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2018年02月04日
なぜ「オリンピック」は「五輪」なのか? (新聞記事の書き方3)
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本日は、「新聞記事の書き方3」として、主語を確定させる重要性についてです。
前回までは「見出し」について説明しました。
見出しの次は、リードが来ます。もちろんリードは「主語」から始まります。
「主語」とは「〜は」に当たる部分ですね。
新聞記事の主語とは、発表主体や事件や事故を引き起こした当事者ですから、それほど難しいことではありません。
しかし、記者ですら「主語」を間違うことがあります。
簡単なようなことなのですが、皆さんも作文をするときに結構ミスをすることがあると思うので、ご注意ください。
例えば、本日の朝日新聞一面トップ記事は「米、『核なき世界』放棄 運用拡大へ弾頭小型化 新戦略発表」です。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13345226.html
この記事の書き出しは「トランプ米政権は」となっています。明らかに、この部分が主語ですね。
でも、新聞記者以外の方が、このように書くでしょうか?
皆さんは学校でthe United States of Americaという国のことを「アメリカ合衆国」と習いませんでしたか。
省略した名称は「アメリカ」が一般的だと思います。
「米国」というのは「亜米利加国」の略ですね。中国や韓国では、アメリカを表す言い方が「美国」になっています。(この漢字表記についてはさまざまな経緯があったようなので、関心がある方はお調べください)。
新聞では、見出しに使う場合や本文中に形容詞的に使われる場合には「米」だけになります。
どうして「アメリカ」ではなく、「米」が使われるのか。
一言で言えば、文字数を減らすためです。「アメリカ合衆国」「アメリカ」はそれぞれ7文字、4文字ですが、「米国」なら2文字で済みます。
「米政権」は3文字だけですが、「アメリカ合衆国の政権」だと10文字も使ってしまいます。
新聞記事は簡潔にしないといけません。だから、「米国」「米」が採用されているのです。
そして、ここからが重要です。
一度、表記を確定したら、必ず統一してください。
皆さんの作文は個人的な表現ですから、新聞の表記方法に従う必要はありません。
「米国」ではなく「アメリカ」だと決めたなら、それで結構です(新聞社志望の方は入社試験では文字数を減らすという意味で「米国」の方が良いと思います。余分な文字数を減らせば減らすほど、皆さんのことをアピールする要素を多く盛り込めます)。
ただし、「アメリカ」を使い続けてください。あるときは「アメリカ」で、次に出てくるときは「米国」では読みづらく感じます。本当は文章がうまくても、そうは見えないときがあります。
実は新聞記事というのは、このようなルールがたくさんあります。
新聞には「神奈川県警」と書いていますが、本来は「神奈川県警察」が正しい名称です。やはり、これも文字数を省略するために「察」を省き「県警」と呼ばれています。
こういうわけですから、新たに生まれた固有名詞をどのように省略するかは、新聞各社が頭を悩ませます。
時間の経過につれ、他社の表記も参考にしながら、徐々に統一が図られていき、日本語として定着してしまうこともあります。
このところ連日話題になっている「五輪」がその代表例でしょうね。
日本オリンピック委員会のサイトを見ると、もうすぐ韓国で始まるのは「第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)」と記されています。
どう考えても最も短い略称は「オリンピック」のはずです。
「オリンピック」が「五輪」と省略されるようになったのは、五つの輪のマークから日本の新聞記者が連想して考えたそうですね。
このように考えると、新聞記事に出ている表記というのは奥が深いのです。
そして、これを間違えると、「訂正」ということになります。
前に出てきた「富士フイルム」のような会社名もそうです。
だから、一見簡単そうに見える「主語」であっても気を抜くことはできません。
引き続き質問をお待ちしています。
下のコメント欄にお書きください。
日中、気になったニュースをリツイートしたり、つぶやいたりしています。
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「主語」とは「〜は」に当たる部分ですね。
新聞記事の主語とは、発表主体や事件や事故を引き起こした当事者ですから、それほど難しいことではありません。
しかし、記者ですら「主語」を間違うことがあります。
簡単なようなことなのですが、皆さんも作文をするときに結構ミスをすることがあると思うので、ご注意ください。
例えば、本日の朝日新聞一面トップ記事は「米、『核なき世界』放棄 運用拡大へ弾頭小型化 新戦略発表」です。
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この記事の書き出しは「トランプ米政権は」となっています。明らかに、この部分が主語ですね。
でも、新聞記者以外の方が、このように書くでしょうか?
皆さんは学校でthe United States of Americaという国のことを「アメリカ合衆国」と習いませんでしたか。
省略した名称は「アメリカ」が一般的だと思います。
「米国」というのは「亜米利加国」の略ですね。中国や韓国では、アメリカを表す言い方が「美国」になっています。(この漢字表記についてはさまざまな経緯があったようなので、関心がある方はお調べください)。
新聞では、見出しに使う場合や本文中に形容詞的に使われる場合には「米」だけになります。
どうして「アメリカ」ではなく、「米」が使われるのか。
一言で言えば、文字数を減らすためです。「アメリカ合衆国」「アメリカ」はそれぞれ7文字、4文字ですが、「米国」なら2文字で済みます。
「米政権」は3文字だけですが、「アメリカ合衆国の政権」だと10文字も使ってしまいます。
新聞記事は簡潔にしないといけません。だから、「米国」「米」が採用されているのです。
そして、ここからが重要です。
一度、表記を確定したら、必ず統一してください。
皆さんの作文は個人的な表現ですから、新聞の表記方法に従う必要はありません。
「米国」ではなく「アメリカ」だと決めたなら、それで結構です(新聞社志望の方は入社試験では文字数を減らすという意味で「米国」の方が良いと思います。余分な文字数を減らせば減らすほど、皆さんのことをアピールする要素を多く盛り込めます)。
ただし、「アメリカ」を使い続けてください。あるときは「アメリカ」で、次に出てくるときは「米国」では読みづらく感じます。本当は文章がうまくても、そうは見えないときがあります。
実は新聞記事というのは、このようなルールがたくさんあります。
新聞には「神奈川県警」と書いていますが、本来は「神奈川県警察」が正しい名称です。やはり、これも文字数を省略するために「察」を省き「県警」と呼ばれています。
こういうわけですから、新たに生まれた固有名詞をどのように省略するかは、新聞各社が頭を悩ませます。
時間の経過につれ、他社の表記も参考にしながら、徐々に統一が図られていき、日本語として定着してしまうこともあります。
このところ連日話題になっている「五輪」がその代表例でしょうね。
日本オリンピック委員会のサイトを見ると、もうすぐ韓国で始まるのは「第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)」と記されています。
どう考えても最も短い略称は「オリンピック」のはずです。
「オリンピック」が「五輪」と省略されるようになったのは、五つの輪のマークから日本の新聞記者が連想して考えたそうですね。
このように考えると、新聞記事に出ている表記というのは奥が深いのです。
そして、これを間違えると、「訂正」ということになります。
前に出てきた「富士フイルム」のような会社名もそうです。
だから、一見簡単そうに見える「主語」であっても気を抜くことはできません。
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