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2018年05月31日

米朝協議の行方を語るヒル氏

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 私はこのブログで新聞を読むときに、「事実」と「分析」(「推測」「予想」「観測」「記者の思い込み」と言い換えて結構です)を分けて考えることが重要だと指摘してきました。
 そして、重視するべきなのは「事実」です。「事実」を踏まえて、新聞が書いている「分析」が正しいのか読者が自分自身で判断しないといけません。

 その意味で言うと、本日の朝日新聞に掲載されたクリストファー・ヒル元米国務次官補の談話は非常に興味深い記事です。
 ヒル氏は6カ国協議で米国の首席代表を務め、2005年の合意を達成しました。その後、北朝鮮の最初の核実験を経ていったんは非核化プロセスが始まりますが、08年に核交渉は破綻し09年以降の緊張局面に入りました。日本人にとっては、北朝鮮との妥協を優先させて「テロ支援国」指定解除に動いた主要人物と説明した方が良いでしょう。ただし、寡黙だった前任者のジェイムズ・ケリー氏と比べると多弁でマスコミにとってはありがたい人物でした。記者の前で一言も発しなかったケリー氏とは対照的に長時間、ホテルの入り口で会談内容を説明していました。退任後も北朝鮮情勢が動くたびに各国メディアに登場して状況を解説しています。

 朝日に語った内容で興味深いのは、@「北朝鮮は体制存続のために核保有を目指したとの見方があるが、私はそう思わない」A「(北朝鮮が核保有を目指すのは)米国を韓国や日本と切り離し、北朝鮮にとって統一に有利な状況を作り出す狙いだ」B「制裁を緩めることなく、核施設の放棄を監視する要員を現地に送り込むことができるのであれば、やってみる価値はある」C「(08年に)核計画の申告が行われたが、不完全だった。申告が不完全でもしっかり検証できれば良いと思ったが、北朝鮮は結局、検証体制の受け入れを拒んだ」D「トランプ大統領は会談の成果のいかんに関わらず、『成功だった』と言うだろう」。

 @とAは矛盾していると思います。北朝鮮が自らが主導する形で朝鮮半島の統一を目指していることに異論はありませんが、それはすなわち体制存続を前提としたものです。朝日が省略した発言があるのかもしれませんが、北朝鮮の核保有と体制存続の関連を否定するのは私には全く非論理的な主張に思えます。
 また、Bは「制裁を緩めることなく」という部分がかなりハードルが高いように思います。6月12日の会談で実質的な結果を導くことは難しいと考えているのでしょう。
 Cは、ヒル氏が自らの失敗を正直に認めている発言です。当時、ヒル氏は北朝鮮との交渉進展を優先させていました。核計画に関していい加減な申告を認めてなし崩しで見返りを与え結局、6カ国協議はストップしてしまいました。ヒル氏の手法に冷ややかな対応をしていたのは日本だけでした。日本は他の国から批判されましたが、自国の国益を守りました。前にも書きましたが、「置き去り論」を主張する人たちに見識がないと私が思うのは過去の経緯を知らずに発言しているからです。
 Dについては、私は全く同感です。おそらくヒル氏は「自分が犯したのと同じ失敗が繰り返される」という危惧を抱いているのではないでしょうか。

 「北朝鮮の時間稼ぎ」を批判する人がいますが、私は外交交渉で先送りすることが一概に悪いことだとは思いません。戦争に進めば大きな被害が出る(私やあなたが死ぬかもしれないということです)ことが明らかなのですから。

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2018年05月30日

朝日新聞が伝える「正恩氏の涙」は本物か

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 本日の朝日新聞一面トップ記事は牧野愛博ソウル支局長による「正恩氏の涙 引き締め図る 異例の映像、末端機関の党幹部向け 核廃棄の動揺 抑える狙いか」。一言でこの記事を説明すると、金正恩朝鮮労働党委員長が涙を流して「改革がうまくいかないもどかしさ」を訴える映像を末端の党幹部に見せないといけないほど、北朝鮮の経済状況は厳しく、北朝鮮は経済制裁の解除を切望しているという内容です。米朝首脳会談が開催されるかどうかすら疑う見方が残る中、この記事を読むと、金委員長がトランプ米大統領との会談を切望しており、会談の場で核廃棄を宣言することは確実だという気にさせます。

 ただ、注意するべきなのは、この記事の情報源。金委員長が涙を流して改革を訴える映像に関しては「脱北した元幹部が、北朝鮮国内の人物から聞いた」となっています。一般的に脱北者の証言は信用性が低いと言われています。牧野支局長は有名な特ダネ記者ですから、この取材先は真実を語っていると判断したのでしょう。それでも、この記事にある「映像」を「元幹部」本人が見たわけではありません。ほかにも平壌市内のバスで乗客が運転手に「約8000倍」の料金を払っていたという話が出ていますが、これも5月に「北朝鮮を訪れた専門家」が誰かから聞いた話です。他にも「韓国の中央銀行、韓国銀行によれば」「金根植・韓国慶南大教授によれば」という引用がありますが、韓国の政府機関や研究者が語る数字は推計値や伝聞情報を基にしています。北朝鮮報道は、北朝鮮の国営メディアの報道を除くとほぼすべてが間接情報になります。針小棒大ででたらめに近い情報であったり、大まかには合っていたとしても細部で間違っていたりすることがよくあります。

 私は牧野支局長記事の記事が虚偽だと言っているわけではありません。真実を突いている部分が多いと思いますが、鵜呑みにするつもりはないということです。牧野支局長の記事は北朝鮮が窮乏しており、米朝首脳会談を開催するには非常に良いタイミングであるように思わせます。しかし、もしも北朝鮮がこうした情報を意図的に流していたとすれば、どういう効果を期待していると考えられるでしょうか

 そのヒントとなりそうなのが、本日の日本経済新聞の秋田浩之コメンテーターのコラム。秋田氏も国際報道では有名な大物記者です。秋田氏は「短期間で核を放棄する決断を正恩氏が下したのかどうか、なお分からない」と指摘し、「6月12日の(米朝首脳会談の)開催は先送りするのが賢明だ」と訴えています。秋田氏は、北朝鮮が時間稼ぎをしようとしていると疑い、米朝首脳会談を開催するだけで実質的に制裁解除の流れが生まれることを危惧しています。また、トランプ政権で北朝鮮との交渉を当たる態勢が十分整っていないことも懸念しています。秋田氏は、米朝首脳会談で北朝鮮に「欺かれない最低条件」として、@非核化の完了に「2年以内」という期限を設けることA「国際的な抜き打ち査察を認めさせること」‐を挙げています。

 金委員長はトランプ大統領の要求を丸呑みするかもしれませんから、秋田氏の提案は非現実的なものではないでしょう。トランプ氏としては、金委員長が中間選挙に向けた実績づくりに貢献してくれれば良いわけですから、それで十分でしょう。
 しかし、重要なのは約束するだけではなく、実際の行動です。しばらくすれば北朝鮮が米朝首脳会談合意を履行しないという展開があると私は考えています。まさに10年前、6カ国協議合意後に起きたことと同じような事態になるだろうと見ています。そうなると、秋田氏の心配が現実のものとなるということになります。

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2018年05月27日

米朝首脳会談をめぐる騒動で判明した新聞各社の実力

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 昨夜、今年2回目の南北首脳会談が行われたことが発表されました。6月12日の米朝首脳会談を中止すると米大統領が発表した翌日に予定通り開催されることが示唆され、さらにこの展開。世界中の北朝鮮や外交の専門家で正確に予測できた人は誰もいないでしょう。もし知っていたと言うなら、その人物は大嘘つきです。
 私自身だって分からなかったし、新聞が正確に分析できなかったからといって批判するつもりは全くありません。
 ただし、北朝鮮報道で取るべき基本的な態度や動作を理解しているかどうかで各紙の紙面が左右されたように思います。北朝鮮報道で重要なことは「表面的な言葉の応酬ではなく、実際の行動を見る」ということです。北朝鮮は外交上の駆け引きの一環で他の国では考えられない過激な表現を使うことで有名です。普通の国では考えられない手法で過去20年間米国をはじめとする各国を振り回してきました。一方、トランプ氏も歴代米大統領とは異なり、「前言」を前提にして予測することが不可能な政治家です。
 このことを頭に入れておくと、トランプ氏が24日に発表した北朝鮮に対する書簡は「外交の駆け引き」の要素があったと判断できます。

 私が見るところ、今回の一連の動きに右往左往していない印象があるのは毎日新聞です。トランプ米大統領の言動が急に変わっても、毎日新聞は「書簡は首脳間の対話も呼びかけており、中止通告は長期的な交渉を視野に入れたけん制の一環の側面もありそうだ」「北朝鮮の非核化プロセスが長期化するとの新たな認識の下、前のめりな姿勢を改めて北朝鮮に対する交渉カードを回復する思惑もありそうだ」(25日朝刊)と冷静にトランプ政権の意図を分析していました。
 毎日新聞の外信部長の澤田克己氏は朝鮮半島取材の経験が長く、金正恩氏の学生時代の写真を世界に先駆けてすっぱ抜いた人物です。ご本人のtwitterによると、社内の各方面から米朝首脳会談に備えた取材の予定を変更するかどうかに関する問い合わせを受けても、まだ情勢を見極めるべきだと回答していたそうです。幹部のそういう考え方が紙面に反映されていました。

 一方で恥ずかしい紙面となったのが日本経済新聞。26日夕刊は他紙の朝刊レベルの内容でした。普通は米大統領が「6月12日の会談を中止する」と言えば「6月12日に会談は行われない」と受け止めないといけません。日経はその常識に従っただけなのですが、今回は北朝鮮だけでなく、米大統領も常識破りの人物であるということを忘れていたようです。
 でも、やっぱり北朝鮮に関する報道に一定期間たずさわると日経の26日朝刊の紙面はあり得ないと思います。私は本社で国際報道のデスクをやっていただけですが、それでもここは慎重に考えるべきだと思いました。日経は朝鮮半島経験者の発言力が社内でかなり弱いのかもしれません。

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2018年05月26日

トランプ米大統領発言で困惑の各紙

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 本日の各紙は予想した通り、日本時間の夜に入ったトランプ米大統領の発言で軌道修正に困ったような紙面になっています。米朝首脳会談は中止が決まったはずなのに、「まだ可能性がある」と言われては困惑するしかないかもしれません。本当に予測不可能な人物です。
 北朝鮮が米朝首脳会談の開催を懇願するような声明を出し、トランプ米大統領もまだ6月12日に開催する可能性もあると言ったため、「確実に6月12日に開催されない」とは言えない状況になりました。原稿は一部修正するとしても、識者コメントは「中止」を前提としたものをそのまま掲載するしかありません。このため、トランプ米大統領発言と矛盾するような紙面になっています。

 特に最近の紙面改革で題字を横書きに変え、読み物風の記事を土曜日の一面トップに据えるようになった日本経済新聞は軌道修正の余地が小さかったせいか、読者に誤解を与えるような紙面になっていると思います。
 トランプ米大統領が「6月12日の可能性がある」と言ったことは事実ですから、本来は見出しを取って読者に伝えるべきものでしょう。しかし、一面トップ記事の見出しは「読み誤った金正恩氏 首脳会談中止 中国と時間稼ぎ トランプ氏反撃」です。トランプ米大統領の発言も記事の後ろの方に出ていますが、「トランプ氏は25日、北朝鮮との協議は続いていると明らかにし『(首脳会談は)12日の可能性すらある』ともうそぶいてみせた」と紹介しただけです。
 実際のところはまだ駆け引きが続いていると考えた方が良いのではないでしょうか。「うそぶいてみせた」というのは自分たちの紙面構成の都合に合わせて過小評価した解釈のように思います。
 普段日経新聞だけを読んでいるという人は本日だけでも他の新聞を読んでください。

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2018年05月25日

北朝鮮専門家コメントで楽しみましょう

さて、トランプ米大統領が北朝鮮と交渉していると言いました。まだ首脳会談の可能性があるそうです。
本日の新聞で、「米中首脳会談はもうなくなった」と言い切った専門家がどのように反応するか見ることにしましょう。
結局、みんな何も分からないというのが真実です。

それにしても、明日の紙面は大変です。これから全面差し替えするわけですから。

北朝鮮問題で「識者」はなぜ自信満々に語るのか

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 本日の各紙一面トップは米朝首脳会談の中止になっています。日本時間の夜に伝えられたニュースなので、どの新聞もその時間帯までは別のニュースが一面トップ候補だったはずですが、重大性からいって紙面が大幅に変更されるのは当然でしょう。日本経済新聞は「お断り」で、1面に掲載予定だった連載企画記事を2面に移したと書いています。

 私自身、今回は開かれるのだろうと思っていました。ただ、やはり長年対立してきた国同士ですから事前調整が進まないのも仕方のないところ。しかも、北朝鮮は以前から予測不可能と言われてきましたが、トランプ米大統領もさらに行動を予想することが難しい人物です。直前になるまで当事者もどうなるかは分からなかったのでしょうから、新聞を読んでいるだけでは予測は困難です。いや米朝首脳を含む両国政府関係者に聞いたところで、実際にどうなるかは分からないのでしょう。
 トランプ米大統領は中間選挙で実績をアピールすることを考えているはずなので、選挙直前に再び開催調整が始まったことを公表することになるように思いますが、あくまで私の当てずっぽうです。

 さて、こういうときにしっかり読むべきなのが識者コメントです。学者や元政府当局者がさまざまな分析や予想をしています。彼らは責任を取る必要がないので言いたい放題話す傾向があります。彼らが言っていることを真に受けてはいけませんが、主張の根拠、論理構成、過去にその人物が言っていたこととの整合性をよく見て、信頼するに値するかどうかを判断してください。

 かつてテレビで「金正日総書記には影武者がいて、表に出てくるのは影武者だ」というとんでもない解説をしていた人物がしばしば新聞の識者コメントに登場しました。一時は姿を消していましたが、少しずつ復活しているようです。なぜ彼が珍重されるかというと、北朝鮮問題に関する特ダネ記者だったという経歴と有名大学教授という肩書きに加えて、「結論がはっきりしていて話が面白い」からです。今回の米朝首脳会談中止に関しても、「首脳会談はそのうち開催される」「今後も開催は難しい」といったコメントが出ています。マスコミに取り上げてもらうために、明快で「エッジの効いたコメント」をあえて口にする専門家もいるようです。
 そうした中で意外だったのは、朝日新聞が載せた、ジョージタウン大客員教授のバルビーナ・ファン氏。「非は、脅しをかけてきた北朝鮮にある」というところははっきりしていますが、「次の会談があるのか、それに向けて両国関係が元の道筋に戻るのかは分からない」と正直に語っています。ファン氏が良識のある研究者だということが分かります。このコメントを載せた朝日新聞の記者やデスクの見識も評価されるべきです。ただ、朝日に載っているコメントは1人だけなので、締め切りまでに取れたコメントがたまたまこの人物だけだったのかもしれませんが。

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2018年05月23日

文章が下手くそな産経ワシントン特派員

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 米朝首脳会談に向けた双方の駆け引きが佳境に入っています。とうとうトランプ米大統領も6月12日に会談が開かれない可能性に言及しました。当然、大きなニュースです。今回の大統領発言の記事は注目されるべきもので、よく読まれるでしょう。
 しかし、またしても産経新聞のワシントン特派員が書いた記事に失望しました。文章がへたくそなのです。私は特定の個人の名前を挙げることはしないつもりですが、産経のワシントン特派員の名前は「要注意人物」として覚えてしまいました。

 何が下手くそか。まず一文がだらだらと長すぎます。
 本日の朝刊一面の「米朝会談 『条件満たさねば開かぬ』 トランプ氏 韓国大統領と協議」(https://www.sankei.com/world/news/180523/wor1805230003-n1.html)で一番分かりにくいと思ったくだりは次の文です。他にも「長い」と思った部分はありますが、今日はこの一文だけを取り上げます。

 トランプ政権は、北朝鮮が16日、「米国による核放棄の強要」を理由に米朝首脳会談の中止を示唆したことに関し、「予想していた」(サンダース大統領報道官)と冷静に受け止めつつも、文氏が南北融和を促進させたい思惑から、北朝鮮の非核化の意思を誇張して米国に伝えたとの疑念を抱いているという。

 この文だけで一つの段落です。書き出した部分は12行、140文字。この文章は次のようにすればすっきりするでしょう。

 トランプ政権は、北朝鮮が16日、「米国による核放棄の強要」を理由に米朝首脳会談の中止を示唆したことに関し、表向きは「予想していた」(サンダース大統領報道官)と冷静に受け止めている。ただ、文氏が南北融和を促進させたい思惑から、北朝鮮の非核化の意思を誇張して米国に伝えたとの疑念も抱いているという。

 太文字が変更した部分です。少し文字を加えて行数が増えました。しかし、次にある段落の文章(この段落も1文だけで7行もあります)の冒頭の「このため」を削除し、改行せずに続ければ全体の行数は増えないでしょう。この段落はトランプ氏が文氏に対して示す方針について書いているので、そもそも改行する必要はありません。該当部分は次のようにすれば読みやすくなります。

 北朝鮮は16日、「米国による核放棄の強要」を理由に米朝首脳会談の中止を示唆した。これに関し、トランプ政権は「予想していた」(サンダース大統領報道官)と述べた。ただ、南北融和を促進させたい文氏が「北朝鮮の非核化の意思を誇張して米国に伝えた」との疑念も抱いているという。トランプ氏は文氏に「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」が実現しない限り北朝鮮への制裁圧力を緩和しないとの立場を改めて伝える方針だ。

 しかも、この産経の記事は構成が稚拙です。この記事の肝の部分は見出しにあるトランプ大統領の発言です。北朝鮮だけでなく、米国のトップも米朝首脳会談を予定通りに開催しない可能性に言及したことがニュースです。その発言がなかなか出てこず、「トランプ氏は会談の冒頭、記者団に、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が『非核化に真剣だと思う』との認識を明らかにした上で、金氏が米国の求める条件に応じない場合は『会談は行われない』と指摘。会談中止に踏み切る可能性も『十分にある』とした。」と書いています。

 他紙はもっとすっきりしています。例えば、日本経済新聞の「トランプ氏 米朝首脳会談の延期を示唆」はリードで次のように書いています。

 トランプ米大統領は22日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とホワイトハウスで会談した。トランプ氏は6月12日に予定している北朝鮮の金正恩委員長との首脳会談について「6月12日に実現しないかもしれない」と表明。非核化を巡る溝が埋まらない場合は延期する可能性を示唆し、北朝鮮をけん制した。

 産経の下手くそな文章と比べると一目瞭然。非常に分かりやすいですね。
 意味が分かりやすければ多少長くても良いでしょう。しかし、長くて意味が明瞭な文というのはなかなかお目に掛かれません。「〜しつつ」「〜した上で」「〜とする一方」「〜としながらも」「〜だが」といった表現を使うと文章は長くなります。むやみに接続詞をくっつけて一文を長くするべきではありません。

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続続「首相動静に載らない来客」

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 「首相動静に載らない来客」の第三弾です。
 首相官邸で現職の首相に会った来客であっても、首相動静に掲載されない例があると昨日書きました。
 首相官邸ですら可能なのですから、官邸外であればマスコミに知られずに首相と会うことはもっと容易になります。
 首相官邸に近い建物としては、同じ敷地内にある首相公邸があります。来客を公邸で待たせておいて、首相が昼間の執務を終えてから公邸に入れば全く怪しまれることなく「マスコミに周知させたくない来客」と会うことができます。「周知させたくない来客」が帰った後、公邸で「首相動静に載せたい来客」を迎えて夕食を共にすれば気付かれる心配はありません。私の経験でも、ある首相側近の政治家が「きのう公邸で総理と飯を食ったよ。総理番に会わなかったし、首相動静にも出なかったね」と笑みを浮かべて語ったことがありました。その人物は総理番が張っている公邸の玄関ではなく、いったん長い廊下を歩いて官邸側に出て帰宅したそうです。

 ところで首相公邸とは文字通り、「首相にとっての公の邸宅」です。税金で管理され、現職の首相や家族が生活できます。立地は超一等地ですが、生活環境としては難ありですね。今の首相公邸はかつての首相官邸を改装して少しだけ場所をずらした建物です。5・15事件や2・26事件の舞台になった建物ですから、ここで寝泊まりするのは気分の良いものではないでしょう。昔の官邸時代も別の建物が公邸となっていましたが、こちらは幽霊が出ると言われていました。私も当時の公邸に寝泊まりしていた首相の私設秘書や親族から「白い影が動くのを見た」「軍服を着ている幽霊だった」という話を聞いてぞっとしたことがあります。安倍晋三首相も公邸が心地よくないのでしょう。第2次内閣では原則として都内の私邸で起居しています。安倍首相が公邸に泊まる日は北朝鮮がミサイルを発射する可能性があると言われていましたね。
 余談ですが、首相公邸のほかに官房長官公邸も存在します。私は現在の官房長官公邸については全く知りません。昔の官房長官公邸は首相公邸に隣接して立っていた古い洋館のような建物で、何度か入ったことがあります。最後に入ったのは取り壊す直前であばら屋になっていました。

 首相公邸のほかには首相官邸周辺の高級ホテルも秘密の面会で利用される場所です。当然ながらホテルにはたくさんの通路があります。そもそも一般客用の通路と従業員用の通路が存在します。「首相にとっての大事なお客さん」を従業員用の通路で外部と行き来させることなど簡単なことです。ホテルにとって現職首相は大事な顧客です。単なる有名人というだけでなく、派閥のパーティーを開いてくれたりして大きな収益をもたらしてくれるお得意さんです。その程度の融通を利かせることができて当然なのです。
 しかも、ホテルのレストランは厨房からエレベーターで客室に抜けることもできます。また、逆にホテルの一室で会った後、従業員用の通路を伝って来客が外に出るということも可能です。とにかく帝国、オークラ、ニューオータニ、プリンス、全日空といったホテルに政治家が入ってしまうと、行動を把握することはほぼ不可能になります。私自身が何度も「失敗した」と思ったのはホテルオークラの和食レストラン「山里」。首相に限らず、大物政治家がここに入ると一体誰に会ったのか分からなくなりました。

 キャピトル東急(現ザ・キャピトルホテル東急)の理髪店に行くたびに話題になったのが小泉純一郎氏。頻繁に長時間、散髪に行くので、「大物政治家と密会している」という観測が広がりました。あまりに頻度が多いので、「恋人と逢瀬を重ねている」という見方すら出ました。真偽のほどは分かりませんが、色男の小泉氏らしい噂でした。
 最近は減りましたが料亭も政治家が秘密会合を持つ場所です。首相が入った料亭周辺に大物政治家の車が停まっていたとしても、実際に首相と会っているかどうかは確認が取れません。仮に同じ料亭内にいたとしても、「あれ、あの人もいたの?」ととぼけられてしまうとどうしようもありませんでした。だいたい重要な会合である場合はしばらくすると実際に誰が会っていたのかは判明するのですが、その日の記事に反映させることは困難な場合が多いのです。

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2018年05月22日

続「首相動静に登場しない来客」の実態

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 午前中に書いたブログ記事はかなりクリック数が多く、愛媛県が国会に提出した文書に対する関心の高さが分かります。
 私は気付きませんでしたが、愛媛県の文書に使われているフォントに不自然な点があるという指摘が出ています。この点は専門家が厳格に行い、真偽が判明することを期待しています。

 私は午前中の続きとして、新聞に掲載された首相動静に加計孝太郎氏が登場していないからといって今回の愛媛県の文書が虚偽だとは言えないことについて書きます。首相動静作成の現場の雰囲気については、前に「総理番記者の一日」という文章を書いたことがありましたのでご参照ください。https://fanblogs.jp/sagamimuneo/archive/17/0?1526979284

 午前中の記事では首相官邸の正面玄関以外から入れば首相動静に登場することはないと書きました。しかし、正面玄関で記者の取材を受けて堂々と入っても、首相動静に載らない方法があります。

 もしもあなたが首相と面会予定の人物であると仮定します。
 首相官邸の正面玄関から入ると、報道各社の総理番記者が寄ってきます。顔が知られた人物や政局の渦中にいる政治家や官僚なら一斉に記者が集まってきます。
 しかし、それほど有名でない人物や口が固いことで有名な高官であれば、ぱらぱらといった感じです。
 もし有名ではない人物(著名な財閥系企業の社長であっても総理番記者にとっては「無名」に近いのです)が、エレベーターに乗るまでの間に「総理に会います」と言えば、記者の数が増えます。
 しかし、「私が会うのは秘書官です」と言えば、記者たちはさっと引きます。さらに、監視カメラのある入り口ではなく、他の入り口から首相執務室に入れば絶対に首相動静に掲載されることはありません。

 首相官邸には一日に数多くの人々が出入りします。首相に会う客を確認するだけでも大変なのに秘書官と会う人物について一人ひとりチェックしていると仕事になりません。ですから、旧官邸時代から「首相動静に載りたくない人」は「秘書官に会う」と言って首相に会っていました。
 「首相動静に載りたくない人」は「秘書官に会うつもりだったけれど、首相の時間が空いていたのでたまたま会った」という言い訳をしていたわけです。
 でも、実際は「首相動静に載りたい人」の方が圧倒的多数なので、若い総理番記者に経団連加盟の大企業幹部が丁寧に名刺を置いていくわけです。

 それから、首相の「面会時間」も首相動静に出ているものが正しいわけではありません。
 旧首相官邸時代の話です。かつて私が親しくしていた某官庁幹部が官邸を訪れた後、「ずいぶん長く総理と会っていましたね」と言うと、「会えたのは5分もなかったよ。僕は秘書官室で長い間待たされた。その前に●●さんが入っていたよ」という答えが返ってきました。「●●さん」とはまさに「秘書官。秘書官」と言って総理番記者を追い払った元国会議員でした。
 しかし、首相動静に掲載されていたのは某官庁幹部の名前だけで、●●元議員は出ていませんでした。

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「首相動静に登場しない来客」の実態

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 愛媛県が国会に提出した新たな文書に、加計孝太郎加計学園理事長が2015年2月、首相官邸で安倍晋三首相と約15分間会っていたという内容が記載されていたと本日の各紙が報じています。安倍氏は「新しい獣医大学の考えはいいね」と語ったそうです。安倍氏が言ってきたことと矛盾があります。第2次安倍内閣発足後、最大の危機かもしれません。新聞による今後の分析や事実確認に期待しましょう。

 私が今日解説したいのは、「メディアの首相番記者が監視しているのにどうして首相と加計氏が会っていたかどうかが分からないのか」です。

 首相と加計氏の面会は当事者が否定し、新聞が伝える「首相動静(首相の一日)」にも載っていません
 一国の最高権力者が誰と何分会っていたのかを公開しているのは主要国では日本だけです。日本の「首相動静」は各国情報機関が毎日目を通す重要記事と言われています。
 ただし、この首相動静は大きな欠陥があります。把握できるのは「官邸の正面玄関から入ってくる客」だけです。そして、「首相に会った」とみなされるのは首相執務室につながる入り口前にある監視カメラに映った人物だけです。
 つまり、正面玄関以外から入った客は首相動静の対象外。また、執務室前にあるカメラに映らなければ首相に会ったことにはなりません
 実は、今の官邸には「裏口」が複数あります。そして、カメラが設置されている廊下の壁を隔ててさら内側に通路があり、官房長官室などとつながっています。私もこのカメラに映らないルートで執務室に入ったことがあります。今回の「会った」「会わない」問題は、当事者が否定しているからといって、愛媛県の文書に信ぴょう性がないわけではないのです。

 どうしてこのような構造になっているのかというと、かつての首相官邸の反省です。旧官邸は余りにも小さく古い建て方だったからです。記者は首相執務室や官房長官室、副長官室の真ん前まで入ることが許され、静かにしていれば中の話し声が聞こえるほどでした。透明性の面では抜群に優れた建物でしたが、警察関係者は「あれではCIAなら日本政府の動きを全て把握できるだろう」と言っていました。
 このため、2002年に完成した現在の首相官邸を建設するときに重視されたのが機密性の向上(=マスコミの遮断)でした。首相番記者を原則として1階にとどめて、さらに二重廊下にして「誰が首相に会ったか」を分かりにくくしたのです。こうすることによって、「官邸サイドが見せたい客」だけを番記者に報道させることが可能になりました。
 昔だって時の首相は本当に機微に触れる客人と密会していました。しかし、官邸でこそっと会えればそれに越したことはありません。おそらくこのこと自体を批判する人が出てくるでしょうが、どの国も日本よりもひどいことをやっているのです。意思決定の過程を全面公開したら国政運営は不可能です。
 繰り返しますが、首相動静のようなものがあるのは日本だけです。この点では情報公開度が極めて高いということは忘れてはなりません。

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