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昔は「Trados さん、頑張って!」とお祈りしながら訳文生成していませんでしたか? 今も、たまにそんな気分になるときがあります。Trados って本当にわからないことばかりです。特に、日本語の情報は少ないですよね。いくら翻訳者とはいえ、日本語の情報が欲しいのです。Trados ユーザーの方々といろいろ情報交換できたらと思っています。




2020年01月26日

分節の結合は慎重に

先日、コミュニティに「訳文生成エラー」という書き込みがありました。SDL の方の丁寧な対応により、原因が「分節の結合」であることがわかり、問題は解決したようでした。ただ、その SDL からの最後の回答に、次のような趣旨のアドバイスがありました。


    分節の結合を行ったら、その後すぐに「訳文の生成」を実行して、
    エラーが出ないことを確かめる。



実行した後、エラーが出ないことをユーザーが確認しないといけない、というところがいかにも Trados っぽいですが、自己防衛のためにはこのアドバイスに素直に従っておくのが賢明かと思います。

そうはいっても、訳文生成を毎回行うのは現実的ではないので、私は、訳文の表示 (Ctrl+Shift+P) 機能を使ってプレビューしてみるようにしています (プレビューについては、以前の記事 「訳文の表示」を使ってみる も参考にしてください)。プレビューと訳文生成は厳密には異なる処理ですが、私の経験的には、プレビューができれば訳文生成もできます。

以下に、分節の結合を行う際の注意点をいくつか挙げてみたいと思います。(結構、たくさんあります!)


訳文生成はできても、文字が消えていることがある


分節を結合した後のエラーとしては、上記のコミュニティの投稿のように訳文生成の処理が失敗するケースだけでなく、訳文生成の処理は成功したのに、結合した分節の周辺の文字が消えているといったケースもあります。私は、PowerPoint で何回かこの種のエラーに遭遇しました。特に複雑な構成のファイルではなく、なぜそうなってしまうのかは結局わかりませんでした。

どんなエラーが起こるかわからないので、やはり、訳文生成やプレビューでの確認は欠かせないかなぁと思います。訳文生成の場合は、処理がエラーなく完了することだけでなく、生成されたファイルを開いて、結合した分節の周辺も確認した方が安全です。


結合した分節を元に戻すことはできない


分節は、いったん結合すると元に戻せません。通常の Ctrl+z (元に戻す) が効く範囲では戻せますが、これが効かなくなったらもう戻せません。「分節の分割」という機能もありますが、これは「分節の結合」とは別の機能です。結合した分節を「分割」しても、元の状態に戻るわけではありません。

元に戻す手段がないので、訳文生成を試してエラーに気付いたとしても、もうその時点からはどうすることもできません。こうなると困るので、私は、分節の結合を行う前にまずバイリンガル ファイルをバックアップするようにしています。バックアップをした後で、分節の結合をして、訳文生成かプレビューをして、もしだめだったらバックアップしたファイルを戻します。かなり、面倒です。


変な結合は行わない


前述のように、いったんエラーになってしまうと手間がかかるので、最初から変な結合は行わないように注意することも大切です。Trados のエディタ上では連続している分節のように見えても、実際にはそうでないこともあります。単純な改行で分割されているだけなら結合しても OK ですが、行頭文字のある箇条書きや、PowerPoint のスライド上で離れた場所にあるテキストなどは、エラーになりそうなので私は結合しないようにしています。


結合した分節にさらに結合を行うことはできない (段落を越えた分節の場合)


2 つの分節を結合した後で、実は、その下の分節も結合したかったということはたびたびあります。しかし、段落を越えた分節の場合、いったん結合した分節にさらに結合を行うことは (基本的には) できません。段落を越えない通常の分節同士は結合を繰り返すことができます。

「段落を越えた分節」であるかどうかが重要なポイントなのですが、Trados のエディタ上にはそれをはっきりと示す表示がありません。右端の「文書構造」の情報を見ればなんとなくわかりますが、分節を結合するときにそこまで確認できるくらいなら、そもそも結合したい分節を選択し忘れるなんてミスはしません。

というわけで、段落を越えた分節の結合を少しだけわかりやすく表示する方法と、結合を複数回行うちょっと裏技的な方法を次に説明します。


結合された分節を表示する


Trados には、段落を越えて結合した分節を表示するというオプションが用意されています。


58_1.png


[ファイル] > [オプション] > [エディタ] > [自動化] と選択すると、上図の設定画面が表示されます。デフォルトでは、[結合された空の分節を非表示にする] がオンになっているため、結合された分節は表示されません。下図の例では、分節番号が 19 から 21 に飛んでいます。


58_2.png


[結合された空の分節を非表示にする] をオフにすると、下図のように、結合された分節が表示されます。分節番号 20 が表示され、原文も訳文も空でロックされているのがわかります。


58_3.png


1 つ注意点として、このオプションは、UI の文言のとおり、「段落の境界を越えた分節」にしか有効に働きません。段落の境界を越えない通常の分節は、このオプションを設定しても表示されません。


段落を越えて結合した分節も、さらに結合を行うことができる?!


段落を越えて結合した分節にさらに結合を行うことができないのは、単に分節がロックされているからのようです。前述のように、結合された分節は中身が空になったうえでロックされます。このロックを手動で解除すれば、また結合を行うことができます。下図は、分節 19 と 20 を結合した後、ロックを解除してから、分節 21 を結合した結果です。(結合した後は、再びロックされてしまいます。)


58_4.png


まあ、ただでさえ不安定な機能なので、すべての操作は自己責任でお願いします。バックアップと、訳文生成やプレビューでの確認はこまめにしておくのが安全です。


「段落を越えた分節の結合」はパッケージの設定


58_5.png


いろいろと書いてきましたが、段落を越えた分節の結合ができるかどうかはパッケージの設定で決まります。[プロジェクトの設定] > [プロジェクト] と選択すると、上図の設定画面が表示されます。自分で作成したプロジェクトの場合は、この辺りのチェックボックスの設定を自分で変更できますが、パッケージとして受け取った場合は、チェックボックスがグレーアウトされていて設定を変更できません。

このため、パッケージの作成者さんが「段落を越えた分節の結合」を有効にしてくれていない場合、パッケージを受け取った翻訳者側でこれを有効にすることはできません。たいていは、コーディネーターさんに有効にしてくださいとお願いすれば、設定を変えてパッケージを送り直してきてくれます。ただ、自分からお願いした場合は特に、分節の結合が原因で訳文生成ができなくなりました、なんてことは許されないので、訳文生成できるかの確認がますます重要になります。


今回は以上です。分節の結合は、便利ではありますが、かなり不安定な機能です。翻訳者としては、分節の結合を使わなくても済むように原文を整えて欲しいなぁと思います。




  


2020年01月10日

オンライン質問会から (2019年12月)

もうすっかり 2020 年ですが、去年の質問会での話題を取り上げたいと思います。

パッケージが開けない問題が解決されました


以前からたびたび書いていたパッケージが開けない問題ですが、バージョン 2017 でも解決したそうです。コミュニティでは、以下に投稿されていました。

Translation Productivity > SDL Trados Studio
Studio2017をアップデート後、返却パッケージが開けない

SDL Trados Studio 2017 SR1 CU18 (Build 14.1.10018.54792) に更新すればこの問題は解決します。私は、問題が発生していたパッケージを 2 つを試してみましたが、正常に開くことができました。当初は、バージョン 2017 での修正予定はないなどと冷たい対応でしたが、ちゃんと修正されたようです。良かったです。


カタカナの長音に関する正規表現


カタカナの長音は悩ましいスタイルの 1 つです。最近の私の仕事の範囲では長音を省略しない傾向が強くなってきているような気がしますが、面倒であることにあまり変わりはありません。今回の質問会では、便利な正規表現の例として、「サーバー」と「サーバ」が混在しているときに「サーバ」のみを検出する以下の表現が紹介されていました。

  サーバ[^ー]

私も以前はこの正規表現をよく使っていましたが、実は、これでは「サーバ」をすべて検出することはできません。この正規表現は、分節の最後にある「サーバ」にマッチしないのです。

下図は、サーバ[^ー] を QA Checker に指定した場合の例ですが、「サーバ」で終わっている分節はエラーになりません。「サーバ環境」と後ろに文字がある場合のみエラーになります。


57_1.png


私は、代わりに以下を使うようにしています。

  サーバ(?!ー)

私の理解の範囲で、ごくごく簡単にこの 2 つの正規表現の意味を説明すると、こんな感じです。

  サーバ[^ー] は、「サーバ」の後ろが「ー」以外の文字だったらマッチする
  サーバ(?!ー) は、「サーバ」の後ろに「ー」がある場合のみマッチしない

[^ー] は、「長音以外の文字」という意味なので、何か文字が存在していないとマッチしません。このため「サーバ」の後ろに何もなく分節が終わってしまっているケースは検出されません。後ろに存在する文字は、通常の文字でなくても、改行でもスペースでもいいんですが、とにかく何か文字っぽいものが存在する必要があります。

通常のエディター上のテキストの場合は、行末に改行があるので サーバ[^ー] でもあまり問題になりません。 しかし Trados の場合は、分節の最後に改行がないので今回のような問題が生じてきます。私は、以下のような正規表現を使っていたこともあります。

  サーバ($|[^ー])

$」は、一般的には文末を意味しますが、Trados の分節の終わりにもマッチします。なので、この正規表現を使えば分節の最後にある「サーバ」も検出されます。「$」が分節の終わりにマッチするというのは覚えておくとけっこう便利です。たとえば、「ピリオドで終わっている分節」などを検索できます。


パッケージを作り直してもらおう


今回の質問会で説明されていた機能の中には、パッケージを受け取る翻訳者は使えず、パッケージの作成者だけが使える機能がいくつかありました。SDL Trados Studio は、クライアントから、翻訳会社のコーディネーター、個人の翻訳者まで、さまざまな役割の人が使うツールです。全員がすべての機能を使うわけではなく、役割によって、よく使う機能、使う権限がない機能、使う権限はあるけれども使わない機能、などが変わってきます。SDL からの説明はとにかく全体を対象としていることが多いので、個人翻訳者、特にパッケージを受け取って作業するという人は、説明されている機能が自分に使える機能なのか、使えるとしても個人として使うべき機能なのか、といった点に注意する必要があります。

たとえば、今回の質問会では、以下のような説明がありました。

 ・略語の設定や分節規則で分節の区切りを調整する方法
 ・ファイルタイプを作成する方法
 ・Excel を翻訳ファイルに変換するときにセルの順序を変える方法
  (質問会の中では順序は変えられないと説明されていましたが、ある程度は設定で変えられると思います。)

これらの機能は、パッケージを受け取って作業する翻訳者は使えません。もし、分節の区切りを変えて欲しい場合は、パッケージの作成者にお願いして作り直してもらう必要があります。

実際の仕事で翻訳会社さんに「パッケージを作り直してください」とお願いするのはちょっと勇気がいりますが、意外と簡単に対応してくれることもあります。単にコーディネーターさんが設定を忘れているだけ、という場合もあるので、「もし可能だったらでいいんですが〜」という感じで確認してみるといいかと思います。

ただ、複数の翻訳者さんがかかわっているプロジェクトの場合は難しいかもしれません。また、パッケージの再作成に応じてくれたとしても納期まで延ばしてくれることはまずないので、翻訳作業自体は進めておく必要があります。作業できるところの作業を進め、訳文をメモリにためておき、新しいパッケージがきたら自分のメモリから訳文あてる、といった対応は必要になります。


今回は、以上です。思っていたより長文になってしまいました。この記事では取り上げませんでしたが、今回の質問会では、最新バージョンである 2019 だけの機能がいくつか登場していました。もう 2020 年だし、アップグレードした方が良さそうな雰囲気ではあるのですが、私はもう少し 2017 で頑張ってみようと思っています。