2018年02月23日

「新聞ななめよみ」の斜め読み

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 本日は、朝日新聞に連載されている池上彰さんのコラムを取り上げます。

 「池上彰の新聞ななめ読み」と題していますが、ななめ読みどころか、かなり細かく新聞各紙を読み込んだ上で批評されています。
 「なるほどな」と思うこともありますが、今回はちょっと無理筋ないちゃもんに近いような気がします。

 本日の池上さんのコラムでは、日銀の黒田東彦総裁の再任をめぐる朝日の記事について、「異次元緩和」「緩和の出口」の説明が不足していたと指摘しています。

 その上で、池上さんは、「経済に詳しくない読者」にも分かりやすくなるという改善案を示しています。

 しかし、本当に「経済に詳くない読者」は、池上案にある「利下げ」「利上げ」「経済の過熱」「国債」「お金の量が増えれば金利が下がる」という言い回しすら理解できないかもしれません。

 経済の基本を知らない読者のことを考えると、池上案も丁寧な記事とは言えません。
 でも、そんなことを言っていると説明が長くなり、、一つの記事を書くたびに一冊の本を書くくらいの分量になってしまうのです。

 「異次元緩和」はもう5年も使われています。池上さんが引用した朝日の記事の説明で十分でしょう。
 「緩和の出口」については、辞書で「出口」を見れば「外へ出る口」(大辞林)ですから、「緩和が終わりへ向かう方向」ということは分かるでしょう。

 記者の立場からすると、毎日の記事に出る言葉はすでに読者は知っているという前提で書かざるを得ないのです。
 「この言葉は読者に分かりくい」という線引きをどこかでするとしても、全員の期待に応えることは不可能です。限られた紙面で伝えるべきことは何かという優先順位を付けると、今回の例の「異次元緩和」に関する説明は省略せざるを得ないでしょう。

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2018年02月22日

言葉は厳密に

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 本日は、産経新聞総合面の阿比留瑠比論説委員兼編集委員のコラムを取り上げます。
 産経新聞は何度も指摘しているように当たり外れが多く、本日も無茶苦茶な論理展開の記事があります。しかし、私が日頃から思っていることと同じことを阿比留さんが指摘しているので紹介させていただきます。

 阿比留さんは本日のコラムで、「リベラル」という言葉の使われ方に疑問を投げています。そして「どうしてそう表現するのか意味不明なので極力、使わないようにしてきた」と書いています。
 全く同感です。
 皆さんは、「リベラル」という言葉をどのように定義しますか?
 自分できちんと説明して下さい。
 その上で辞書を見て下さい。

 大辞林によると、「@自由を重んじるさま。伝統や習慣にとらわれないさま。また、そのような立場の人。A自由主義に基くさま。自由主義の立場をとるさま。また、そのような人。B穏やかに改革を行おうとするさま。また、そのような立場や人。」とあります。

 阿比留さんが言うように日本の政界で「リベラル」を自称する人たちの多くは、@ABのいずれにも当てはまらないように思います。特にAが重要です。
 「自由主義」を、大辞林で引くと、「個人の価値や人格の尊厳性を重んじ、人間の自由な思想・活動を可能な限り保障しようとする立場。政治的には、市民的自由の擁護・拡大、経済的には自由放任主義の主張としてあらわれる。」などと書かれています。

 つまり、「リベラル」とは本来、「経済的には自由放任主義」の立場なのです。言い換えれば、小さな政府を志向するということです。社会保障の拡大を要求する勢力は「リベラル」ではないのです。
 「左派のどこが『リベラル』か」という阿比留さんの疑問はごもっともです。私自身も、日本の政治用語としては「リベラル」を使わないようにしていました。

 韓国では「進歩」という言葉が、日本の「リベラル」と同じように使われています。
 ソウル特派員から送られてきた原稿に「進歩陣営」という言葉があり、デスクをしていた私は「これは『親北朝鮮の左翼勢力』のことだろう。『進歩』と呼ぶのはまやかしだ」と言いました。電話越しの特派員は「韓国で『進歩』は『進歩』だ」と筋の通らない反論をしていました。結局、私は「進歩」を「左派」に差し替えました。特派員にはうらまれましたが、今でも正しい判断だったと思っています。

 皆さんも言葉は厳密に使うようにして下さい。よく使う言葉でも実はしっかり理解していないということはありえます。
 私は歳を取るにつれて辞書を引く頻度が増えました。知らないことがあまりにも多いことに気付くようになったからです。

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2018年02月21日

G20大阪決定、朝日新聞が事実上の誤報

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 本日は、新聞が見通しを誤った場合にどのように軌道修正するかを解説します。

 本日の朝日新聞総合面には、「G20、大阪開催に転換 財務相会議は福岡 政府決定」という見出しの記事が出ています。https://digital.asahi.com/articles/DA3S13368849.html
 リードは、次の通り。
 2019年に日本で初めて開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)について、政府は大阪市で開催することを決めた。福岡市で開く方向で最終調整していたが、宿泊施設の確保が難しく、当初検討していた大阪市での開催に戻した。G20財務相・中央銀行総裁会議は福岡市で開催する。

 他紙やNHKも見てみましたが、「福岡市で開く方向で最終調整していた」という要素があるのは朝日だけです。見出しも素直に「大阪で開催」が多いですね。「大阪開催に転換」というひねくれた表現は朝日だけです。
 他のメディアは、「大阪府と大阪市、愛知県、それに福岡市が誘致に名乗りを上げる中で」(NHK)、「G20首脳会議は福岡や愛知も誘致していて」(毎日)などと、福岡はあくまで誘致に前向きだった都市の一つという位置付けで、ホテルの数や空港の立地、警備のしやすさの観点から大阪が有利だったという形で報じています。
 もちろん安倍政権と日本維新の会との距離感もあるでしょう。日本経済新聞は「G20大阪開催、改憲にらみ維新に秋波」という見出しの記事を出しています。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO27165930Q8A220C1PP8000/

 話を戻して、どうして朝日だけ「福岡が優勢だった」という書き方をしているのでしょうか。
 これは、17日の紙面で「G20開催、福岡巻き返す 政府、大阪から転換 最終調整」という記事を出していたからです。この記事のリードは次の通りです。https://digital.asahi.com/articles/DA3S13363435.html

 政府は、2019年に日本で初開催される主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を福岡市で開く方向で最終調整に入った当初は大阪市で調整していたが、25年の国際博覧会(万博)誘致が有力となり、二つの国際行事の開催地を分散するほうがいいと判断。福岡市が課題だったホテルの確保にめどをつけたこともあり、方針を変更した。

 前にも指摘したとおり、「方向で最終調整に入った」なので、この通りにならなくても訂正を回避できる書き方です。「調整に入った」については、当ブログの「取材力は文末で判断できる」や「日銀総裁『続投』へ」をご参照ください。

 断定していないとはいえ、「最終調整」はかなり強いトーンを感じさせます。しかも、「当初は大阪市で調整していたが」「課題だったホテルの確保にめどをつけたこともあり、方針を変更した」とまで書いているので、これは十分な自信があったのでしょう。

 それにもかかわらず、見通しを間違えてしまいました。
 なのに、本日の紙面では、「宿泊施設の確保が難しく、当初検討していた大阪市での開催に戻した」と簡単に言い訳するだけ。17日紙面の「ホテルの確保にめどをつけた」と整合性が取れていません。

 あえて朝日に好意的に考えれば、実際に福岡開催に傾いた時期があったのかもしれません。福岡は政権を支える有力者である麻生太郎副総理の地元です。おそらく福岡では「G20は十分に開催できるし、政府も前向きになっている」という声が広がっていたのでしょう。
 朝日の記者はこうした地元の情報に頼ったのかもしれません。

 ただ、注目するべき点は、朝日が17日の紙面に載せる前に16日午後に「G20サミット、福岡で最終調整」の記事をネット上に流していたことです。https://digital.asahi.com/articles/ASL2J41XYL2JULFA00W.html

 ネットに16日午後に「福岡で最終調整」の情報が出たわけですし、これが正しいのであれば、他社は朝日の特ダネをつぶしに動いたはずです。しかし、17日に新聞で「福岡で最終調整」を報じたのは朝日だけ。安倍政権と近いNHKや産経が朝日を後追いしなかったことを考えると、すでにこの時点で福岡の可能性はなくなっていたと考えることができます。

 安倍晋三首相は最近も朝日の報道姿勢を国会で厳しく批判していました。
 安倍政権の間、朝日が政府関連で大きな特ダネを取るのは相当に難しいのでしょうね。

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2018年02月20日

「ローマ法王」はなぜ呼び捨てか

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 前回に続いて新聞記事の中の肩書きについてです。

 新聞記事では、原則として人名には肩書きや敬称を付けます。

 昨日お伝えしたような運動記事のほか、大きな政治の動きを検証する記事などでは「敬称略」が許されます。

 肩書きを何度も付けると字数が増えてしまうことが大きな理由ですが、敬称を取ると記事に緊迫感が出てくるという効果もあります。

 肩書きには、「首相」、「社長」などの役職名のほか、刑事事件の「容疑者」、「被告」のように、その人物の地位を示すものもあります。

 以前に「『首相』は法律違反?」という記事で、本来は「内閣総理大臣」が正しく、厳密には「首相」という肩書きは存在しないということを書きました。
 「容疑者」「被告」も同様です。法律用語としてはそれぞれ「被疑者」「被告人」。「被疑者」は「被害者」と発音上も表記上も混乱が生じやすいということが理由。「被告」の方は字数を減らしたということでしょう。

 昔は、事件の記事で警察に逮捕されると、呼び捨てにすることが普通でした。
 警察に捕まると、すでに新聞紙上で犯罪者扱いされていたわけです。
 田中角栄元首相が逮捕されたときから変わったという説がありますが、念のため確認してみましたが、やはり違います。
 確かに自民党議員や秘書ら関係者から「総理大臣経験者を呼び捨てにするのはいかがなものか」という声が上がっていたのは事実で、新聞社の間でも議論はあったようです。ネットに出ている当時の号外の画像を見ると毎日新聞は「前首相田中角栄」「田中」と呼び捨てです。一方、朝日は「田中角栄前首相」「田中前首相」となっています。
 「容疑者」が定着したのは、逮捕された人の人権を尊重するムードが高まった1980年代後半から
 最近、私の記憶がかなりいい加減になってきているので間違っているかもしれませんが、裁判で死刑判決を受けた方の無罪が確定したことがきっかけになったのではなかったかなと思います。それと、米ロサンゼルスで起きた日本人女性の殺害事件で犯行を疑われた日本人男性に対する報道に行きすぎがあったことも影響しました。

 そういえば、もうかなり前のことですが、アイドルグループの人気者が警察に逮捕されたときは、「容疑者」ではなく「メンバー」という奇妙な呼称も使われました。ただし、これは放送局だけ。テレビに対する所属芸能事務所の力が強く、配慮したといわれていますね。

 全く異なる理由でやや不自然な肩書きの配置になっているのがローマ法王
 日本の新聞では、「フランシスコ法王」と「法王フランシスコ」の二通りがあります。

 朝日新聞、毎日新聞は「フランシスコ法王」。
https://digital.asahi.com/articles/ASL2574Z6L25UHBI020.html
https://mainichi.jp/articles/20170206/k00/00e/030/177000c

 共同通信、日本経済新聞などは「法王フランシスコ」。
http://www.sanspo.com/pyeongchang2018/news/20180207/pye18020721030047-n1.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26566300W8A200C1EAF000/

 「フランシスコ法王」の方が日本語としては自然だと思います。法王が前に来ていると呼び捨てにしているようですね。
 しかし、歴代法王のことを「法王ヨハネ・パウロ2世」などと呼んできたので、これまでの慣習に従えば多数派の「法王フランシスコ」の方が良いということになります。

 ところが、そもそも「法王」自体に問題があるようです。
 日本のカトリック教会をとりまとめる日本カトリック中央協議会のサイトには、「(1981年から法王ではなく)『教皇』に統一することにしました」と書いています。
https://www.cbcj.catholic.jp/faq/popeofrome/

 そして、さらに確認すると、このサイト内では「教皇フランシスコ」と書かれていました。
https://www.cbcj.catholic.jp/2017/02/13/12254/

 共同通信などが日本語としては不自然な「法王フランシスコ」を採用しているのは、ここに根拠があったようです。

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2018年02月19日

金メダリストを呼び捨てにしていいの?

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 本日も五連関連記事について解説します。

 まずは、こちらを読んでください。日本経済新聞の「首相『記憶に残る五輪』」という見出しの記事です。
 書き出しは次の通りです。

 安倍晋三首相は19日午前、平昌冬季五輪で金メダルを獲得した羽生結弦、小平奈緒両選手を祝福した。

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27074110Z10C18A2000000/

 五輪の記事をよく読んでいる人にとっては違和感がありませんか?

 本日の日経新聞一面の記事「小平『金』」の記事の書き出しはこうです。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO27065980Y8A210C1MM8000/

 平昌冬季五輪第10日の18日、スピードスケート女子500メートルで小平奈緒(31)が36秒94の五輪新記録で初優勝した。

 同じく日経社会面の「奈緒『全て報われた』」という見出しの記事の書き出しは、「日本選手団主将、小平奈緒選手(31)がつかんだ今大会2つ目のメダルは念願の金色だった」です。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO27067880Y8A210C1CC1000/

 気付きましたか?
 一面の記事は呼び捨てなのに、それ以外は「選手」が付いています
 新聞記事は原則として人名の後には敬称や肩書きを付けます。
 それなのに、どうして小平選手に「選手」があったりなかったりするのでしょうか。

 これはスポーツ選手については、競技に直接関係する記事の中では呼び捨てにするという決まりがあるからです。
 小平選手や今回の五輪に限った話でなく、五輪以外の他のスポーツでもこのルールが使われています。
 運動記事では、選手名がたくさん出てくるので、いちいち「羽生選手」「小平選手」と書いていると文字数が増えてしまうことが理由です。それに、知りたいことは競技結果や記録なので、「選手」が書き込まれていると読みづらいですね。

 この決まりがあるために、小平選手が金メダルを獲得した競技そのものに関する記事では、「選手」が省略され、安倍首相が羽生、小平両選手をたたえたことに関する記事では「選手」が付いています。小平選手の金メダル獲得にわく地元の反応などの社会面用雑観でも「選手」を省略することはできません。
 これが原則のはずですが、新聞をよく見ると、関連原稿も呼び捨てにしているところがありますね。

 日本の新聞では人名の後に肩書きが来ない例もかつては多く見られました。
 次回にそのことについてお伝えします。

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2018年02月18日

羽生選手は「絶対王者」?

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 昨日は、平昌冬季五輪のフィギュアスケートで金、銀のメダルを獲得した羽生結弦選手と宇野昌磨選手の演技に魅せられました。
 特に、私は宇野選手が最初のジャンプで失敗したにもかかわらず、その後は立て直し、羽生選手に劣らない素晴らしい技術を見せてくれたことに感動し、涙が出てきてしまいました。

 しかし、私は本日の新聞朝刊を見て不快な気分になりました。スポーツ新聞なら、最初からエンターテインメントだという理解が読者にもあるので、いいのですが、一般紙でこんな礼賛一色では「報道」に値しないと感じています。

 例えば、羽生選手のことを「絶対王者」と表現している新聞がいくつもあります。
 産経新聞は一面の記事で「絶対王者『人生史上、一番幸せな瞬間』」という見出しを掲げています。
 http://www.sankei.com/pyeongchang2018/news/180218/pye1802180002-n1.html

 この記事の中には、見出しにある「絶対王者」という言葉はありません。「(羽生選手が)世界王者を奪取した」という下りがあるだけです。

 Ceek.jp(非常に便利なサービスです。機会があれば、このサイトの説明もしたいと思っています)で「絶対王者」「羽生結弦」で検索すると、18日午前11時時点で、高知新聞、産経新聞、日本経済新聞、共同通信、毎日新聞などの記事が出てきます。これらのメディアは、羽生選手を「絶対王者」と位置付けているのでしょう。

 羽生選手を形容する言葉としてかなり定着しているようですが、一体どういう意味なのでしょうか。私には「絶対王政」を連想させる言葉ではあるものの、具体的なイメージが思い浮かびません。
 ネットで検索すると、ウィキペディアに出てました。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%B6%E5%AF%BE%E7%8E%8B%E8%80%85

 ただし、「この記事には複数の問題があります」と注記されており、出典が不十分で「独自研究が含まれているおそれ」が指摘されています。
 要は、「絶対王者」とは、きちんと定義づけされていない言葉だということですね。
 ウィキペディアによると、「絶対王者」は「王座、タイトルを保有するものの中でも、通算獲得数や連続獲得数で抜きん出た記録を持つ人物・組織に付けられることが多い通称である」とあります。
 ただし、具体例を見ると、最初にプロレスの力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木が挙げられています。かなりいい加減な表現だということですね。

 確かに、フィギュア男子の五輪連覇は66年ぶりの快挙なので、日本人選手に対して何か特別な呼称を付けたい気持ちは分かります。しかし、一般紙が使うべき表現なのかどうかというと私は疑問に思います。

 羽生選手に対して「孤高」という表現も目立ちます。「孤高」とは、「俗世間から離れて、ひとり自分の志を守ること。また、そのさま」です。https://kotobank.jp/word/%E5%AD%A4%E9%AB%98-500303

 羽生選手は、フィギュアに真剣に打ち込み、禁欲的な生活をしているのでしょう。しかし、それは羽生選手だけでなく、多くの五輪出場選手に当てはまることだと思います。
 記者に心を許すことはなかなかないかもしれませんが、23歳の若者が全く一人で世界一になることはできません。多くの人の助けがあって業績を積み上げてきていることは本人だって試合直後のコメントで語っていました。
 何か一つのエピソードをきっかけに、「スポーツ報道」では選手を偶像化する傾向があります。今回の「孤高」にも、それが感じられます。

 今回、羽生選手にミスがなかったわけではありません。素人の私でも分かる失敗がありました。
 宇野選手は自分が完璧に演技すれば逆転できると思っていたそうです。おそらく宇野選手が最初のジャンプに成功していれば、羽生選手が金メダルを手にすることはなかったでしょう。宇野選手だけでなくフェルナンデス選手や他の入賞を逃した人たちが全力を出し切っていれば、異なる結果が出たでしょう。
 羽生選手が絶対的に強いのではなく、他の選手との相対的な比較で2回連続して金メダルを得ることができたわけですから、「絶対」という表現は不適切です。

 けがから立ち直って快挙を成し遂げた偉業をたたえることとは別に冷静な視点も必要だと思います。

 五輪のたびに、私は戦争中、大本営発表で日本軍が連戦連勝をしていたときの新聞を読んでいるかのような気分になることがよくあります。だから、今日の新聞を見ても、嫌な気分になりました。

 どうも、日本の「スポーツ報道」はエンターテインメントとの境界がはっきりなくて、今回のように日本人選手が大記録を打ち立てると理性が吹き飛ばされたような見出しと文章が氾濫するように思います。

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2018年02月17日

「退陣」

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 本日は、新聞記事で使われる独特の表現として「退陣」を取り上げます。

 南アフリカで、汚職疑惑などで辞任を余儀なくされたズマ前大統領に関する記事で、NHKを含む多くの日本メディアが「辞任」と同じ意味で「退陣」を使っています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180216/k10011331051000.html

 元々は、「戦闘に際して陣地を後方へ下げること」。
 そこから、転じて「ある地位から退くこと」という意味として、新聞で使われるようになったのでしょう。
https://kotobank.jp/word/%E9%80%80%E9%99%A3-557470

 でも、現代の戦争では「退陣」ではなく「撤退」や「退却」の方を使いますね。
 「退陣」のもともとの使い方は、江戸時代以前の日本国内の戦争に限られているでしょう。
 事実上、現代用語として使う場合は、内閣総辞職のようにトップが自発的に退任する場合に限定されているように思います。
 政治家が辞めるかどうかという状況の記事では「辞任」「退任」「辞める」という言葉が連発されるので、言い換えの言葉として「退陣」は便利だということも考えられます。

 今回のズマ氏の例も一応自発的に辞めた形なので、「退陣」で良いのかもしれません。

 でも、私は「退陣」から、甲冑で身を固め軍配を手に持っていた武将が馬に乗って逃げるような姿を想像するので、外国の大統領に使うのは違和感を覚えます。
 日本の政界用語としては完全に定着してしまっていますが、このことすらも私にはずっと不思議です。

 昔の日本の政治家は武士出身だった人が多かったからでしょうか。
 政界用語には、甲冑の匂いがしてくるような表現が他にもありますね。

 例えば、政界用語としての「退陣」の反対語として「出馬」があります。
 「自民党総裁選に出馬を表明した」という使い方ですね。
 この「出馬」も完全に正しい日本語になっているわけですが、時代がかった戦争用語というのは私はずっとなじめないままでいます。


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2018年02月16日

推敲は大事

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 これまで「新聞記事の書き方」と題して、記者がどのような点に気を付けて原稿を書いているのか説明してきました。
 ポイントはまだ他にもありますが、極めて重要なことをお伝えします。

 それは、推敲です。
 文章のチェックをして、さらに練り上げることですね。

 自分が自信を持って書き上げた原稿でも、後から見直すと「どうしてこんな間違いばかりをしているのだろう」と思うことが多々あります。
 昨日紹介した東京新聞の記事だって、書いた記者はそんなに悪いものだとは思っていなかったでしょう。
 チェックした人たちだって違和感がなかったから世間に出てしまっているのです。
 でも、他人が厳しく見れば、問題点を発見できます。

 偉そうに言っている私自身が、このブログでしょっちゅう変な文章を載せています。昨日もそうでした。まさかあんな誤読をしていたとは自分でも思っていませんでした。

 人間だから間違うのは当然です。
 だから、確認作業が大事なのです。

 作文上達について書いている本に「他人の目」で読み直すように促す記述が見られると思います。
 私も現役時代、「初めてこの内容を知る読者の立場に立って書け」と指導されました。
 事情を知らない人にとっては、難しい専門用語や固有名詞には適切に説明する言葉が必要になります。
 また、あまりに一文が長いと読者の理解を妨げます。

 でも、「他人の目」になる目的はそれだけではありません。
 自分自身が「分かったつもり」になっていないかどうかをいましめているのです。
 「分かったつもり」のままでいると、あやふやな記述があったり、あいまいな部分があったりします。
 「他人の目」になれば、いい加減な記述を減らすことができるのです。
 それは昨日指摘した「可能性がある」という表現にも当てはまります。
 善意に考えれば、おそらくあの記事を書いた記者は「可能性がある」を使うときに、頭の中には「経営に悪影響」「朴槿恵前大統領にとって今後の裁判が不利になる影響」があったのでしょう。

 でも、それは「分かったつもり」の自分の頭の中にだけあることであって、実際に読者が目にするのは、自分が書いたものだけです。

 ですから、自分で文章を書くときは、必ず丁寧に読み直して、文章を適切に修正することを心がけてください。
 これまで指摘したような事柄が必ず見つかると思います。
 例えば、重複表現。まずは語尾を確認することから始めましょう。
 漢字の書き間違えはありませんか?パソコンで書いていると変換ミスが出てしまいますね。
 ご自分が好む表現はありませんか?それらは頻繁に文章に出ているかもしれません。
 固有名詞や数字は大丈夫でしょうか?これらのチェックは、記者にとっては記事を一通り書いた後、必ず確認する項目です。
 他にも、主語と述語の対応修飾語と被修飾語の位置も間違えやすいものです。

 推敲はいくらでも続けることができます。「完全原稿を書いた」と思っていても、一日たって改めて見れば、「ここも直せる。あそこにも問題がある」という経験を私は何度もしてきました。

 文章には終わりがないということかもしれません。
 だからこそ、書くことは楽しくもあり、苦しくもありということなのでしょう。


 これから旅に出るので、毎朝の更新ができなくなるかもしれません。
 今年に入って毎日更新作業を続けてきたので、できるだけ心がけますが、ご理解ください。
 もし質問があれば、遠慮なくコメント欄に書き込んでください。コメント欄の書き込みは他の人に見られることはありません。



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2018年02月15日

まれに見る稚拙な記事

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 本日は、新聞に掲載されたまれに見る稚拙な文章で書かれた記事を紹介します。
 悪文の「お手本」と言って良いかもしれません。

 実は昨日取り上げた東京新聞の記事「朴前大統領友人 懲役20年」です。http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201802/CK2018021402000137.html

 昨日は事件などの記事は否応なしに書き出しが長くなる傾向があることを説明するために、この記事を提示しました。正直に言うと、私はこの記事の最初の一文しか読んでいませんでした
 しかし、後からきちんと読んでみると、取り上げたことを後悔するようなひどい文章でした。

 まず指摘したいのは、同じ表現が重複して使われていることです。
 本当は全文を掲載したいのですが、著作権の関係上、問題の部分だけ引用します。

 本文に「言い渡した」が3回出ています。
 「実刑判決を言い渡した」(リード)
 「懲役6年を言い渡した」(2段落目)
 「実刑を言い渡した」(4段落目)

 裁判に関する記事を書くときは、「判決を言い渡した」が繰り返されるのは避けられません。だから、2度ぐらい書くのは仕方がないと思います。
 何度も出てくるようであれば、同じ言い回しを避けるために、「判決を下す」「判決が出た」「(懲役刑が妥当だと)判断した」「(被告は懲役刑の)判決を受けた」などを使えば、重複を避けることができます。

 特に、この記事であれば、2段落目は「言い渡された」と受け身に変えた方が自然です。

 でも、これだけならそれほど私は不快には思いません。
 まだあるのです。
 「可能性がある」が2カ所あります。これは本当にひどい。

 「(ロッテグループ会長への実刑判決は)経営に打撃となる可能性がある」(3段落目)
 「(朴槿恵前韓国大統領の親友である)崔被告に実刑を下したことで、収賄罪などに問われる朴被告の公判にも影響する可能性がある」(最終段落)

 新聞記事で使われる「可能性がある」は記者にとってはとても便利な言葉です。
 将来予想される出来事を書くときに「可能性がある」と書けばほとんどの場合、間違いにはなりません。訂正を回避できる裏技取材しなくても「ありそうなこと」を安易に書ける魔法のような表現です。

 本来なら関係者や識者に取材しないといけません。そして「『実刑判決は経営に大きな打撃となる』(同社幹部)という見方が広がっている」のような書き方をするべきです。
 あるいは、せめて韓国メディアが伝える今後の見通しを書くことはできなかったのでしょうか。
 この記事を書いた記者はさぼっていたとしか言いようがありません。

 いや取材せずとも、日本だってオーナー企業のトップが実刑を受けて不在になれば経営に大きな影響は避けられないと考えるのは当然でしょう。
 まして韓国の財閥です。私の偏見かもしれませんが、日本の企業と比べればほとんど独裁体制でしょう。
 「経営に打撃となる可能性がある」ではなく、「経営に大きな打撃となる」と書けるはずです。
 この記事は、記者が判断するべきことを回避しているように見えます。

 同じ日の日本経済新聞は一面の本記では「経営に影響が及ぶ可能性がある」としていますが、アジアBiz面で「韓国ロッテ会長に実刑 トップ不在、長期戦略に影」という見出しで長文の記事を出しています。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26864560T10C18A2FFE000/

 日経の記事のリードは次の通りです。

 韓国ロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)会長に13日、実刑判決が下った。控訴審の行方はみえないが、日本事業を率いた兄との経営権争いを経て日韓ロッテを掌握した辛東彬被告の不在。経営混乱が続くロッテはまた、新たな試練に直面した

 非常に明快ですね。

 さらに、東京の記事には、動作の並列の「たり」で誤った表現があります。
 これは間違いやすいのですが、新聞に載せてはいけません。
 該当部分は4段落目で、次の通りです。

 起訴状によると、崔被告は朴被告と共謀し、自身が支配する財団にロッテを含む韓国企業から計七百七十四億ウォン(約七十七億円)を拠出させたり、乗馬選手だった娘を支援するため、サムスングループから約束分も含めて四百三十三億ウォンの賄賂などを受け取ったとされた。

 動作の並列の「たり」は「〜したり、〜したり」か「〜したりする」という形にしないと誤りです。
 このままでは、「拠出させたり、乗馬選手だった娘を支援したりするため」なのか、「ロッテなどから拠出させたり、サムスンから賄賂を受け取ったりした」なのかが分かりません。
文脈からいうと、「拠出させたり、賄賂を受け取ったり」なのでしょう。
私も最初にこのブログの記事を書いた段階で、誤読してしまいました。失礼しました。
こういう間違った読み方をしてしまうから、「たり」を正しく使わないといけないのです。

そもそもこの一文は長すぎます。昨日も指摘した通り、長い文章は分かりにくいのです。

 記者だけでなく、この記事に目を通したデスクの力量にも疑問符が付きます。
 いくらソウル支局が忙しいとはいえ、これではいけません。
 皆さんは、この記事を反面教師にしてください。
 ただ、これは東京新聞だけの問題ではありません。
 人間のやることですから、他の新聞でも同じようなミスは起きます
 とんでもない誤報がたまに出ることでも分かりますね。
 プロでも間違うということを肝に銘じて、「新聞に書いているから正しい」という思い込みは捨ててください。
 あらゆることを疑う姿勢が大事です

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2018年02月14日

長い文は分かりにくい

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 本日も、新聞記事の書き方について続けます。
 一文は短く、簡潔に書くべきだということは、多くの人が言っています。私もこのブログで書いてきました。
 しかし、実際に新聞を見ると、必ずしも短い文章ばかりではありません。
 むしろ、何行にも渡る長い文は珍しくありません。
 その典型例が、次のような記事。これは韓国の朴槿恵前大統領をめぐる問題の裁判に関する東京新聞の記事です。クレジットは省略しています。

 韓国の前大統領、朴槿恵(パククネ)被告(66)=公判中=による巨額贈収賄事件に関連し、ソウル中央地裁は十三日、朴被告の友人で、収賄や職権乱用などの罪に問われた崔順実(チェスンシル)被告(61)に懲役二十年(求刑懲役二十五年)の実刑判決を言い渡した。
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201802/CK2018021402000137.html

 この一文は120文字余り(人名の読み方も含めているので、紙面ではもう少し短くなります)。事件、司法関係の記事はこの例のように、どうしても最初の一文が長くなってしまいます
 要素としては、「裁判所が朴前大統領の親友に対して、収賄罪などで懲役20年の判決を下した」ということです。
 しかし、最低限の修飾語を付け加え、固有名詞を正確に書くと、長くなることは避けられません。全紙をチェックしたわけではありませんが、私がざっと見たところ、この裁判に関しては、どの新聞も東京新聞の記事と似たり寄ったりの書き方だと思います。

 では、次の例はいかがでしょうか。産経の「前重慶トップ 収賄起訴」の記事です。

 中国の最高人民検察院(最高検)は13日までに孫政才・前重慶市党委書記(54)をめぐる汚職事件の捜査を終結し、身柄の移送を受けた天津市人民検察院第1分院が孫氏を収賄罪で起訴した。国営新華社通信が同日伝えた。http://www.sankei.com/world/news/180213/wor1802130031-n1.html

 この記事も司法関係なので、最低限の要素を盛り込むと短文で書き表すことは困難です。
 しかし、この文章はもう少し工夫できると思います。
 この記事には、一つの文の中に主語が二つあります。ここが問題です。
 「最高人民検察院(最高検)は」と「天津市人民検察院第1分院が」という、多くの日本人にとってはなじみのない検察機関名が出ています。
 さて、この文で重要な主語はどちらでしょうか。
 「最高検が捜査を終結した」と「天津市の検察組織が収賄罪で起訴した」では、どちらがこの記事の本筋に関わる内容でしょうか。
 明らかですね。見出しがすべてを物語っています。

 他の新聞の記事を見ると、例えば、日本経済新聞と共同通信はそれぞれ次のように書きました。

 中国の最高人民検察院(最高検察庁に相当)は13日、天津市人民検察院第一分院が前重慶市トップの孫政才・前同市共産党委員会書記を収賄罪で起訴したと発表した。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26845630T10C18A2FF2000/

 【北京共同】中国の最高人民検察院(最高検)は13日、天津市の検察当局が重慶市トップだった孫政才・前同市共産党委員会書記を収賄罪でこのほど起訴したと発表した。https://this.kiji.is/335990187991516257?c=39546741839462401

 いずれも「最高検は、天津市の検察が前重慶市トップを起訴したと発表した」という文型ですね。
 「最高検は捜査を終結し、天津市の検察が前重慶市トップを起訴した」という産経型よりも分かりやすいと言えます。
 ただ、厳密に言うと、日経も共同も一文の中に主語と述語が二つずつあります。

 朝日新聞はさらに簡潔に表現しました。

 中国検察当局は13日、孫政才(スンチョンツァイ)前重慶市共産党委員会書記を収賄罪で起訴したと発表した。昨年、党籍剥奪(はくだつ)と公職追放の処分を受けた孫前書記は、刑事事件として裁きを受ける。https://digital.asahi.com/articles/DA3S13358173.html

 朝日の書き方のように、「最高人民検察院」を一切書かないというのは外国の組織名なので許されると個人的には思います。こう書くと分かりやすいのは間違いありません。そして、他社が1文で書いたところを朝日は二つに分けました。非常に分かりやすいですね。私は朝日の書き方を支持します。
 ただ、やはり「最高検」という重みを考えると、事件を正確に記述するためには、この部分を省略するべきではないという判断の方が、業界では大勢だろうと思います。

 このように分かりやすさと正確性は二律背反になることがしばしば起きます。
 おそらく産経の記事が最も正確なのだろうと思います。最高検が捜査をしていたのでしょう。しかし、分かりやすさで言えば、朝日→日経・共同→産経の順になります。

 結局、正確な文章を書くことが目的なのか、自分の意図を伝えることが目的なのか、ということになります。
 卒論を書くときなら正確性が重要でしょうが、入社の志望動機を書くなら分かりやすさが優先でしょう。
 皆さんもご自分で文章を書くときは、ものごとをだらだらと書くのではなく、一つの文の中には主語と述語を一つだけにするように心がけてください。

 でも、私もこのブログで漫然と書いているときがあるような気がしますね。反省します。
 
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