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2018年10月29日
産経政治部記者が書いた、笑(!?)説「中国共産党の権力闘争」
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気付いたら更新を1カ月以上もしない状態でした。
かなり反省です。
私の怠慢を冷ましてくれたのは、産経新聞にあまりにもおかしな記事が出ていたからです。
27日朝刊の安倍晋三首相と習近平・中国国家主席が握手する写真の下に「李氏との接近、習氏への牽制に」という見出しの記事が載っていました。
今回の日中首脳会談は、貿易摩擦で米国に追い詰められた中国が日本を突破口にするために働き掛け、中国との関係改善が国内政治的、経済的にプラスだと安倍首相が判断し、実現したとみるのが常識的な感覚です。それ以上でもそれ以下でもないように思います。
もちろん別の要素があることも否定しないし、実は表に出ていないことの方が正しいということもあるかもしれませんが、この産経記事は、典型的な「政治部記者が書いた国際情勢」です。
前にも何度か指摘したと思いますが、日本の政治部記者は特派員経験者や外国赴任待機組などの少数派を除けば、多数派は日本以外の新聞を読んでいませんし、外務省担当記者ですら外国語ができなかったり、外国に行ったこともなかったりすることが珍しくありません。国際情勢は外務省の官僚に「教えて」で書くのが基本です。日本にとって都合の良い見解、日本外務省を中心とした国際情勢観が色濃く反映されます。
この産経記事は、李克強首相について、「伝統的に対日関係を重視する中国共産党主義青年団出身」「習近平国家主席への批判もあり、中国指導部内で李氏の影響力は相対的に高まっている」と書いています。その上で、「安倍首相には習氏の配下にある中国軍の行動を牽制する狙いもあったのだろう」と想像しています。
「あほか」というのが私の感想。
中国のことを想像して書くのは百歩譲ったとしても、安倍首相なら産経はシンパなのだから、直接取材して聞けば良いのに、なぜ「狙いもあったのだろう」と推測で書くのか。
仮に産経の政治部記者が思いついたような筋書きで安倍首相が李首相に接近していたとすれば、中国共産党は今回の日本の首相訪日を受け入れていないでしょう。李氏は顔つきを見れば分かるように秀才タイプで堅実に出世してきた人物です。外国と連携して自分の権力基盤の強化を図るような軽蔑すべき政治家(外国勢力と組む人物はどの国であっても売国奴であって、まともな人物が連携するべきではありません)であって、李首相はそのようなタイプではありません。そうであってほしいと願っているのは産経の記者であって、安倍首相もこんな安っぽい小説のようなストーリーで対中外交を考えたことはないでしょう。李首相は中国共産党の利益しか求めていないという前提で考えるべきです。もし、李首相にこのような野心があれば、早晩地位を失うことでしょう。そんなことはありえない。
李首相が習主席よりも安倍首相と長時間接したのは事実ですが、その理由はもっと単純なところにあります。
一言で言えば、「格」の違いです。残念ながら、安倍首相は習主席よりも「格下」であって、李首相と「同格」と位置付けられています。
日本は議院内閣制で「首相」が政府の実権を持ちます。このため、「元首」に当たる天皇陛下が習主席と「同格」とならざるを得ません。この点は、大統領が行政の長を兼ねる国と議院内閣制で首相が実権を持つ国との制度上の違いであって、中国との関係どうこうではなく、外交儀礼として仕方がないのです。
中国側のサイトを見ると、安倍首相と習主席の会談は「会見」、安倍首相と李首相の会談は「会談」となっています。実質的には、安倍首相は日本国内で強力な権限を持ち、習氏と「同格」であることは中国だって百も承知ですが、当然「格下」扱いをするわけです。
とはいえ、今回はきっちりと習主席夫妻の正式な晩餐会を開き、安倍首相を歓待しました。人民日報の一面トップにも安倍首相の記事と写真が掲載されたということで、習指導部全体として日本の首相を「元首並み」の扱いで対応したと言えるのだと思います。
最後にもう一度書きますが、日本の政治部記者が書く国際情勢の分析を鵜呑みにすることは禁物です。「あれ?」と思ったら、その記事が政治面に出ている記事なのか、筆者が政治部記者なのかを確認してください。特派員の記事であれば、その特派員がつい最近まで政治部にいたかどうかを確認してください。
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もちろん別の要素があることも否定しないし、実は表に出ていないことの方が正しいということもあるかもしれませんが、この産経記事は、典型的な「政治部記者が書いた国際情勢」です。
前にも何度か指摘したと思いますが、日本の政治部記者は特派員経験者や外国赴任待機組などの少数派を除けば、多数派は日本以外の新聞を読んでいませんし、外務省担当記者ですら外国語ができなかったり、外国に行ったこともなかったりすることが珍しくありません。国際情勢は外務省の官僚に「教えて」で書くのが基本です。日本にとって都合の良い見解、日本外務省を中心とした国際情勢観が色濃く反映されます。
この産経記事は、李克強首相について、「伝統的に対日関係を重視する中国共産党主義青年団出身」「習近平国家主席への批判もあり、中国指導部内で李氏の影響力は相対的に高まっている」と書いています。その上で、「安倍首相には習氏の配下にある中国軍の行動を牽制する狙いもあったのだろう」と想像しています。
「あほか」というのが私の感想。
中国のことを想像して書くのは百歩譲ったとしても、安倍首相なら産経はシンパなのだから、直接取材して聞けば良いのに、なぜ「狙いもあったのだろう」と推測で書くのか。
仮に産経の政治部記者が思いついたような筋書きで安倍首相が李首相に接近していたとすれば、中国共産党は今回の日本の首相訪日を受け入れていないでしょう。李氏は顔つきを見れば分かるように秀才タイプで堅実に出世してきた人物です。外国と連携して自分の権力基盤の強化を図るような軽蔑すべき政治家(外国勢力と組む人物はどの国であっても売国奴であって、まともな人物が連携するべきではありません)であって、李首相はそのようなタイプではありません。そうであってほしいと願っているのは産経の記者であって、安倍首相もこんな安っぽい小説のようなストーリーで対中外交を考えたことはないでしょう。李首相は中国共産党の利益しか求めていないという前提で考えるべきです。もし、李首相にこのような野心があれば、早晩地位を失うことでしょう。そんなことはありえない。
李首相が習主席よりも安倍首相と長時間接したのは事実ですが、その理由はもっと単純なところにあります。
一言で言えば、「格」の違いです。残念ながら、安倍首相は習主席よりも「格下」であって、李首相と「同格」と位置付けられています。
日本は議院内閣制で「首相」が政府の実権を持ちます。このため、「元首」に当たる天皇陛下が習主席と「同格」とならざるを得ません。この点は、大統領が行政の長を兼ねる国と議院内閣制で首相が実権を持つ国との制度上の違いであって、中国との関係どうこうではなく、外交儀礼として仕方がないのです。
中国側のサイトを見ると、安倍首相と習主席の会談は「会見」、安倍首相と李首相の会談は「会談」となっています。実質的には、安倍首相は日本国内で強力な権限を持ち、習氏と「同格」であることは中国だって百も承知ですが、当然「格下」扱いをするわけです。
とはいえ、今回はきっちりと習主席夫妻の正式な晩餐会を開き、安倍首相を歓待しました。人民日報の一面トップにも安倍首相の記事と写真が掲載されたということで、習指導部全体として日本の首相を「元首並み」の扱いで対応したと言えるのだと思います。
最後にもう一度書きますが、日本の政治部記者が書く国際情勢の分析を鵜呑みにすることは禁物です。「あれ?」と思ったら、その記事が政治面に出ている記事なのか、筆者が政治部記者なのかを確認してください。特派員の記事であれば、その特派員がつい最近まで政治部にいたかどうかを確認してください。
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