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2017年12月29日

普門院 鷹山ゆかりの地F

米沢市関根の普門院
鷹山が恩師である細井平州(ほそいへいしゅう)を出迎えた場所として知られています。

<普門院・本堂>ふもんいん
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<普門院・赤門>
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私の訪問時には改修工事中でした。普門院の歴史は古く、創建は9世紀。伊達氏が領主だった時代にこの地へ移り、現在に至っています。本堂は1796年に再建されたもの。鷹山の時代です。


<敬師の像>
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鷹山が恩師をもてなした場所として知られています。その時に使った部屋や茶器などがいまも残されています。

米沢藩の藩政改革に取り組んだ鷹山。師である細井平洲を3度米沢へ招いています。平洲の3度目の訪問に際し、鷹山は自らこの地へ出向いて師をもてなしました。

■敬師の里■
ただ先生を出迎えただけ?まぁそうですが、当時の常識というか感覚として、藩主にまでなった男が自ら出迎えることは異例のことでした。師が米沢領内の大沢村(城から10q程度)に到着した知らせが届くと、鷹山は待ちきれずに城を出たそうです。師を敬う鷹山の行いは、敬師の美談として語り継がれています。

まぁ分かる気がしますね。自ら鍬を手にしたり、自ら雨乞いをしたりと、鷹山の行動は格式高い上杉家の「お殿様」には不似合いなものばかり。心から敬う人を迎えるのに、身分などという形式は後回しなのでしょう。
鷹山の藩政改革の手法には見習うべきところが沢山ありますが、領民を思ったり、こうして師を敬ったりする人柄も魅力的です。

<普門院境内>
sirononagori175 (2).JPG
訪問は11月下旬。ちょうどいい季節です。真言宗智山派の寺院。山号は岩上山。私は今回レンタカーで移動しましたが、JR関根駅から徒歩10分程度の場所です。

<本堂の屋根>
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ちょっと建物の傷みが気になります。まぁだから改修工事中なんですかね。貴重な歴史の舞台。大切に守って欲しいですね。

<説明板>
sirononagori175 (6).JPG
ここ普門院は「上杉治憲公敬師郊迎跡」として国指定史跡になっています。治憲、のちの鷹山のことですね。

■平州と鷹山■
細井平州は尾張国の出身の儒学者。鷹山の師として有名ですね。37歳のときに当時14歳の鷹山の師となり、教育にあたりました。やがて上杉家の頂点という立場になっても、鷹山は平洲を生涯の師と仰ぎました。

<羽黒神社・鳥居>
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普門院近くの羽黒神社。鷹山はここまで迎えに出て、恩師と久しぶりの再会を果たします。既に高齢となった恩師。鷹山は普門院へと案内し、長旅の労を慰めました。

<山門と説明板>
sirononagori175haguro.JPG
ここも普門院と同様に国指定史跡になっています。

sirononagori175HGJ (4).JPG
とても重厚な建物。ただ、山門も含め、ちょっと痛みが激しいようで心配になりました。矛盾しますが、こういう飾り気の無い雰囲気はとても好きです。雰囲気を残しつつ、改修されるといいですね。

<石碑>
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羽黒神社わきの石碑。右方向へ進んでいくと冒頭の普門院へたどり着きます。すぐ近くです。

■細井平州の教え■
鷹山の「学問の師」として知られている細井平州が、最も重視したのは「実践」でした。単に知るだけでなく、よく考えて、実行に移す。そういうことですね。藩の改革に挑もうとする鷹山に、平洲はこんな言葉を贈りました。

勇なるかな勇なるかな
勇にあらずして
何をもって行なわんや

行動に移すには、勇気が必要だという解釈で良いでしょうか。逆に行動したければ、勇気を持つこと

師から弟子へ、最高のエールですね。

<師(左)と弟子(右)>
sirononagori175 (3)b.JPG
平洲69歳、鷹山46歳の再会でした。


■参考にした文献■
小説 上杉鷹山(集英社文庫)
著者:童門冬二



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