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2017年04月13日
「超一流のビジネスパーソンは、アーリーリタイアメントなんかしない」という記事を読みました
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再び題名に釣られました
Webをふらふらと散歩していましたら、再び題名に釣られました。
「超一流のビジネスパーソンは、アーリーリタイアメントなんかしない」
元は、NikkeiBizの下記の記事から抜粋したもののようです。
「お金を追うな、仕事を追え」
正直なところ、
「いや私、自分が超一流のビジネスパーソンだなんて思ってないからアーリーリタイアします」
で終わる話なのですが、それだけでは記事にならないので、ちょっと膨らませてみることにします。
色眼鏡の色と、私のポジション
筆者は経営コンサルタント。なるほど、ポジションは分かりました。
この方の立場で、「リタイアしたいならどんどんしなさい」なんて、口が裂けても言わないでしょう。
経営コンサルタントの立場上、個人と職業は不可分のものと映ってしまいますし、極論すれば立場上は
「人間は職業と実績と経歴で出来ている」と言う視座を持っていると思います。
一方で私はアーリーリタイア志望なので、もちろんこの記事には否定的です。
同意できないところ
超一流の人たちは、ほとんどアーリーリタイアメントなどしていません。アメリカンドリームとしてよく言われる、若くして儲けて、その後は悠々自適の生活を送るというのは二流の人の話です。
一流の人はそんなことはしません。どれだけ稼いでいても、社会に役立つ仕事がしたいと思うものなのです。アーリーリタイアメントした方が楽に決まっていますが、それで終わりたくはない。そう考えるのです。
分からなくもないのですが、それは一流二流の違いではなく、指向性の違いでしょう。
マズローの欲求段階説における、「承認欲求」と「自己実現欲求」のベクトルが違うだけとも言えそうです。
彼らは社会に役立つ仕事をすることで承認欲求と自己実現欲求を満たすことを選び、
私のようにアーリーリタイアを目指す者は、会社に依存しない生活を送る事で自立性と自己実現を得る。
これらは比較して優劣を競うものではないと思います。
多くの人は、働くことが金儲けのためになってしまうのですね。金儲けのために仕事をしているうちは、一流にはなれません。逆に言うと、一流になれば、金儲けのことを考えずに良い仕事に専念できるものです。
一流二流ではないというのは繰り返しになるので略すとしまして。
労働を単純化すると、それは自分の時間を提供して、流動性の高い通貨を得る事だと私は思っています。
つまり、ただの交換作業。労働というのは両替機みたいなものです。
もちろん、その交換作業に意義を感じる人は多いですし、それを否定はしません。
また、交換作業自体も、私は結構楽しんでいます。
ただその意義や楽しみは自分の中だけに止めるべきで、他人に押しつけるものではないと思います。
極論すれば、「O2とCO2を交換する呼吸に意義を感じてもいいが、他人に押しつけるな」という事です。
同意するところ
経営者の中には、「会社を存続させることがまず大事だ」と言う人がいます。それは、ダメな人が、自分が生きていくために言っている単なる自己中心的な主張です。世の中に貢献しないダメな会社であれば、つぶれた方がいいのです。本当に正しい経営をしている会社のもとに資源や資金が集まった方が、世の中が良くなるに決まっています。
会社の存在意義は、単なる存続ではありません。世の中が求めているものは、良い仕事です。良い仕事をしている会社には存続する意味がありますし、そうであれば、存続を目的としなくても、自然に存続するものなのです。
他方で、この部分については同意します。
ただしこの文章では経営者についてのみ述べられていますので、私の考えとして従業員(労働者)の視点を
追記させてもらいたいと思います。
従業員の立場からすれば、正しい経営や世の中の求めている良い仕事への責任はありません。
(個人が責任や意義を感じる分には自由ですが、それは他人に押しつけるものではありません)
経営陣が正しく経営し、管理職が正しくマネジメントを行い、その指揮の下で各従業員が自らの仕事を
行った結果が、時々たまたま「世の中の求めている良い仕事」と合致するだけのことです。
従業員が自らの仕事や責務を怠ったなら、その責任は従業員の物です。
従業員が仕事を全うしているなら、その結果は経営者と役員(+管理職)の責任です。
そのために、管理職以上は非管理職に比べて高い給料をもらっているわけですから。
*ただ日本では、管理職の給料は非管理職(残業込み)と比べて劇的に高いわけではありません。
その事は分かっていますが、その不満は会社にぶつけるべきものです。
給料が同等だという理由で、管理職が非管理職に対して「管理職の目線で仕事しろ」と言ったのなら、
それは、ただの傲慢と無理筋です。
まとめ
と、散々こき下ろした失礼な記事を書いてしまいましたが、この方の立場的にはこう書くしかないわけで、
その点は理解しています。
仕事が人間の全てである、という見地に立つなら、この主張は真っ当です。
また、高い目標を目指す方には、何かしらの気付きを得る事ができる記事だと思います。
ただ、その人の職業と実績と経歴で一流二流を判断する、その前提がおかしいだけではないでしょうか。
そもそも人間は、一流二流、勝ち組負け組という分かりやすい二元論で区別できるものでもないでしょう。
(一流を目指す方を揶揄する意図はありません。
あくまでも、アーリーリタイア志望者から見た記事の感想です)
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posted by SALLOW at 11:00
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2017年03月26日
「資産1億円ぽっちでリタイアする人の末路」という記事を読みました
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ちょっと題名に釣られました
本当は今回、ラッキーバンク案件の条件と蒸発速度を羅列考察するつもりで材料を集めていたのですが、
ネットをぶらぶらしていて、思わず題名に釣られました。
「資産1億円ぽっちでリタイアする人の末路」
いつもソーシャルレンディングの案件内容を見る時のように、この記事を見ていく事にします。
なお、公平のためにあらかじめ、私自身のポジションを明らかにしておきますと、
自分自身がこの程度の資産でリタイアするつもりでしたので、今回の記事には否定的です。
内容の前に、色眼鏡の色を選ぶ
さて、内容を見る前にまず、誰が何の意図を持った記事なのかを見ていきます。
そうすれば、何色の色眼鏡をかけてこの記事を見れば良いのか、分かるようになります。
@掲載媒体:日経ビジネス
対象→(当面仕事を辞めるつもりのない)ビジネスパーソン
Aインタビューしている人:鈴木信行氏
「宝くじで1億円当たった人の末路」という本の作者のため、この記事自体が販促記事。
Bインタビューされている人:玉川陽介氏
コアプラス・アンド・アーキテクチャーズの社長。この会社は不動産投資と海外投資メイン。
つまりこの記事は、ビジネスパーソンに対して
「小金が貯まった程度でリタイアを夢見ず、投資も行いつつ自己を高めてより良いポジションに登れ」
という事を主張したい記事だと思われます。
内容を見ていきます
「1億円程度では、余裕のあるアーリーリタイアは難しい」とのことですが、にわかには信じられません。まず、「仮に今、手元に1億円があり、そのカネを元手に投資商品を購入し、その分配金や配当だけで暮らせ」と言われたら、資産運用のプロとしてどういうポートフォリオを組むか、提示してもらえますか。
「1億円もらってリタイアした人の末路」という本を書いた人の言葉とも思えないのですが、これは
シナリオのうちという事なのでしょう。
その後、現物不動産無し、投資商品のみ(できれば投資信託やETF)と言う条件が付いているのは、
「1億円で現物不動産のオーナーになって不動産投資→アーリーリタイア」というモデルは
当面ビジネスパーソンを辞めるつもりがない、日経ビジネスの読者層に刺さらないからだと思います。
この条件に対しての答えが、3割VXXのショ−ト、他にハイイールド債ETFやARCC(投資会社ですね)に
投資する、というものでした。
ところで、これらの銘柄の、ここ5年の動きはこんな感じです。
リタイアする相手に勧めるボラティリティじゃないです。特にVXX。
しかも、ロングなら最大損失は投資全額吹っ飛んで終わりですが、ショートで持ったら損は青天井です。
投資商品のインカムゲインで食べていく戦略は、一度でも元本が大きく毀損すると回復不能になるリスクがあるんです。
それはその通りなのですが、それと見事に矛盾したポートフォリオになってます。
VXXをショートで持って暴騰したら、投資した3,000万円どころか、1億全て吹っ飛ぶリスクさえあります。
そして、さらに驚いたのがその後の部分。
それに仮に900万円首尾よく利益が出ても問題があります。今の時代に40〜50代で1億円の資産を貯めるには、2000万円以上の年収を何年にも渡って続けなければ難しいと思います。そういう人たちは貯金額も多いですが、消費額も多い。「気分は富裕層」なんです。おそらく900万円程度ではいずれフラストレーションが溜まるはずです。
いえ、そんな。年間900万って。
「夫婦でゆとりある生活を送るための金額」が月36.6万円と言われている時に、その倍以上の金額を
さらっと持って来られても、という気分です。
この後、記事は外国REITに一点張りするとか、デイトレードならどうかという話となり、
最終的には「1億円ではリタイアできない」というところに落ち着いていくわけです。
この記事を読んでの私見
結局、この記事の結論は、「1億円を投資して分配金で年900万円もらうのは難しい」というものであり、
「そんなの当たり前だろう」という感想しか抱きませんでした。
なにせ、1億投資で年900万円となると、税引後年9%(税引前年11.3%)です。
それを安定して得ようというのは、よほどのハイリスクか奇跡が必要でしょう。
ただ、この記事を擁護しますと、記事自体の論理構成はまちがっていないと思います。
そうではなくて単に、
@不動産以外の、値動きのある投資商品のみで安定収入を得る
A年の消費支出 900万円を投資利益のみで賄う
という前提条件が破綻しているだけです。
@については、値動きの少ない不動産やSLのようなインカムゲイン投資を選び、
Aについては、そもそも年間支出を半分以下(できれば1/3)まで落とす。
こういう方法を採れば、1億円の資産でアーリーリタイアするのは難しいことではないと思います。
良く、「稼ぐに追いつく貧乏無し」と言いますが、アーリーリタイアを考える上においては
「浪費に追いつく稼ぎ無し」と言ったところでしょうか(10億円レベルの資産あるなら別ですが)。
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posted by SALLOW at 16:50
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