2018年04月27日
独裁体制で「指導者の若さ」はマイナスではない
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個人独裁体制では、一人の指導者の意向で内政外交の方針が決まります。
言論統制を厳しく行っており、現在の日本人の感覚で捉えることは不可能です。
北朝鮮では急に外交方針を変更しても、限られたエリート層の中での「世論」対策だけ行っていれば批判が出ることはありません。
日本のような国では高官のセクハラや差別発言が問題視され、民衆の声が高まれば最終的には最高権力者が辞職する事態も起こります。
しかし、北朝鮮ではそのようなことは起こりません。多少の政策判断のミスなら覆い隠すことができます。大多数の国民が知らないうちに時間が過ぎていきます。
ですから、180度反対の方針をごくわずかの時間に行うことができるのです。
昨日まで米国をののしっていても、今日から賞賛することができます。
あれだけ中国と関係が悪化していても、すぐに譲歩したように見せて関係修復ができます。
日本では昨日言っていたことと反対のことを首相や閣僚が言い出せば、「整合性」を問われ内外の信頼を失ってしまいます。しかし、北朝鮮ではそのような心配をする必要はありません。
当たり前のことを言っているようですが、この当たり前の事実を踏まえずに金正恩という指導者を論ずる人があまりにも多いのです。
金正恩委員長が実権を握ったときに、日本では「若く経験不足だから北朝鮮をまとめることはできない」というような意見が多く提起されました。
しかし、「若く経験不足」ということは民主主義国ではマイナス要素ですが、独裁国家では関係がありません。独裁国家では失敗しても責任を取る必要がないからです。経験不足で失敗しても、やり直しができます。
この基本的な事実を忘れて、金正恩委員長の体形や髪型を取り上げて、彼のことを馬鹿にしていた専門家のコメントを見たり聞いたりすると私は暗たんたる気持ちになっていました。
誤解していただきたくないのは、私は北朝鮮の体制や金正恩委員長を賛美しているのではないということです。彼らに対して唾棄する思いを持っていますが、彼らの論理、考え方を正しく理解しないと、われわれが対処できないからこのような指摘をしているのです。
観点を変えて、歴史をさかのぼってみましょう。
歴史的な日本の指導者の生年と最高権力者の地位に就いた年、死去した年を列記します。
北条時宗 1251年生まれ 1268年執権就任 1284年死去
後醍醐天皇 1288年生まれ 1318年即位 1339年崩御
足利義満 1358年生まれ 1368年将軍就任 1408年死去
徳川家光 1604年生まれ 1623年将軍就任 1651年死去
明治天皇 1852年生まれ 1867年即位 1912年崩御
上に挙げた方々は、いずれも若くしてトップの地位に就き、歴史的な業績を残しました。
共通することは、「トップの血統」を受け継いでいるということです。金正恩委員長は、北朝鮮では神格化されている故金日成主席の孫です。だからこそ「独裁者としての正統性」を保つことができます。金正恩委員長が統治する上で当初から年齢は大きなマイナス要素ではなかったというのは、日本の歴史を見ても理解できることです。
特に足利義満を見てください。伝わっている肖像画を見るとお爺さんのようですが、わずか40年の生涯でした。若くして南北朝合一を実現し、日本という国の在り方そのものを大幅に変えてしまいかねないほどの権勢を振るったのです。
こういう説明をすると、「時代が違う」「優秀な側近に支えられていたのではないか」という人がいます。
これらの反対意見は、「金正恩委員長が独裁体制を維持できる」という説明に説得力を持たせることになります。
まさに「時代が違う」のです。
北朝鮮は日本人とは異なる時代に存在する国です。北朝鮮と日本は時代感覚が違うのです。
北朝鮮では、朝鮮王朝が崩壊し日本の植民地支配を受け、その後ほぼ独裁体制が続いています。民主主義という概念は存在しません。外国からの情報流入を制限しており、世界情勢を正確に知る国民はごくわずかです。民衆の意識は、現代の日本人よりも日本の中世に近いと考えても良いと私は思います。
そして、「優秀な側近」が支えれば、体制は維持できます。
金正恩委員長は先代の体制を受け継ぎました。しかも、自分に従わない親族を容赦なく処刑しました。これも独裁体制を維持する上では当然の手順でしたが、日本の「識者」からは、「いよいよ金体制は崩壊が近づいている」という間違った指摘が出ていました。
最後にもう一度繰り返しますが、私は金正恩体制を擁護しているのではありません。北朝鮮の事情に合わせて彼らは自分たちの体制を維持するために必死の努力を行ってきたということを言っているのです。そして、そのことを日本人の常識で判断するのではなく、客観的に理解するべきだということを言いたいのです。
彼らが必死なのですから、それを打倒するためには私たちも必死になって方法を考えないといけません。
相手が狡猾なら、こちらも同じくらいしたたかな手法を考え出さないといけません。
「国際的な制裁包囲網をつくったぞ!」「拉致問題解決のために外交努力を続けないといけない」と言っているだけで金正恩体制を崩すことは不可能です。
引き続き質問をお待ちしています。
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言論統制を厳しく行っており、現在の日本人の感覚で捉えることは不可能です。
北朝鮮では急に外交方針を変更しても、限られたエリート層の中での「世論」対策だけ行っていれば批判が出ることはありません。
日本のような国では高官のセクハラや差別発言が問題視され、民衆の声が高まれば最終的には最高権力者が辞職する事態も起こります。
しかし、北朝鮮ではそのようなことは起こりません。多少の政策判断のミスなら覆い隠すことができます。大多数の国民が知らないうちに時間が過ぎていきます。
ですから、180度反対の方針をごくわずかの時間に行うことができるのです。
昨日まで米国をののしっていても、今日から賞賛することができます。
あれだけ中国と関係が悪化していても、すぐに譲歩したように見せて関係修復ができます。
日本では昨日言っていたことと反対のことを首相や閣僚が言い出せば、「整合性」を問われ内外の信頼を失ってしまいます。しかし、北朝鮮ではそのような心配をする必要はありません。
当たり前のことを言っているようですが、この当たり前の事実を踏まえずに金正恩という指導者を論ずる人があまりにも多いのです。
金正恩委員長が実権を握ったときに、日本では「若く経験不足だから北朝鮮をまとめることはできない」というような意見が多く提起されました。
しかし、「若く経験不足」ということは民主主義国ではマイナス要素ですが、独裁国家では関係がありません。独裁国家では失敗しても責任を取る必要がないからです。経験不足で失敗しても、やり直しができます。
この基本的な事実を忘れて、金正恩委員長の体形や髪型を取り上げて、彼のことを馬鹿にしていた専門家のコメントを見たり聞いたりすると私は暗たんたる気持ちになっていました。
誤解していただきたくないのは、私は北朝鮮の体制や金正恩委員長を賛美しているのではないということです。彼らに対して唾棄する思いを持っていますが、彼らの論理、考え方を正しく理解しないと、われわれが対処できないからこのような指摘をしているのです。
観点を変えて、歴史をさかのぼってみましょう。
歴史的な日本の指導者の生年と最高権力者の地位に就いた年、死去した年を列記します。
北条時宗 1251年生まれ 1268年執権就任 1284年死去
後醍醐天皇 1288年生まれ 1318年即位 1339年崩御
足利義満 1358年生まれ 1368年将軍就任 1408年死去
徳川家光 1604年生まれ 1623年将軍就任 1651年死去
明治天皇 1852年生まれ 1867年即位 1912年崩御
上に挙げた方々は、いずれも若くしてトップの地位に就き、歴史的な業績を残しました。
共通することは、「トップの血統」を受け継いでいるということです。金正恩委員長は、北朝鮮では神格化されている故金日成主席の孫です。だからこそ「独裁者としての正統性」を保つことができます。金正恩委員長が統治する上で当初から年齢は大きなマイナス要素ではなかったというのは、日本の歴史を見ても理解できることです。
特に足利義満を見てください。伝わっている肖像画を見るとお爺さんのようですが、わずか40年の生涯でした。若くして南北朝合一を実現し、日本という国の在り方そのものを大幅に変えてしまいかねないほどの権勢を振るったのです。
こういう説明をすると、「時代が違う」「優秀な側近に支えられていたのではないか」という人がいます。
これらの反対意見は、「金正恩委員長が独裁体制を維持できる」という説明に説得力を持たせることになります。
まさに「時代が違う」のです。
北朝鮮は日本人とは異なる時代に存在する国です。北朝鮮と日本は時代感覚が違うのです。
北朝鮮では、朝鮮王朝が崩壊し日本の植民地支配を受け、その後ほぼ独裁体制が続いています。民主主義という概念は存在しません。外国からの情報流入を制限しており、世界情勢を正確に知る国民はごくわずかです。民衆の意識は、現代の日本人よりも日本の中世に近いと考えても良いと私は思います。
そして、「優秀な側近」が支えれば、体制は維持できます。
金正恩委員長は先代の体制を受け継ぎました。しかも、自分に従わない親族を容赦なく処刑しました。これも独裁体制を維持する上では当然の手順でしたが、日本の「識者」からは、「いよいよ金体制は崩壊が近づいている」という間違った指摘が出ていました。
最後にもう一度繰り返しますが、私は金正恩体制を擁護しているのではありません。北朝鮮の事情に合わせて彼らは自分たちの体制を維持するために必死の努力を行ってきたということを言っているのです。そして、そのことを日本人の常識で判断するのではなく、客観的に理解するべきだということを言いたいのです。
彼らが必死なのですから、それを打倒するためには私たちも必死になって方法を考えないといけません。
相手が狡猾なら、こちらも同じくらいしたたかな手法を考え出さないといけません。
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