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2018年09月25日
中秋の名月
「昨晩は『中秋の名月』だったんだけど、月を見た人どのくらいいる?」
クラスで生徒たちに尋ねてみると、手を上げた人はちらほら。ほんの数人だった。
もしかしたら、彼らは『中秋の名月』の存在すら知らないのかも知れない。
現代、月見団子を作るなどの月見の飾りをする家庭はほとんどないだろう。
たいていは、テレビのニュースで、「今日は中秋の名月です。一年でもっともきれいな月が見られる日とされています。」というアナウンサーの言葉を聞いて、「そうか、今日がその日なのか。」と思うくらいだろう。
満月は年に12回から13回起こるわけで、別に満月が珍しい訳ではない。
かつては芋煮の習慣があったというが、その名残りは、この時期、各所で行われる芋煮会だろうか。
秋の収穫の時期でもあり、収穫への感謝を捧げる時と考えることもできる。
しかし実際、この時期の月は、やはりキレイなのだ。
夏は、月の南中高度が高い。彼岸の今でも、それは続いている。
空気の澄んだ秋空高く月が出ていると、より明るく感じることなる。
夏場の湿度の高い空気越しの月よりも、煌々と輝くこの時期の月は、とても美しく見えるものだ。
以前、満月があまりに明るいので、本が読めるか実験したことがあるが、確かに大きい字なら読める。
田舎の月は、それほどまでに明るく感じるのだ。
私も昨晩は、月を意識していたが、残念ながら時折雲間から顔を出す姿しか見られなかった。夜中に目が覚めたとき、西の空に、薄雲を通して、うすらぼんやりとした月も見えた。ちょっと納得のいかない月見だった。
この先、来月の『栗名月』、再来月の『三の月』が訪れるが、天気が安定しているこの時期の月に期待しよう。
「先生、すごく月がキレイでした。」
月を見ることができた女子生徒が興奮する。
「やばかったです…。」
日本人は、自然を愛でる心を持っている。それは、現代の世の中であっても同じだ。もし、このことが消えゆくようであるならば、この文化は、教育を通して何としても守っていかなければならないと思う。
どんなに科学技術が進んでも、自然の雄大さを忘れてはならない。人知を超えた存在がそこにはある。
「私、中秋の名月はテレビで見ました。」
同僚の若い先生が得意げに語った。
クラスで生徒たちに尋ねてみると、手を上げた人はちらほら。ほんの数人だった。
もしかしたら、彼らは『中秋の名月』の存在すら知らないのかも知れない。
現代、月見団子を作るなどの月見の飾りをする家庭はほとんどないだろう。
たいていは、テレビのニュースで、「今日は中秋の名月です。一年でもっともきれいな月が見られる日とされています。」というアナウンサーの言葉を聞いて、「そうか、今日がその日なのか。」と思うくらいだろう。
満月は年に12回から13回起こるわけで、別に満月が珍しい訳ではない。
かつては芋煮の習慣があったというが、その名残りは、この時期、各所で行われる芋煮会だろうか。
秋の収穫の時期でもあり、収穫への感謝を捧げる時と考えることもできる。
しかし実際、この時期の月は、やはりキレイなのだ。
夏は、月の南中高度が高い。彼岸の今でも、それは続いている。
空気の澄んだ秋空高く月が出ていると、より明るく感じることなる。
夏場の湿度の高い空気越しの月よりも、煌々と輝くこの時期の月は、とても美しく見えるものだ。
以前、満月があまりに明るいので、本が読めるか実験したことがあるが、確かに大きい字なら読める。
田舎の月は、それほどまでに明るく感じるのだ。
私も昨晩は、月を意識していたが、残念ながら時折雲間から顔を出す姿しか見られなかった。夜中に目が覚めたとき、西の空に、薄雲を通して、うすらぼんやりとした月も見えた。ちょっと納得のいかない月見だった。
この先、来月の『栗名月』、再来月の『三の月』が訪れるが、天気が安定しているこの時期の月に期待しよう。
「先生、すごく月がキレイでした。」
月を見ることができた女子生徒が興奮する。
「やばかったです…。」
日本人は、自然を愛でる心を持っている。それは、現代の世の中であっても同じだ。もし、このことが消えゆくようであるならば、この文化は、教育を通して何としても守っていかなければならないと思う。
どんなに科学技術が進んでも、自然の雄大さを忘れてはならない。人知を超えた存在がそこにはある。
「私、中秋の名月はテレビで見ました。」
同僚の若い先生が得意げに語った。
新人戦前のごたごた
「先生、○○が剣道部を辞めるって言うんですよ。」
○○とは、私の担任している生徒で、剣道部の部長である。
今週末に迫っている新人戦まで、あと数日だ。よく部活を休んでいたことは知っていたが、まさか退部を考えていたとは知らなかった。明朝は新人戦の壮行会だ。
「大会も、団体戦は出るけど、個人戦は出ないって言うんだよ。」
剣道の団体戦は5人で出場する。聞けば彼は中堅だそうで…。
しかし、それよりさらに問題なのが、もう一人の生徒であった。
「△△は、試合すら出ないって、昨日も説得したけど、練習に来なかったんだ。」
△△も、私の担任している生徒である。同じように部活を休んでいたのは知っていたが、大会直前の行動としては情けない。△△は団体戦の大将だ。
さっそく、一人ひとりを個別に呼び出し、話を聞いてみる。
どちらも、辞めるという意思は固いようだ。人間関係云々という訳ではないようだが…。
総体を終えて、すでに中3は引退している。
○○には、
「最後くらい、部長としての責任を果たさなきゃいけないよ。」
と、優しく諭した。明日の壮行会でも部長として話をする、と言う。
△△には、
「辞めるにしても、きちんと顧問の先生に礼を尽くしてからでないといけない。五人しかいない剣道部なんだから…。」
と、諭した。
二人とも、中学に入ってから剣道を始めた生徒で、一級を取っている。
「つらいことから逃げるような感じで、剣道部を辞めてしまうのは、なんか嫌だな…。」
「つらいわけではないんですけど…。」
○○はそう、つぶやいた。
その後、
「先生、△△が試合には出る、って言ってくれたんですよ。大丈夫だよなって、握手しちゃいました。」
剣道部の顧問が嬉しそうに、私に報告してくれた。
試合当日、ドタキャンしないといいな、と思う。
いずれにせよこの二人には、この先も何かしら運動には関わらせようと思っている。
「君たち、12月のマラソン大会は出るんだよ。」
彼らはニコッと笑って、頷いた。
○○とは、私の担任している生徒で、剣道部の部長である。
今週末に迫っている新人戦まで、あと数日だ。よく部活を休んでいたことは知っていたが、まさか退部を考えていたとは知らなかった。明朝は新人戦の壮行会だ。
「大会も、団体戦は出るけど、個人戦は出ないって言うんだよ。」
剣道の団体戦は5人で出場する。聞けば彼は中堅だそうで…。
しかし、それよりさらに問題なのが、もう一人の生徒であった。
「△△は、試合すら出ないって、昨日も説得したけど、練習に来なかったんだ。」
△△も、私の担任している生徒である。同じように部活を休んでいたのは知っていたが、大会直前の行動としては情けない。△△は団体戦の大将だ。
さっそく、一人ひとりを個別に呼び出し、話を聞いてみる。
どちらも、辞めるという意思は固いようだ。人間関係云々という訳ではないようだが…。
総体を終えて、すでに中3は引退している。
○○には、
「最後くらい、部長としての責任を果たさなきゃいけないよ。」
と、優しく諭した。明日の壮行会でも部長として話をする、と言う。
△△には、
「辞めるにしても、きちんと顧問の先生に礼を尽くしてからでないといけない。五人しかいない剣道部なんだから…。」
と、諭した。
二人とも、中学に入ってから剣道を始めた生徒で、一級を取っている。
「つらいことから逃げるような感じで、剣道部を辞めてしまうのは、なんか嫌だな…。」
「つらいわけではないんですけど…。」
○○はそう、つぶやいた。
その後、
「先生、△△が試合には出る、って言ってくれたんですよ。大丈夫だよなって、握手しちゃいました。」
剣道部の顧問が嬉しそうに、私に報告してくれた。
試合当日、ドタキャンしないといいな、と思う。
いずれにせよこの二人には、この先も何かしら運動には関わらせようと思っている。
「君たち、12月のマラソン大会は出るんだよ。」
彼らはニコッと笑って、頷いた。