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2017年10月06日
読解力を身につける方法
読解力テスト
突然ですが問題です。
下記の@とAの文章は内容が同じか異なるかを答えなさい。
設問
@ 幕府は、1639年ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
A 1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
正答:異なる
これは先頃、公表された国立情報学研究所が実施した読解力テスト調査の問題です。
調査は、2016年4月〜2017年7月までの間、全国の小学6年生〜社会人を対象に実施され、中高生21,000人の結果を中心に分析されました。
上記設問に「異なる」と正答できたのは中学生の57.4%しかいませんでした。
この問題文は中学の社会の教科書の一節の引用とその文章の構成を変えたものです。
つまり中学生の半分近くは、教科書を読んでもその内容を理解できていないと言うことです。
この結果を受けて、国立情報学研究所の調査チ−ムでは
「多くの生徒が教科書を読めていない状況で中学校を卒業している。今後どのように教え方を変えるかが重要だ。」
と分析しています。
では、どうすれば「読解力」は鍛えられ向上するのでしょうか。
一般的には「新聞や本などを日常的に読む」のがいいんじゃない?
と考えがちです。
しかし、この方法はある程度「読解力」を習得している子供たちには効果的ですが、そうでない子供たちにはあまり効果がありません。
なぜならば、「読解力」が希薄な子供たちはいくら多くの本を読んでも、その内容が理解できないからです。
ではどうすれば、「読解力」が身につくの?
そのポイントは【5W1H】にあります。
5W1Hとは、ご存知のように
When(いつ)Where(どこで) Who (誰が) What(何を) Why(なぜ) How (どうした)
です。
この5W1Hを考えながら文章を読み進めることです。
文章を正しく理解するために必要な情報。
それはその文章に書かれている5W1Hに要約されています。
従ってその文章に書かれている(いつ)(どこで)(誰が)(何を)(なぜ)(どうした)さえ読み取れれば、その文章の内容、意味は正しく理解できます。
もっと絞り込めばWho (誰が) How (どうした)のふたつ。
つまり「主語」と「述語」のふたつさえ正しく文章からつかめば、おおよその意味は正しく理解できます。
冒頭に記した設問でも
@ 幕府は、1639年ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
主語-幕府は 述語-命じた
A 1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
主語-大名は 述語-命じた
と文章の主語が異なることから、意味も異なることが理解できます。
当然のことながら、日本の義務教育は、英語を除いて「日本語」で書かれた教科書を用いて「日本語」の説明で授業が進みます。
「読解力」の向上、習得は全ての教科で成績向上に相乗作用をもたらせてくれることでしょう。
一度、お子さんに冒頭の問題を見せて、わが子の「読解力」を判定し、5W1Hの説明指導をしてみてはいかがでしょうか。
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posted by marserTeacher at 09:36| 読解力