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2020年01月11日

ほめ殺し

「丹澤先生、書き初め会の写真撮影お願いします。」
「分かりました。校長面談が終わったら、体育館に行って撮影します。」

そこまでは良かった。
M先生の言葉が止まらない。

「丹澤先生の撮った生徒の写真はいいですよね。本当に上手に撮られますよね。全体の写真もアップも写真もとってもいいです。学年通信で写真を入れるとき、こんな角度の写真があったらいいなって思うと、ちゃんとそういう写真があるんです。ほんと、使うことを考えて撮ってくれていて、さすがですよね。センスいいですよね。上手い。本当に写真を撮るのが上手い。合唱だって、体育祭だって、遠足だって、ベストショットをちゃんと撮ってくれる。丹澤先生、すごいです。」

こんな風にまくしたてられても、私ができることはほとんどない。
ただただ、シャッターを押すだけである。
写真だって、大して上手くはないし、よく見える写真は、生徒が光り輝いているだけだ。

失敗だってたくさんある。
そのために、でいるだけ連写でとっているわけで、5枚とって1枚避ければ万々歳。
私の見立てによると、たいていは100枚くらい撮って、ベストショットが数枚。

以前、学校の風景を使ってカレンダーを作ろうと、写真を整理したことがある。
私は人物だけではなく、自然の写真も撮るのだが、写真を四、五年分くらいためこんでいても、月ごとのカレンダーとして使える写真は、ごくわずかなのだ。

書き初めの写真はたしかに撮った。
一人ひとりの写真だって、最後の集合写真だって、大したことはない。
いや、モデルはいいのだ。
私の技量がだめなのだ。
中級レベルの一眼レフカメラであっても、腕がなければ、良い写真は撮れない。
腕もそうだが、光の加減とか、その方向とか、上手に撮るためのファクターはたくさんある。

「すいません。言われるほどいい写真が撮れませんでした。」
と、心の中で詫びながらも、撮った写真を共有フォルダーに移す。

「こりゃ、加工しなきゃ使えないな…。」
と、ことのほか上手く撮れなかった集合写真を見て、ため息をつく。

「ほめ殺し」は、人を駄目にするという意味があるそうだが、事実私は翻弄され、心が乱れ、平常心から遠のいた。

M先生、もう勘弁して下さい。
まだまだ精進の足りない私は、少し後ろ向きになる…。








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