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2019年07月24日

噛みつき犬

「これだけのことを、こいつらにしてあげたいんですよ…。」
犬舎のご主人は、誇らしげにそう語った。

毎朝、二時か三時から犬の世話が始まる。
以前から、メールの返信が、真夜中の二時から二時半頃だったので、「こんな時間まで起きているのか」、と思ったが、実は活動を始める時間だったのだ。

犬舎が二カ所。
原っぱの犬舎の周りは、人家もなく、格好の散歩コースだ。
一回の散歩が約15分。三匹ずつ放ち、主人の決めたコースを自由に遊びながら運動させる。
これを4セット。そして、もう一度、二度目の散歩をさせて、餌やり、犬舎の掃除、などなど…。
だいたい三時間弱かかると言う。

もちろん餌も手作り。
私もそれにできるだけ従っているが、餌作りだって結構な時間を要する。

犬舎に白いオスの柴犬がいた。
犬舎で生まれ、仔犬のうちに引き取られたが、飼い主の家族、全員が噛まれてしまうので、預けられたいわく付きの柴犬である。

「もう六年なんだよ。飼い主は引き取りに来ないんだ…。大変なんだよこいつは…。」
と言って、私に
「離れて。噛まれるから…。」
と、注意した。

「噛まないように躾けてくれと言われたんだけど、一年を過ぎてしまうと、直せないんだ。私は主人だと思っているから私を噛むことはないが、家に帰れば、結局全員を噛んでしまう。みんな救急車で運ばれたんだ…。」
そう語るご主人は、少し寂しげに見えた。

この犬だけはさすがに話すことができず、足かせならぬ、大きな塩ビパイプを引き釣りながらの散歩になる。自由に歩けとは言え、草むらをパイプを引き釣りながらなので、犬にとってもかなりの負担だろう。だが、こうしておかないと、近くの住宅まで行ってしまい、人を噛んでしまうのだそうだ。

しつけが失敗した、悲しい犬である。
「あの家族は、犬が主人で、家族が部下なんだ。犬がトップだと思っているんだよ。ここじゃぁ、オス犬の中で最下位の序列だがけどね。」

生徒指導での失敗は許されない。
一時期失敗したとしても、いつかは善導しなくてはいけない。
「卒業して、ほっとした」、ではダメだ。

人間でも、幼少期に複雑な環境で育ち、道を外してしまう若者もいる。
「犬でも同じなのだな…」、と妙に納得してしまった。

私も頑張らねば…。

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