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2018年01月05日

三十間堀のなごり 舟入堀の痕跡 

街の中で痕跡に気付く・・・
今回は新橋駅近くのとある痕跡をご紹介します。

■三十間堀■さんじっけんほり

<三十間堀の痕跡>
sirononagori30ken (9).JPG
[中央区銀座8-13]
住所は銀座ですが8丁目なので、新橋駅から5分程度の場所です。ちょっと目立たない場所ですが、かつて堀があったことを今に伝えています。堀の名は三十間堀

<礎石>
sirononagori30ken (8).JPG
三十間堀で実際に使われていた石です。かつての護岸より発掘されたものです。

<説明板>
sirononagori30ken (4).JPG
三十間堀は江戸の町に造られた堀川です。運河と思ってもらった方がイメージしやすいですかね。名前の由来は堀の幅。三十間は54mなので相当幅広かったことになります。慶長17年(1612年)、幕府の命を受けた西国大名により京橋川から汐留川にいたる区間が開削されました。場所は現在の中央区。中央通りと昭和通りの間を流れていました。

まぁ場所をもっと大まかに言うと、新橋駅から銀座方面ということになります。中央通りと昭和通りの間には沢山のビルや路地がありますが、それら全てがかつての堀跡にあるということですね。この石碑の場所ですが、

<説明板の場所>
sirononagori30kenh spot (2).JPG
新橋駅の東側。銀座8丁目の御門通り沿い。赤い線を入れさせてもらいましたが、こんな景色を進んで行くと右手に現れます。首都高速が横を走っていますが、その新橋出口付近になります。

<高速出口>
sirononagori30kenh spot (3).JPG
この裏側です。


■水の都・江戸■

江戸城の城下町は水の都。たくさんの運河が縦横に張りめぐらされていました。この水上輸送のネットワークが、江戸の繁栄に貢献していたことは言うまでもありませんね。舟入堀として整備されたここ三十間堀川も、そんな巨大プロジェクトの一部だったわけです。

<三原通り>
sirononagori30ken (6).JPG
かつて三原橋があった方面へ続く道。ご紹介した説明板のすぐそばから始まります。

説明板から抜粋→『三十間堀には真福寺橋、豊蔵橋、紀伊国橋、豊玉橋、朝日橋、三原橋、木挽橋、出雲橋等多くの橋が架けられていました。』

三原橋は三十間堀に架かっていた橋の一つ。ではその橋を目指して、かつての堀跡、つまりこの通りを歩いてみますかね。

<GINZA SIXの裏>
sirononagori30ken (2).JPG
ここは中央通りと昭和通りの間にいくつかある通りの一つ。つまり、私はかつての堀川の中を進んでいることになりますね。しばらく行くと、今をときめく商業施設「銀座シックス」に到着。ただし、その裏側(左手が銀座シックス)です。正面、つまり中央通り側は混んでますが、こちらは歩きやすい。

<三原橋付近>
sirononagori30ken Mihara.JPG
更に進んで行くと大きな通り(晴海通り)に出ます。そして手前が工事中。ベールに包まれてますが、そこだけちょっと道路が盛り上がってますね。橋のあった場所です。堀は埋められ、橋の本来の意味は失われましたが、その橋の下の空間を利用して地下商店街が造られました。といっても1952年の話。一時期は賑わったらしいのですが、建築上(耐震性)の問題もあり、つい最近、2014年4月に閉鎖されました。まぁその三原橋地下街の歴史も、いま工事中という事実も、かつてここにあった堀のなごり。三十間堀の余韻ですね。

さてさて、また新橋方面へ戻ります。どうせなら違う道をと彷徨っていたらこんな地下道を通ることに。

<地下道>
sirononagori30ken g6.JPG
彼方にG SIXの文字。銀座シックスにつながる地下道です。なんだか神秘的な空間。さきほどまでは「堀跡の上」を歩いていたわけですが、今度は堀の底くらいの位置でしょうか。三十間堀を意識して探索しているせいか、感慨深いものがあります。

かつての堀川。ご覧のように、その姿を見ることはもうできません。埋められたのは戦後まもなく。東京大空襲後の瓦礫処理のためです。瓦礫は片付き、土地は有効利用される。物流も水運から陸運へ。そして今ではこのように立派な街並。これで良かった、のでしょうね・・・


水の都
美しい響きですね。この石碑はそのなごり。失われた水の都のなごりです。
sirononagori30ken (7).JPG
慌ただしい街中でこういう場所と出会うと、何となくほっとします。新橋駅の東側。似たような感覚をお持ちの方が、何かのついでにちょっと立ち寄ってくれたら嬉しいです。


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タグ:堀川
posted by Isuke at 06:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 川跡・暗渠
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