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ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年10月23日

二百九十八話 お題:延べ板(金属を打ち延ばして板状にしたもの) 縛り:三つ巴(三つのものが互いに対立して入り乱れること)、発信(電信や電波を発すること)

 職場の同僚に、
「俺は絶対に結婚もしないし子供も作らない」
 と宣言した男がいる。

理由を聞いてみたところ、
「え、だって地球はあと二十年もしたら滅びるんだから結婚も子育ても無駄じゃないか」
 という答えが返ってきた。私がわかるように説明しろ、と言うと、
「あぁ、飲み友達に別の星から地球に働きに来てるってやつがいるんだけどさ。そいつが言うには今地球の近くの三つの星が三つ巴の戦争をしてて、どんどん戦線が拡大してるから二十年もしたら地球も巻き込まれて滅びるだろうって話なんだよ。そいつは地球の希少な金属を延べ板にして輸送したり、金属の鉱脈の情報を発信したりしてるらしいんだけど、なるべく早く仕事を片づけて故郷の星に帰りたいって言ってたな」
 私が、お前そんな与太話を信じたのか、と言うと、
「最初は信じなかったけど、そいつ、俺が最近どんどんハゲてきて困ってるって言ったら、これ使えって言って見たことない育毛剤をくれたんだよ。それ使ったら一週間くらいで若い頃よりフサフサになって、カツラ使わなくてよくなったんだ。だから信じることにしたのさ」
 私も最近頭頂部が怪しくなってきたので、お前の言うことを信じるからその育毛剤を貸してくれないか、と彼に言ったところ、絶対に駄目だと即答された。


posted by ペン牛 at 21:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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