2018年03月25日

北海道で自転車条例が制定 施工は4月1日から

少し前に記事としても取り上げた「北海道の自転車条例」が2018年3月20日に設定された。

jtensya_jyourei.jpg

施工は翌月の4月1日からとなる。都道府県レベルの条例としては有名なところで兵庫県や大阪府の「自転車保険義務化」があるが、北海道の自転車条例では自転車保険に関しては少し弱めで以下の通りになっている

---------------------------------------------------
第3章 自転車損害賠償保険等の加入促進等

1 自 転 車 損 害 賠 償 保険等の加入促進

@ 自転車利用者は、自転車損害賠償保険等への加入に努める。
A 自転車小売業者は、自転車損害賠償保険等に関する啓発等を行うよう努める。
B 自転車貸付業者その他事業者は、事業活動に係る自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。【義務】
---------------------------------------------------

義務が自転車貸付業者、すなわちレンタルサイクル事業者にあるのに対し、個人や自転車小売に対しては努めるや啓発活動にとどめられている。他に気になった点は冬に関する記述。

---------------------------------------------------
第1章 総則

5 自 転 車 利 用 者の 責 務

C 自転車利用者は、冬期においては、その道路状況を考慮して、自転車に適正な器材を装着し、又は自転車の利用を取りやめるよう努めるものとする。
---------------------------------------------------

上記のように積雪がある際は適切な機材、これはスパイクタイヤやファットバイクの極太タイヤのことだと思うが、夏タイヤで走らないようにあるいは困難な場合は利用しないようにということだろうか。また、自動車の利用者に対する記述もあり、

---------------------------------------------------
6 自 動 車 等 運 転 者の 責 務

@自動車等の運転者は、自転車が車両であることを認識し、自転車及び自動車等が共に道路を安全に通行することができるように配慮しなければならない。
A自動車等の運転者は、自転車の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行するよう努めなければならない。
---------------------------------------------------

と、このように車道を走る自転車に対して配慮ある運転をするようにとのこと。もう一つ気になった点は事業者に対する文面。

---------------------------------------------------
8  事 業 者 の 役 割

@ 事業活動において自転車の活用等の推進を図るよう努める。
A 事業活動において従業員等に自転車を利用させる場合は、関係法令を遵守させるとともに、乗車用ヘルメットの着用を推奨する。
B 国、道及び市町村の施策へ協力するよう努める。
---------------------------------------------------

これらを要約すると会社でも自転車の活用を推進(自転車通勤やその他移動など)し、その際にはヘルメットの着用を推奨する。会社で活用推進する場合は国や市町村の施策に協力に努めよとなるだろうか。

このように今回制定された北海道の自転車条例では地域性をからめたものとなっていて、道、自転車利用者、自動車ドライバー、事業者などに努めるべき内容を提示したほか、交通安全教育や自転車保険、自転車専用道路、自転車専用車両通行帯整備に関する記述、サイクルツーリズムなども含まれていて本格的な自転車条例であると感じた。その一方で他の都道府県の条例でもそうなのだが罰則規定は特に無く条例としてあるだけとなる。もちろん条例があることにより指導や推進が強力なものとなるため無意味ではないのだが、少なくとも一歩進んで自転車保険ぐらいは義務化の文面を入れても良かったのではないかと思う。あとは条例を制定&施工するからには本自転車条例の周知徹底と実際の活動による普及&推進&啓蒙活動など地道な活動が大事になってくるかと思う。

※本自転車条例の本文概要は左リンクのとおり
【このカテゴリーの最新記事】

2018年03月09日

「クルマを捨ててこそ地方は甦る」の感想

少し前に購入した藤井聡教授の「クルマを捨ててこそ地方は甦る」をようやく読み終えた。「地方はクルマが無いと生活できない」という一般常識はこの本を読み終えるころには非常識となり、「クルマこそが地方を衰退&疲弊させた張本人」という新事実が頭にインプットされた。

KIMG0908.JPG

続きを読む...

2018年03月04日

さいたま市 市内すべての新中高生対象に自転車免許制を開始

ここ最近は自治体レベルで独自の「自転車免許制」を導入するところが増えてきているが、さいたま市でもこれが実現となる。まずは記事から。

参照元:読売オンライン
----------------------------------------------------------------------
新中高生に安全講習、テスト後に「自転車免許」

さいたま市教育委員会は4月から、全市立中高61校の新入生約1万1000人を対象に自転車の安全講習を実施した上で、自転車運転免許証を発行する。

 法的な効力はないが、交通安全の意識を高め、ルールを守ってもらう。

 免許証は、教員が講師を務める安全講習(座学、45分程度)を受講し、確認のためのテストをした後、発行される。大きさは名刺とほぼ同じで、中学生と高校生用の2種類を用意する予定だ。デザインは検討中だが、氏名などのほか、自転車に乗る際の注意点などを記すという。

 埼玉県警交通企画課によると、2013〜17年の5年間で、県内の中学1年が自転車に乗っている際の事故で死傷したのは計884人。高校1年は学年別で最も多い2101人となっている。同課では「入学して通学に自転車を利用し始めることが影響している」と分析している。

 市と県警は2月26日、中高生の自転車安全教育を進めるため、同市役所で自転車安全教育推進宣言に署名。県警は自転車運転免許制度の指導を行う教員への講習会の開催や、道路交通法に関するクイズ形式の教材の監修などを行う。

 細田真由美・市教育長は「専門的なアドバイスをもらうことができ、大変心強い。生涯にわたる安全意識を持ってもらうことが期待できる」と話した。また、県警の遊馬宏志交通部長は「事故減少のため、交通ルール、マナーを守っていってほしい」と述べた。
----------------------------------------------------------------------

注目したいポイントは市内すべての中学校と高校の新一年生が対象となっていること。実は子供の自転車事故で多いのは中学生と高校生である。理由としては自転車通学により自転車を使う機会が増える点と、交通量の多い通学・通勤時間帯での利用、体力が児童や小学生よりもアップするため無謀運転につながりやすいなどがあるがこの事故の多い中高生を対象とすることでピンポイントで対策していることだ。

さらにこの免許制は法的効力はないものの座学とその後のテストにより免許証が発行される。もう一つ踏み込んで路上テスト(あるいは自動車学校を借りての実地試験)があるとより効果が高いのだが、安全教室などでただ単に聞いて終わるタイプよりはテストを受ける分自分で考えるプロセスが含まれているので少しは効果がありそうだ。

ちなみにさいたま市の小学校はどうなのかと思って調べると、どうやら2013年にはすべての小学校で4年生を対象に講習20分、学科10分、実技45分の免許制を導入しているようで、中学生になってはじめてではない模様。進学時に心機一転と再び自転車のルールを学ぶ形となるが再認識や安全意識を高めさせるためにも一定の効果がありそうだ。

今回の実施により、さいたま市では小学校と中高学校、高校と3段階での自転車免許制(※法的効力はなし)の実現となる。市内全域のレベルで小中高での免許制を導入する例は珍しくさいたま市の本気度が伺える。背景には「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」の実施など自転車によるまちづくりを行う部分も関係しているような感じがした。ツール・ドはまぁ置いといて小中高すべてでの自転車免許制は他の自治体も見習ってほしい事例である。

2018年02月18日

旭川市の人口が 34万人割れ。北海道の転出超過は22年連続

地元のローカル新聞、「北海道新聞」で管理人のまちのニュースが載っていた。タイトルにもした34万人割れの数字は「住民基本台帳に基づく人口が2月1日時点」なので、他のデータと乖離がある場合もあるが、かつてのピーク時は1986年代に36万人を越えていたことからそこからゆるやかに人口減少していることになる。

hokkaido.jpg

旭川市は北海道の中でも人口が第2位の都市で、その次は観光で有名な函館市の約26万人。ちなみに第1位の札幌市は約195万人とトップと2番手の間に約160万人ものの開きがある(いずれも住民基本台帳の人口データより)。

もう一つ。興味深い記事があって同じく北海道新聞のものだが、北海道の転出超過(人の転入よりも転出が多い)が22年連続となったこと。今年の内訳は釧路市が1023人で第1位。第2位は旭川市で830人。逆に札幌市は転入超過となって8779人。全国の市町村からみても第3位となっていて北海道では札幌市に人口の一極集中が起こっている。

記事によれば旭川市の人口減の原因は少子高齢化が原因となっていた。全国的にも人口減は大きな問題でありとりわけ北海道ではそれが顕著だ。また、この人口減というのは1年や2年ですぐに対策ができるものではなく、長期のスパンで対策をとらないとさらに加速化するため人口減で影響が出る経済や働き手不足、高齢化、行政サービスの縮小など悩ましいところである。

ところでなんで今回はこの話題を出し方というと、たまたま自転車に関係のある話題を「脱クルマ」をキーワードにネットを調べていたらこんな本を見つけたためだ。それは藤井聡教授が書いた「車を捨ててこそ地方は蘇る」という本である。

KIMG0908.JPG

興味を惹かれたので早速市内の大型商品で買ってきたのだが、今回の人口減に関連することを端的に言うと「クルマ社会が地方を疲弊&衰退させ大都市部への一極集中を招いている」そうだ。まだ半分程度しか読んでいないため全体の感想は次回に持ち越すとするが、クルマ依存のまちづくりは一見便利で快適だから良いようにも見えるのだが、実はそこに大きな落とし穴があって地方都市の衰退につながっているとのこと。
考えてみるとこの旭川市も基本的にはマイカー利用者が多く、札幌のように市電や地下鉄が無く唯一の路線バスは不便で郊外付近にはマイカー前提の「イオン」があり、他のお店も幹線道路沿いに大型駐車場を完備したタイプとなっている。マイカー依存は中心部から郊外の店舗へ人を移動させ街をドーナッツ化させる原因となり、日本初の高給歩行者天国である「買物公園」もこの影響を受けて(特にイオンの影響は大きいとされているが」いると思われる。

そしてクルマ社会の反対の位置にあるもののひとつとして「自転車の活用」がある。クルマに依存しない「コンパクトシティ」では自転車が有用な移動手段とされている。旭川市をはじめ北海道などの雪国では積雪のある冬期において自転車の全面活用は少しむずかしい部分もあるだろうが、人口減と関係のある地域経済の疲弊や衰退を考えると取り組まなければならない課題であるはずだ。

DSC_0434.JPG

奇しくも「旭川市自転車ネットワーク計画」のひとつである「自転車の走行区間の整備」が去年からはじまったところで、ただのペイントに終わらない自治体や地域ぐるみでこの問題を考える分岐点に来ているのかもしれない。

※今回の記事や問題点などを探すうえで自転車と脱クルマをテーマに書かれているブログサイト「脱クルマで地方は豊かになる!」を参考にしました。気になった方はこちらも読んでみてください。

2018年01月24日

児玉忠弘さんによる自転車メーカーの興亡史と自転車の今後のあり方

自転車活用推進研究会が定期的に開催している勉強会の動画がYoutubeで見れるのだが、面白いものがあったので紹介。今回の講師は「児玉忠弘」さんでブリジストンに入社しいろんな人と関わりながら現在ではミニベロ(小径車)メーカーの「ダホン」の副董事長でもある方。

動画の内容は戦後の自転車業界の様子からはじまって高度経済成長、オイルショックを経て中国産自転車の台頭など歴史と変遷に関する説明やこれまでに児玉さんが出会ってきた人々の紹介、そして今後自転車はどうあるべきかなど自転車が好きな人はもちろん自転車をアシとして使っている人にも見てほしいなぁと感じるものだった。その中でも気になった点を抜粋。

自転車の衰退1.jpg

一つ目はこの画像。かなり見づらいのだが日本の自転車生産台数を示すグラフである。戦後復興後の1950年代は98万台だったのが高度経済成長とオイルショックの73年あたりで940万台のピークを迎える。この頃はなんとアメリカにも輸出していたらしく、当時アメリカではオイルショックで自転車の需要(バイコロジーブーム)が高まったもののハイライザー以外で大規模生産できるメーカーがなく、安い外国性を輸入していたとのこと。一番大きなのがヨーロッパで日本もフジとパナソニックあたりの輸出があったようだ。特にこの頃は安くて品質も良いと人気だったとのこと。

自転車の衰退3.jpg
※画像はフジの公式HPより


その後オイルショックの終端とともにピークは一旦落ち着くものの、少し盛り返した後は海外勢力に押されることとなる。一つ目の597万台の時は台湾製によるもの。そしてもう一弾で下降しているのは多くの人がご存知の中国製自転車によるもの。このような歴史を経て2013年の国内生産台数はこのグラフの始点に近い96万台とかなりの落ち込みぐらいになっている。自転車ブームで自転車が売れているようなイメージがあるかもしれないが、これは海外製(例えばジャイアントやスペシャライズド)が9割を占めるためで国内製はかなり押されてるようだ。ちなみにこのグラフ、日本の家電メーカーのグラフとよく似ているみたい。

自転車の衰退2.jpg

もう一つは日本メーカーと海外メーカーの比較。日本メーカーは1968年代は元気だったがニクソンショック、プラザ合意、極端な円高を経て衰退しているのに対し例えば台湾などはニクソンショックあたりでジャイアントやメリダが誕生。そこから急速に力を付けて今や世界のOEM元となるなど真逆の展開となっている。これには日本の国策もあったようで当時の通産省の人間がこのように話している。

「今後自転車産業は国の政策としては東南アジアにシフトする。日本としては重化学工業を主体とし生き残りをかけたい」

という言葉からも自動車工業や家電産業が発展していったのも納得いくものである。この後は児玉さんの人生と関わった人の話、その後どうなったかなどが述べれていて自転車業界で有名な理由がわかるものだった。

自転車の衰退4.jpg

そして最後に印象に残ったのは児玉さんが提案する自転車の今後の話。自転車を活用したまちづくり、「ベロシティ」を日本でも実現させたいのだが、特に日本では(とりわけ最近は)自転車というとロードバイクのようなイメージが強く、敷居の高いものに見えてしまう部分があるようだ。一方で海外を見るといろんな使い方や楽しみ方があり、キャリアカーやカーゴなどを使えば家族と自転車を楽しめかつローコストであるなどその有用性や価値がうまく浸透していない部分があるとこのと。すなわち自転車の本質を浸透させないと流行は一過性で終わってしまうようで、例えば「ロードバイクで50km走りました。こんな美味しいもの食べてきました〜」だけでなく幼児やシニア層を取り込んだ取り組みが必要で特にシニア層(80代、90代は歩くのは難しいけど自転車なら大丈夫という人が結構いるらしい)も巻き込んだ運動が必要でないかという部分だった。

確かに自転車のイベントを見ても本当の初心者かガチ勢向けの2極化している部分がありその真ん中あたりのイベントがあっても良さそうだし、生活のアシとして見てももっと安全にお年寄りが自転車に乗れる環境づくりも必要な感じがした。動画全体は2時間12分ほどあるので全部見るのはすこし大変だが、興味深い話が多いので是非ともご覧いただきたい。

最新記事
検索
カテゴリアーカイブ
写真ギャラリー


〜こんな記事が読まれています〜
【1位】ドッペルギャンガー 折りたたみMTB自転車でフレーム破断事故
001.jpg
【2位】GLIDE R3 グリップシフトをトリガーシフターへ
002.jpg
【3位】ファットバイク ルック車にご用心。
003.jpg
【4位】激安 GIANTロードバイク WINDSPEED 900R
【5位】ダイハツの新型車 ウェイク(デカデカ) 自転車を載せて輪行
最新コメント
プロフィール
さすらいのクラ吹きさんの画像
さすらいのクラ吹き
自転車好きの元SE。
プロフィール
リンク集
<< 2018年06月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイブ
タグクラウド