ソーシャルレンディング投資記録（旧ブログ）

　社会的インパクト投資（社会問題を解決する事業への投資）に特化したソーシャルレンディングを行う事業
　者、ネクストシフトファンドの話題です。

　私は以前は社会的インパクト投資について、否定的とまでは言いませんがあまり肯定的には受け止めていな
　かったのですが、最近考えを変えました。
　投資である以上リターンが最優先なのは当然ですが、そこに社会的意義が加わるのは悪くない。だから、あ
　くまでもリターンで考えるのなら社会的インパクト投資を選んでもいいと思うようになりました。

　本音はどうあれ、社会的インパクト投資案件に出資することによって「社会問題を解決する事業に投資して
　います」と名乗れるのは紛れもない事実。
　やらぬ善よりやる偽善、建前大事、というやつです。


　事実として、日本における社会的インパクト投資は増大傾向にあります。
　GSG諮問委員会「日本における社会的インパクト投資の現状2018」によると、2017年→2018年で投資市場
　は5倍弱に拡大、さらに個人投資家の流入も見込まれるとのことです。

・日本における社会的インパクト投資市場は、2017年度の718億円から、2018年度は約3,440億円に拡大と予測
・2017年度からの拡大の要因は、すでに社会的インパクト投資に取り組んでいた機関が投資残高を増やしたこと、2018年度から新たに社会的インパクト投資に取り組む機関が増加したことが挙げられる。
・2019年は、個人投資家の流入やベンチャー投資、また、関心が高まりつつあるSDGs達成に向けた投資の流れが拡大していくと考えられることに加え、日本でも休眠預金の活用開始が見込まれており、社会的インパクト投資市場のエコシステム形成促進も期待される。

　（http://impactinvestment.jp/2019/04/2018.html　より引用）


　そのネクストシフトファンドでは、新しいファンドが募集されています。


　・ジョージア×カンボジア中小企業経営者さん応援ファンド１号

　　予定利率：6.7%（＊USD建て）
　　期間：13ヶ月
　　貸付総額：600万円
　　担保：なし

　　


　この案件は、ジョージア、カンボジアのマイクロファイナンス機関（合計3社）へ融資を行うもの。
　さらに機関から中小企業経営者や農家にローンを実施し、配当を得ると同時に地域経済に貢献をするという
　社会的側面もある案件となります。


　ネクストシフトファンド（広告リンク）
　


　最終的な貸付先は、ジョージアとカンボジアの中小企業や個人となります。
　スキームはシンプルで、投資家→ネクストシフトファンド→マイクロファイナンス機関→貸付先。

　　


　ネクストシフトファンドとマイクロファイナンスの機関でそれぞれ手数料がとられますが、これはしかたの
　ないことでしょう。この方法でなければ日本国内の個人投資家が、マイクロファイナンス案件に直接アクセ
　スすることはできません。

　貸付先となるマイクロファイナンス機関3社はいずれも貸し倒れゼロということで、ある程度の安定性は
　期待できると思います。
　USD建てということで為替リスクもありますが、新興国通貨に比べれば為替は安定的ですので、元本が大き
　く損害を受ける可能性も低いのではないでしょうか。

　大きな金額を投資する案件かどうかと言われると微妙ですが、一部の資金を振り分けてもいいと思います。
　私も調整して、一部資金を投資する予定です。


　2006年、国連のアナン事務総長が提唱した考え方に「責任投資原則」があります。
　これはある投資を行うかどうかの意思決定に際して、投資先のESG問題（環境・社会問題・企業統治）への
　取り組みを考慮・繁栄すべきであるという原則のこと。
　売上高や利益などの指標だけではなく、数字に表れない取り組みも評価すべきという考え方です。

　ネクストシフトファンドの運営母体であるネクストシフト社は、この責任投資原則に国内クラウドファンデ
　ィング事業者として初めて署名しているそうです。
　下記のページを見る限り、確かにクラウドファンディング事業者の中に他の名前は見当たりません。

　　・国連責任投資原則（UNPRI）の署名機関　2000社を超える　（QUICK ESG研究所）


　署名したからといって何かがすぐに変わるわけではなく、意思表示にすぎません。
　しかし、社会的インパクト投資を専業で行う事業者としての言行一致の態度は評価されるべきでしょう。


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