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2018年01月31日

新聞の本質とは

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 本日は、新聞の本質とは何かについて考えます。

 まずは昨日ツイートした毎日新聞夕刊のコラム「牧太郎の大きな声では言えないが… 『世襲』は貧乏人の敵?」を取り上げます。https://mainichi.jp/articles/20180130/dde/012/070/006000c

 ダメな文章の見本として要旨を紹介します。皆さんがこのような文章を試験で書くと評価が低くなる恐れがあるので、気を付けてください。
 牧氏は「『幸せ』って何だろう?」と冒頭で問い掛け、「『答え』は幾つもある」とつづります。経済協力開発機構(OECD)による47カ国・地域の15歳を対象にした調査で、ドミニカ共和国が最も多く「生活に十分、満足している」と答えたそうです。日本は「ワースト5位」だそうです。
 そして、「韓国、台湾など東アジアが下位に並んだのは、厳しい『受験戦争』の影響?彼らには受験勉強は『反幸福』なのだ。」と断定します。

 さらに、「『不幸せ』って、何だろう?」という問い、再び「『答え』は幾つもある」と答えた上で、「が、多くの人が『貧困=不幸せ』と考えているのも事実」とつなぎ、「貧しいことが『不幸せ』なのだ」と断定します。ここで「なのだ」が使われていることに要注意です。1月26日の「読みやすい文章を書くこつ」を参照してください
 牧氏は、安倍晋三内閣の貧困対策と防衛政策を批判した上で、「どうして、こんな『(義理人情の欠けた)あこぎな政治』がまかり通るのか? 『答え』は簡単である。閣僚の大半が2世、3世の世襲議員に占められているからである」と決め付けます。「(世襲議員は)『幸せと不幸せの格差』を知らない」と断定し、最後は「『貧乏人をなくす政治』を取り戻すためには、世襲組に『国政選挙への立候補』を遠慮してもらいたい気分だ」と締めくくります。

 いかがでしょうか。
 一つ一つを論証すると時間と文字数があまりにも膨大になります。だから、端的に言います。「『世襲』は貧乏人の敵」という前提は、論理性が全くありません。「世襲議員が多いこと」と「貧困」は本来、無関係です。
 関係があるなら、事実に基づいてその因果関係を示さないといけません。つまり、「世襲議員が一人増えるごとに、◎◎◎という問題が発生し、日本の貧困率が何%上がった」というデータが必要です。
 昨日ツイートしたように、世襲議員が少なかった旧民主党政権でどれだけ「義理人情にあふれた政治」が行われていたのでしょうか。
 私は、菅直人内閣だったから、東日本大震災の被災者に心温まる支援が行われたとは思えません。
 それに、「『世襲』が貧乏人の敵」であるなら、天皇陛下、皇太子殿下をはじめとする皇族の方々は「貧乏人の敵」なのでしょうか?酔っ払いのたわ言のようなことを新聞に書くな!ということです。

 牧氏が言うように「幸せ」「不幸せ」とは何を意味するのかを問えば、答えはいくつもあります
 だから、経済政策、金融政策、過去から現在に至る日本の財政状況、教育制度、国際情勢、精神的な満足、国情の違いなどのさまざまな要素を勘案しないといけません。
 牧氏は「『答え』は幾つもある」と言いながら、自分の都合の良いように一つの方向に向かって文をつないでいるだけです。
 牧氏が「?」を乱発しているのは、自分の論理に問題があることを自覚しているからかもしれません。
 新聞の見出しで「?」が付いている記事は、取材不足・確認不足を示していることが多いのです。
 最後も「遠慮してもらいたい気分だ」と少し腰が引けているのも、その表れのように思えます。

 いずれにせよ、有名な週刊誌編集長だった大物記者が書いたとは思えない情けない文章です。昔は事実を追って、現職首相を退任に追い込む報道をした方だったのに、こんなひどいものを書くようになったとは残念でなりません。

 もう一つ紹介したいのは、本日の朝日新聞オピニオン面の文化人類学者・伊藤亜人さんのインタビュー記事。こちらは非常に大事なことが書かれています。本文も興味深いのでぜひお読みください。新聞の将来にまだ可能性が残っていることを感じさせる記事です。
 伊藤さんは朝鮮半島でフィールドワークしてきた学者です。朝鮮半島取材が長い桜井泉記者に対して、伊藤さんは文化人類学の視点から北朝鮮の人々の生活や考え方を説明します。
 そして、次のように指摘します。

 マスメディアは人々の関心を集めて視聴率を上げ、売り上げを優先するのでしょう。断片的な情報をおもしろおかしく伝え、あの国の異常性を強調します。それによって実態とかけ離れたイメージが先行しています。

 伊藤さんは北朝鮮報道について分析していますが、日本の報道全般について通じることを言っています。
 最初の牧氏の世襲批判と重ね合わせて考えてみてください。
 牧氏は「政治家の世襲」という大衆が関心を持つ話題を政権批判に絡めて、自分に都合の良い情報だけを組み合わせて記事を書いていました。伊藤さんの言葉をまねすれば、「断片的な情報をおもしろおかしく伝え、安倍政権の異常性を強調した」ということになります。
 安倍政権の政策を批判しようとするなら、他に方法があるはずです。もっと合理的な説明があれば、私も牧氏を尊敬しても、批判などしません。できることなら批判精神にあふれた文章を読みたいと思っています。
 しかし、私には牧氏は、事実に頼らず読者の感情に訴える手法を選択したとしか思えません。

 伊藤さんの言葉をかみしめた上で、本日の産経新聞一面に目を向けると、まさに新聞の悪い癖が現れています

 産経一面左肩には「額賀会長『包囲網』じわり 参院平成研『分派』辞せず 衆院側は回答先送りへ」という記事が掲載されています。一面右下には「貴乃花親方、理事選出馬へ」があります。
 「額賀会長」とは、閣僚経験が豊富なベテラン衆院議員の額賀福志郎氏のことです。「平成研」とは竹下派、小渕派などの流れをくむ自民党内の派閥「平成研究会」のことです。額賀氏は竹下登元首相らにかわいがられ、かつては「平成研のプリンス」と呼ばれました。しかし、押しが弱く、もはや首相になることは不可能でしょう。今や派内の人望を失い、内紛が広がっているわけです。

 額賀氏が産経新聞の記者出身だったせいか、この問題は産経が特に大きな扱いにしています。与党自民党内の混乱なので国民生活に全く影響がないとは言いませんが、結局のところ、単なる内輪もめです。
 多くの国民にとって、この騒動の登場人物は無名に近いのですが、額賀会長に辞任を迫る吉田博美参院幹事長の言葉遣いや態度が芝居がかっていて、テレビドラマや映画が現実になっているような気分にさせられます。

 貴乃花親方の件はどうでしょうか。
 国民の間での知名度は抜群で、額賀氏よりはるかに注目を集めています。
 一面に掲載するかどうかはともかく、他の新聞もそれなりに報道しているのは、「国技」の相撲に関する話題で知名度の高い個性的な元横綱が現体制に刃向かうという構図なので、否が応でも多くの人の興味を引きます
 しかし、こちらも相撲協会という一団体の内輪もめです。

 これらの事柄がなぜ大きく報道されるのかという理由を考えると、伊藤さんの「マスメディアは人々の関心を集めて視聴率を上げ、売り上げを優先する」という言葉に集約されます。
 その通りなのです。
 「対立」は人々の関心を集めます。だから、本質的にはそれほど重要ではなくても、対立がことさら際立つような書き方をします。新聞だけでなくテレビも報道合戦に加わり、対立がさらに加速して先鋭化していきます。
 日本だけに限らず、世界中の「対立」というのは、メディアがあおっている面が否めません。対立が深刻になればなるほど、新聞は売れます。実際に日本が戦争をしていた頃、戦争報道を速報することが売上に直結する新聞のビジネスモデルだったのです。

 私は、このブログを始めるにあたり、「疑うこと」が必要だと書きました
 「新聞に出ているからニュースだ」「テレビで話題になっているから、本当なのだろう」という考え方はやめてください。
 もちろん、私が書いていることも疑ってください
 昨日の毎日新聞夕刊、本日の産経新聞の記事を見ていると、改めて皆さんにそういう気持ちをお伝えしたくなりました。

 さて、本日で今年の最初の月が終わります。
 今年を迎えるにあたり、1月は毎日ブログを更新しようと決めていました。
 なんとか、目標を達成できました。
 多くの方々に読んでもらえるようになってきました。

 ありがとうございます。

 これからもできる限り、朝刊紙面を見た上でブログ更新を続けたいと思っています。
 今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。

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新聞記者をしておりましたがリタイアし、空いた時間をマスコミ志望の方に役立つ情報発信をしたいと思い、ブログを開設しました。新聞記事には独特の表現を使って、政治の見通しや国際政治の展望を書いていることが多くあります。そのような内容をお伝えしたいと思っています。感想や質問があれば、遠慮なく書き込んでください。
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