2018年10月17日

会津遠足に向けて

今年の遠足は、『会津』方面に決めた。

会津は歴史の町。幕末に新政府軍と戦い、白虎隊の悲劇を生んだ町である。

江戸時代の初代藩主は保科正之。秀忠の子でありながら、落胤のために、不遇の少青年期を過ごす。のちに、兄、徳川家光から大名に取り立てられ、会津藩を得る。このときに、定めたのが、『会津家訓十五条』。この第一条、徳川家への忠誠を誓うというもの。しかし、彼の残した家訓によって、最後の藩主である松平容保は、時の将軍徳川慶喜から京都守護職を引き受けるざる得ないことになる。そのため、薩長と対立。のちの会津戦争へとつながり、会津藩は降伏へと進むのだ。

会津藩の武士の生き方、会津の教育システム、歴史の歯車の掛け違いによる悲劇などは、中学生にも十分参考になるだろう。

遠足といっても、若干、社会科見学に近くなってしまうが、最近は、いわゆる「お楽しみ」だけでは、遠足として許可されないので、見学体験型の校外学習となる。

以前は、飯盛山で、白虎隊が猪苗代から逃れるときに通った洞門や、自刃の地も見学したが、毎回、学年で数人、具合が悪くなるので、今回はコースから外した。

最期の家老、西郷頼母の居宅を移設した『会津武家屋敷』、会津人々の象徴でもある再建された『鶴ヶ城』、会津藩校『日新館』を見学する。

「会津好きですね…。」
遠足のコースを決めたとき、教頭からそう声を掛けられた。
確かに私が学年主任の中2では、毎回、遠足は会津に出掛けている。
もちろん、新しい遠足のコースを開拓すべく、長期休みなどに自分で足を伸ばしているが、まだ完全にプランができていないのだ。

私の学校では、中学2年の総合学習のテーマが『日本を知る』ということなので、会津をきっかけにして、江戸時代や明治維新の頃の日本を知ることができれば、「よし」、というところだろう。
また、会津で、クールジャパンも発見して欲しい。

今日、来週に迫った遠足に向けて、学年指導を行った。

「以前、先輩たちが会津に出掛けたときに、地元の人から『どこの小学生?』と言われました。制服では出掛けませんが、今年は、『小学生』とは言われないように、中学生としての立ち居振る舞いをしてください。」
と結んだ。

どこに行こうとも、行事を充実した楽しいものにするのも、教員の大切な役割。
「遠足は面白かったよ。」
と、言わせてやろうじゃないか…。

謝った方がいいですか?

自習時の出来事。新人のN先生が監督をする。
すると、勉強に集中せずにスティックのりで遊んでいる生徒がいた。だから、それを注意した。
紙を切り刻んで、工作をしている生徒もいた。だから、それも注意した。
マンガを読んでいる生徒もいたので、それも注意した。
寝ている生徒もいたので、彼らを起こし、注意した。
個別に注意した生徒は全部で6名。彼らを叱った。
すると、
「先生、女子だって寝ている人がいるのに、どうして僕たちばかり注意するんですか。」
と言われ、なるほど自分にも非があったと思ったN先生は、そこで困ってしまって、それ以上何も言えなくなった。困った挙げ句、今日の朝一番に私に相談に来た。
「全員に謝った方がいいですか?」
と尋ねてきた。本気か?

私はそのクラスに赴いて話す。
昨日の一連の流れを、学級委員から聞き出し、皆の前で発表させ、ことの次第を確認した。
すべてが明らかになったときに、ぽつりと語った。

「何かおかしくないか?」

「自分たちのことを棚に上げて、若い先生だからと甘えていないか?」

「貴重な学習時間を無駄にするばかりか、勉強の磁場を壊していないか?」

クラスはシーンとなった。
「しまった…。」
という思いが伝わってくる。

反省の思いが伝わってきたので、これ以上は責めなかった。

失敗は反省して、次に繰り返さなければいい。

「私が代わりに謝りましょうか?」
私は、畳みかけた。

「来週もあるんですけど…。」
と、N先生が不安そうなので、私はN先生にも指導をした。
生徒は無礼極まりないが、N先生の対応もまずい。

クラスにN先生のファンがいれば、こうしたムードにはならない。

たとえ生徒が先生を試したとしても、毅然とした態度をとる中に、「この先生は、これ以上は許されない。」という思いが働く。

生徒からの反応に、心が動じてしまえば、「わがままを言っても聞いてもらえる」と、ますます増長する。

私はアドバイスを続ける。
「切り返しの力も大切だよ。何を言われても動じない力もいる。」

「失敗してもいいから、自分が思うように、やってごらん。」

「これを乗り越えられるかどうかで、この先の教員人生は変わるよ。」

誠実に、そして真剣に生徒と関わっていけば、必ずうまくいく。生徒との関係も築いてゆける。

「前に立っていれば、先生として認められ、生徒が黙って話を聞いてくれる…。」
今はそうした時代ではない。

学校現場は、そんなに甘い世界じゃない。
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