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2018年11月26日

クラスの歌を聴いて

「先生、今日やりますよ。」
合唱コンクールの運営メンバーであるパートリーダーが、終わりの会の前に私に言う。要は、「今日の終わりの会では、合唱練習しますよ」という意味だ。

合唱コンクールは12月中旬にあるのだが、特に男子のやる気がないので、私はどちらかと言えば、ほったらかし状態。「今週末にあるリハーサルで、大いに恥をかけ」、と強硬手段一歩手前。

そんな折、初めて自由曲を混声状態で聴いた。
一番だけを何度も何度も歌っていたが、「なかなかいいではないか…」。

私の予想に反して、結構な仕上がりだ。
油断をすると、涙が出てきそうな感じ…。

「音楽の先生、やる気のない奴らの指導をありがとう!」
と、思わず叫びたくなるようだった。

歌い終わったあと、
「もうちょっと強弱をつけられるんじゃないのか。」
と、アドバイス。
「私の思っていたより2倍上手かった。だから、次の段階に行けるんだよ。」
と話し、終わりの会を終えた。

お隣のクラスは、積極的に音楽室でピアノの伴奏を合わせて練習しているし、優勝候補の中3たちも、気合いが入っている。中1だって、毎日歌声が聞こえてくる。
そんな中で、指導力不足の私のクラス、「もうどうにでもなれ!」、と今年は半ばあきらめかけていたのだが、今日、彼らの歌を聴いて、「ちゃんと生徒を信じなくっちゃいけないよ」、と教育の神様に諭されたような気がした。

「男子のパートリーダー、結構リーダーシップを発揮してくれたんだな。」
と、嬉しくなった。

最近、自分のクラスの生徒も学年も、『かわいくない』という思いが、しばしば出てきていた。
「自分の指導が全然駄目なんじゃないかな。」
と、落ち込み気味だっただけに、今日の歌は希望の光だ。

「何だ、成長してるじゃないか…。」
かすかな希望が見えた。

パートリーダーの一人に、
「明日から試験前だけど、毎日歌えよ。」
と、言ったら、
「もちろん歌いますよ。」
と返ってきた。

俄然、応援したくなった。








生徒を信じ切る

全校集会が行われた。

私の学校では中高一緒に集会が行われる。
月に一回、生徒会が中心になっていろいろな企画が組まれるのだが、今日は、後期の委員会の理念発表が行われた。
各委員会の委員長は高校生、さすがにどの理念も立派であった。先日の委員会で、決められたものである。

中には、
「妖精と話そう。」
などというユニークなものもあり、集会を沸かせた。
これは別にふざけた理念ではない。
翻訳すれば、
「花には妖精がいるので、その息吹を感じられるような、優しい心になろう。」
ということだ。
花にはいろいろな個性がある。あの小さな種から、信じられないようなエネルギーで成長し、美しい花を咲かせる。その花は、見る人の心を穏やかにする。美しい花を見て、怒り出す人はいないだろう。つまり、花はその姿そのもので、人に『愛』を与えているのだ。その存在を『妖精』と言ってもいい。
だから、花を育てる委員会の委員長のM君が、「その『愛』を感じられる心になろう」、と述べたのだ。

発表を聞いて、普段はなかなか規律に厳しいM君だが、表面的な厳しさと対照的な、心の優しさを持っているということが分かった、
確かに私が中学で担任をしていたときは、優しい生徒だった。

『理念』ということでもあるが、どの委員会も、活動指針のための心の状態まで言及しているのが、私の学校の特徴でもある。

もう一点感心したのが、中学の生徒会長が全校生徒に訴えたあと、
「高校生の皆さん、中学生の僕の話を聞いて下さってありがとうございます。」
と、締めたことだ。

壇上に立つと、ついつい強気になって、分不相応な話をしがちなのだが、彼は最後に感謝の言葉を言って話を終えた。
生徒会長になって半年、ずいぶん成長したのものだ。

現在の中学の生徒会長と副会長は、選挙当選時には、
「あいつらが生徒会になったら、学校がおわっちまうんじゃないか…。」
などと、揶揄されたのだが、二人とも生まれ変わったように変わりよくやっている。

教育はこれだから面白い。

今日の私の中学三年の授業のとき、生徒会長を讃えた。
合わせて、副会長に尋ねていた。
「君たちの学年の中1からの担任の先生、誰だっけ?」

聞いて改めて分かったことは、過去二年間で、この中3学年は、「二人の先生を退職に追い込んだ」ということだ。
もしかしたら、この成長は、辞めて行かれた先生方の「おかげ」かも知れない。

「あのときは、ものすごい破壊力だったね…。」
と、今や思い出話になるくらい、彼らは成長している。

生徒の成長を信じ切ることが、何よりも大切なのだと、改めて感じた。









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