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2017年03月01日

この扉の向こうに見る光景

母と父が使っていたリビング。
あの時の面影は薄い。

残っている家具は、キッチンの食器棚、
電子レンジ台、リビングテーブルのみ。
後は姉が持ち帰ったり、別部屋に移したりした。

対面キッチンは、壁を長方形に切り抜いてあり
その枠内から顔をのぞかせていた母が目に浮かぶ。

その壁枠には、母が緑で装飾してある。
緑と言っても、百均で購入したものだ。
葉っぱがツル状につながっていて、
上手い具合に枠を着飾ってある。

・・・あの時のままだ・・・胸が熱くなる。

この部屋の中にいると、沢山の現実と
少々の過去を見ることが出来る。

しかし、ひとたびこの部屋を出て、扉を閉じると
その部屋はあの時のままに戻ってしまう。
もちろん、私の脳裏の中だけで・・・

そこには母が居て、父もいる。
朝だと納豆の匂いがきつくて、ちょっと笑える。

昼間だとちょっと寒くない?と感じる。
エアコンの風は乾燥肌にはきついらしい。
カーボンヒーターと加湿器がついていた。

夜7時を過ぎると父はベッドに横になっていた。
おねむの時間。
母はホッと一息、束の間の時間。
テレビを観ながら笑っていたり
友人と電話で長話してみたり・・・
そんな光景はいくらでも浮かぶ。

いろんな光景を思い浮かべていると
この扉を開ければ本当にその光景が広がっているのではないか?
本気でそう感じることがある。

そっと開けて見る、ある時は勢いよく開けて見る・・・
しかし結果はいつも変わらない。
そこには誰もいない。
仏壇と母の写真があるが、何も言わない。

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緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
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