2021年01月28日

朝の日課

出勤するとまず中学の校内を回り、教室の解錠と窓開けを行う。
悪天候で、雨雪が吹っかける時以外は、大抵窓を全開にする。

今の時期、外は氷点下なので、朝の冷たい空気が教室の空気を一変させるのだ。
感染症対策の換気という意味もあるが、それよりも教室の磁場管理である。

私は、担任でも学年主任でもない。
だが、「教室が生徒たちの『学びの場』であり、『生活の場』である限り、環境を整えておきたい」、という気持ちがある。

同僚にも7時40分の打ち合わせ時間ギリギリに出勤する人もいるが、少しでも彼らの手助けになることができれば、それでいい。

夜型生活の人には、朝は辛かろう。幸い、私は朝型だ。
夜型の彼らは、きっと深夜まで仕事をしているのだろうから…。

毎朝教室に入ると、それこそ磁場というか、教室の感じが分かる。
机や黒板の乱れだけではなく、教室の空気というか、その雰囲気を感じることができるのである。

時折、「こりゃ、まずいわ…」という教室の磁場を感じることもあるが、それでも窓を開けると、大方改善する。

以前知り合いの霊能者、に、「運転中、不成仏霊が車に乗り込んできたときは、どうしたらいいですか」、と尋ねたことがあったが、そのときも「窓を開けるといい」、とアドバイスされたことを思い出す。

どうやら空気の流れは、その場所を浄化する効果があるらしい…。

日直の先生で気が利く人は、いつも私が開けていることを知っているので声を掛けてくれることもある。

迷惑そうに思われることもあろうが、私のささやかな奉仕活動の一つとして、出張で学校にいないとき以外は、日課として続けている。

最近、「私は、この職場で役になっているのだろうか」、と思うことが頻繁にある。

私の朝の日課が、ささやかな愛として、流れていくといいな、と思っている…。

2021年01月27日

心乱れる…

大学受験料を支払いたいという生徒がいたので、コンビニに連れて行く。
今や、ネットで出願して、コンビニで支払いができる世の中た。

「丹澤先生、あと一ヶ月で俺、卒業ですよ。」
受験まっただ中のY君が感慨深く言う。

「できたら、もう一年ここにいたいんですけどね…。家で浪人するのはキツいんで…。」
なんだよ、もう浪人覚悟か…、と思ったが、私は何も語らなかった。

Y君が卒業する学校には、もはやあまり未練がない…。

運転席にいた私を発見した中1の学年主任のM先生が、私に手を振る。
満面の笑顔が素敵だった。
まるで天使に見えた。

私は、ぐっと感謝の思いが湧いてきた。
「今まで、大変お世話になりありがとうございました。ご一緒させていただけて、楽しかったです。」
心の中でそうつぶやき、思わず合掌したくなった。
涙も出そうになった。

最近、こんなことが多い。
自分は学校ではあまり役に立たない部類の人間だが、それでもたくさんの人たちにお世話になったことは間違いない。

中3の授業中、「2年間君たちの学年にいたけど、私は君たちに救われたよ。ありがとう。あと一ヶ月半くらいだけど、よろしくね…。」

これ以上話すと泣けてくるので、そこで話をやめた。
確かに、彼らに救われた。
「もうひと頑張りしよう」と思っているときに、私に寄り添ってくれたのは彼らだ。

数学科の教科会で、「来年度新人が来るかも知れません…」と主任が言う。
ふと、「私の代わりかしら…」と思ってしまう。

退職するとは決めていないのだが…、なんとなく周囲がそんな雰囲気になっていく。

そうした状況を引き寄せているのは、ほかならぬ私自身なのだが…。




2021年01月26日

良いことありましたか?

中3H君。いつも私に鋭い質問をする。

「丹澤先生、今日はいいことありましたか?」
夕方の学習会でH君が私に尋ねてきた。

「うーん。」
と、私は一日を振り返る。
「朝は、雨の中の犬の散歩だったしなぁ…。今日は良いことなかったかな…。」

これではいけないと思いつつも、H君にはそう答えた。

以前にも、
「お正月は何をしていたんすか?」
と尋ねてくるものだから、私は少し困ってしまった。

大したことはしていないのである。
…というよりあまり思い出せない。
つまり、あまり生産的なことはしてない、ということだろう。

お正月の私は、少し、ゆっくり明るくなってから起きて、隠れ家に行き、戻って朝食をとり、少し勉強をして、昼寝。昼すぎに再び隠れ家に行き、仕事。その後明るいうちに犬の散歩を済ませ、日没前には戻る。

確か、そんな生活だったと思う。
畑は凍っているし、外は寒くて家仕事はする気にならないので、部屋でストーブを囲いながら、過ごしていただけである。

どこに行くでもない、何をするでもない。

こんな生活ではいけない…。

「今日一日、多くの人のために生きることができただろうか。」
と問われて、「イエス」と答えられなければならないはずだ。

こんな風に齢を重ねるのは嫌である。

何かが残る仕事を心がけなければなるまい…。

生徒に、「もっと真面目に生きてくださいね」と忠告されているようでもあった。

2021年01月25日

傷つき、傷つけ合う

たった一言の言葉が、心に刺さって、なかなか抜けず、いつまでも引きずってしまうことがある。

言葉を、「岩に刻むように聞くか、砂の上に書くように聞くか、川の水の上に書くように聞くか」という三通りの「聞き方」があるそうだが、なかなか川の水の上に書くように聞くことは難しいことだ。

結局、「心に刺さってしまう言葉」は、自分が気にしていることであり、劣等感を感じていることであり、修正しようともなかなか変わっていけない部分であり、触れては欲しくない部分であったりするわけだ。

私たち教師であっても、同僚や友人から言われた言葉で傷つくこともある。
ましてや、生徒たちは、友人のみならず、私たち教師たちの言葉で傷つくことだってある。

人間はこの世で不器用に暮らしている
いろいろな考え方、立場の人がいて、その中で、それこそ芋を洗うようにお互い刺激し合いながら生きている。
お互い傷つけ合って、かばい合って、悲しみや苦しみを感じながら生きている。

間違った言葉を出してしまうことだってあるだろう。
その言葉に傷つくこともあるだろう。

言葉に出してしまって、「しまった」と思うことだってあるだろう。
誤りたくても、謝れない場合もあるだろう。

その言葉に失望して、命を絶ってしまうことだってあるかも知れない。

大切なのは、まずは、「人を傷つける言葉がある」ことを知るべきだろう。

私は、数多くの人を傷つけてきた。
自分も傷ついたと思うことがあるのだから、おそらくその何倍も、何十倍も、他の人を傷つけてしまったと思う。

人には『忘れる』という才能がある。

嫌なことは忘れよう。
間違ったことは、相手に詫びよう。
直接詫びられないのなら、心の中でお詫びしよう。

今まで申し訳ありませんでした…。



2021年01月24日

本格的な雪

天気予報通り、明け方から雪になった。
気温があまり低くないので、積もる速度は遅いが、それでもあっという間に5センチは積もった。

私は雪が好きなので、雪が降るとわくわくする。

今朝は、ちょうどメルカリで雛人形が売れたので、その発送のために営業所まで荷物を持って行った。少し節約して3個の箱に詰めたが、大型なので、セブンイレブンに持ち込んでも集荷の16時まで置いておくのは迷惑だろうとも思ったのだ。

私は雪の中、往復30キロ走った。
雪道は慣れている。
警報が出ていたが、大した雪ではなかった。
それよりも、湿った雪で、重みで木が倒れたりはするかも知れない。

そんな折、学校敷地内の坂道で、新聞配達のバイクが転倒していた。
雪道で滑ったらしい。

私はバイクを立て声を掛ける。
「怪我はないですか?」

年配の新聞配達員は、「怪我はない」と言うと、また校舎へ向かって、雪の坂道を登っていった。

この配達員は以前にもグランド前で転倒したことがある。
そのときは、グランドから流れた砂でタイヤが滑ったようだ。
だが、今回は雪。
こんな雪道でも、バイクで新聞配達するのだろうか。

今朝の犬の散歩のときも、やはりバイクで配達は行われていた。

私は、「こんな天気の日は、学校への新聞配達を控えるか、除雪がされている安全なところに配達してもらいたいな…」、と思う。

年配の男性は、新聞配達をして生計を立てているのだろう。
若い人で、こういう仕事をする人も少ないのかも知れないが、過酷な仕事であることに違いない。

以前、事務長に、「学校の敷地内で大事故が起きたら困りますよね…」、と暗に対策をたてるよう進言したが、軽くあしらわれた。
今回は、校長に訴えようと思う。
その道は、今年度から「除雪をしない」、と宣言されたところであった。

一事業者として、公的な私道はきちんと除雪すべきではないかと思うのだが…。

2021年01月23日

国際宇宙ステーション

野球部の練習中、北の空にISSが見えた。
私はそれをM君に伝えた。

M君は、星好きの一年生である。

「あんなに速いんですね…。」

確か、ISSは秒速7キロ。半端ない速さだ。
それが地球を回っている。
宇宙ゴミがあれば、それを避けるのだろうし、数ミリの塵でも宇宙服は貫通すると言われる。

それが0等や−1等級くらいの明るさで空を動く。

「ISSは日の出前の朝か、日の入り後の夕方しか見えないんだけど、どうしてだか分かる?」

私はM君に質問を投げかける。

「…分かりません。」

人工衛星は太陽の光を反射して光っている。
だから、真夜中には見えない。

「ISSには太陽の光が当たっているんだよ…。」

こんな風に興味を持っている生徒を刺激すると、彼の才能が目覚めるかも知れないのだ。

私もそうやって星に興味を持った。

教師の仕事は、生徒たちを、知的好奇心をくすぐるように刺激し続けること。

そのために精進を怠ってはいけない…。

2021年01月22日

先輩効果

野球部のキャプテンTが、部員たちのモチベーションが上がらず悶々としている。
寒い上に、練習時間も短く、そしてまたコロナ下でいろいろな制約もある中、一生懸命田の部員たちをリードしようとしているのだが、なかなかうまくいかないようだ。

そんな折り、中3のSが、高校野球の練習が休みなので中学の練習に行くと練習に参加した。ほかにも2名いたので、「ふざけてやったら絶対に駄目だよ…」、と念押しをしたのだが、彼らはよく後輩たちの面倒をみてくれた。

先輩風を吹かせることなど全くなく、いろいろなメニューを考え出し、後輩たちを飽きさせなかった。私の一抹の不安は、杞憂に終わった。

「中3の先輩が、いろいろなメニューを考えてくれたので、僕たちにいい刺激になった。工夫次第で、いくらでも練習方法を考えられるのだな、と思った。」

そう、キャプテンのTが日誌に書いていたので、それなりに良かったのだろう。

この時期、夕方5時前には日が沈む。
大容量のLEDライトをつけて、“できる”練習をするのだが、まだまだ工夫が足りなかったようだ。

寒いからと、諦めず、体を動かし続け、春に備えなければならないだろう。

最近、キャプテンのTは、腰が痛いだの、肩が痛いだのと、以前の自信がなくなっている。

試合がなく、モチベーションが下がり気味だが、これはどのチームでも同じだろう。

そんな中、久しぶりに想定ノックをしたら、いつの間にか動きが良くなっていた。
やはり、基礎の積み重ねは大切だ。

上達を感じると、選手たちも楽しくなって、モチベーションが上がっていく…。

中3の3人のうちの一人は、高校野球で一緒に練習している。
そこで鍛えらているのだろう。

まさに「先輩効果」だ。

私は、心の中で「ありがとう」とつぶやく…。

練習後、元気そうに中3生が帰って行った。
受験も頑張れよ。

2021年01月21日

あと出しジャンケン

県下の国立大の2次試験が中止になった。
過日行われた共通テストで判定するという。
つまり昨年までのセンター入試選抜である。

今年から始まった共通テストで、思うように点が伸びなかった生徒は、「受験しても合格の見込みがない」、ということだ。

共通テスト前から分かっていたら、受験生も心の準備ができたのだろうが、終わってからの発表では、まさに「あと出しジャンケン」。

受験生の健康を重視した判断、とのことだが、おそらくは緊急事態宣言下で、誰かが誰かに圧力を掛けたのだろう。

確かに、国立大の受験には、他県からも受験生が集まる。
その際、宿泊も伴うこともあろう。

「うちの県には、他県からは来ないでください。」
と叫び続けている知事あたりが、いちばん怪しい…。

首都圏ではこうしたことは行われないだろうから、まさに地方都市の悲劇と言える。

コロナ下の中、「これは本当に必要なのか?」、というものがあぶり出させてきたように思う。

共通テストだって、本来各大学で選抜するのならば、必要なかろう。
ただ、大学の入試問題自体を、予備校に丸投げするような状況下ならば、もはや大学入試だって、その姿を改めるべきではあるまいか…。

入り口を狭くして、出口を広くした日本の大学のシステムをこのまま続けて良いのかどうか。誰もが大学に行くことが良いことなのか。

いろいろと問題提起されるはずだ。

コロナに振り回され、恐怖心に打ちひしがれた大人たちに振り回され、今年の受験生はまさに試練の年になった。

果敢な年頃の生徒たちには、大きな変化や強いプレッシャーを与えすぎない方がいい。

精神的にダメージを受ける方が、肉体的なダメージより大きいのだ。




2021年01月20日

寒波に思う

少し前に4月中旬並みの暖かさになり、1月というのに雨が降った。
このところ暖冬続きだったので、あまり珍しくはないが、この冬は寒かったこともあり、暖かい雨には少しびっくりした。

そして、今朝は雪になった。
深夜から気温が徐々に上がり0℃近くなったのだが、あっという間にあたりは白くなった。
幸い風が弱かったので、犬の散歩には困らなかったが、前が見えないほど激しく降った。

まさに厳寒期。

そしてまた一日中氷点下の日がやってくる。

そんな中、庭の梅が一輪咲いた。

植物たちは季節を忘れない…。

「先生、寒いです…。」
そりゃそうだ。最低気温が−10℃にもなる日もあり、その上、晴れていたって氷点下、山から雪を降らせた寒風が吹き荒れる日だってある。
そんな生徒たちの訴えに、私は決まってこう答える。
「だって冬だもの。」

冬は冬らしく、夏は夏らしく…。

昨今は、そんな季節の変化が狂ってきた。
そうなると、季節を頼りにしている植物たちには厳しくなる。
昨年の夏も7月いっぱい雨続きで、特産の梨がほとんど駄目になったのだ。

これで停電になったら大変だな…。

私の学校は、東日本大震災後停電になった。
その後も、計画停電で、一日に何時間か、電気が切れた。
あのときは、ちょうど春休みにかかったが、これが平常時だと大変苦しくなる。
私の学校では、電気が止まると、すべてのライフラインがストップするのだ。

この冬は、全国的に寒さが厳しく、電力需要が高まり電気供給が逼迫しているという。
電化製品も増えたことも原因だろう。
最近のエアコンは、あっという間に部屋を暖めてくれるらしい
もちろん、以前よりはずっと省エネなのだろうが、そうしたものが普及すれば、全体として電気をたくさん使うことになるのだろう。

脱炭素社会などと言っているが、このことを勧めると、日本は電力統制社会になりかねない。

原子力を止め、化石燃料の発電を止めて、本当に電力供給ができると思っているのだろうか。

世界一燃費の良いガソリン車を廃止しようと、日本は自滅への道を歩み続けるのだろうか。

先日、NHKで地球温暖化を警告する特集番組が放送されていた。
その裏で、大寒波による豪雪で雪に苦しむ人たちのニュースが流れている…。

自然は、人類の浅知恵でコントロールできるようなものではない。




2021年01月19日

中学入試を終えて

中学入試が終わった。この後、書類の発送、入学説明会などが新年度までに続くが、三学期の大きな山の一つを乗り越えた感じだ。2月には高校入試も行われる。

いずれにせよ入試は、学校にとって受験生の人生がかかった大きな行事である。

毎年この入学試験をめぐって様々なドラマがある。
私はここ何年も受験生の前に出ることはないが、多くの先生方は直接子供たちと接し、そのドラマを共有し、追体験することになる。

地元の公立中学に行けば、学費はかからないが、私立中学校は学費がただではない。
それでもなお、「入学したい」、「入学させたい」と思うには、学校に魅力があり、公立校にない付加価値を見いだしているからだ。

そして、その付加価値のために、金銭的な負担は膨大になる。

先日、地元のスポーツ店の担当者と話をしてたとき、その方のご子息が来年大学を卒業されるとのことで、「いよいよ学資ローンの返済が始まるんです」、と話をされていた。

誰もローン審査が通るわけではないし、中学からローンを組んでしまうと、その先がさらに苦しくなる。
学校独自の奨学金制度もあるが、いずれにせよお金がかかることは変わらない。

そんな子供たちは私たちはお預かりし
て、教育活動を行っている。

父親の反対、母親の反対、祖父母の反対を乗り越えてなお、受験に臨み、合格して、金銭面の障害をクリアしてなお、入学してくるのである。

我々教師たちは、つねにそうした思いで生徒や保護者と関わらねばならないのである。

教育は、未来に羽ばたく人材のための投資である。

それを成し遂げるのは、親の献身的な愛情と、本人のたゆまぬ努力であろう。

そんな思いを、我々もそして、在校生である生徒たちにも思い出してもらいたい季節である。




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