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2020年03月04日

学力低下

ある中3の保護者から校長宛に手紙が来た。
校長はその一部を紹介した。
言葉遣い丁寧に書かれたその手紙であったが、そこには、「三年間学校にお預けしたが、成績が上がるどころか、どんどん落ちている。今や娘は落ちこぼれ状態だ。これは、学校のシステムに何か問題があるのではないか」、というものであった。
R子の母親からの手紙である。

彼女を中1、中2と二年間担任したのは、私だ。
私は、「ただただ、申し訳ない」、という気持ちでいっぱいになった。

R子は自分の好きなことしかしない生徒であった。
中一の頃から、時間を忘れて、夜中まで好きな絵を描いていた。
そのため、遅刻の常習であり、授業中もよく寝ていた。

原則、好きなことしかしないので、当然学校の勉強をすることもなく、試験前でも好きなことをし、結局成績は不振になる。
多くの先生からも、「宿題をだしていない」、と追いかけられるも、逃げ続け、あわよくば、未提出のまま済まそうとする。

中2の時は、音楽家の父親の作曲した曲を歌い、賞も取ったが、歌うことも彼女にとっては好きなことの一つ。そういう芸術的なセンスはあるのだろう。

一方で、だらしない生活をしているR子には、母親も手を焼いていたようで、もう、どうにもならなくなったのか、学校に手紙が届いた、という訳だ。

成績の悪さを本人が気にしていないようで、実は気にしているのだが、その思いを行動に変えることができずに、この三年間を過ごしてしまった。

私には何もできなかった。
それどころか、私は、
「芸術面で、なにか特技を生かせる仕事に就ければいいんじゃないかな…。」
などと、責任逃れの言い訳をしているのだ。

父親を含めての三者面談時に、教室に現れなかったので、学校中を探し回ったら、面談を忘れて五班を食べていたR子。

彼女も、この春高校生になる。

「中学時代の勉強も分からないまま、このまま高校生になっていいのでしょうか。」
母親の手紙は、そんな風に訴えた。

学校中の皆が、R子のことを知っている。

もしかしたら、見えないふりをしているのは、母親だけなのかも知れない。
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