2019年09月12日
AIによる就業構造の変化から、今後の働き方を考えてみました。
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身の回りでは、AIによる影響は軽微
今回はAIの話題です。
私が現在勤めている会社は、間接的ながらAIに関係しています。
(作る方ではなく使う方という意味です)
今の私の業務が近い将来AIによって大きな変革を迎えるとは思いませんが、趣味と実益を兼ねてシミュレー
ションをしてみるのは、なかなか楽しいものです。
ちなみに上で「近い将来はAIによる影響はない」と書いたその最大の理由は、「まだ会社にAIを使えるだけの
下地がないから」だと判断しています。
それは実務者クラスの知識がないことや、目の前の業務に忙殺されて新しいことに取り組む時間がないこと
もそうなのですが、会社の上層部の多くがAIの利点と限界を正しく理解していないのが最大の問題です。
自動翻訳を適切に使うには正しい日本語が必要なように、AIを適切に導入するには、導入権限を持つ者が
AIの能力と限界を正しく知ることが必要だと思っています。
また、実際にAIやRPA(事務作業などをロボットで自動化すること)を導入すれば当然余剰になる人員が
出てくるわけで、それをどう振り分けるかという問題も発生するでしょう。
日本のそこそこの会社においては「AI導入したから人イラネ」という理由ではまだ正社員の解雇は難しいと
思われますし、もしそんな風潮が広まれば反AI・RPA・ロボの考えまで台頭しかねません。
(実際に、ネオ・ラッダイト運動という言葉はすでに生まれています)
そんなわけで、自分の周囲を見てみるとまだまだAIによる変化は限定的という推測をしています。
しかし、それと同時に世の中を俯瞰した時のAIによる長期的変化も調べておく必要があります。
もしかしたら意味のない調査かもしれませんが、実際に影響が我が身に降りかかってからでは往々にして
対応は後手に回るもの。
今のうちに影響範囲と対応策のシミュレーションをしておくのは、悪いことではないと思います。
いずれ、AIなどの影響は避けられないでしょう
AIにより就業構造にどのような影響があるかは、経済産業省が一つの試算をしています。
経産省の計算がすべて正しいとは言えませんが、一つの参考にはなるでしょう。
(https://www.sankei.com/premium/photos/160606/prm1606060007-p1.html より引用)
上記は経産省の試算を元に、産経ニュースがまとめたもの。
表の左側「現状を放置」は、AIやビッグデータなどの技術革新に対応せず現在の産業構造を維持した場合の
15年後の就業構造を示しています。
一方で表の右側「AI化に対応」は、その逆。AIやビッグデータなどの技術革新に対応した場合です。
見て分かる通り、総就業人数については技術革新に対応しなかった方が減っています。
これは、現状の産業構造のままでは先端分野の事業が海外に流出すること、結果として付加価値の高い事業
も縮小し、日本の産業が衰退することを示しています。
現状を放置した場合、増えると予想されるのは「汎用的なサービス業」の就業人数のみ。もちろんこの職種
の就業者は低賃金であり、結果日本の平均賃金は低下するという試算です。
技術革新に対応しなければ、目の前はともかく将来的には落ちぶれるのが必然。
となれば、将来的にAIを導入していく方向に舵が切られるのも、また必然だと思います。
就業構造の変化から予測
AIを導入する未来を考える場合、重要なデータだと私が思うのは
「【現状を放置】と【AI化に対応】した時の、職業ごとの就業人数の差」
だと考えます。
現状を放置すれば減る職業で、かつAI化に対応した時に増える職業なら、それが「AI化することによって
人手が足りなくなる(=高い賃金が期待できる)」職業だと推定できるからです。
さらにこの上に、賃金が何で決定されるかという要因も考えるべきです。
賃金はその人の才能や努力、成果で決まるばかりではなく、その業界の利益率によっても決まるからです。
どんなにがんばったところで、利益率の低い業界では賃金上昇はたかがしれています。
賃金が高い分野は、「賃金以外にお金の使い道が少ない業界+付加価値の高い業界」。
例えばIT関連、シンクタンクや総合商社、工場を持たない製造業などが挙げられます。
逆に小売業など仕入れにお金を使う業種や、介護、保育などの労働集約型は賃金が低くなりがちです。
結局はこの結論ですが
AIの導入によって就業人数が増えるのは、「経営・商品企画・研究開発・マーケティング」「高度な技能を
持つ営業や販売」「特殊技能の必要な高度サービス業」「IT技術者」の4種類。
いずれも一朝一夕の半端な努力でなれるものではありません。
一方でよく言われていますが、比較的スキルのいらない汎用的な業務(特に事務や定型業務)については
AIやRPAの普及により急速に人間の手から離れていくものと考えられます。
一方でAIやRPAでは、肉体労働はできません。ロボットも決して安くはないので、ロボットを購入するより
安くて済むような仕事は、人間の手に残るでしょう。
これはつまり、「楽な仕事がなくなる」ことではないかと思います。
AI、RPA、ロボットには労働基準法は適用されません。メンテナンスを除けば働かせ放題です。
したがって同じ土俵で勝負する限り、人間は生産性の面で勝つことはできません。
生産性だけが世界の全てではないと思いますが、企業の多くが生産性を重視する以上は、労働市場において
「生産性が低い≒価値が低い」と見なされてしまうのは当然のことです。
AIなどと共存できる未来があるのならそれが一番良いと思いますが、一部の仕事についてはAIなどとの奪い
あいになってしまうのは世の流れです。
その時に備えて自分をどう成長させ、どう守っていくのか。
難しい問題ですが、また楽しい問題でもあります。
結論はシンプルで、やっぱり自分で成果を出さなければいけないのでしょう、と思います。
成果を出せず、AIなどに仕事を奪われることを自己責任とは言いません。
しかしそれは他者の責任でもなく、その結果は自分だけが引き受けなければいけないわけです。
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posted by SALLOW at 11:00
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