2020年02月10日

グランドにて

柴犬系の雑種だと思うが、毛もぐちゃぐちゃ。あちらこちらに傷もある。
ケンカのあとなのだろうか。
そんな痛々しい姿の犬を連れて散歩している老人に声を「こんにちは〜」、と声を掛けた。

「いつ練習しているんだ。」
「木曜日以外の毎日です。」

野球部が借りている近隣のグランドの外周の路を歩いているのだから、地元の人である。
今までに見たことのない方であった。

「これは、ここの卒業生なんだ。その頃には珍しく体育館もあったんだぞ。」
このグランドは、廃校になった中学校の跡地にある。

私たちが使う前は、ススキが生い茂り、荒れた草原のようになっていたが、少しずつ草刈りしながら領域を広げているうちに、除染が入り、自治体が新たに整備してくれたのだ。

そんな廃校になったところで私たちは練習している。
彼らから見れば、子供たちの声が聞こえてくるのは嬉しいはずだ。
だから、いろいろな人が声を掛けてくる。

そばの工事現場の電気屋さんも来た。
「あれ、今日は工事が休みか…。」
そう、いいながらも野球の練習を見ている。

聞けば、息子も孫も野球をやっていたという。
「やっぱ、野球は楽しいからな…。」
と、サッカー人気を憂うように話をしていてくださった。

「最近は、エラーしても責めちゃいけないって言うじゃないか…。」
昨今の野球人口減少に、指導者側も厳しい指導ができなくなっている。
この人も、ここの中学校の卒業生だった。

個性尊重と言うけれど、野球はチームプレーなのだ。

そう思うと、私の指導もずいぶん優しくなった。

それでも、彼らの成長を見るのは面白い。

こうして地元のいろいろな方と話すのも面白い。

今やなくなってしまった中学校の跡地のグランドで、また若人たちが野球をやっている。

薄暗くなって、片付けを始めようとした頃、一匹の狸が走り去った。

自然と共生しているグランドでもある。
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