新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2018年11月05日
子供たちの『つながり』
中3がオーストラリアの海外語学研修から帰ってきたので、どんな生活だったのかを、授業中に一人一人発表させてみた。
私は、情報収集とお互いの共通のため、帰国後最初の授業は、いつもこの発表会をしている。
その中で、一番気になったのが、現地でお互いが『つながっている』ということだった。
いつの頃からか、「写真撮影をするため」という大義名分で、生徒のスマフォの持参が許可されるようになり、彼らは現地でも使いまくる。
ホストファミリーにお世話になるやいなや、まず、「WiFiを貸してくれ」、と頼むのだそうだ。
Wifiさえあれば、海外でもネットにつなげられる。それよりも、お互いメールだの、Lineだので会話することができるわけだ。
ホームステイは2人ずつ、ホストファミリーに入るが、「言葉が通じず、意思の疎通ができない恐怖」から、少しで解放されるために、お互い連絡と取り合う。
本来は、「そうした不安を乗り越えて、何とか現地の人と交流し、コミュニケーションを取る」、べきだろうが、普段から『つながっている』彼らは、つながりが切れると、生きていくことすら辛くなるのかも知れない。
恐ろしい世の中になった。
「3日目にして、やっとお父さんからWiFiの許可が出て、友達と話すことができました。」
と、嬉しそうに発表する彼らに、何となく違和感を感じ、
「それでいいのか…」
と、年寄りの苦言を言いたくなったのだが、そこはぐっと抑えた。
お互い励まし合い、「うちのファミリーはね…」、などと話に興じ、「明日も頑張ろう…」、と会話しているのだろう。もしかしたら、自分の親にも連絡を取っているのかも知れない。
しかし、これでは英語漬けにはならない。
現代は、そういう世の中だのだろう。
わざわざ、自分自身を隔離された空間に置くとことに、意味を見いださないのだろう。
時代はいつしか、深い人間関係の『つながり』から、ネットでの『つながり』へと変わっている。
この『つながり』で、face to faceの本当の「つながり」が得られるのかは、私には分からない。
ただ、そういう『つながり』の中に子供たちが生きていることだけは、理解しておかなければならないだろう。
私は、情報収集とお互いの共通のため、帰国後最初の授業は、いつもこの発表会をしている。
その中で、一番気になったのが、現地でお互いが『つながっている』ということだった。
いつの頃からか、「写真撮影をするため」という大義名分で、生徒のスマフォの持参が許可されるようになり、彼らは現地でも使いまくる。
ホストファミリーにお世話になるやいなや、まず、「WiFiを貸してくれ」、と頼むのだそうだ。
Wifiさえあれば、海外でもネットにつなげられる。それよりも、お互いメールだの、Lineだので会話することができるわけだ。
ホームステイは2人ずつ、ホストファミリーに入るが、「言葉が通じず、意思の疎通ができない恐怖」から、少しで解放されるために、お互い連絡と取り合う。
本来は、「そうした不安を乗り越えて、何とか現地の人と交流し、コミュニケーションを取る」、べきだろうが、普段から『つながっている』彼らは、つながりが切れると、生きていくことすら辛くなるのかも知れない。
恐ろしい世の中になった。
「3日目にして、やっとお父さんからWiFiの許可が出て、友達と話すことができました。」
と、嬉しそうに発表する彼らに、何となく違和感を感じ、
「それでいいのか…」
と、年寄りの苦言を言いたくなったのだが、そこはぐっと抑えた。
お互い励まし合い、「うちのファミリーはね…」、などと話に興じ、「明日も頑張ろう…」、と会話しているのだろう。もしかしたら、自分の親にも連絡を取っているのかも知れない。
しかし、これでは英語漬けにはならない。
現代は、そういう世の中だのだろう。
わざわざ、自分自身を隔離された空間に置くとことに、意味を見いださないのだろう。
時代はいつしか、深い人間関係の『つながり』から、ネットでの『つながり』へと変わっている。
この『つながり』で、face to faceの本当の「つながり」が得られるのかは、私には分からない。
ただ、そういう『つながり』の中に子供たちが生きていることだけは、理解しておかなければならないだろう。
父親からの逃避行
「先生、僕んち防犯カメラが4台あるんですよ。」
DVで親が離婚した生徒の自宅の話である。
昨年何回か面談したときは、とても仲が悪そうではなかったのだが、周到な計画のもと、母親が子供たちを連れて出て行った。その後、父親からは行方をくらまし、現在離婚調停中であるという。
「父親が文化祭の時、学校に来るかも知れませんので、息子に合わせないで下さい。」
などと、文化祭前に相談された。それは、さすがにできないので、お断り申し上げたが、父親からの問い合わせで、住所を尋ねられても答えられないことにはなっている。
生徒の方は、中1のときは、多少暴力的であったが、今はすっかり落ち着いた。
幼少期から、父親から暴力を振るわれて育ったようで、心の奥には、深い傷を負っているだろう。
普段は気丈に振る舞っているので、なかなか周りからは分からないが、一定のキャパシティを越えると、爆発する。
「生活のめどがついたので、家を出ることにしました。」
そう、私あてに連絡があったときは、さすがに驚いた。
子供三人(小5、中2,高3)を、母親一人で育て上げるのは、並大抵ではない。
学校通わせる費用も、かなりの高額だ。私立学校にも通わせているので、金策にはかなり苦労しているに違いない。
以前、
「僕んち、お仕置き部屋があるんです。」
と、聞いたことがある。小さいときは、悪さをすると、お仕置き部屋に閉じ込められたという。
電気のつかない、真っ暗な部屋で、反省をさせられたそうだ。
「でも、途中から電気のつけ方、わかっちゃったんですけどね…。」
と、にこり。
そのときは、父親は、面白い教育方針だな、と思って聞いていたが、今から思うと、暴力の延長にあったのだろうと思う。
「お母さんは、監視カメラ、もう一台つけるって言うんです。まったく、どんだけつければ気が済むんだよ。」
本人は、あまり父親に対して恨み心のようなものを持ってはいないようだが、母親には、積もり積もった不満と我慢が、すべて吹き出している状態だ。
思いやりのある優しい生徒で、私にも時々お茶を点ててくれるし、祭りにも参加した。
だが、父親からの逃避行は、まだ続いているようだ。
DVで親が離婚した生徒の自宅の話である。
昨年何回か面談したときは、とても仲が悪そうではなかったのだが、周到な計画のもと、母親が子供たちを連れて出て行った。その後、父親からは行方をくらまし、現在離婚調停中であるという。
「父親が文化祭の時、学校に来るかも知れませんので、息子に合わせないで下さい。」
などと、文化祭前に相談された。それは、さすがにできないので、お断り申し上げたが、父親からの問い合わせで、住所を尋ねられても答えられないことにはなっている。
生徒の方は、中1のときは、多少暴力的であったが、今はすっかり落ち着いた。
幼少期から、父親から暴力を振るわれて育ったようで、心の奥には、深い傷を負っているだろう。
普段は気丈に振る舞っているので、なかなか周りからは分からないが、一定のキャパシティを越えると、爆発する。
「生活のめどがついたので、家を出ることにしました。」
そう、私あてに連絡があったときは、さすがに驚いた。
子供三人(小5、中2,高3)を、母親一人で育て上げるのは、並大抵ではない。
学校通わせる費用も、かなりの高額だ。私立学校にも通わせているので、金策にはかなり苦労しているに違いない。
以前、
「僕んち、お仕置き部屋があるんです。」
と、聞いたことがある。小さいときは、悪さをすると、お仕置き部屋に閉じ込められたという。
電気のつかない、真っ暗な部屋で、反省をさせられたそうだ。
「でも、途中から電気のつけ方、わかっちゃったんですけどね…。」
と、にこり。
そのときは、父親は、面白い教育方針だな、と思って聞いていたが、今から思うと、暴力の延長にあったのだろうと思う。
「お母さんは、監視カメラ、もう一台つけるって言うんです。まったく、どんだけつければ気が済むんだよ。」
本人は、あまり父親に対して恨み心のようなものを持ってはいないようだが、母親には、積もり積もった不満と我慢が、すべて吹き出している状態だ。
思いやりのある優しい生徒で、私にも時々お茶を点ててくれるし、祭りにも参加した。
だが、父親からの逃避行は、まだ続いているようだ。