい。私自身も愛読者のひとりです。


タグ:城用語
posted by Isuke at 21:01| Comment(0) | TrackBack(0) | その他
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
http://fanblogs.jp/tb/8606393
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 難航不落 金山城のなごり
  2. 2. 武士たちから始まる茶畑
  3. 3. 山上道及と唐沢山城
  4. 4. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
  5. 5. 伊奈一族の拠点 伊奈氏屋敷跡(伊奈町) 
  6. 6. 鮭延秀綱の軌跡(鮭延城から鮭延寺)
  7. 7. 神流川の戦い 滝川一益vs北条氏邦・氏直
  8. 8. 消えた見沼の浮き城 寿能城
  9. 9. 諏訪大明神を祀った城 諏訪原城のなごり
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
最新記事
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]
[当サイトお勧め本]

Kindle for PC (Windows) [ダウンロード]