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2018年03月15日

暗渠と石仏  荒川の土手にて

<土手の石仏>
TodaAnkyo (5).JPG
埼玉県の戸田市を散歩してこんな光景と出会った・・・

今回はそんなお話です。ちょっと城とは無関係ですが、よろしければお付き合いください。

■北戸田探索■
<美女木八幡宮>
shirononagori201toda (10).JPG
源頼朝ゆかりの八幡神社です。この付近を探索後・・・

<暗渠>
shirononagori201toda (2).JPG
街のあちらこちらに張り巡らされている「水の道」をたどって歩き回りました。水がない?はい。これは当ブログでも何度かご紹介させて頂いている暗渠(あんきょ)です。いつも同じ説明になりますが『地下に埋設された川とか水路』という意味に受け取って下さい。

<水路の暗渠>
shirononagori201toda (3).JPG
蓋をされているだけ。水はいまもちゃんと流れています。気付いてもらえませんが・・・まぁ水路だと分かる人でも、普段はいちいち意識しませんよね。

<暗渠のカーブ>
shirononagori201toda (17).JPG
人の意識から遠ざけられている水の流れ。溢れ出た時くらいですかね?意識されるのは。

ここまでは前回投稿させて頂いた時と同じ画像。そして似た内容です。本日のお話はここから


■水先案内人■

蓋をされた水路をたどっていくと・・・

<運命の暗渠>
TodaAnkyo (1).JPG
おお、なんとなく神々しく映る暗渠です(逆光になってしまっただけです)。この暗渠が、この日最大の出会いへと私をいざなってくれました。まさに水先案内人的な暗渠です。

<川と橋>
TodaAnkyo (13).JPG
奥には巨大な土手が見えています。その手前に川と橋の姿が。ここが暗渠のゴールでしょうか

<八幡橋>
TodaAnkyo (11).JPG
小さな橋の名は八幡橋

<さくら川>
TodaAnkyo (12).JPG
荒川の土手の手前にも、こうしてひっそりと川が流れています。暗渠の行き先はここだったわけですね。この川は、土手の都合で荒川に直接排水できない水を集め、戸田市内を流れる笹目川に合流します。その笹目川は荒川に合流。納得です。

さてさて、水の行き先も分ったし、歩き疲れましたので、そろそろ帰りますかね。

最後にもう一度だけ荒川を眺めるべく、更に奥へと進んでいきました。

<荒川の土手>外側
TodaAnkyo (10).JPG
八幡橋を渡って左手

堤防も改めて近くで見ると、凄い迫力です。これが城の土塁だとしたら、とんでもなく巨大な城郭になります。ただまぁこれは人と人が争うためではなく、水に立ち向かうためのもの。せっせとこしらえたんですね。人の暮らしのために。

■土手の石仏■

<石碑?>
TodaAnkyo (2).JPG
土手を登りかけて気づきました。遠くの緑の中に何かあります。石碑?あるいは道標でしょうか。とりあえず行ってみました。

<石仏>
TodaAnkyo (8).JPG
えっ?なんでこんなところに・・・

TodaAnkyo (7).JPG
周囲に誰もいないせいでしょうか。とり残され、ひとりで遠くを見つめているようで、なんとも寂しげに映ります。

<馬頭観音>
TodaAnkyo (6).JPG
これは馬頭観音。石仏に精通しているわけではありませんが、さすがに馬頭観音は良く耳にしますね。

かつて馬が荷運びの手段だったころ、その死を悼んで道端や馬捨場などに馬頭観音が祀られた。いわば供養塔のような性質のものですね。また、馬の無病息災や交通安全を祈願する意味もあったそうです。まぁどのような思いが込められているにせよ、馬が人の暮らしと深く関わっていたことは伺えますね。

そういえば、街なかでひょっこりと現れるお地蔵様やら庚申塔など、ほぼ無関心に通り過ぎているような気がします。まぁ仮に立ち止まってじっくり眺めても、意味がわからないものが多いのですが(私は)。

<馬頭観音立像>
TodaAnkyo (3).JPG
それにしても、なんとも不自然な場所。ここは造成された土手です。むかしの道筋にあたるのでしょうか。

馬頭観音は、馬にとって難儀な場所に建てられることが多いそうです。崖とか、急な坂道とか。荒川を馬で乗り切るなんてこともあったのでしょうか?そうであれば、ここは馬にとっての難所だったかもしれません。

<誰かの思い>
TodaAnkyo (4).JPG
お供え。どなたかの思いと、この観音さまは繋がっているわけですね。今も

ただどうなんでしょう
人の思いがいつか途切れ、ここに存在していることすら忘れ去られたら

それでも、観音さまは黙って佇んでいるのでしょうか。というか、それしかありませんよね

<孤高>
TodaAnkyo (5).JPG
人の形をしているせいでしょうか。どうしても孤独を感じずにはいられません。しかも中途半端な孤独ではない。途方もなく、どうしようもない孤独。人の目の届かないところで、ただただ己の役割を全うしている。

妙に名残り惜しく、しばらく立ち去ることができませんでした。


■家 路■
ただまぁ、冷静に考えれば、姿が人に似ているだけで、あれはあくまで観音さま。弱いことこの上ない私がいだくような不安とは、きっと無縁なのでしょう。まったく別な見方をするなら、あれはそもそも石です。やはり人の感情とは無縁のはずですね。

途方もない孤独

あの景色に、そんなものは無かったのかもしれません。あるとしたら、それは見ている側にあったのでしょう。つまり自分の中に。暮らしに追われ、普段は意識もしないものが、心の奥の方に隠されている。そうなのかも知れませんね。

いや、もしかしたら隠されているのではなく、自分で蓋をしているのかも知れません。何かのきっかけでその蓋が外れた時、それが溢れ出す。やっと意識する。そうなのかもしれません。

まぁまた来ますかね。1年後なのか、5年後なのかわかりませんが・・・

[戸田市美女木]7

 
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タグ:暗渠
この記事へのコメント
GORIさん、コメントありがとうございます。文中にもありますが、私あまり石仏には詳しくありません。ただあまりの衝撃に、ブログに書き込んでしまいました。船着き場まで荷を運ぶ馬の為・・・そうですね、きっと。
Posted by Isuke2020 at 2018年03月19日 21:59
こんにちはGORIです。

いやあ、野仏ともいえる馬頭観音とてもいい感じです。私も現物を見たくなりました。私のあくまで推測ですが、荒川の水運が盛んなころ船着き場まで荷を運ぶ馬の為のものだったのではないでしょうか。当時はこんな立派な堤防なんかなかったけれど、それが作られたときに観音様は残されたと。
Posted by GORI at 2018年03月19日 17:52
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