2019年01月01日

城用語 空堀(からぼり)

今回は最も基本的な城用語のご紹介です。

<空堀の説明板>
shirononagori294 (14).JPG

先日小机城跡を訪問した際に、城用語が丁寧に説明されていることに感心しました。当ブログにも「お城初心者」の方が来てくれることを期待して投稿させて頂きます。

■水の無い堀■
お城の堀というと、まず水のある堀を想像するのが一般的ですね。そもそも城と聞いてまず頭に浮かぶのが、江戸期に造られた近代城郭である場合が多いので、これは自然なことかもしれませんね。ただ、水の無い堀は特別なものではなく、むしろ普通なのです。

■空堀が基本■
土を掘って造るから堀。字の如くです。これが基本なので、土を掘っただけの溝、つまり「空堀」が堀のもともとの意味です。のちに水を引き入れた水堀も登場しますが、中世の城の多くは山城で、水を引き込んだり溜めておくことが困難。よって堀は水のない空堀が中心でした。空堀は古い城の堀?というわけでもなく、江戸時代の城郭でも使用されています。

<空堀>
shirononagori294 (13).JPG
[小机城]

<空堀の底>
shirononagori294 (21).JPG
[小机城]

■堀切ってなに■
丘陵地帯や山に築かれる城で見かけるのが「堀切」です。これも大きな意味では空堀とお考え下さい。

山で比較的移動しやすいのは?山の尾根ですね。これを削るのが代表的な堀切です。まるでナタで切ったかのように、鋭角に土を削り取ります。堀切を設ける場所は、曲輪の手前とか、曲輪と曲輪の間が多いですが、必要とあらば山のどこでも削るので、決まった形はありません。

<堀切>
shirononsgori249D (6).JPG
[山上城]
この例は曲輪と曲輪を分断するための堀切です。城が現役の時には、もっとシャープな角度だったと思われます。


■空堀の効果は?■
<大空堀>
shirononagori278 (19).JPG
[興国寺城]
この例は巨大な空堀(大空堀)です。実際、凄い迫力でした。

ただこういうのはレアケース。なんでもかんでも「敵の侵入を防ぐ」と思わないで、敵の進攻を遅らせるとか、体力を奪うとか嫌な思いをさせるとか、広い意味で空堀を見てやって下さい。要するに、守る側が有利になるなら、効果の大小に関わらず意味があるのです。そこに込められた思いを感じると、どれも感心させられます。


■水堀■
山城の麓や平城については、中世末期から江戸時代にかけて水堀が用いられるようになります。城の防衛施設であると同時に、水運にも利用するケースもありますね。

<水掘>
sn284ad.JPG
[新庄城]
お城の堀として普通に連想される姿ですね。


■最後に漢字の話■
。どちらもホリ又はゴウと読みますね。ただもうお気づきの通り、土を掘るという意味なら壕、水をはる場合は濠になります。壕の字は空堀に限らず、防空壕とか「土を掘る」ことに幅広く使用されてますね。

<道灌濠>
sn225hanzomon (10).JPG
[江戸城:半蔵門付近]


以上、堀の基本は空堀というお話でした。見てくれた人の参考になれば幸いです。

shirononagori294 (33).JPG
[小机城]
タグ:城用語
posted by Isuke at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | その他
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
http://fanblogs.jp/tb/8437344
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 伊奈一族の拠点 伊奈氏屋敷跡(伊奈町) 
  2. 2. 永田陣屋 伊奈忠次が築いた陣屋跡
  3. 3. 神流川の戦い 滝川一益vs北条氏邦・氏直
  4. 4. 上州のおんな城主・妙印尼輝子(新田金山城)
  5. 5. 諏訪大明神を祀った城 諏訪原城のなごり
  6. 6. 難航不落 金山城のなごり
  7. 7. 空に吸われし十五の心  (不来方のお城)
  8. 8. 鮭延秀綱の軌跡(鮭延城から鮭延寺)
  9. 9. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
最新記事
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]
[当サイトお勧め本]

Kindle for PC (Windows) [ダウンロード]