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昔は「Trados さん、頑張って!」とお祈りしながら訳文生成していませんでしたか? 今も、たまにそんな気分になるときがあります。Trados って本当にわからないことばかりです。特に、日本語の情報は少ないですよね。いくら翻訳者とはいえ、日本語の情報が欲しいのです。Trados ユーザーの方々といろいろ情報交換できたらと思っています。




2019年01月30日

エディタ上のフォントを変える

前回のメモリの問題はまだ直らないのですが、とりあえず今回は別の話題の記事を書きたいと思います。メモリについては、新しいプロジェクトで仕事が始まったときにまた考えてみます。

今回は、エディタ上のフォントについてです。Trados のエディタ上のフォントを見やすいものに変更しようと思って私はかなり悩んだことがあります。悩んで解決できればよかったのですが、結局、無理そうだなぁということがわかっただけでした。現在のところの私の理解としては、パッケージを受け取る翻訳者は Trados の仕様と諦めるしかなく、可能性のある解決策としてはパッケージを作る翻訳会社さん頼み、という感じです。

Trados では、フォントに関する設定がいくつかあります。

  • @ [ファイル > オプション] の
     [エディタ] > [フォントの調整] > [ユーザー設定の言語フォント]

  • A [ファイル > オプション] の
      [エディタ] > [並列型エディタ] > [書式の表示スタイル]

  • B [プロジェクトの設定] の
     [ファイルの種類] > [<該当の種類>] > [フォント マッピング]

[ファイル > オプション] と [プロジェクトの設定] の違いなどについては、以前の記事「Trados の設定を変えるには − [ファイル] と [プロジェクトの設定]」をご覧ください。


上記 3 つの設定の機能を簡単にまとめると、以下のようになります。

  • エディタ上のフォントは、@「ユーザー設定の言語フォント」で設定できる。

  • ただし、@の設定を有効にするには、A「書式の表示スタイル」を「書式を表示せずにタグを表示する」にする必要がある。

  • B「フォント マッピング」はエディタ上のフォントには影響しない。


まずは、@「ユーザー設定の言語フォント」を設定する

設定の場所: [ファイル > オプション] の [エディタ] > [フォントの調整] > [ユーザー設定の言語フォント]

401_01.PNG

エディタ上のフォントを変えたい場合、まず設定するのは@「ユーザー設定の言語フォント」です。上図の 2 つのドロップダウンリストで、言語(「Japanese (Japan)」や「English (United States)」)と、それぞれのフォントを設定します。

ちなみにこのドロップダウンリストですが、私の環境では最初の表示が必ず「Bislama」という言語 (おそらく、アルファベット順で最初にくる言語) になります。日本語や英語のフォントを設定しても、とにかく最初は Bislama です。私は設定がうまくできていないのではないかと思って何回も設定を繰り返してしまいました。Bislama が表示されても、[言語] リストから言語を選択して、[フォント]リストに、設定したフォントが表示されてくれば大丈夫です。設定されています。


A「書式の表示スタイル」を変える必要がある

設定の場所: [ファイル > オプション] の [エディタ] > [並列型エディタ] > [書式の表示スタイル]

@「ユーザー設定の言語フォント」を設定しても、エディタ上のフォントが変わらないことがあります。それは、A「書式の表示スタイル」が原因です。

401_02.PNG

A「書式の表示スタイル」には、上図のように 3 つのオプションがあります。@で設定したフォントを有効にするには「書式を表示せずにタグを表示する」にする必要があります。3 つのオプションの文言をよ〜く読んでみるとわかりますが、「書式を表示する」にしたら、当然既定のフォントは使われないので、「書式を表示しない」にする必要があります。


402_11.GIF



402_12.GIF



402_13.GIF



402_15555.GIF




理屈はわかります。タグで設定されている書式が優先という仕様はもっともです。でも、日英翻訳の場合、P明朝などの日本語フォントで表示される英文はとにかく読みにくいのです!!

私は、普段は「書式を表示せずにタグを表示する」を使用しています。これなら、@「ユーザー設定の言語フォント」で設定したフォントが使われます。でも、カラフルな文字が並ぶ PowerPoint や、一部のセルだけ太字になっている Excel など、書式が重要な場合はどうしても「すべての書式とタグを表示する」にする必要があります。そしてこのオプションでは、原文で日本語フォントが設定されていると英文にもそれが適用されてしまうので、ものすごく読みにくいフォントで英文を編集することになります。


B「フォント マッピング」はエディタ上のフォントには影響しない

設定の場所: [プロジェクトの設定] の [ファイルの種類] > [<該当の種類>] > [フォント マッピング]

なんとかならないかと思って試した設定が「ファイルの種類」から設定するB「フォント マッピング」です。結論からいうと、これはエディタ上のフォントには影響しません。この設定を変えても、エディタ上のフォントは変わりません。

401_03.PNG

では、この設定は何なのかというと、訳文生成や外部プログラムでプレビューするときなどに影響するようです。つまり、B「フォント マッピング」を設定すれば、「訳文のみで保存」(Shift+F12) や「訳文の表示」(Ctrl+Shift+P) で表示される訳文のフォントが変わります。

ただ、複数のフォントが使われている場合、すべてのフォントを設定するのは面倒です。「All Fonts」という設定もありますが、これにすると余計なところまでマッピングが適用されてしまうことがあります。

さらに、この設定は「プロジェクトの設定」の「ファイルの種類」から行いますが、「ファイルの種類」の中の設定は翻訳会社さんが既に何らかの設定を行っている可能性があります。そして、まだ Studio になる前の 2007 の頃の話ですが、この辺りの設定を翻訳者側で勝手に変えると訳文生成ができなくなるという苦〜い経験があり、パッケージを受け取って作業するようになった今でもなんとなく恐ろしいので、私はこの辺りの設定はさわらないようにしています。(QuickInsert だけはさわります。)

というわけで、設定も面倒だし、動きもよくわからないし、何か問題があっても困るし、という感じで、パッケージを受け取って作業する場合、B「フォント マッピング」の使用はあまり現実的ではありません (と、私は考えています)。


結局は、翻訳会社さんでの前処理頼み

ここまで長々と書いてきましたが、エディタ上で日本語フォントが適用されてしまうこの現象は、実は、すべてのファイルで発生するわけではありません。Office 文書の場合、たいていは、1 つの文書の中で日本語用フォントと英数字用フォントが別々に設定されています。きちんと別々に設定されていれば、A「書式の表示スタイル」を「すべての書式とタグを表示する」にしても、エディタ上で英文に日本語フォントが適用されることはなく、ちゃんと見やすい表示になります。


402_1555.GIF


ただ、日本語で文書を書く方は、英数字にも日本語フォントを設定している場合があります。Word の場合はともかく、Excel の場合は、フォントの設定が少し面倒なので※1、すべてが日本語フォントになっているケースがかなりの頻度であります。

翻訳会社さんは、最終的に訳文をお客様に納品するときにはおそらくフォントを変えるでしょうから、パッケージを作る前に、原文に英数字用フォントをちょっと設定してくれればいいのに〜と思ってしまいます。もちろん、複数のフォントがあったら手間がかかるかもしれないし、一刻も早くファイルを渡したいとか、後で一括で処理した方が効率的とか、いろいろ事情はあると思います。でも、翻訳者がどのような環境で作業することになるのか、ちょっと考えてもらえるととても助かるんですよね。きっと、見やすさの面だけでなく、翻訳者の精神安定の面からも品質に影響があると思います (_ _)


※1: Excel の場合、日本語と英数字で別々のフォントを設定するには「テーマ」を使う必要があります。でも、Excel で作られている文書は、たいてい社内向けの仕様書などなので、「テーマ」まで使って体裁が整えられていることはあまりない気がします。






2019年01月20日

【続報】作業中にメモリのアップグレードが突然必要になる

前回の記事でメモリのアップグレードが突然必要になるという現象を紹介しました。作業を始める時点でアップグレードの警告マークはなかったのに、作業を進めていたらいつのまにか警告マークが表示されていた、という現象です。対訳がたまったことが原因なのか、それともほかに原因があるのかよくわからないのですが、アップグレードをしてそのまま作業を続けていたら、さらに困ったことに。

いったんアップグレードしても、またいつのまにか警告マークが表示されている!!

よく考えたら、今回のプロジェクトは 2017 を更新して初めてのものでした。


39.png


上図のとおり、現在のバージョンは SDL Trados Studio 2017 SR1 - 14.1.10015.44945 で、これは SDL Trados Studio 2017 SR1 CU15 に相当するものです。この 「CU15」は、SDL いわく「SDL Trados Studio 2019と同じ強化されたTM」を使えるバージョンです。詳しくは、SDL のこちらのブログ「SDL Trados Studio 2019 SR1で強化された翻訳メモリの使用方法」をご覧ください。

で、原因はおそらくこのあたりかなぁと。でも、今回のメモリは翻訳会社さんからもらったパッケージに含まれていたもので、その翻訳会社さんがどのバージョンを使っているのかはわかりません。まぁ、わかったところでどうしようもないんですけど。

このメモリに限ったことなのか、ほかでも今回の現象になるのか、最初が空メモリでなければいいのか、英日か日英かが関係するのか、などなど検証してみないといけないとは思うのですが、幸いにというか、私個人的にはしばらくオンサイトの仕事になるので自宅の Trados は使わない予定です。その間に、なんか直ってた!なんてことにはならないですかねぇ。






2019年01月17日

作業中にメモリのアップグレードが突然必要になる

2017 以降の Trados Studio でメモリのアップグレードが必要になるケースについては、SDL の公式ブログでも説明されていますし、私の記事「メモリを 2017 SR1 用にアップグレードする」でも取り上げました。

アップグレードが必要になるのは、古いバージョンで作られたメモリを使うときだけかと思っていたのですが、どうもそうではなさそうです!! 実は、

空メモリから作業を始めた場合、ある程度の対訳がたまるとメモリのアップグレードが必要になる

ようです。あくまで私の経験からの話です。対訳がたまったことが原因なのか、私が途中で何かの設定を触ってしまったのか、よくはわからないのですが。

私がぶちあたった現象の経緯を説明します。英日の新規翻訳で 2 万ワードと、私としてはかなり大きめのプロジェクトでした。

  1. 翻訳会社さんから、新規メモリ (空のメモリ) が設定されたパッケージを受け取った。

  2. メモリにアップグレードの警告マークは表示されていなかったので、そのまま作業を始めた。

  3. 1 週間ほど作業した後に、どうもメモリがヒットしてこないような気がしたので、メモリの設定を確認すると、アップグレードの警告マークが表示されていた!!

  4. アップグレードをしたら、警告マークは消え、メモリもヒットしてくるようになった。

もう、びっくりです。いつから警告マークが表示されていたのかはわかりません。警告マークが表示されていたのは「プロジェクトの設定」のメモリ設定画面です。エディタ ビューは、もしかしたら開きっぱなしだったかもしれませんが、警告マークは表示されていませんでした。


■ [プロジェクトの設定] > [言語ペア] > [翻訳メモリと自動翻訳] のメモリ設定画面に警告マークが表示された。

8-1.png


■ エディタには、以下のような警告は表示されなかった。

8-2.png


ここからは、私の推測ですが。

新規の空メモリの場合、 下図のように、[翻訳メモリの設定] 画面 (プロジェクトの設定画面から各メモリを選択して [設定] をクリックすると表示される) の [フラグメント整合ステータス] はオフに設定され、オンはグレーアウトで無効になっています (つまり、変更できない状態です)。これが、今回の警告マークが表示されていたときは「設定はオフだけれども、オンも有効になっていて変更できる状態」でした。メモリのアップグレードをすると、この設定は自動的にオンに変わります。


32-1.png


おそらく、対訳がある程度たまってくるとオンに変更できるようになり、「オンに変更できるけれども、まだ変更していない状態」だと警告マークが表示される、という感じなのかと。

この設定が何にどう影響するのかとか、パッケージを作った翻訳会社さんはおそらく 2017 を使っているのになぜ?とか、自分で作ったメモリのときは大丈夫なのかとか、毎回こんなことになっていたらさすがに気付くと思うので「対訳がたまる」以外に何か原因があったのかとか、いろいろ疑問は残りますが、考えてもよくわかりません。とにかく、最初の時点でメモリに警告マークがなかったとしても、作業中にヒットが少ないなぁと感じたら、警告マークがないかを確認してみる必要がありそうです。

※※※ 追記 2019/01/17 ※※※
すみません、この記事を書いている時点では「対訳がたまったこと」が原因だろうと思っていたのですが、一晩寝て改めて考えると、まさかそんなことはないかとも思えてきて、少し文を修正しました。空のメモリから作業することはよくありますが、毎回こんな現象が発生していたわけではないような気がします。





2019年01月08日

CAT ツール比較:繰り返しの自動入力


最近、各種の CAT ツールを日替わりで使うような状態になることがよくありますが、私はこうした状態にかなりのストレスを感じてしまいます。どの CAT ツールも基本的な機能はあまり変わりませんが、細かいところはいろいろ違いがあります。作業を効率良く進めるにはその細かいところの活用こそが重要だったりするわけですが、これがなかなかうまくいかず、ストレスばかりが増していきます。

今回は、同じ文が繰り返し登場する場合に訳文を自動で入力してくれる機能についてまとめてみたいと思います。たいていの CAT ツールにはこの機能が備わっていますが、機能の名称も内容もさまざまです。自動で入力してくれる機能はありがたいですが、なにせ「自動」なので、うっかりしていると、訳し分けしていたところが変更されてしまったり、逆に、変更されていると思っていたところが変更されていなかったりと危ない目にあうことがあります。

この記事では、最近私がよく使っている、Trados、Memsource、memoQ の 3 つを比較します。よく使っているといっても、Trados 以外の 2 つのツールは翻訳会社さんから提供されるライセンスで作業しています。このため、使用できる機能が限られていますし、細かいところまでは理解できていないような気もしています。もしご指摘がございましたら、どうぞご連絡ください。


Trados ― 細かい設定はできるが...


・機能の名称:自動反映
・設定の場所:[ファイル] > [オプション] > [エディタ] > [自動反映]


377_1.png


設定項目の多さでは、Trados が一番です。私は、基本的には上記のような設定で作業しています。これが、最も「モレなく反映し」かつ「意図しない反映を防げる」設定かと思います。


 確定済みの分節に 100% 一致を自動反映させる

既に訳してしまった分節にも後から自動反映を適用するかどうかの設定です。作業を進めていると、途中で訳文を変えたくなることはよくあるので、私は確定済みの分節にも反映が適用されるようにしています。


 開始する位置

[文書内の最初の分節] と [文書内の次の分節] のいずれかを選択します。自動反映をエディタの一番上から適用するか、現在のカーソル位置の下だけに適用するかの設定です。これも、途中で訳文を変えることを考慮して、私は「最初の分節」からにしています。

ちなみにこの UI の文言は「文書」となっていますが、エディタに複数の文書 (ファイル) をまとめて開いていると、開いている文書すべてに自動反映が適用されます。現在カーソルがある「文書」だけに適用されるわけではありません。


 ユーザーへの確認メッセージ

自動反映を適用するときに、確認のダイアログ ボックスを表示するかどうかの設定です。私は、安全のため [常に確認] を選択しています。毎回確認されるのは少々面倒ではありますが、訳し分けをするには必要な機能です。一気に反映したい場合は、表示されたダイアログ ボックス上で [すべて] をクリックします。(まあ、たいていは [すべて] をクリックすることになります。)

Memsource ― 細かい設定はないが、便利!


・機能の名称:繰り返しの自動入力
・設置の場所:[設定] > [CAT]


377_3.png


設定は、[繰り返しの自動入力] のオン/オフしかありません。なんともシンプルです。実際にどのような動作になるかというと、現在のカーソル位置より下にのみ自動入力が適用されます。途中で訳文を変えた場合、さかのぼって自動入力を適用することはできないので、自分の記憶を頼りに手動で前に戻るしかありません。


 「繰り返し」の分節には翻訳前からマークが表示されている

下図の青色の三連下矢印が繰り返しマークです。Trados にこのようなマーキングはありません。Trados では、自動反映を適用した分節にはそのことを示すマークが付きますが、作業する前は何も表示されていません。


377_2.png


このマーキングはとても便利ですが、問題が 1 つあります。それは、初出かどうかがわからないことです。Memsource の場合は、現在のカーソル位置からさかのぼって自動入力を適用することができないので、その繰り返しが初出なのか、そうでないのかがとても重要になってきます。マーキングでこれがわかればとても助かるのですが、残念ながらそうはなっていません。


※※※※※ 2020/03/25 追記 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

最近アップデートで、初出かどうかがわかるようにマークが変わっていました!
これは、とても便利です。Trados さんにも、ぜひ頑張って欲しいところです。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 「例外」を指定できる

Memsource の機能で私が最も便利だと感じているのは、自動入力の「例外」を設定できることです。これができるのは、今回の 3 つのツールの中では Memsource だけです。


377_4.png


繰り返しのマークをクリックして「例外」とすると、上図のように斜線が表示されて例外であることが示されます。「例外」にしておくと、後から自動入力を行っても、その分節は自動入力の対象とならず、訳文が変更されることがありません。訳し分けをしたいときにとても便利な機能です。

memoQ ― 多少の設定はあるけど、危険!?


・機能の名称:自動伝播
・設定の場所:[翻訳] > [翻訳設定] > [自動伝播]


377_5.png


最後に、memoQ です。ある程度は設定もできますし、繰り返しのマーキングもあります。(ただ、マーキングは、Memsource と同様、初出かどうかの区別はありません。)


 訳し分けが難しく、危険

memoQ は訳し分けをする場合にはとても不便です。Trados のように、ダイアログ ボックスで確認してくれる機能はありません。また、Memsource のように例外を設定することもできません。自動伝播を許可している限り、自動で適用されてしまうので少々危険です。

私は、memoQ を初めて使ったときはこのことに気付かず、訳し分けをしたくて訳文を何回も入力してしまった記憶があります。最近の私の対処方法としては、最初に [前方と後方に伝播] を選択してとりあえず最後まで訳文を入力し、その後 [後方にのみ伝播] に変えて、文書の最初から見直しをするようにしています。この見直しの段階で、訳し分けが必要な部分は自分の記憶と繰り返しのマークを頼りになんとか頑張ります。


377_6.png


3 つのツールの比較は以上です。翻訳の段階でいろいろ苦労して訳し分けしておいても、レビューの段階でサラッと全体を変更される、という可能性もなくはないですが、それはあまり考えないことにしています。


おまけ ― 繰り返しは 0 円??


翻訳会社さんからお仕事を依頼される場合、自動処理の対象となる繰り返しの分節はたいていレートが低く設定されています。それでも、0% でない限り、私からレートについて抗議することはあまりありません。作業後に、割に合わなかったなぁと感じるケースも多々ありますが、面倒さが先に立ち、ついついそのままにしてしまいます。

ただ、これまでに 1 社だけ、0% と設定してくる翻訳会社さんがありました。この会社さんには強弱混ぜて 3 回くらい抗議しましたが、だめでした (T-T)。仕方ないので、この翻訳会社さんのときは繰り返しのことは一切考えずに作業することにしました。いろいろと設定を変えることすら面倒なので、とにかくあまり考えず作業負担が最も少ない状態で作業します。結果としては、訳し分けはもちろん、統一もされていない状態になります (が、0 円なので仕方ないですよね)。

おそらく、この翻訳会社さんは、レビューの段階で統一や訳し分けの対応をしているのだと思います。確かに、翻訳の段階ではなく、レビューの段階でまとめて作業した方が効率的なのかもしれません。でも、0 円はないですよね〜。一応、訳文を入力しますし。Trados なんて、自動反映の処理は相当な時間を待たされることもあります。もし、事前にロックしてあって訳文を入力する必要もない、というなら 0 円でも納得です。



2019年01月03日

2019 年も始まりました


新年.png



明けましておめでとうございます。

このブログを始めてから 1 年余りが経ちました。Trados は長年使っていたので何か書いてみたいと以前からなんとなく思っていたのですが、実際はなかなか難しいものでした。書き始めてみると、自分の記憶が間違っていることに気付いたり、Trados の動きが想定外だったり、さらには取引先の翻訳会社のことを考えてみたり、といろいろ大変でした (;。;)

書いておきたいこと、調べてみたいことはまだまだたくさんあります。Trados に限らず、さまざまな CAT ツールは、どちらかというと翻訳を依頼する側の顧客企業や翻訳会社にとっての利点が目立ちますが、個人翻訳者もなんとかツールの恩恵にあずかれるよう頑張っていきたいと考えています。

今後、書いてみたいと思っているトピックはこんな感じです。


 新バージョン 2019 の導入 (<- まだ、購入していないのですが。)
 バージョンによるワード数 (文字数) の違い

 用語集の表示やその設定
 用語集の作成、Glossary Converter の使用
  (マイクロソフトの用語集を加工してみたいと思います。)

 英日・日英が混在するプロジェクト (AnyTM の使い方)

 100% マッチの動き
 繰り返しの自動反映の動き

 QA Checker の使い方 (正規表現を使わなくてもできること)
 正規表現 (やっぱり、避けては通れない...)

 メモリの細かい設定 (自動認識、変数、単位に空白、などなど)

 プレビュー機能


Trados ってホントに不可解な、いやッ、すばらしい機能が満載です!

実はこのブログを始めるときは、アフィリエイトで副収入があったらいいなぁとよこしまなことを考えていました。毎月ちょっといいランチぐらいなら食べられる?!と皮算用をしていたのですが、実際は年間の総額でワンコインにも満たず... (コインの種類はご想像におまかせします。)

まあ、めげずに今年も頑張って続けていきます。皆さまからのご意見・ご感想も大歓迎ですので、どうぞよろしくお願い致します。