2018年05月22日
「首相動静に登場しない来客」の実態
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愛媛県が国会に提出した新たな文書に、加計孝太郎加計学園理事長が2015年2月、首相官邸で安倍晋三首相と約15分間会っていたという内容が記載されていたと本日の各紙が報じています。安倍氏は「新しい獣医大学の考えはいいね」と語ったそうです。安倍氏が言ってきたことと矛盾があります。第2次安倍内閣発足後、最大の危機かもしれません。新聞による今後の分析や事実確認に期待しましょう。
私が今日解説したいのは、「メディアの首相番記者が監視しているのにどうして首相と加計氏が会っていたかどうかが分からないのか」です。
首相と加計氏の面会は当事者が否定し、新聞が伝える「首相動静(首相の一日)」にも載っていません。
一国の最高権力者が誰と何分会っていたのかを公開しているのは主要国では日本だけです。日本の「首相動静」は各国情報機関が毎日目を通す重要記事と言われています。
ただし、この首相動静は大きな欠陥があります。把握できるのは「官邸の正面玄関から入ってくる客」だけです。そして、「首相に会った」とみなされるのは首相執務室につながる入り口前にある監視カメラに映った人物だけです。
つまり、正面玄関以外から入った客は首相動静の対象外。また、執務室前にあるカメラに映らなければ首相に会ったことにはなりません。
実は、今の官邸には「裏口」が複数あります。そして、カメラが設置されている廊下の壁を隔ててさら内側に通路があり、官房長官室などとつながっています。私もこのカメラに映らないルートで執務室に入ったことがあります。今回の「会った」「会わない」問題は、当事者が否定しているからといって、愛媛県の文書に信ぴょう性がないわけではないのです。
どうしてこのような構造になっているのかというと、かつての首相官邸の反省です。旧官邸は余りにも小さく古い建て方だったからです。記者は首相執務室や官房長官室、副長官室の真ん前まで入ることが許され、静かにしていれば中の話し声が聞こえるほどでした。透明性の面では抜群に優れた建物でしたが、警察関係者は「あれではCIAなら日本政府の動きを全て把握できるだろう」と言っていました。
このため、2002年に完成した現在の首相官邸を建設するときに重視されたのが機密性の向上(=マスコミの遮断)でした。首相番記者を原則として1階にとどめて、さらに二重廊下にして「誰が首相に会ったか」を分かりにくくしたのです。こうすることによって、「官邸サイドが見せたい客」だけを番記者に報道させることが可能になりました。
昔だって時の首相は本当に機微に触れる客人と密会していました。しかし、官邸でこそっと会えればそれに越したことはありません。おそらくこのこと自体を批判する人が出てくるでしょうが、どの国も日本よりもひどいことをやっているのです。意思決定の過程を全面公開したら国政運営は不可能です。
繰り返しますが、首相動静のようなものがあるのは日本だけです。この点では情報公開度が極めて高いということは忘れてはなりません。
引き続き質問をお待ちしています。
下のコメント欄にお書きください。
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ただし、この首相動静は大きな欠陥があります。把握できるのは「官邸の正面玄関から入ってくる客」だけです。そして、「首相に会った」とみなされるのは首相執務室につながる入り口前にある監視カメラに映った人物だけです。
つまり、正面玄関以外から入った客は首相動静の対象外。また、執務室前にあるカメラに映らなければ首相に会ったことにはなりません。
実は、今の官邸には「裏口」が複数あります。そして、カメラが設置されている廊下の壁を隔ててさら内側に通路があり、官房長官室などとつながっています。私もこのカメラに映らないルートで執務室に入ったことがあります。今回の「会った」「会わない」問題は、当事者が否定しているからといって、愛媛県の文書に信ぴょう性がないわけではないのです。
どうしてこのような構造になっているのかというと、かつての首相官邸の反省です。旧官邸は余りにも小さく古い建て方だったからです。記者は首相執務室や官房長官室、副長官室の真ん前まで入ることが許され、静かにしていれば中の話し声が聞こえるほどでした。透明性の面では抜群に優れた建物でしたが、警察関係者は「あれではCIAなら日本政府の動きを全て把握できるだろう」と言っていました。
このため、2002年に完成した現在の首相官邸を建設するときに重視されたのが機密性の向上(=マスコミの遮断)でした。首相番記者を原則として1階にとどめて、さらに二重廊下にして「誰が首相に会ったか」を分かりにくくしたのです。こうすることによって、「官邸サイドが見せたい客」だけを番記者に報道させることが可能になりました。
昔だって時の首相は本当に機微に触れる客人と密会していました。しかし、官邸でこそっと会えればそれに越したことはありません。おそらくこのこと自体を批判する人が出てくるでしょうが、どの国も日本よりもひどいことをやっているのです。意思決定の過程を全面公開したら国政運営は不可能です。
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総理番や首相動静という存在を頭から批判する人がいますが、私は非常に重要だと思っています。
松林薫氏の本は経済の記事を読むときには大変役立つと思います。政治についてはちょっと古い情報であったり、ずれているなと思うことが含まれていますが。
事実はともかく、経験者の語る内容には説得力をあります。
日本しかやってないという点では、やはり日本はいい国なんだなと感じました。
前の記事で挙げられている松林薫氏の「新聞の正しい読み方」
にも興味があります。