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2013年04月05日
コ−チング・U
コ−チング・松下村塾
(しょうかそんじゅく)
松下村塾(しょうかそんじゅく)をご存じですか。
松下村塾は、江戸時代末期(幕末)に長州藩士の吉田松陰が、塾長として講義した私塾です。
長州萩城下の松本村(現在の山口県萩市)に、吉田松陰の叔父である玉木文之進が1842年(天保13年)に設立しました。
この松下村塾には、明治維新の原動力となった高杉晋作や、明治に時代が変わって明治政府で総理大臣になり、お札にもその肖像画が使われた伊藤博文らが塾生として在籍しました。
彼らを吉田松陰が教師として講義し、教育しました。
この【松下村塾】は、画期的な塾で、当時では到底考えられない常識はずれな教育法を実施していました。
それは
【一方的に師匠が弟子に教えるものではなく、松陰が弟子と一緒に意見を交わしたり、文学だけでなく登山や水泳なども行なう】
といった教育法でした。
これは吉田松陰が、現代の言葉でいう【コーチング】を取り入れていたのです。
塾長・先生である吉田松陰は1830年生まれ。
生徒・塾生である伊藤博文は1841年生まれ。
つまり、塾長・先生と生徒とは10歳ほどしか年齢差がなかったのです。
松下村塾での吉田松陰塾長は、入塾希望者に対する入塾試験・面接の際に
「あなたは何の為に学問を学ぶのか?」
「そして何をなそうとしているのか?」
と必ず質問しました。
この質問に対する正答は存在しません。
なぜならば、人によって正答・正解は様々だからです。
極端な言い方をすれば、答えはどのような答えでもよかったのです。
それよりも大切かつ重要なことは、質問により
「自分で考える!」
ことだったのです。
この【質問形式によるアプロ−チ】により
「何のために学び、そして学んだことをどのように活かし、これから先の人生をどのように生きていくのか」
ということを
【自分自身で考えさせる・気付かせる】
と言うきっかけを与えたのです。
その結果、そのきっかけから、
【自分で考え・判断し、行動する】
ことが出来る明治維新で活躍した人々が育っていきました。
これは、現在のコ−チングそのものです!
どんな些細なことでもかまいません。
簡単に答えを教えずに【質問】を発することにより子供自身に
【自分自身で考える・気付く】
習慣を身に付けてあげてください。
それを継続すれば
【わが子は伊藤博文】
に変身するのだから!
posted by marserTeacher at 21:34| コ−チング
2013年04月04日
コ−チング
コ−チング
国民栄誉賞
政府は、長嶋茂雄元巨人監督とその教え子の松井秀喜両氏に国民栄誉賞を授与する方針を決めた。
ジャイアンツファンならずとも長嶋茂雄氏は「ミスタープロ野球」として国民に愛され続けている。
長嶋氏は監督時代にスランプに陥っていた松井氏に
「ガーッときたボ−ルをバ−ンと打ち返すんだよ!」
とアドバイスをしたとの逸話が残っています。
そのアドバイスを受けた松井氏は見事にバッティングの調子を取り戻した。
普通の人が聞くと
「えっ???さっぱり意味が解らない!」
となるのだが、天才松井秀樹はそのアドバイスで調子を取り戻した。
これは【天才二人の一般人には理解不能な次元の話】
と理解されがちだが実は、そうではないのです。
これこそが究極の【コーチング】なのです。
本ブログ【好奇心の育て方】の項に記載したようにコーチングの極意とは
【簡単に答えを与えないこと】
なのです。
例えば長嶋茂雄氏がスランプの松井選手に
「アウトコ−スの変化球には肘をたたんで・・・」
とか
「ステップする際に右足の上げ方が・・・」
とかの具体的なアドバイスをしていたら後に、メジャ−リ−ガ−となり名門ヤンキ−スの4番を務める偉大なバッタ−には成長していなかったでしょう。
長嶋茂雄氏のコーチング
「ガーッときたボ−ルをバ−ンと打ち返すんだよ!」
これは【答え】を決して教えていません。
抽象的な感覚的な言葉を投げかけ、相手に
【気づき】
を与えているのです。
そして、それを元に松井選手は【自分で考えて修正している】のです。
つまり
「勉強しなさい!」
と言うのではなくて
【どういう風に勉強すればいいのか】
を質問形式で子供自身に
【気づかせててあけること】
が大切です。
posted by marserTeacher at 21:21| コ−チング
2013年04月03日
春休みのすごし方
春休み
桜前線は例年にないスピ−ドで北上を続けています。
太古の昔より桜は日本人に馴染みが深く愛され続けています。
入学試験に合格することを【桜、咲く!】なとど表現します。
現在、学校は春休みです。
春休みは学年が進級したり中学校や高校に進学したりするので、一般的に夏休みや冬休みのように宿題はありません。
中学に進学する子供たちや高校に進学する子供たちは、未経験の新しい学校生活に対する希望と不安の入り混じった気持ち。
そして上の学年に進級する小中学生たちも「クラス替え」など不安と期待の入り混じった気持ちでこの春休みを過ごしています。
そんな宿題のない春休みを子供たちは、どうやってすごせば良いのでしょうか?
「前学年の総復習をやりなさい! 」
とか
「学校の授業が止まっている間に弱点を補強しなさい!」
といった事が良く言われます。
これは受験生となる【新中学3年生】には当てはまります。
しかし、それ以外の子供たち。
特に小学生。
とりわけ勉強が苦手でキライな小学生たちにはこれは当てはまりません。
保護者の皆さんが最もやってはならないことは
「勉強しなさい!」
と子供に言うことです。
「勉強しなさい!」といくら言ってもある子供は「やっているよ!」と反発するでしょうし
ある子供は「どういうふうにすればいいんだよ!」とつぶやいているかもしれません。
小学生の多くの子供たちは
【学校で座って先生の話を聞いていること】
と
【宿題のノルマをはたす事】が勉強だと思っています。
従って「勉強しなさい!」と言われても何をどうやったらいいのかが解らないのです。
そんな子供たちをムリヤリ机に向かわせても【百害あって一利なし】でますます勉強が嫌いになってしまいます。
それよりも色んな事に興味を持たせる。
好奇心を養うことに時間を使いましょう!
山に登って植物を観察したり、お花見に行って桜の花びらを観察したり。
動物園に行って動物の生態を観察したりと色んなことに興味を持つような場と時間を提供してあげることです。
勉強はマラソンのような長丁場です。
人間、キライなことは決して長続きしないものなのです。
posted by marserTeacher at 23:03| 春休み
2013年04月02日
教科書の使い方
教科書は【覚えるもの】ではなく【使うもの】へ!
教科書はどうやって使えばいいのでしょう?
現在の教科書には巻頭に
「この本の使い方」「学習の進め方」
という記載があります。
そこには、市販の参考書や問題集などにあるような重要ポイントなどを表す各種アイコン、
そして【ノ−トのくふう】といったノ−トのとり方の紹介などの説明があります。
この役立つノ−トの作り方のページには
「色を使ってわかりやすくしておこう」
「○×をつけるだけでなく、なぜ間違えたのかを書こう」
「式や答えだけでなく図も書いて考えよう」
といった具体的な方法まで示されています。
そして、章末には
【基本の確かめ】から【章末問題】
が記載されています。
これは、基本から応用までの演習問題で生徒の理解度に応じて選べるようになっています。
そして章中の重要なポイントには漫画の台詞のようにポイントが吹き出しの中に記載されています。
これはまさに
○知っていることをもとにして、新しいことを【発見する力】を身につける。
○学んだことを【利用する力】を身につける。
○自分の考えを【表現する力】を身につける。
ことを目的としています。
つまり、生徒に「自立自習」を促すような作りとなっています。
新しい教科書は、自ら学ぶための参考書・問題集であると言えます。
そこで大切なのは【教科書をどうやって使うか】です。
数学・算数を例に取ると其々の各単元の最初のペ−ジには複数の例題が提示してあり
その解き方・途中の考え方や式・その説明といった具合に説明してくれています。
そして次いで練習問題といった流れで進んでいきます。
教科書をしっかりと読んで、練習問題を解けば、たとえ初めて取り組む単元でもしっかりと理解できます。
新しい教科書は
【覚えるもの】ではなく【使うもの】
へと変化したという事です。
教科書は参考書・問題集として使うことです。
そうすることは、新しい教科書が目指している
【発見する力】【利用する力】【表現する力】
を身につけることに繋がります。
posted by marserTeacher at 17:52| 教科書が変わった
2013年03月25日
基礎学力の定着
【基礎学力の定着】
基礎力の定着と言う観点から考えると、特に
【算数・数学】
と言う科目は、勉強が苦手な子供たちにとって問題が解ければ
「解けた!」
と、とてもうれしいものです。
ひとつ解けると
「よし!もうひとつやってみよう!」
とチャレンジするのが、人間という生物です。
もうひとつやってみて、また解けた!となればその感情は
「算数・数学って楽しい!」
へと変化・昇華します。
【解る!】⇔【出来た!】⇔【楽しい!】
のサイクルを回し始めてしまえば、成績は自然と上がります!
今回の教科書の改訂により、教科書は
【教科書に書かれていることを覚える】
から
【教科書を使って、求められる能力を身につける】
と言う方向へ教科書そのものの性質が変わったのだと捉えられます。
換言すると
【教科書を覚える】
から
【教科書を使う】
への転換とも言えます。
posted by marserTeacher at 23:47| 教科書が変わった
2013年03月24日
教科書をどう使う
新しい教科書で学習にどのように取り組むべきなのか
新しい教科書を使うことになった子供たちはこれからどのように学習に取り組むべきなのでしょうか?
その答えも実は、新しい教科書の中から見つける事ができます。
まずは【基礎力を確実に定着】させることです。
小学生・低・中学年で練習問題の問題数が増えたのもこの目的の達成のためです。
新しい教科書でも基礎力はとても大切に扱われています。
到達目標として目指すレベルが高まったことで、基礎力の重要性はさらに増したといえます。
PISA型能力に代表されるような国際的に通用する学力もその背景には確実な基礎力の定着が大前提であるということを忘れてはなりません。
※ PISA( Programme for International Student Assessment, PISA)
OECD生徒の学習到達度調査
経済協力開発機構(OECD) による国際的な生徒の学習到達度調査のこと。
頭字語からPISAと呼ばれる。日本では国際学習到達度調査とも言われる。
OECD加盟国の多くで義務教育の終了段階にある15歳の生徒を対象に、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー、問題解決を調査するもの。
国際比較により教育方法を改善し標準化する観点から、生徒の成績を研究することを目的としている。
※※ Wikipedia ウィキペディア
そのために、基礎力定着のためのトレ−ニングがこれまで以上に大切になります。
次に、新しい教科書では確実な基礎学力に加えて
「生活の中で学習と結びついた知的好奇心を高める」
「学習に取り組むことそのものの喜びや楽しみを持ったりすること」
の積み重ねも重視しています。
学校はもちろんのこと、家庭でお母さんがいっしょに考えてみる。
さまざまな機会をとらえて、考えたり、説明したり、チャレンジしたりすることの重要性がますます高まってくるでしょう。
その達成のためにも
【好奇心・知的好奇心の醸成、育成】
は欠かせません。
posted by marserTeacher at 08:59| 教科書が変わった
2013年03月22日
新しい教科書はどう変わったの?
【新しい教科書はどう変わったの?】
量はどれくらい増えたの?
まずは【量】の観点から「新教科書」を分析してみます。
☆小学校 【9年前の教科書から4割アップ!】
小学校教科書のペ−ジ数は1960年代の詰め込み教育と呼ばれた時代が最高だったようですが、
改定された新版の教科書はそれより多くなっています。
※ 【ゆとり】を強調した以前の教科書(02〜04年度使用)と比すると約1.4倍 !
発展内容を記載している05年度の教科書と比べても約1.25倍ものペ−ジ数になっています。
☆中学校
教科書のペ−ジ数ボリュ-ムは1960年代がピ−クで削減が続いていましたが新しい教科書はそのピ−ク時よりも増加しています。
1990年から約20年間の使用年度別中学教科書の総ペ−ジ数をまとめてみました。
※ページ数は各社平均 「ゆとり教育」全盛の2002年度教科書(2002年-2005年使用)と比べると主要5教科平均で150% アップ。
「発展内容」が盛り込まれた2006年度教科書(2006年-2011年度使用・現行教科書)と比べても約130%のペ−ジ数アップとなっています。
小学校と同様に数学・理科のアップが著しく目を引きます。
2002年比較
数学 ⇒163%
理科 ⇒ 177%
2006年比較
数学 ⇒132%
理科 ⇒ 45%
これは文部科学省が推進する目標の
【理数教育の充実】
が反映された結果と言えます。
※ 中学校では、ペ−ジ数の増加よりも留意すべきことは
【取扱い内容の難化】
です。
量の増加と共に質的にも変化し難易度が上がっています。
つまり
【量】の増加と取扱い内容の難化【質】の変化
が見て取れます。
文部科学省は、パターン的な基礎学習だけではなく、発展的な思考学習を学習指導要領で示しています。
この教科書の変化により
【出来る! 解る!】と【出来ない!わからない!】
の2極化が進むと予測されます。
そして、学習に対する意欲や取り組み方に影響が出て学習格差が生じる事が予測できます。
次回は【新しい教科書で学習にどのように取り組むべきなのか】についてお伝えします。
posted by marserTeacher at 23:53| 教科書が変わった