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2020年08月30日

誕生日祝い

高3のY君が言う。
「日曜日がM君の18歳の誕生日なんですが、ここ何年か祝ってもらえないらしく、けっこう落ち込んでいるようなのです。」
「それじゃ、バーベキューでするか」、ということで、私の隠れ家の離れの囲炉裏でバーベキューをすることになった。

言い出しっぺのY君が、米炊き、囲炉裏の掃除や炭の火起こしなど、事前に準備をしてくれたので、私は、他の3人を昼前に隠れ家に連れて行くだけでよかった。

今朝は、朝練をし、高校野球が遠征のため、高校野球のグランドで練習。
熱すぎる身体を冷やすためにも、プールで泳いでから練習を終えたのだ。

「誕生日おめでとう!」
私を含めて5人だけの、ささやかな誕生日祝い。
猛暑の中で、炭火で焼き肉をするのも狂っているかもしれないが、肉は炭で焼いた方が美味しい。
「独身一日目、って,お祝いメールが来ました。」
と、M君。
まんざらでもなさそうだ。

昨今は、感染対策のために、人と人との接点が希薄になりつつある。
この傾向は、ただでも近所付き合いのない都会では特に顕著だろう。

大学だって、ほとんどがオンライン授業で、それなら通信制と変わらないではないか、という状況だ。
コロナへの恐怖心は、毎日のマスコミの報道とあいまって、ますます広がっている…。

「ご飯と肉、足りる?」
Y君が気を遣う。
「もう喰えません!」
皆が口をそろえた。

ほんとにささやかなパーティなので、私がなにか手料理を振る舞うこともなく、デザートもない。
でも、何となく至福の時を過ごせたような気がした。

私は、こうして教え子たちと過ごす時間がたまらなく好きだ。

「丹澤先生、いつまでこの家に住むんですか?」
「死ぬまでだよ…。」
「立て替えたり、庭の整備をしないんですか?」
「2000万くらいかかるかもね…。」
「ほう…。」
「資金提供してくれる?」
「もう少し待って下さい!」

こんなたわいない会話をH君とした。
頼もしい生徒である。

こんな風だと、私もかすかにこの学校の役に立っているのかな?、などと錯覚する。

朝、中2の生徒が、「丹澤先生、僕たちがいる間は辞めないで下さいね」、と言う。
ちょっと嬉しい気持ちになった…。
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