癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

生前の母に買ってあげたものは少ない。
日常生活に必要なものや家電製品はともかくとして、
嗜好品や装飾品、旅先のお土産など・・・
母に買ってあげたものが少なすぎる。

後から悔やむと書いて「後悔」・・・
その通りだ。

いつの事かハッキリとは思い出せないが、
母にお土産を買って帰ったことがあった。
・・・確か・・・成人して間もない頃だった。

飾り物・・・なりは小さく、パワーストーン的な置物だ。
見た目はエメラルド色のまあるい石で、
金色の置台も付いている。

謳い文句は思い出せないが、その時の私が母に必要と考えた効力が
謳ってあったことだろう・・・。

その置物は、今となっては母の遺品の一つとなり
仏壇の脇にある母の遺影（写真立て）の裏にそっと置いてある。

時々視界に入ることがあり、それを目にするたびに
色々なことを想う。

今日もまた、視界に入ってきた。
と同時に母を想う。

これって・・・私から母への贈り物（お土産）なのに・・・
何だか、母からの贈り物ののような気がしてきた。
時間の経過は、時に記憶を濁す。
自分で買ったもの・・・
母への贈り物・・・は
今では、母からの贈り物となっている・・・。

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