ただ、これには疑問がある。そもそも何故自転車のマナーは悪いのかを考えなければならない。有識者会議でもあったように、現状の自転車を取り巻く走行環境は歩道を中心とした曖昧な通行区分で、そのほとんどがママチャリやシティサイクルなど近距離を移動する目的としたものが多い。
これにより自転車は車両の仲間であるがいつしか歩行者の仲間として認識されてることになり、歩行者感覚が故の交通ルール無視(信号無視・逆走・一時停止不履行など)に繋がっている。また、格安のママチャリは本来なおして使うはずの自転車を、使い捨て感覚の道具へと変化させ、結果放置自転車の増加を助長している背景がある。粗悪の部品で構成された自転車は適正価格の自転車より耐久性が乏しく、フレーム自体もまた錆やすい。駅や道に放置しても1万程度ならまた買えばいいと思うし、撤去されてもその回収費用にお金がかかるのなら、取りに行くのも億劫だ。
マナー向上に対する1つの解決策として、ナンバープレートは評価できなくもないがそれと同時に、こういった背景をきちんと分析し、的確な対応をすることも求められるだろう。
海外の自転車にナンバープレートが付いているのを見たことがない(少なくともオリンピック中継で見たイギリス市民が乗っていた自転車にはそれが無かった)。それはきちんと子供の頃から交通ルールの教育を受け、自転車が車両として認識され、立派な交通手段として確率しているからだと思う。少なくとも歩行者と同じ歩道を走ることなんて滅多にない。日本のようなママチャリ中心の歩行者感覚では何時まで経っても根本的な解決には至らないだろう。
朝日新聞
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「自転車にもナンバーを」 東京都、装着義務化を検討
自転車の運転マナー向上のため、東京都が自転車へのナンバープレート装着義務化を検討している。購入時のデポジット(預け金)制度も導入し、放置自転車を減らす考えだ。有識者会議の提言を受け、都は条例化をめざす。
都の構想では、購入時に利用者が自転車店で一定の預け金を支払い、氏名や住所などを登録した上で、自転車後部にナンバープレートをつける。預け金や登録者情報は都の指定団体が管理し、自転車の廃棄時にナンバーを返納し、預け金を利用者に返す仕組みだ。
装着したナンバーから利用者を判明しやすくすることで、利用者の危険運転への抑止効果や、人との接触事故が起きた時のひき逃げ防止が期待できるという。預け金については、放置自転車を行政が撤去しても、持ち主が引き取りに来ないケースが多いことから導入検討につながった。
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